EPISODE · Feb 13, 2025 · 11 MIN
ボイスドラマ「風立ちぬ」後編
from ボイスドラマ〜Interior Dream · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、インテリアドリーム
彼女の仕事は、やりがいがありながらも決して楽なものではありません。そんな彼女の支えとなるのは、老人ホームの仲間たち、そして遠くから見守る彼でした。仕事に、夢に、そして恋に——。新しい季節の風が吹き抜ける中、彼女の心は少しずつ未来へと向かっていきます。「風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」この言葉が、彼女にどんな決断をもたらすのか・・【登場人物】・彼女(22歳)・・・この春から新社会人一年生。養護老人ホームで働きながら来年社会福祉士の資格をとり、市の社会福祉協議会へ転職したいと考えていたが・・・(CV:桑木栄美里)・彼(25歳)・・・広告会社に勤めて足かけ4年でこの春起業した。Web解析士の資格を取得してホームページ制作・管理とSNSマーケティングの仕事で走り回るが・・・(CV:日比野正裕)<シーン1/堤防沿いを歩くカップル>(SE〜小川のせせらぎ)彼女: 「風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」彼: 「なんだい、それ? そんなアニメもあったっけ」彼女: 「もう〜。 マーケターならそのくらい知っててよ」彼: 「知ってるよ。詩だろ」彼女: 「そう。ポール・ヴァレリーの詩。 うちの入所者さんに、この詩が好きな人がいるの」 ◾️BGM/彼: 彼女は、この春から養護老人ホームで働いている。 仕事はやりがいがあるって言ってたけど、実際には大変そうだ。 肉体的にも精神的にも。 だって、彼女が働き出してから、デートしたのは今日がはじめて。 もう5月だというのに。 体壊さないといいけど。彼女: 「なあに?黙っちゃって。 あ、また、私の仕事のこと考えてるんでしょ」彼: 「いや、そうじゃないけど」彼女: 「うそばっかり。 働き方改革に逆行した ブラックな業界だって言いたいんでしょ」彼: 「そんなこと思ってないって」彼女: 「だって、顔に書いてあるんだもん」彼: 「ひどい誤解だな。 福祉の業界が大変だってことくらいわかってるよ」彼女: 「じゃあ、なんでそんな、眉間に皺が寄るの」彼: 「君は僕が起業したこと、忘れてない?」彼女: 「忘れているわけないじゃない。 一緒にお手伝いしたんだもの」彼: 「うん。すっごく嬉しかった。 書類作るのとか手伝ってくれて。 この恩は一生忘れないよ」彼女: 「おおげさだなあ。 それで、順風満帆なんでしょ」彼: 「まあだいたいはね。 いい風が吹いてるよ」彼女: 「さわやかな大気が海より湧きあがり、 わたしに魂を返す」彼: 「お!ポール・ヴァレリー。 まあ、そうなんだけどね。 一人でやっていくのは大変なんだな、やっぱり」彼女: 「そうなの」彼: 「うん。営業も、データの分析もすべてひとりだからな」彼女: 「ふうん」彼: あんまり細かく語り出すと、ただの愚痴になっちゃうからなあ。 実際には、自分の労務管理とか経理とかやらなきゃいけないし。 外で打合せしてオフィスに帰ってきてからデータの分析して レポート作ってると夜中の12時を回っちゃう。 この前なんて目を充血させて打合せしてたら クライアントが僕の目ばっかり見るもんだから、話が全然進まなかったからなあ。彼女: 「あ?ひょっとして・・・眠れてないんじゃない?」彼: 「え」彼女: 「図星でしょ」彼: 「あ、まあね。そりゃこのライフスタイル見てたらわかるよなあ」彼女: 「実は私もついこの前まで不眠症に悩んでいたんだ」彼: 「そうなの?」彼女: 「うん。今はぐっすり眠れているけどね」彼: 「ホント?なにをしたの?」彼女: 「なら、いまから治療にいきましょうか」 <シーン2/インテリアショップ>(SE〜インテリアショップのガヤ)彼: 彼女が連れてきてくれたのは、 病院ではなく、なんとインテリアショップ。 放射状にディスプレイされたベッドの前で スリープアドバイザーがわかりやすく説明してくれる。 不眠の症状について。うん。 寝つきが悪く、ベッドに入っても30分以上眠れない。(眠れない) 途中で目が覚めて、なかなか寝付けない。(寝付けてないな) 朝早く目が覚めてしまう。(うん) ぐっすり眠った気がしない。彼女: 「ちょっと〜、やばくない。 全部あてはまってるじゃん」彼: それから、不眠の原因。 痛みをともなう関節炎やリウマチ。 花粉症や蕁麻疹。 そして、ストレス。彼女: 「やっぱストレスだよね」彼: で、不眠の対処法。 花粉症やアレルギー性鼻炎は薬を処方してもらってる。 ストレスは根本的な原因が自分だから ライフスタイルを変えるしかない、、、か。彼女: 「あとできることは、寝具のチェックだね」彼: そう言って、彼女はウインクした。 片手に測定器を持ったスリープアドバイザーが僕の頭の形を測る。 そうか。 僕の頭、こんな形をしていたんだ。彼女: 「ひょっとして、枕が高いんじゃない?」彼: あ、そうかも。 毎朝起きたときに、首とか肩が凝ってるもんなあ。 スリープアドバイザーは僕にフィットする枕をチョイスしてくれた。 マットレスと首の角度が5度っていうのが、快眠へ誘うんだって。 実際に寝てみても、うん首が疲れない感じ。 あぁ、そういうことなんだな。彼女: 「あなた、オフィスに泊まってたりしてない?」彼: 「うん。遅くなると帰るの面倒だから」彼女: 「ってことは、ソファベッドで寝てるでしょ」彼: 「うん、だって、オフィスにはそれしかないもん」彼女: 「ソファベッドは仮眠用よ。ちゃんとお家のベッドで寝なさい」彼: 「うん、わかってる」彼女: 「そのマットレスも要検討かな」彼: 「え?なんで?」彼女: 「まあまあまあ。このベッドに寝てみて」彼: 言われるまま横になる。 あれ?(笑いなども演出) ふにゃふにゃってわけじゃないのに、体が包み込まれる感覚。彼女: 「どんな感じ?」彼: 「(うん)力がすうっと抜けていく感じ」彼女: 「ポケットコイルって言うんだって」彼: 「へえ〜」 体圧分散性が高い、というのが売りらしい。 確かに、骨の部分がゴツゴツあたる感じも全然ないし、自然な寝心地。彼女: 「硬さも選べるらしいよ」彼: 「僕は硬めがいいな」彼女: 「ふふふ」彼: 「(ん?)どうしたの?」彼女: 「私とおんなじ」彼: この感覚、すごく気持ちがいいな。 今日家に帰ったら、思い出して比べてみよう。 彼女は無理にすすめるわけでもなく、ただただ僕をみつめて笑っていた。 <シーン3/公園のベンチに佇むカップル>(SE〜小鳥のさえずり)彼女: 「で、結局マットレスはどうしたの?」彼: 「うん、ナイショ」彼女: 「もう〜」彼: 「でも、不眠は治ったよ」彼女: 「え?じゃあ・・・」彼: 「今度、うちへ遊びにおいでよ」彼女: 「ふふ。社会福祉士の試験に合格したらね」彼: 「んー、試験っていつだっけ?」彼女: 「来年の春よ」彼: 「そうか。 それじゃあ僕もそれまでにいろいろ準備しなきゃ」彼女: 「まだやらなきゃいけないことがあるの?」彼: 「ああ。すっごく大事なことがね」彼女: 「なあに?」彼: 「うん、それも内緒」彼女: 「ひどーい」彼: 「まず最初にしないといけないのは・・・」彼女: 「もう〜。もったいぶらずに教えてよ」彼: 「君の家にご挨拶にいく」彼女: 「え・・・」■BGM〜「インテリアドリーム」彼: 「ご両親、お付き合いを認めてくれるかな」彼女: 「・・・いきなりだとびっくりするかもね」彼: 「あ、じゃ君からマーケティングリサーチしておいてよ」彼女: 「やあねえ、その言い方」彼: 「ちなみに、お父さんってこわい?」彼女: 「私にはすっごく優しいわよ〜。 きっと彼氏には ちょっと強面だけど」彼: 「強面、、、うん、ようし。 風を思いっきり吸い込んで立ち上がるぞ。 風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」彼女: 「ふふ。ありがとう」彼: 彼女の表情は終始明るかった。 僕は自分の胸に誓う。 これからもその笑顔のために生きねばならぬ。と。
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彼女の仕事は、やりがいがありながらも決して楽なものではありません。そんな彼女の支えとなるのは、老人ホームの仲間たち、そして遠くから見守る彼でした。仕事に、夢に、そして恋に——。新しい季節の風が吹き抜ける中、彼女の心は少しずつ未来へと向かっていきます。「風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」この言葉が、彼女にどんな決断をもたらすのか・・【登場人物】・彼女(22歳)・・・この春から新社会人一年生。養護老人ホームで働きながら来年社会福祉士の資格をとり、市の社会福祉協議会へ転職したいと考えていたが・・・(CV:桑木栄美里)・彼(25歳)・・・広告会社に勤めて足かけ4年でこの春起業した。Web解析士の資格を取得してホームページ制作・管理とSNSマーケティングの仕事で走り回るが・・・(CV:日比野正裕)<シーン1/堤防沿いを歩くカップル>(SE〜小川のせせらぎ)彼女: 「風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」彼: 「なんだい、それ? そんなアニメもあったっけ」彼女: 「もう〜。 マーケターならそのくらい知っててよ」彼: 「知ってるよ。詩だろ」彼女: 「そう。ポール・ヴァレリーの詩。 うちの入所者さんに、この詩が好きな人がいるの」 ◾️BGM/彼: 彼女は、この春から養護老人ホームで働いている。 仕事はやりがいがあるって言ってたけど、実際には大変そうだ。 肉体的にも精神的にも。 だって、彼女が働き出してから、デートしたのは今日がはじめて。 もう5月だというのに。 体壊さないといいけど。彼女: 「なあに?黙っちゃって。 あ、また、私の仕事のこと考えてるんでしょ」彼: 「いや、そうじゃないけど」彼女: 「うそばっかり。 働き方改革に逆行した ブラックな業界だって言いたいんでしょ」彼: 「そんなこと思ってないって」彼女: 「だって、顔に書いてあるんだもん」彼: 「ひどい誤解だな。 福祉の業界が大変だってことくらいわかってるよ」彼女: 「じゃあ、なんでそんな、眉間に皺が寄るの」彼: 「君は僕が起業したこと、忘れてない?」彼女: 「忘れているわけないじゃない。 一緒にお手伝いしたんだもの」彼: 「うん。すっごく嬉しかった。 書類作るのとか手伝ってくれて。 この恩は一生忘れないよ」彼女: 「おおげさだなあ。 それで、順風満帆なんでしょ」彼: 「まあだいたいはね。 いい風が吹いてるよ」彼女: 「さわやかな大気が海より湧きあがり、 わたしに魂を返す」彼: 「お!ポール・ヴァレリー。 まあ、そうなんだけどね。 一人でやっていくのは大変なんだな、やっぱり」彼女: 「そうなの」彼: 「うん。営業も、データの分析もすべてひとりだからな」彼女: 「ふうん」彼: あんまり細かく語り出すと、ただの愚痴になっちゃうからなあ。 実際には、自分の労務管理とか経理とかやらなきゃいけないし。 外で打合せしてオフィスに帰ってきてからデータの分析して レポート作ってると夜中の12時を回っちゃう。 この前なんて目を充血させて打合せしてたら クライアントが僕の目ばっかり見るもんだから、話が全然進まなかったからなあ。彼女: 「あ?ひょっとして・・・眠れてないんじゃない?」彼: 「え」彼女: 「図星でしょ」彼: 「あ、まあね。そりゃこのライフスタイル見てたらわかるよなあ」彼女: 「実は私もついこの前まで不眠症に悩んでいたんだ」彼: 「そうなの?」彼女: 「うん。今はぐっすり眠れているけどね」彼: 「ホント?なにをしたの?」彼女: 「なら、いまから治療にいきましょうか」 <シーン2/インテリアショップ>(SE〜インテリアショップのガヤ)彼: 彼女が連れてきてくれたのは、 病院ではなく、なんとインテリアショップ。 放射状にディスプレイされたベッドの前で スリープアドバイザーがわかりやすく説明してくれる。 不眠の症状について。うん。 寝つきが悪く、ベッドに入っても30分以上眠れない。(眠れない) 途中で目が覚めて、なかなか寝付けない。(寝付けてないな) 朝早く目が覚めてしまう。(うん) ぐっすり眠った気がしない。彼女: 「ちょっと〜、やばくない。 全部あてはまってるじゃん」彼: それから、不眠の原因。 痛みをともなう関節炎やリウマチ。 花粉症や蕁麻疹。 そして、ストレス。彼女: 「やっぱストレスだよね」彼: で、不眠の対処法。 花粉症やアレルギー性鼻炎は薬を処方してもらってる。 ストレスは根本的な原因が自分だから ライフスタイルを変えるしかない、、、か。彼女: 「あとできることは、寝具のチェックだね」彼: そう言って、彼女はウインクした。 片手に測定器を持ったスリープアドバイザーが僕の頭の形を測る。 そうか。 僕の頭、こんな形をしていたんだ。彼女: 「ひょっとして、枕が高いんじゃない?」彼: あ、そうかも。 毎朝起きたときに、首とか肩が凝ってるもんなあ。 スリープアドバイザーは僕にフィットする枕をチョイスしてくれた。 マットレスと首の角度が5度っていうのが、快眠へ誘うんだって。 実際に寝てみても、うん首が疲れない感じ。 あぁ、そういうことなんだな。彼女: 「あなた、オフィスに泊まってたりしてない?」彼: 「うん。遅くなると帰るの面倒だから」彼女: 「ってことは、ソファベッドで寝てるでしょ」彼: 「うん、だって、オフィスにはそれしかないもん」彼女: 「ソファベッドは仮眠用よ。ちゃんとお家のベッドで寝なさい」彼: 「うん、わかってる」彼女: 「そのマットレスも要検討かな」彼: 「え?なんで?」彼女: 「まあまあまあ。このベッドに寝てみて」彼: 言われるまま横になる。 あれ?(笑いなども演出) ふにゃふにゃってわけじゃないのに、体が包み込まれる感覚。彼女: 「どんな感じ?」彼: 「(うん)力がすうっと抜けていく感じ」彼女: 「ポケットコイルって言うんだって」彼: 「へえ〜」 体圧分散性が高い、というのが売りらしい。 確かに、骨の部分がゴツゴツあたる感じも全然ないし、自然な寝心地。彼女: 「硬さも選べるらしいよ」彼: 「僕は硬めがいいな」彼女: 「ふふふ」彼: 「(ん?)どうしたの?」彼女: 「私とおんなじ」彼: この感覚、すごく気持ちがいいな。 今日家に帰ったら、思い出して比べてみよう。 彼女は無理にすすめるわけでもなく、ただただ僕をみつめて笑っていた。 <シーン3/公園のベンチに佇むカップル>(SE〜小鳥のさえずり)彼女: 「で、結局マットレスはどうしたの?」彼: 「うん、ナイショ」彼女: 「もう〜」彼: 「でも、不眠は治ったよ」彼女: 「え?じゃあ・・・」彼: 「今度、うちへ遊びにおいでよ」彼女: 「ふふ。社会福祉士の試験に合格したらね」彼: 「んー、試験っていつだっけ?」彼女: 「来年の春よ」彼: 「そうか。 それじゃあ僕もそれまでにいろいろ準備しなきゃ」彼女: 「まだやらなきゃいけないことがあるの?」彼: 「ああ。すっごく大事なことがね」彼女: 「なあに?」彼: 「うん、それも内緒」彼女: 「ひどーい」彼: 「まず最初にしないといけないのは・・・」彼女: 「もう〜。もったいぶらずに教えてよ」彼: 「君の家にご挨拶にいく」彼女: 「え・・・」■BGM〜「インテリアドリーム」彼: 「ご両親、お付き合いを認めてくれるかな」彼女: 「・・・いきなりだとびっくりするかもね」彼: 「あ、じゃ君からマーケティングリサーチしておいてよ」彼女: 「やあねえ、その言い方」彼: 「ちなみに、お父さんってこわい?」彼女: 「私にはすっごく優しいわよ〜。 きっと彼氏には ちょっと強面だけど」彼: 「強面、、、うん、ようし。 風を思いっきり吸い込んで立ち上がるぞ。 風立ちぬ。さあ生きねばならぬ」彼女: 「ふふ。ありがとう」彼: 彼女の表情は終始明るかった。 僕は自分の胸に誓う。 これからもその笑顔のために生きねばならぬ。と。
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