EPISODE · Feb 11, 2025 · 8 MIN
ボイスドラマ「Anniversary」後編
from ボイスドラマ〜Interior Dream · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、インテリアドリーム
「Anniversary」後編は、大学を卒業し、それぞれの道を歩み始めた二人の姿を描いています。忙しい毎日を過ごしながらも、かつての想いを大切にし続ける彼と彼女。その関係は、4年前とはまた違った形に変化しています。今回のテーマは、インテリアブランド「ねむりデザインLABO」。睡眠の大切さを再認識しながら、互いの未来を見据える二人の姿に注目してください。そして、最後に待っている「サプライズ」は、どんな形で訪れるのでしょうか?【登場人物】・彼女(25歳)・・・売り出し中の若手声優。毎日スケジュールに追われ、アニメやゲームのアフレコに追われ、オーディションに追われ、寝る間もなく活動している(CV:桑木栄美里)・彼(25歳)・・・大学卒業後、内定していた就職先を辞退して、2浪してこの春から獣医になる。今はペットクリニックで働いている。誕生日は彼女と同じく3月(CV:日比野正裕)<シーン1:カフェ>(SE〜カフェのガヤ〜紅茶を飲む音)彼女: 「合格おめでとう」彼: 「ありがとう」彼女: 「晴れて春から動物のお医者さんね」彼: 彼女は獣医のことを”動物のお医者さん”と言う。 そういえば、昔、そんなアニメかマンガがあったような。 いま売り出し中の若手声優の彼女。 まだレギュラーのアニメや映画出演があるわけじゃないけど 僕から見ても、表現のレベルは相当高いし、センスもいい。 3歳の頃から朗読の勉強をはじめていま25歳。 まあ20年以上のキャリアがあるようなもんか。 だからかな、 アニメやゲームのアフレコ、PVのナレーション、Vチューバーと 休みなく活動している。 今日彼女と会えたのも、2か月ぶりだ。彼女: 「顔を合わせるのって、久しぶりね」彼: 「56日ぶり」彼女: 「なかなか会えなくてごめんね」彼: 「いいことじゃないか。 それだけ君に需要があるっていう意味だから」彼女: 「そうかなあ」彼: 「そうだよ」彼女: 「声優人気がハンパない今のうちに、フル回転させられてるって感じ」彼: 「そんなことないさ。 どんなロジックでも売れていくことはいいことだろ」彼女: 「たまに思うんだよね。 私じゃなくてほかの声優さんでも結果は同じじゃないかって」彼: 「合否の結果は同じでも、 君じゃなければ世に出るものの価値がまったく違う」彼女: 「そう?」彼: 「僕はこっち側の人間だからね。 受け手として感じたままを正直に言ってるだけ」彼女: 「そういうとこ、理系の彼氏でよかったわ」彼: 「今はブームのせいで作品も表現者も粗製濫造のイメージだけど あっという間に淘汰されていくと思うよ」彼女: 「ありがとう」彼: いつの間にか、僕はいっぱしのコメンテーター気取りだ。 伴走者のつもりで彼女と会話をするうちに 声優業界についても妙に玄人はだしになってしまった。 久しぶりの逢瀬は、彼女がエスプレッソ3杯、僕がアールグレイ4杯。 3時間たっぷりと話し合った。 このあとは、いつものルーティン。 4年前のあの日以来、僕たちのデートコースに組み込まれた場所があるんだ。<シーン2/インテリアショップ(ねむりデザインLABO)>(SE〜インテリアショップのガヤ)彼女: 「このお店、もう私たちの定番コースね」彼: 屈託のない笑顔で彼女が、口角を上げる。 ここは、いつものインテリアショップ。 4年前、初詣の帰りにふと立ち寄った家具屋さんだ。 あの頃いつも見ていたのは、 まばゆいインテリア雑貨とアート。 まるで『不思議の国』のような世界に夢中だった。 でも、最近は・・・彼女: 「やっぱり真っ先にベッドコーナーに行くのね」彼: 「ベッドコーナーじゃなくて、ねむりデザインLABOだよ」彼女: 「ラボ、だなんて、あなたの口から出るとすっごい説得力」彼: 「本当にラボ、研究所じゃないか。 獣医の国家試験に合格するまで、僕はずうっと睡眠障害だったのに」彼女: 「私だって何年も不眠症に悩まされていたけど」彼: 「スリープアドバイザーに相談してよかっただろ」彼女: 「そうね。私も知らなかったわ。 睡眠障害が、枕やマットレスで改善されるなんて」彼: 「まあ、それは厚労省のサイトにも明記されているけどね」彼女: 「わあ、また理系っぽい話し方」彼: 「すぐそうやってバカにする」彼女: 「してないわよ。 だって、睡眠の質が人生の質をあげるんでしょ」彼: 「もちろんさ。人生の1/3は睡眠時間だしね」彼女: 「お互いに、ステップアップしていかなきゃ」彼: 「そうだな。 ちゃんと快眠できれば、獣医としての仕事の質も上がる」彼女: 「私もベストコンディションでスタジオに入れるもの」彼: 「早く次のステップへ行きたいな」彼女: 「それは仕事?私たちの関係?」彼: 「どっちも。だって両方大切だろ」彼女: 「うん。でも・・・」彼: 「なに?」彼女: 「ううん、なんでもない」彼: 次のステップ。 彼女が考えるステップは何を表す言葉だろう。 果たして僕と彼女の思いに齟齬はないだろうか。 あ、また、”齟齬”だなんて言葉を使ったら彼女に注意されるかな。<シーン3/街中を歩く2人>(SE〜街角のガヤ〜2人の足音)彼女: 「ねえ、今日はアパートでご飯食べない?」彼: 「え?」彼女: 「なんか、外食もう飽きちゃった」彼: 「でも、食べるものあったっけ」彼女: 「適当にデリバリーすればいいじゃない」彼: 「あ、そうか、いいよ」 彼女の横顔が僕から視線をはずす。 少しだけ口元が緩んだように見えたのは気のせいかな。 彼女とはお互いのアパートを行き来する関係。 今日は僕がオペで遅くなったから クリニックの近くで彼女が待っていてくれた。 こうやって何気ない会話をしながら、 一緒に歩いて家に帰るってのもいいもんだな。 やがて、アパートが見えてきた。 彼女は・・・ なんだか、笑いを殺したポーカーフェイスみたいに見えるけど。 僕たちは、腕を組んでエントランスからエレベータに乗る。 13階で降りれば、部屋はすぐ目の前だ。彼: 「あ?灯りがつけっぱなしだ 朝、そのままで出ちゃったのかなあ」 慌ててロックをはずし、部屋の中へ。彼: 「え!」 食卓の上に、豪華な料理が並んでいる。 料理の横には2つのシャンパングラス。 驚いて振り返ると・・・ 彼女: 「サプラ〜イズ!!」(SE〜シャンパンのボトルを開く音)彼: 彼女がシャンパンのコルクを抜く。 片手に瓶を持ち、満面の笑みで彼女: 「ハッピーバースデー!!」彼: 「あ・・・」彼女: 「4年前のリベンジよ」彼: 「そうか・・・ 忙しさにかまけて、すっかり忘れていた。 今日は・・・」彼女: 「自分の誕生日も忘れてたでしょ」彼: 「うん・・・」彼女: 「もう大変だったんだから。 あなたが帰る時間を逆算して一生懸命料理を作ったのよ」彼: 「ありがとう・・・」彼女: 「ふふん、お礼はまだ早いと思うけどなあ」彼: 「え・・・」彼女: 「寝室へ入ってみて」彼: 慌てて寝室の扉をあけると、 「あ!」彼女: 「もうひとつサプラ〜イズ!!」■BGM〜「インテリアドリーム」彼: 僕のほしかった電動ベッドがそこにあった。彼女: 「これが、私からのバースデープレゼント」彼: 「そんな・・・こんな高いもの」彼女: 「なに言ってるの。 先月のお給料が入ったばかりだし。 いまの電動ベッドは私のギャラでも十分買えるわよ」彼: 「嬉しくて言葉が出ないよ・・」彼女: 「スリープアドバイザーに相談してセミダブルにしたの。 リクライニングソファのように2人寝そべってアニメ見られるわよ」彼: 「もうすぐ君が主演するアニメを見られそうだね」彼女: 「だといいけど」彼: 「来週の君の誕生日、サプライズしようと思ってたのに」彼女: 「え、言わないでよ!ネタバレはなし」彼: 「了解」彼女: 「さ、料理、冷めちゃう前に、食べましょ」彼: 「ああ」 僕は、ずっと胸ポケットにしまってある小さな箱に手をあてた。 ネタバレなしなら仕方がない。 来週の彼女の誕生日に、ひざまづいてサプライズしよう。
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「Anniversary」後編は、大学を卒業し、それぞれの道を歩み始めた二人の姿を描いています。忙しい毎日を過ごしながらも、かつての想いを大切にし続ける彼と彼女。その関係は、4年前とはまた違った形に変化しています。今回のテーマは、インテリアブランド「ねむりデザインLABO」。睡眠の大切さを再認識しながら、互いの未来を見据える二人の姿に注目してください。そして、最後に待っている「サプライズ」は、どんな形で訪れるのでしょうか?【登場人物】・彼女(25歳)・・・売り出し中の若手声優。毎日スケジュールに追われ、アニメやゲームのアフレコに追われ、オーディションに追われ、寝る間もなく活動している(CV:桑木栄美里)・彼(25歳)・・・大学卒業後、内定していた就職先を辞退して、2浪してこの春から獣医になる。今はペットクリニックで働いている。誕生日は彼女と同じく3月(CV:日比野正裕)<シーン1:カフェ>(SE〜カフェのガヤ〜紅茶を飲む音)彼女: 「合格おめでとう」彼: 「ありがとう」彼女: 「晴れて春から動物のお医者さんね」彼: 彼女は獣医のことを”動物のお医者さん”と言う。 そういえば、昔、そんなアニメかマンガがあったような。 いま売り出し中の若手声優の彼女。 まだレギュラーのアニメや映画出演があるわけじゃないけど 僕から見ても、表現のレベルは相当高いし、センスもいい。 3歳の頃から朗読の勉強をはじめていま25歳。 まあ20年以上のキャリアがあるようなもんか。 だからかな、 アニメやゲームのアフレコ、PVのナレーション、Vチューバーと 休みなく活動している。 今日彼女と会えたのも、2か月ぶりだ。彼女: 「顔を合わせるのって、久しぶりね」彼: 「56日ぶり」彼女: 「なかなか会えなくてごめんね」彼: 「いいことじゃないか。 それだけ君に需要があるっていう意味だから」彼女: 「そうかなあ」彼: 「そうだよ」彼女: 「声優人気がハンパない今のうちに、フル回転させられてるって感じ」彼: 「そんなことないさ。 どんなロジックでも売れていくことはいいことだろ」彼女: 「たまに思うんだよね。 私じゃなくてほかの声優さんでも結果は同じじゃないかって」彼: 「合否の結果は同じでも、 君じゃなければ世に出るものの価値がまったく違う」彼女: 「そう?」彼: 「僕はこっち側の人間だからね。 受け手として感じたままを正直に言ってるだけ」彼女: 「そういうとこ、理系の彼氏でよかったわ」彼: 「今はブームのせいで作品も表現者も粗製濫造のイメージだけど あっという間に淘汰されていくと思うよ」彼女: 「ありがとう」彼: いつの間にか、僕はいっぱしのコメンテーター気取りだ。 伴走者のつもりで彼女と会話をするうちに 声優業界についても妙に玄人はだしになってしまった。 久しぶりの逢瀬は、彼女がエスプレッソ3杯、僕がアールグレイ4杯。 3時間たっぷりと話し合った。 このあとは、いつものルーティン。 4年前のあの日以来、僕たちのデートコースに組み込まれた場所があるんだ。<シーン2/インテリアショップ(ねむりデザインLABO)>(SE〜インテリアショップのガヤ)彼女: 「このお店、もう私たちの定番コースね」彼: 屈託のない笑顔で彼女が、口角を上げる。 ここは、いつものインテリアショップ。 4年前、初詣の帰りにふと立ち寄った家具屋さんだ。 あの頃いつも見ていたのは、 まばゆいインテリア雑貨とアート。 まるで『不思議の国』のような世界に夢中だった。 でも、最近は・・・彼女: 「やっぱり真っ先にベッドコーナーに行くのね」彼: 「ベッドコーナーじゃなくて、ねむりデザインLABOだよ」彼女: 「ラボ、だなんて、あなたの口から出るとすっごい説得力」彼: 「本当にラボ、研究所じゃないか。 獣医の国家試験に合格するまで、僕はずうっと睡眠障害だったのに」彼女: 「私だって何年も不眠症に悩まされていたけど」彼: 「スリープアドバイザーに相談してよかっただろ」彼女: 「そうね。私も知らなかったわ。 睡眠障害が、枕やマットレスで改善されるなんて」彼: 「まあ、それは厚労省のサイトにも明記されているけどね」彼女: 「わあ、また理系っぽい話し方」彼: 「すぐそうやってバカにする」彼女: 「してないわよ。 だって、睡眠の質が人生の質をあげるんでしょ」彼: 「もちろんさ。人生の1/3は睡眠時間だしね」彼女: 「お互いに、ステップアップしていかなきゃ」彼: 「そうだな。 ちゃんと快眠できれば、獣医としての仕事の質も上がる」彼女: 「私もベストコンディションでスタジオに入れるもの」彼: 「早く次のステップへ行きたいな」彼女: 「それは仕事?私たちの関係?」彼: 「どっちも。だって両方大切だろ」彼女: 「うん。でも・・・」彼: 「なに?」彼女: 「ううん、なんでもない」彼: 次のステップ。 彼女が考えるステップは何を表す言葉だろう。 果たして僕と彼女の思いに齟齬はないだろうか。 あ、また、”齟齬”だなんて言葉を使ったら彼女に注意されるかな。<シーン3/街中を歩く2人>(SE〜街角のガヤ〜2人の足音)彼女: 「ねえ、今日はアパートでご飯食べない?」彼: 「え?」彼女: 「なんか、外食もう飽きちゃった」彼: 「でも、食べるものあったっけ」彼女: 「適当にデリバリーすればいいじゃない」彼: 「あ、そうか、いいよ」 彼女の横顔が僕から視線をはずす。 少しだけ口元が緩んだように見えたのは気のせいかな。 彼女とはお互いのアパートを行き来する関係。 今日は僕がオペで遅くなったから クリニックの近くで彼女が待っていてくれた。 こうやって何気ない会話をしながら、 一緒に歩いて家に帰るってのもいいもんだな。 やがて、アパートが見えてきた。 彼女は・・・ なんだか、笑いを殺したポーカーフェイスみたいに見えるけど。 僕たちは、腕を組んでエントランスからエレベータに乗る。 13階で降りれば、部屋はすぐ目の前だ。彼: 「あ?灯りがつけっぱなしだ 朝、そのままで出ちゃったのかなあ」 慌ててロックをはずし、部屋の中へ。彼: 「え!」 食卓の上に、豪華な料理が並んでいる。 料理の横には2つのシャンパングラス。 驚いて振り返ると・・・ 彼女: 「サプラ〜イズ!!」(SE〜シャンパンのボトルを開く音)彼: 彼女がシャンパンのコルクを抜く。 片手に瓶を持ち、満面の笑みで彼女: 「ハッピーバースデー!!」彼: 「あ・・・」彼女: 「4年前のリベンジよ」彼: 「そうか・・・ 忙しさにかまけて、すっかり忘れていた。 今日は・・・」彼女: 「自分の誕生日も忘れてたでしょ」彼: 「うん・・・」彼女: 「もう大変だったんだから。 あなたが帰る時間を逆算して一生懸命料理を作ったのよ」彼: 「ありがとう・・・」彼女: 「ふふん、お礼はまだ早いと思うけどなあ」彼: 「え・・・」彼女: 「寝室へ入ってみて」彼: 慌てて寝室の扉をあけると、 「あ!」彼女: 「もうひとつサプラ〜イズ!!」■BGM〜「インテリアドリーム」彼: 僕のほしかった電動ベッドがそこにあった。彼女: 「これが、私からのバースデープレゼント」彼: 「そんな・・・こんな高いもの」彼女: 「なに言ってるの。 先月のお給料が入ったばかりだし。 いまの電動ベッドは私のギャラでも十分買えるわよ」彼: 「嬉しくて言葉が出ないよ・・」彼女: 「スリープアドバイザーに相談してセミダブルにしたの。 リクライニングソファのように2人寝そべってアニメ見られるわよ」彼: 「もうすぐ君が主演するアニメを見られそうだね」彼女: 「だといいけど」彼: 「来週の君の誕生日、サプライズしようと思ってたのに」彼女: 「え、言わないでよ!ネタバレはなし」彼: 「了解」彼女: 「さ、料理、冷めちゃう前に、食べましょ」彼: 「ああ」 僕は、ずっと胸ポケットにしまってある小さな箱に手をあてた。 ネタバレなしなら仕方がない。 来週の彼女の誕生日に、ひざまづいてサプライズしよう。
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