EPISODE · Feb 14, 2025 · 10 MIN
ボイスドラマ「遅れてきた春」前編
from ボイスドラマ〜Interior Dream · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、インテリアドリーム
『遅れてきた春/ねむりデザインLABO』は、異なる世界に生きる二人——小学校の教師とVチューバーの女性が、キャリア授業を通じて出会い、「眠り」をきっかけに心を通わせる物語です。春の訪れは誰にでも平等ですが、そのタイミングは人それぞれ。子どもが苦手なVチューバーと、子どもが大好きな教師。正反対の二人が偶然の出会いを重ね、やがて特別な時間を過ごすようになる。そんな「少し遅れてきた春」の物語をお楽しみください。この物語は、家具とインテリアの「ねむりデザインLABO」を舞台に描かれ、眠りの悩みや快適な睡眠環境についても触れています。物語を楽しみながら、あなたの「眠り」についても考えるきっかけになれば嬉しいです【登場人物】・女性(25歳)・・・Vチューバー。この春4月から名古屋市内の小学校で始まったキャリア授業でアバターのキャラクターを作りスーツを着て動かす授業を担当する。実は子供が苦手(CV:桑木栄美里)・男性(27歳)・・・22歳の新卒時に教員免許を取得。小学校で五年生の担任をつとめるとともに課外活動やボーイスカウトも含め積極的にいろいろな活動に取り組んでいる。この春新任の女性教諭にキャリア教育をお願いしている。子供が大好き(CV:日比野正裕)【Story〜「遅れてきた春/ねむりデザインLABO/前編」】<シーン1/小学校の教室>(SE〜学校のチャイム/小学校の教室)彼女: 「みなさん、はじめまして。 私はVチューバーです」 (SE〜小学校の教室/「おお〜」というどよめきがおこる)彼: 「なんだ、みんな知ってるのか? 一応、先生からも説明しておくぞ」◾️BGM/彼: 小学校五年生の教室。 男の子も女の子も、みんな興味津々だ。 今回お願いしたのは、女性のVチューバー。 顔出しはNGなので覆面をしている。 元々は、お芝居とかダンスをするのが生業(なりわい)だそうだ。 それでも最近は、芝居よりVチューバーの方が忙しいという。 黒板と、生徒たちとの間には小さな衝立。 彼女はその向こう側へ移動して覆面を脱いだ。 事前にセッティングされたカメラの前に立つと 大型モニターの中のキャラクターが目覚める。 彼女の動きに合わせてキャラクターが踊りだした。 クラス中に歓声が上がる。 私は学年主任でこのクラスの担任教諭。 春からスタートしたキャリア教育の授業を担当している。 子供たちの視線を一斉に浴びながら キャラクターがポーズを決める。 エンターテインメント満載の授業。 1コーラスのボカロミュージックに合わせたダンスのあと、 彼女は再び覆面をして生徒たちの前に立った。彼女: 「今度はみんなにもキャラクターを動かしてもらいましょ」 どよめきと大歓声。 そのあとは、順番争いが起きるほど、大いに盛り上がった。(SE〜学校のチャイム/夕暮れのイメージ/カラスの鳴き声とか) 彼: 「先生!」彼女: 「あ、はい・・・」彼: 2コマ連続の授業。 終わって帰ろうとするVチューバーを呼び止めた。彼女: 「なんでしょう?」彼: 「今日はどうもありがとうございました」彼女: 「いえ、こちらこそ。 あんな感じでよかったのかしら」彼: 「はい。 子供達があんなに目をキラキラさせたの、ホント久しぶりです」彼女: 「そうですか」彼: 「よかったらお茶でも飲んで少しお話しませんか? あと15分でホームルーム終わりますから」彼女: 「ありがとうございます。 でも、ちょっと今日は・・・先約がありますので。 また誘ってください」 彼: 「そうですか・・・ わかりました。じゃあまた今度。きっとですよ」彼: 考えるより先に言葉が出てしまった。ちょっと強引すぎたかな。彼女は曖昧な笑顔で校門をあとにした。<シーン2/ねむりデザインLABO>(SE〜店内の雑踏)彼: 放課後のホームルームが思ったより早く終わったので いつもの家具屋さんへ足を向ける。 行き先はこれまたいつものベッドコーナー。 ねむりデザインLABO、というらしい。 最近ずうっと寝不足で体調が悪い。 枕を変えて少しは眠れるようになったけど、 首・肩・腰の痛みは慢性的になってきてるなあ。 そんなことを思いながら、 デザイン的に並べられたベッドを見ていたとき。 電動ベッドに横になる女性に目がいった。 くつろいで目を瞑るスレンダーな寝姿。 思わず近寄っていくと・・・彼女: 「あ・・・」彼: 「あれ? 先・・生?」彼女: 「え?」彼: 「僕です。今日キャリア授業でお世話になった小学校の・・・」彼女: 「ああ、担任の。 いやあね、こんなところを見られちゃうなんて」彼: 「いえいえ、それにしても奇遇ですねえ。 先生も家具屋さんにいらしてるなんて」彼女: 「はあ・・・。 あのう・・・」彼: 「はい」彼女: 「その、”先生”と呼ぶの、やめていただけません?」彼: 「え」彼女: 「私、そんな、先生なんて呼ばれるような人間じゃないので」彼: 「や、これは失礼。 講師としてお招きしているのでつい」彼: しまった。なんか気まずいかな。彼: 「以後気をつけます」彼女: 「あ、いえ、そんなつもりじゃないので」彼: 起きあがろうとする彼女を制して声をかける。彼: 「あ、そのままそのまま。 ところで先生、じゃなくて、 あ、あなたもベッドを探しているんですか?」彼: 彼女は小さく微笑みながら、うなづく。彼: 「ひょっとして眠りの悩みがあるとか?」彼女: 「はい。Vチューバーって仕事がら首・肩がいつも凝っちゃうんです」彼: 「ああ!実は僕もなんです!」彼女: 「先生も?」彼: 「授業って立ちっぱなしでしょ。 しかも黒板って、割と上を向いて書いたりするので」彼女: 「へえ〜」彼: 「首・肩と、腰、かな」彼女: 「全部じゃないですか」彼: 「そうなんです。だからよくここへきて相談してるんです」彼女: 「相談?」彼: 「はい。スリープアドバイザーに」彼女: 「まあ。先生も・・・」彼: 「え?ってことは・・・」彼女: 「ええ。私もスリープアドバイザーに相談してます」彼: 「そうなんだー」彼女: 「先週は、頭の形を測ってもらいました。 首のS字の深さもわかるので、枕を変えてみたんです」彼: 「あ、僕もそれやりました。 今使ってる枕の高さ、 全然合ってなかったのがわかって、ショックだったなあ」彼女: 「おんなじですね」彼: 「ほんとですね! 実はいま、ベッドも買い換えようかと思ってて」彼女: 「どんなベッドを検討してるんですか?」彼: 「なんか、いろんな種類があるみたいなんで、迷ってます」彼女: 「体圧分散してくれるのがいいって聞きました」彼: 「体圧分散! 僕、骨太なんで、それすごく重要です。 電動ベッドはどうですか?」彼女: 「すっごく気持ちいい。 宙に浮いてるみたい」彼: 電動ベッドの足と背中をリクライニングさせながら うっとりした表情で彼女が答える。彼: 「あ、それいいかも」彼女: 「じゃあ、一緒にスリープアドバイザーに相談してみましょうか」彼: 「はい!」彼女: 「そんな、敬語っぽい話し方じゃなくていいですよ。 先生の方が、年上なんですから」彼: 「ああ、わかりました。 じゃあ、僕からもひとつ、いやふたつお願いしていいですか?」彼女: 「なんでしょう」彼: 「僕のことも”先生”って呼ぶの、やめてください」彼女: 「え、だって、先生じゃないですか」彼: 「いまは先生じゃないですよ」彼女: 「なんて呼べばいいんですか?」彼: 「なんでもいいです。先生以外なら。名前でも・・・」彼女: 「え?」彼: 「あ、いえいえ。なにも」彼女: 「もうひとつのお願いは?」彼: 「ああ、えっと、 このあと、お茶でもしながら、もう少しだけお話しませんか」彼女: 「あ・・・」■BGM〜「インテリアドリーム」彼: あ。言っちゃった。 1日に2回も断られたら立ち直れないなあ。 でも、彼女から返ってきた答えは、僕の不安を吹き飛ばした。彼女: 「お茶っていうより、もう食事の時間ですね」彼: 「それならもちろん!」彼: おもわず満面の笑みで答えてしまう。 遠くで僕たちを見ていたスリープアドバイザーが優しく微笑んでいる。 きっとものすごくわかりやすい表情をしていたのだろう。 彼女はベッドをリクライニングさせたまま吹き出した。 この日、この瞬間から、僕と彼女の物語はスタートした。 小学校の教師とVチューバー。 出演キャラの組み合わせとしては異色になるのかな・・・ 遅い春の予感は、僕の胸にときめきを運んできた。
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『遅れてきた春/ねむりデザインLABO』は、異なる世界に生きる二人——小学校の教師とVチューバーの女性が、キャリア授業を通じて出会い、「眠り」をきっかけに心を通わせる物語です。春の訪れは誰にでも平等ですが、そのタイミングは人それぞれ。子どもが苦手なVチューバーと、子どもが大好きな教師。正反対の二人が偶然の出会いを重ね、やがて特別な時間を過ごすようになる。そんな「少し遅れてきた春」の物語をお楽しみください。この物語は、家具とインテリアの「ねむりデザインLABO」を舞台に描かれ、眠りの悩みや快適な睡眠環境についても触れています。物語を楽しみながら、あなたの「眠り」についても考えるきっかけになれば嬉しいです【登場人物】・女性(25歳)・・・Vチューバー。この春4月から名古屋市内の小学校で始まったキャリア授業でアバターのキャラクターを作りスーツを着て動かす授業を担当する。実は子供が苦手(CV:桑木栄美里)・男性(27歳)・・・22歳の新卒時に教員免許を取得。小学校で五年生の担任をつとめるとともに課外活動やボーイスカウトも含め積極的にいろいろな活動に取り組んでいる。この春新任の女性教諭にキャリア教育をお願いしている。子供が大好き(CV:日比野正裕)【Story〜「遅れてきた春/ねむりデザインLABO/前編」】<シーン1/小学校の教室>(SE〜学校のチャイム/小学校の教室)彼女: 「みなさん、はじめまして。 私はVチューバーです」 (SE〜小学校の教室/「おお〜」というどよめきがおこる)彼: 「なんだ、みんな知ってるのか? 一応、先生からも説明しておくぞ」◾️BGM/彼: 小学校五年生の教室。 男の子も女の子も、みんな興味津々だ。 今回お願いしたのは、女性のVチューバー。 顔出しはNGなので覆面をしている。 元々は、お芝居とかダンスをするのが生業(なりわい)だそうだ。 それでも最近は、芝居よりVチューバーの方が忙しいという。 黒板と、生徒たちとの間には小さな衝立。 彼女はその向こう側へ移動して覆面を脱いだ。 事前にセッティングされたカメラの前に立つと 大型モニターの中のキャラクターが目覚める。 彼女の動きに合わせてキャラクターが踊りだした。 クラス中に歓声が上がる。 私は学年主任でこのクラスの担任教諭。 春からスタートしたキャリア教育の授業を担当している。 子供たちの視線を一斉に浴びながら キャラクターがポーズを決める。 エンターテインメント満載の授業。 1コーラスのボカロミュージックに合わせたダンスのあと、 彼女は再び覆面をして生徒たちの前に立った。彼女: 「今度はみんなにもキャラクターを動かしてもらいましょ」 どよめきと大歓声。 そのあとは、順番争いが起きるほど、大いに盛り上がった。(SE〜学校のチャイム/夕暮れのイメージ/カラスの鳴き声とか) 彼: 「先生!」彼女: 「あ、はい・・・」彼: 2コマ連続の授業。 終わって帰ろうとするVチューバーを呼び止めた。彼女: 「なんでしょう?」彼: 「今日はどうもありがとうございました」彼女: 「いえ、こちらこそ。 あんな感じでよかったのかしら」彼: 「はい。 子供達があんなに目をキラキラさせたの、ホント久しぶりです」彼女: 「そうですか」彼: 「よかったらお茶でも飲んで少しお話しませんか? あと15分でホームルーム終わりますから」彼女: 「ありがとうございます。 でも、ちょっと今日は・・・先約がありますので。 また誘ってください」 彼: 「そうですか・・・ わかりました。じゃあまた今度。きっとですよ」彼: 考えるより先に言葉が出てしまった。ちょっと強引すぎたかな。彼女は曖昧な笑顔で校門をあとにした。<シーン2/ねむりデザインLABO>(SE〜店内の雑踏)彼: 放課後のホームルームが思ったより早く終わったので いつもの家具屋さんへ足を向ける。 行き先はこれまたいつものベッドコーナー。 ねむりデザインLABO、というらしい。 最近ずうっと寝不足で体調が悪い。 枕を変えて少しは眠れるようになったけど、 首・肩・腰の痛みは慢性的になってきてるなあ。 そんなことを思いながら、 デザイン的に並べられたベッドを見ていたとき。 電動ベッドに横になる女性に目がいった。 くつろいで目を瞑るスレンダーな寝姿。 思わず近寄っていくと・・・彼女: 「あ・・・」彼: 「あれ? 先・・生?」彼女: 「え?」彼: 「僕です。今日キャリア授業でお世話になった小学校の・・・」彼女: 「ああ、担任の。 いやあね、こんなところを見られちゃうなんて」彼: 「いえいえ、それにしても奇遇ですねえ。 先生も家具屋さんにいらしてるなんて」彼女: 「はあ・・・。 あのう・・・」彼: 「はい」彼女: 「その、”先生”と呼ぶの、やめていただけません?」彼: 「え」彼女: 「私、そんな、先生なんて呼ばれるような人間じゃないので」彼: 「や、これは失礼。 講師としてお招きしているのでつい」彼: しまった。なんか気まずいかな。彼: 「以後気をつけます」彼女: 「あ、いえ、そんなつもりじゃないので」彼: 起きあがろうとする彼女を制して声をかける。彼: 「あ、そのままそのまま。 ところで先生、じゃなくて、 あ、あなたもベッドを探しているんですか?」彼: 彼女は小さく微笑みながら、うなづく。彼: 「ひょっとして眠りの悩みがあるとか?」彼女: 「はい。Vチューバーって仕事がら首・肩がいつも凝っちゃうんです」彼: 「ああ!実は僕もなんです!」彼女: 「先生も?」彼: 「授業って立ちっぱなしでしょ。 しかも黒板って、割と上を向いて書いたりするので」彼女: 「へえ〜」彼: 「首・肩と、腰、かな」彼女: 「全部じゃないですか」彼: 「そうなんです。だからよくここへきて相談してるんです」彼女: 「相談?」彼: 「はい。スリープアドバイザーに」彼女: 「まあ。先生も・・・」彼: 「え?ってことは・・・」彼女: 「ええ。私もスリープアドバイザーに相談してます」彼: 「そうなんだー」彼女: 「先週は、頭の形を測ってもらいました。 首のS字の深さもわかるので、枕を変えてみたんです」彼: 「あ、僕もそれやりました。 今使ってる枕の高さ、 全然合ってなかったのがわかって、ショックだったなあ」彼女: 「おんなじですね」彼: 「ほんとですね! 実はいま、ベッドも買い換えようかと思ってて」彼女: 「どんなベッドを検討してるんですか?」彼: 「なんか、いろんな種類があるみたいなんで、迷ってます」彼女: 「体圧分散してくれるのがいいって聞きました」彼: 「体圧分散! 僕、骨太なんで、それすごく重要です。 電動ベッドはどうですか?」彼女: 「すっごく気持ちいい。 宙に浮いてるみたい」彼: 電動ベッドの足と背中をリクライニングさせながら うっとりした表情で彼女が答える。彼: 「あ、それいいかも」彼女: 「じゃあ、一緒にスリープアドバイザーに相談してみましょうか」彼: 「はい!」彼女: 「そんな、敬語っぽい話し方じゃなくていいですよ。 先生の方が、年上なんですから」彼: 「ああ、わかりました。 じゃあ、僕からもひとつ、いやふたつお願いしていいですか?」彼女: 「なんでしょう」彼: 「僕のことも”先生”って呼ぶの、やめてください」彼女: 「え、だって、先生じゃないですか」彼: 「いまは先生じゃないですよ」彼女: 「なんて呼べばいいんですか?」彼: 「なんでもいいです。先生以外なら。名前でも・・・」彼女: 「え?」彼: 「あ、いえいえ。なにも」彼女: 「もうひとつのお願いは?」彼: 「ああ、えっと、 このあと、お茶でもしながら、もう少しだけお話しませんか」彼女: 「あ・・・」■BGM〜「インテリアドリーム」彼: あ。言っちゃった。 1日に2回も断られたら立ち直れないなあ。 でも、彼女から返ってきた答えは、僕の不安を吹き飛ばした。彼女: 「お茶っていうより、もう食事の時間ですね」彼: 「それならもちろん!」彼: おもわず満面の笑みで答えてしまう。 遠くで僕たちを見ていたスリープアドバイザーが優しく微笑んでいる。 きっとものすごくわかりやすい表情をしていたのだろう。 彼女はベッドをリクライニングさせたまま吹き出した。 この日、この瞬間から、僕と彼女の物語はスタートした。 小学校の教師とVチューバー。 出演キャラの組み合わせとしては異色になるのかな・・・ 遅い春の予感は、僕の胸にときめきを運んできた。
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