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ナマケもん戦略研究所 ラジオ
by ナマケもん
『ナマケもん戦略研究所 ラジオ』は、著者がこれまでに執筆してきた思想・社会批評・経営論を耳から味わえるかたちで届ける試みです。現代社会を覆う「効率」「競争」「正しさ」といった規範に対し、ナマケモノのように「小さく・深く・しなやかに」生きる知恵を語り直します。番組では、『ナマケもん戦略』『MBA的常識の限界』『絶滅の巨人』に示した経営論から、『ブラックなホワイト社会』『優しい全体主義』に描かれた社会批評、さらに『嘘の社会学』『死の社会学』によるメキシコ社会研究まで、多彩な著作のエッセンスを紹介します。本ラジオは、資本主義の限界や制度の疲労と再生、無条件の承認、共同体的秩序の可能性、そして文化や倫理の再構築をテーマに、複雑な議論を声によって物語として伝えます。聴く人が「勝つため」ではなく「続くため」の視点を取り戻し、自らや組織のあり方を考え直すきっかけとなることを目指します。あわせて、テキスト連載や最新記事はNoteで配信しています。ぜひこちらもご覧ください → note.com/orangeman_x
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MBA的常識の限界 第3部 第6回 余白はコストではない
第6回では、これまで無駄や非効率とされてきた「余白」を、ナマケもん戦略がなぜ資本と捉えるのかを掘り下げる。在庫の余白は供給ショックへの備えとなり、人材の余白は多様な対応力を生み、時間の余白は熟慮と創造性を可能にする。平時には不要に見えるものが、危機時には組織を支える力になるのである。日本文化における「間」や「余韻」の感覚も参照しながら、余白とは削減対象ではなく、未来に耐えるための投資対象であることを示している。
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死の社会学 第7章 死者の日と死の祝祭化
死者の日は先住民儀礼とカトリック暦が融合した祝祭で、死を再会として生活へ取り込む。骸骨表象や風刺が「死の民主主義」を示し、死への親和性を高める。日本のお盆(厳粛)との対照で、可視化の仕方が閾値に作用することを示す。観光化の懸念はあるが生活儀礼として根強い。
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『その違和感は正しい』 第5章 諦めの違和感
現代の若者はしばしば無気力や安定志向と評される。しかし実際には、それは社会に対する期待を調整する合理的な行動でもある。制度が完全に信頼できない社会では、過剰な期待を持たないことがリスク回避になる。SNS社会でも同様に、多くの若者は承認を求めながらも距離を保っている。こうした態度は単なる諦めではなく、社会環境への適応である。若者の静かな現実主義は、制度の変化を背景に生まれた新しい生き方の形と言える。
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【週刊】ナマケもんマガジン 第34回
(2026-05-10)週刊「ナマケもんマガジン」は、NOTEで過去1週間で投稿された連載記事の解説とオリジナル音楽を融合した思想系エンターテインメントです。 テーマは“どう勝つか”ではなく“どう続くか”。拡大量と効率至上を超え、Non-Exhaustive Growth(消耗しない成長)を語ります。 後半では『ブラックなホワイト社会』『制度敗戦』などの著作をモチーフに制作した楽曲を公開。 NOTE、Youtube、Spotify、Apple Podcastと連動し、思想・音楽・制度論、経営思想、文化論、社会論など、ジャンルを超えて横断するナマケもんの世界へ。 ★ NOTE:https://note.com/orangeman_x ★ Spotify:https://open.spotify.com/show/0j8dq3eGR2MEtDcTzTHiyt?si=HNERZsCVS5CEOB9_l2LMBg ★ Apple Podcast:https://podcasts.apple.com/us/podcast/ナマケもん戦略研究所-ラジオ/id1839105994 ★ Youtube 再生リスト:https://www.youtube.com/playlist?list=PL2dBzmu5dVYFRLdl5Nx7sOQ_aGixVoufh #ナマケもんマガジン #ナマケモノ戦略 #経営思想 #制度創生 #共感の経済 #NonExhaustiveGrowth ---## Ⅰ.連載記事の解説パート ### ① 『その違和感は正しい 第4章「日本社会の違和感」』 本章は、日本社会に内在する「安心と息苦しさの同居」という独特の構造を読み解く試みである。日本は安定し秩序が保たれている社会として評価される一方、その安定性の裏側には変化を拒む強固な構造が潜んでいる。特に同調圧力や空気を読む文化は、対立や混乱を回避する機能を持ちながらも、逸脱や革新の芽を無意識のうちに摘み取る装置として作用する。結果として、人々は自ら選択しているように見えつつも、実際には選択肢が狭められた状態に置かれる。このとき生じる「安心できるが自由ではない」という違和感こそが、本章の核心である。それは個人の問題ではなく、社会構造そのものが生み出す静かな制約であり、安定と停滞が表裏一体であることを示している。 ---### ② 『死の社会学 第6章「麻薬戦争と組織犯罪(21世紀)」』 本章は、メキシコにおける麻薬戦争を単なる治安問題としてではなく、制度の内部構造の問題として捉え直す。国家と犯罪組織は本来対立関係にあるとされるが、実態としては両者の境界は曖昧であり、部分的に重なり合う関係が存在する。制度は外部から破壊されるのではなく、内部に非制度的要素を取り込みながら機能不全のまま維持される。この状態では、暴力は例外ではなく日常の一部として定着し、秩序と無秩序が同時に存在する奇妙な均衡が生まれる。本章が示すのは、制度の崩壊とは完全な瓦解ではなく、「壊れながら動き続ける状態」であるという視点であり、現代社会における統治の脆弱性を鋭く浮き彫りにしている。 ---### ③ 『MBA的常識の限界 第3部第5回「MBAは柔軟性さえ管理しようとする」』 本稿は、現代企業が掲げる「柔軟性」という概念の内在的矛盾を指摘する。企業は環境変化への適応力として柔軟性を重視するが、同時にそれを制度化し、管理しようとする傾向を強めている。しかし柔軟性とは本来、予測不能な状況への応答能力であり、あらかじめ設計されるものではない。それを管理対象とした瞬間、柔軟性は形式化され、固定的な枠組みへと変質する。その結果、組織は「柔軟であるように見えるが実際には変化できない」という状態に陥る。本稿は、管理という合理性が逆説的に適応力を奪う構造を明らかにし、現代経営の限界を示唆している。 ---### ④ 『制度敗戦Ⅱ 第14章「農業と食料安全保障 ― 自給と循環の思想」』 本章は、現代の食料システムが抱える構造的脆弱性を、効率性偏重の観点から批判的に検討する。グローバル供給網や大規模生産は平時において高い効率を発揮するが、その一方で外部ショックに対して極めて脆い。供給の一部が途絶すれば全体に影響が波及する集中型構造が、現代社会のリスクを増幅している。これに対し提示されるのが、自給や循環を基盤とする分散型の思想である。一見非効率に見えるこの仕組みは、長期的な持続性という観点ではむしろ合理的である。効率と持続はトレードオフの関係にあり、どちらを優先するかが制度設計の本質であるという問題提起がなされている。 ---## Ⅱ.音楽コーナー(Music Section) ### 『Always On(便利最高)』 本楽曲は、常時接続を前提とした現代社会の構造を象徴的に描いた作品である。情報は絶えず更新され、システムは停止を許されない。利便性は極限まで高められ、人間は摩擦のない環境の中で行動する。しかしその裏側で、休息や遅延といった「止まるための時間」は徹底的に排除されている。本来あらゆるシステムは停止と回復の循環によって持続するが、この循環が断ち切られたとき、機能は維持されているようで実は不可逆的な疲弊が進行する。本楽曲は、滑らかに流れ続ける日常の中に潜む異常性を静かに浮かび上がらせる。便利であることの快適さと、その代償としての回復不能性。その緊張関係を、抑制されたトーンで描き出すことで、聴き手に「止まること」の意味を問いかける作品となっている。 ---#ナマケもんマガジン #ナマケモノ戦略 #経営思想 #制度創生 #共感の経済 #NonExhaustiveGrowth #スローキャピタリズム #思想系エンターテインメント #持続する社会 #ナマケもんラジオ
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制度敗戦Ⅱ 保守と確信を超えて 第14章
輸入に依存した日本の低い食料自給率は、「国民の生命を外部に委ねる」制度的リスクを意味する。備蓄や輸入先多様化といった延命策では、地政学的リスクや気候変動に耐えられない。農業を単なる衰退産業ではなく、雇用・環境・文化を支える「地域循環の中核制度」として再定義し、自給と循環を軸に再構築する必要がある。スマート農業など新技術も、大企業ではなく地域の小規模農家や協同組合と結び付くとき、自給力と持続性を高める補助線となる。里山や水利共同体に見られる日本的農業文化を現代化し、未来世代へのストックとして農地と技能を継承することが制度創生の目標である。
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MBA的常識の限界 第3部 第5回 MBAは柔軟性さえ管理しようとする
第5回は、MBAが近年掲げるアジリティや動的能力といった「柔軟性」論の限界を論じる。これらは一見すると現代的な適応理論に見えるが、実際には株主価値を守るための手段として語られ、さらに柔軟性そのものをKPI化し管理しようとする。その結果、柔軟性は「柔軟であるように見せる行動」に矮小化され、現場の疲弊や混乱を生む。本稿は、真の柔軟性とは管理される能力ではなく、余白の中で育つ存在のあり方であると主張する。
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死の社会学 第6章 麻薬戦争と組織犯罪(21世紀)
2006年以降の麻薬戦争で暴力の主役が非国家主体へ拡張し、国家も癒着で暴力の一部となった。殺人率の急上昇、死体のメッセージ化、失踪の多発が「死の風景」を日常化させる。アヨツィナパ事件などに象徴される制度の崩れが、命を守らない前提を強化し歴史的連続性を際立たせる。
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『その違和感は正しい』 第4章 日本社会の違和感
日本社会は長い間、制度への強い信頼によって支えられてきた。しかしバブル崩壊以降、終身雇用の弱体化や格差の拡大によって制度への信頼は少しずつ揺らぎ始めている。本章ではこの変化を「日本のメキシコ化」という視点から説明する。制度が完全に信頼されなくなると、人々は制度よりも人間関係やネットワークを重視するようになる。こうした社会の変化を最も敏感に感じ取っているのが若者である。彼らの違和感は社会の転換期を示す重要な兆候なのである。
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【週刊】ナマケもんマガジン 第33回
(2026-05-03)週刊「ナマケもんマガジン」は、NOTEで過去1週間で投稿された連載記事の解説とオリジナル音楽を融合した思想系エンターテインメントです。 テーマは“どう勝つか”ではなく“どう続くか”。拡大量と効率至上を超え、Non-Exhaustive Growth(消耗しない成長)を語ります。 後半では『ブラックなホワイト社会』『制度敗戦』などの著作をモチーフに制作した楽曲を公開。 NOTE、Youtube、Spotify、Apple Podcastと連動し、思想・音楽・制度論、経営思想、文化論、社会論など、ジャンルを超えて横断するナマケもんの世界へ。 ★ NOTE:https://note.com/orangeman_x ★ Spotify:https://open.spotify.com/show/0j8dq3eGR2MEtDcTzTHiyt?si=HNERZsCVS5CEOB9_l2LMBg ★ Apple Podcast:https://podcasts.apple.com/us/podcast/ナマケもん戦略研究所-ラジオ/id1839105994 ★ Youtube 再生リスト:https://www.youtube.com/playlist?list=PL2dBzmu5dVYFRLdl5Nx7sOQ_aGixVoufh #ナマケもんマガジン #ナマケモノ戦略 #経営思想 #制度創生 #共感の経済 #NonExhaustiveGrowth ---## Ⅰ.連載記事の解説パート ### ① 『勝ち残る社会の違和感』 本章は、現代社会が「競争社会」であるという通念に対し、その内実がすでに大きく変質していることを指摘する。競争とは本来、自由な挑戦と創発を前提とするはずであるが、実際には制度によって設計された評価軸の中で「負けない行動」が合理化される構造へと移行している。ここでは、挑戦よりも適応が優先され、個人の選択は自由に見えながらも実質的には制約されている。結果として社会は動いているように見えて停滞し、新たな価値が生まれにくい「静止した競争状態」に陥る。この違和感は単なる感覚ではなく、制度設計そのものが生み出した構造的現象であり、競争の名のもとに可能性が閉じられていく現代の本質を示している。 ### ② 『国家暴力の伝統(20世紀メキシコ)』 本章は国家と暴力の関係を歴史的に捉えつつ、暴力が制度の中にどのように組み込まれていくかを分析する。国家は秩序維持の主体であると同時に、暴力を正当化し独占する存在でもある。重要なのは、暴力が制度化されたとき、それが特別な行為ではなく日常的なものとして受容されていく点である。法執行や治安維持といった行為は、その正当性が前提化されることで暴力として認識されにくくなる。この過程を通じて社会は、目に見えない統制構造へと移行する。すなわち制度とは単なるルールではなく、「正当化された力の体系」であり、人々の認識と行動を内側から規定する装置として機能しているのである。 ### ③ 『予測不能性の時代に、効率化企業はなぜ脆いのか』 本章では、企業経営において長らく正当化されてきた効率化の論理が、逆に脆弱性を生み出す構造が論じられる。無駄の排除、在庫削減、人員最適化といった施策は短期的な競争力を高めるが、その過程でシステムから「余白」が失われる。この余白とは、予測不能な事態に対応するための柔軟性であり、持続性を支える不可欠な要素である。余白なきシステムは平時には高い効率を発揮するが、環境変化に対して極めて脆くなる。ここには「効率化すればするほど壊れやすくなる」という逆説が存在する。企業が真に持続するためには、効率だけでなく冗長性や曖昧さといった非合理的要素をいかに内包するかが問われている。 ### ④ 『エネルギーと制度創生 ― 分散型と国産化の思想』 本章はエネルギーインフラを通じて、現代社会の集中構造とその限界を考察する。電力や物流、情報は中央集約によって効率を最大化してきたが、その構造は一箇所の障害が全体に波及するリスクを内包する。ここで提示される分散型の思想は、単なる分割ではなく依存関係そのものの再設計である。分散化は効率を一部犠牲にするが、同時にシステム全体の耐性を高める。これはエネルギー問題にとどまらず、制度全体の設計思想に関わる問いでもある。効率と持続のどちらを優先するのかという選択は、社会の方向性そのものを規定する。分散型の視点は、制度の再創造に向けた根本的な転換を示唆している。 ---## Ⅱ.音楽コーナー(Music Section) ### 『Credit on Sale(信頼の条件)』 本楽曲は、現代社会における「信用」の変質を主題としている。本来、信用とは時間の中で蓄積され、人と人との関係性の中でゆっくりと形成されるものであった。しかし今日では、スコアやレビュー、ランキングといった指標によって可視化され、比較され、最終的には取引可能な対象へと変換されている。信用が数値化されることで利便性は高まるが、その一方で短期的な評価に回収されやすくなり、持続的な信頼関係を支える力が弱まる。信用が商品化される社会では、制度そのものもまた空洞化のリスクを抱えることになる。本曲はその過程を静かに描き出し、合理化の果てに失われつつある「関係性の厚み」を問いかける作品である。 #ナマケもんマガジン #ナマケモノ戦略 #経営思想 #制度創生 #共感の経済 #NonExhaustiveGrowth #スローキャピタリズム #思想系エンターテインメント #持続する社会 #ナマケもんラジオ
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制度敗戦Ⅱ 保守と確信を超えて 第13章
エネルギー政策は、輸入依存と中央集権型電力体制という脆弱な構造の上に築かれてきた。大規模発電と送電網のモデルは効率的だが、災害や価格変動に弱く、制度敗戦を固定化する。制度創生の視点からは、再生可能エネルギーを地域ごとに生産し地産地消する「分散型」と、自国資源を最大限活用する「国産化」を組み合わせた体制への転換が必要となる。地域住民が参加するエネルギー協同組合などを通じて、電力を「地域の誇り」として共有し、環境負荷を減らしながら未来世代に持続可能な基盤を引き渡すことが、エネルギー分野における制度創生の柱である。
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MBA的常識の限界 第3部 第4回 予測不能性の時代に、効率化企業はなぜ脆いのか
第4回では、VUCAとブラックスワンの時代において、効率化を極めた企業ほど脆弱になるという逆説を検討する。変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が増す現代では、予測し尽くすことより、予測不能性に耐える力が重要になる。しかし在庫、人員、資本の余白を削った企業は、危機時に対応力を失う。MBA的なリスク管理や俊敏性の理論は、既知のリスクには有効でも未知の衝撃には限界がある。本稿は、余白こそが適応資源であることを示す。
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『ナマケもん戦略研究所 ラジオ』は、著者がこれまでに執筆してきた思想・社会批評・経営論を耳から味わえるかたちで届ける試みです。現代社会を覆う「効率」「競争」「正しさ」といった規範に対し、ナマケモノのように「小さく・深く・しなやかに」生きる知恵を語り直します。番組では、『ナマケもん戦略』『MBA的常識の限界』『絶滅の巨人』に示した経営論から、『ブラックなホワイト社会』『優しい全体主義』に描かれた社会批評、さらに『嘘の社会学』『死の社会学』によるメキシコ社会研究まで、多彩な著作のエッセンスを紹介します。本ラジオは、資本主義の限界や制度の疲労と再生、無条件の承認、共同体的秩序の可能性、そして文化や倫理の再構築をテーマに、複雑な議論を声によって物語として伝えます。聴く人が「勝つため」ではなく「続くため」の視点を取り戻し、自らや組織のあり方を考え直すきっかけとなることを目指します。あわせて、テキスト連載や最新記事はNoteで配信しています。ぜひこちらもご覧ください → note.com/orangeman_x
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