EPISODE · Feb 7, 2025 · 7 MIN
ボイスドラマ「大学祭のピルエット」前編
from ボイスドラマ〜Interior Dream · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、インテリアドリーム
「大学祭のピルエット」は親子の何気ない会話から、時を遡りながら描かれる“人生のワルツ”です。自分の知らなかった母の過去、そして一つの写真をきっかけに明かされる思い出——。新生活を迎えるとき、誰もが思い出の中にある「大切なもの」を振り返ることがあるのではないでしょうか? この作品は 服部家具センター「インテリアドリーム」 の公式サイトをはじめ、Spotify、Amazon、AppleなどのPodcastプラットフォームで配信 されています 登場人物 ・母/妻(51歳/21歳)・・・大学生時代は演劇部とダンス部をかけもち/現在は社会福祉法人で介護士をしながら、市民ミュージカル劇団で教えているが息子は知らない(CV:桑木栄美里) ・息子(21歳)・・・大学4年生でYouTuber。特技を生かして映像作家になるのが夢(CV:日比野正裕) <息子21歳/母51歳> (SE〜家庭の環境音/料理の音など) 息子: 「ねえ、ママ。このひとだれ?」 (BGM〜) 母: 息子がキッチンへ持ってきたのは1枚の写真。 それは、スポットライトを浴びてパンシェ(※)を決める、 赤いドレスのバレリーナ。 ・・・30年前の私だ。 やあねえ、どこから掘り出してきたのかしら。 息子: 「ママ?」 母: 「さあ、だれかしら?」 息子: 「この写真、パパのカバンから落ちてたんだけど、きれいな人だよね」 母: 「そう?」 息子: 「え・・・ひょっとして・・・これ、ママ・・・なの?」 母: 「どうかな」 息子: 「すご!ママ、カッケー!」 母: 「そういう口の聞き方やめなさい」 息子: 「ダンスとかやってたんだ?」 母: 「クラシックダンス。バレエよ」 息子: 「ぜんぜん知らなかった!」 母: そういえば、言ってなかったわね。 私、幼い頃からクラシックバレエをやってて、いつも踊ってた。 息子: 「これはいつの写真?何歳?」 母: これは・・・ そう、大学最後の年だ。 21歳だからちょうど今のこの子と同い年ね。 大学祭のときのステージだったと思うけど。 ステージで踊り、その衣装のままカフェで給仕もしたんだわ。 同級生のパパとは演劇部で一緒だったんだけど、 私はミュージカル志望だったから、ダンス部とかけもち。 いつか2人でミュージカルの大舞台に立とう、なんて 大それたことも話し合ってたっけ、うふふ。 息子: 「なにエモい顔してんの?」 母: 「おっと、ごめんごめん。 ちょ〜っと思い出しちゃってね」 息子: 「パパとのこと?」 母: 「うん。スマホだけど別の写真も見る?」 息子: 「見たい!」 母: 「はい、どうぞ」 息子: 「え〜なにこれ?家具がいっぱいじゃん」 母: 「大学祭の写真はその1枚しか私持ってないけど、 そのあと2人で家具を見にいったのよ」 息子: 「卒業後に同棲したってこと!?」 母: 「同棲じゃなくて、私の新生活。 ママの引越しが決まってたから、一気に家具を揃えたの」 息子: 「リッチ〜」 母: 「違うわよ。家具屋さんでセールをやってたの。 それで、ソファからダイニング、ベッドにカーテンまでまとめて買っちゃった。 選んでくれたのはパパだけどね」 息子: 「じゃあ、そのときからパパとは付き合ってたんだ?」 母: 「どうかなあ・・・そんな感じじゃなかったけど」 息子: 「でもパパはママのこと好きだったから、今でもこの写真持ってるんでしょ」 母: 「さあ、どうだか」 息子: 「ママってクールだなあ」 母: 「っていうより、昔からパパの方がホットでちょっぴり強引だったのよ。 私、なかなか決められない質でしょ。 オマエには絶対白が似合う!って、すべて純白の家具をパパが選んだの」 息子: 「パパらしいや」 母: 「私も、白い家具が好きだったからいいんだけどね・・・ 白い木製の家具、ホントに素敵だったなあ・・・ 新婚じゃなくたって、真っ白なインテリアに囲まれた暮らし、憧れてたもの」 息子: 「なにノロケてんの」 母: 「あら失礼」 息子: 「でもいまはうちの家具、割と濃い色の木目じゃん」 母: 「それは、パパが・・・」 息子: 「やっぱパパの趣味かあ」 母: 「いいえ、あなたのために選んだのよ」 息子: 「え?」 (BGM〜インテリアドリーム) 母: 「卒業してから7年後にパパとママが結婚して あなたが生まれたから」 息子: 「あ・・」 母: 「あなたとの新しい生活のために、パパがこの家具たちを選んだのよ」 息子: 「そっか・・・」 母: 「木の家具を選んだのは赤ちゃんのあなたのため」 息子: 「うん」 母: 「あなたを守るために、自然の優しい材料にして」 「あなたが優しい心を持てるように、優しい木目の色合いにして」 「あなたの未来のために、環境にも配慮して、って」 息子: 「すごいな・・・」 母: 「木の家具は耐久性もあって、お手入れもかんたん。 それに木って呼吸するから、部屋の中の湿度を調整してくれるでしょ」 息子: 「そうなんだ・・・」 母: 「次はあなたの新生活ね」 息子: 「なにそれ」 母: 「1人暮らし?それとも結婚・・・」 息子: 「まだ早くない?」 母: 「人生に早いも遅いもないでしょ。 この世は舞台、人はみな役者なんだから」 息子: 「ママ・・・」 母: 息子が切なそうな表情で私を見つめてくる。 いつまでもそばにおいておきたいけど、 新しい一歩は自分で考えて踏み出さないと。 独り立ちをするとき、 あなたを優しく見守ってくれるのは、きっと新しい家具たち。 そうやって人生を慈しみながら、いつか大切な人を見つけてほしいな。 誰だって、人生の戯曲は自分で書いて仕上げるものだから。
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「大学祭のピルエット」は親子の何気ない会話から、時を遡りながら描かれる“人生のワルツ”です。自分の知らなかった母の過去、そして一つの写真をきっかけに明かされる思い出——。新生活を迎えるとき、誰もが思い出の中にある「大切なもの」を振り返ることがあるのではないでしょうか? この作品は 服部家具センター「インテリアドリーム」 の公式サイトをはじめ、Spotify、Amazon、AppleなどのPodcastプラットフォームで配信 されています 登場人物 ・母/妻(51歳/21歳)・・・大学生時代は演劇部とダンス部をかけもち/現在は社会福祉法人で介護士をしながら、市民ミュージカル劇団で教えているが息子は知らない(CV:桑木栄美里) ・息子(21歳)・・・大学4年生でYouTuber。特技を生かして映像作家になるのが夢(CV:日比野正裕) <息子21歳/母51歳> (SE〜家庭の環境音/料理の音など) 息子: 「ねえ、ママ。このひとだれ?」 (BGM〜) 母: 息子がキッチンへ持ってきたのは1枚の写真。 それは、スポットライトを浴びてパンシェ(※)を決める、 赤いドレスのバレリーナ。 ・・・30年前の私だ。 やあねえ、どこから掘り出してきたのかしら。 息子: 「ママ?」 母: 「さあ、だれかしら?」 息子: 「この写真、パパのカバンから落ちてたんだけど、きれいな人だよね」 母: 「そう?」 息子: 「え・・・ひょっとして・・・これ、ママ・・・なの?」 母: 「どうかな」 息子: 「すご!ママ、カッケー!」 母: 「そういう口の聞き方やめなさい」 息子: 「ダンスとかやってたんだ?」 母: 「クラシックダンス。バレエよ」 息子: 「ぜんぜん知らなかった!」 母: そういえば、言ってなかったわね。 私、幼い頃からクラシックバレエをやってて、いつも踊ってた。 息子: 「これはいつの写真?何歳?」 母: これは・・・ そう、大学最後の年だ。 21歳だからちょうど今のこの子と同い年ね。 大学祭のときのステージだったと思うけど。 ステージで踊り、その衣装のままカフェで給仕もしたんだわ。 同級生のパパとは演劇部で一緒だったんだけど、 私はミュージカル志望だったから、ダンス部とかけもち。 いつか2人でミュージカルの大舞台に立とう、なんて 大それたことも話し合ってたっけ、うふふ。 息子: 「なにエモい顔してんの?」 母: 「おっと、ごめんごめん。 ちょ〜っと思い出しちゃってね」 息子: 「パパとのこと?」 母: 「うん。スマホだけど別の写真も見る?」 息子: 「見たい!」 母: 「はい、どうぞ」 息子: 「え〜なにこれ?家具がいっぱいじゃん」 母: 「大学祭の写真はその1枚しか私持ってないけど、 そのあと2人で家具を見にいったのよ」 息子: 「卒業後に同棲したってこと!?」 母: 「同棲じゃなくて、私の新生活。 ママの引越しが決まってたから、一気に家具を揃えたの」 息子: 「リッチ〜」 母: 「違うわよ。家具屋さんでセールをやってたの。 それで、ソファからダイニング、ベッドにカーテンまでまとめて買っちゃった。 選んでくれたのはパパだけどね」 息子: 「じゃあ、そのときからパパとは付き合ってたんだ?」 母: 「どうかなあ・・・そんな感じじゃなかったけど」 息子: 「でもパパはママのこと好きだったから、今でもこの写真持ってるんでしょ」 母: 「さあ、どうだか」 息子: 「ママってクールだなあ」 母: 「っていうより、昔からパパの方がホットでちょっぴり強引だったのよ。 私、なかなか決められない質でしょ。 オマエには絶対白が似合う!って、すべて純白の家具をパパが選んだの」 息子: 「パパらしいや」 母: 「私も、白い家具が好きだったからいいんだけどね・・・ 白い木製の家具、ホントに素敵だったなあ・・・ 新婚じゃなくたって、真っ白なインテリアに囲まれた暮らし、憧れてたもの」 息子: 「なにノロケてんの」 母: 「あら失礼」 息子: 「でもいまはうちの家具、割と濃い色の木目じゃん」 母: 「それは、パパが・・・」 息子: 「やっぱパパの趣味かあ」 母: 「いいえ、あなたのために選んだのよ」 息子: 「え?」 (BGM〜インテリアドリーム) 母: 「卒業してから7年後にパパとママが結婚して あなたが生まれたから」 息子: 「あ・・」 母: 「あなたとの新しい生活のために、パパがこの家具たちを選んだのよ」 息子: 「そっか・・・」 母: 「木の家具を選んだのは赤ちゃんのあなたのため」 息子: 「うん」 母: 「あなたを守るために、自然の優しい材料にして」 「あなたが優しい心を持てるように、優しい木目の色合いにして」 「あなたの未来のために、環境にも配慮して、って」 息子: 「すごいな・・・」 母: 「木の家具は耐久性もあって、お手入れもかんたん。 それに木って呼吸するから、部屋の中の湿度を調整してくれるでしょ」 息子: 「そうなんだ・・・」 母: 「次はあなたの新生活ね」 息子: 「なにそれ」 母: 「1人暮らし?それとも結婚・・・」 息子: 「まだ早くない?」 母: 「人生に早いも遅いもないでしょ。 この世は舞台、人はみな役者なんだから」 息子: 「ママ・・・」 母: 息子が切なそうな表情で私を見つめてくる。 いつまでもそばにおいておきたいけど、 新しい一歩は自分で考えて踏み出さないと。 独り立ちをするとき、 あなたを優しく見守ってくれるのは、きっと新しい家具たち。 そうやって人生を慈しみながら、いつか大切な人を見つけてほしいな。 誰だって、人生の戯曲は自分で書いて仕上げるものだから。
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