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岡大徳のポッドキャスト
by 岡大徳
病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。 www.daitoku0110.news
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令和8年度診療報酬改定|発症早期リハビリと休日リハビリの新評価を徹底解説
リハビリテーションは、発症から早く始めるほど効果が高い。しかし現行の早期リハビリテーション加算は、入院直後の集中的な介入を十分に促せていなかった。そこで本稿では、令和8年度診療報酬改定が早期と休日のリハビリテーションをどう評価し直すかを解説する。今回の改定は、早期リハビリテーション加算の見直しと、休日リハビリテーション加算の新設という2つの柱からなる。早期リハビリテーション加算では、起算日が「入院した日」に変わり、点数にメリハリがつき、算定期間が14日へ短縮される。休日リハビリテーション加算は、土日祝のリハビリテーションを新たに評価する加算として設けられる。これら2つの見直しは、心大血管疾患や脳血管疾患等を含む合計5つのリハビリテーション料に適用される。早期リハビリテーション加算の3つの見直し早期リハビリテーション加算は、起算日・点数・算定期間の3点で見直される。いずれの見直しも、入院直後のより早いリハビリテーション介入を促すことをねらいとする。第一に、加算の起算日が「入院した日」へと変わる。現行の起算日は料によって異なり、心大血管疾患等では「発症等から7日目又は治療開始日のいずれか早いもの」、脳血管疾患等では「発症、手術又は急性増悪」を用いていた。改定後はいずれの料も「入院した日」に統一されるため、起算日の考え方が明確になる。なお、他の保険医療機関から転院してきた患者については、転院前の保険医療機関に入院した日を起算日とする。さらに脳血管疾患等では、入院中の患者以外の患者について退院前の入院日を起算日とする取扱いも加わる。第二に、加算の点数に早期ほど高くなるメリハリがつく。現行は期間を通じて一律1単位につき25点であった。改定後は入院した日から起算して3日目以内を1単位につき60点へ増点し、4日目以降を1単位につき25点とする。この点数設定により、入院直後の3日間に集中的なリハビリテーションを行う動機づけが強まる。第三に、加算を算定できる期間が14日へ短縮される。現行の算定期間は起算日から30日であった。改定後は入院した日から起算して14日目までを算定の限度とする。算定期間の短縮もまた、早期への重点化という今回の見直しの方向性を表している。3点の見直しを現行と改定後で整理すると、次のとおりである。起算日は、料により異なる起点(心大血管疾患等は発症等から7日目又は治療開始日の早い方)から、「入院した日」へ変わる。点数は、一律1単位25点から、3日目以内60点・4日目以降25点へ変わる。算定期間は、30日から14日へ短縮される。休日リハビリテーション加算の新設休日リハビリテーション加算は、土日祝のリハビリテーションを評価する加算として新設される。休日であっても平日と同様にリハビリテーションを提供する体制を後押しすることがねらいである。新設される休日リハビリテーション加算は、休日にリハビリテーションを行った場合に、1単位につき25点を所定点数に加算する。算定の対象は入院中の患者が基本であり、脳血管疾患等と運動器では一定の脳卒中退院患者も対象に含まれる。評価されるのは、土曜・日曜・祝日のリハビリテーションである。算定できる期間は、起算ルールが早期リハビリテーション加算とは異なる点に注意したい。心大血管疾患等では、発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから起算して30日目までが限度となる。脳血管疾患等では、発症、手術又は急性増悪から30日目までが限度となる。いずれも、早期リハビリテーション加算の「入院した日から14日」とは別の期間設定である。対象となる5つのリハビリテーション料今回の見直しは、合計5つのリハビリテーション料に適用される。これらは休日加算の起算ルールの違いから、大きく2つのグループに分けられる。第一のグループは、心大血管疾患リハビリテーション料を基準とする3つの料である。具体的には、心大血管疾患リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料が該当する。これらは休日加算の起算日に「発症等から7日目又は治療開始日の早い方」を用いる。第二のグループは、脳血管疾患等リハビリテーション料を基準とする2つの料である。具体的には、脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料が該当する。これらは休日加算の起算日に「発症、手術又は急性増悪」を用いる。まとめ令和8年度診療報酬改定は、発症早期と休日のリハビリテーションを2つの柱で評価し直す。早期リハビリテーション加算は、起算日を「入院した日」に変え、点数を早期ほど高くし、算定期間を14日へ短縮する。休日リハビリテーション加算は、土日祝のリハビリテーションを1単位25点で新たに評価する。これらの見直しは、心大血管疾患や脳血管疾患等を含む5つのリハビリテーション料に適用される。入院直後と休日のリハビリテーション体制を見直す機会として、各医療機関での確認をおすすめしたい。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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リンパ浮腫複合的治療料が最大500点へ|令和8年度改定で時間区分を新設
令和8年度診療報酬改定で、リンパ浮腫複合的治療料の評価が見直されます。この治療料は、現行では重症例と重症例以外の2区分で評価されています。今回の改定は、より実態に即した評価を行う観点から実施されます。そこで本稿では、見直される点数の内容を、改定案と現行を比較しながら解説します。今回の見直しは、時間区分の新設と点数の引き上げが柱です。まず、重症例には時間区分が設けられ、点数は最大500点に引き上げられます。次に、重症例以外の点数も、100点から150点に引き上げられます。これらの見直しは、いずれもより実態に即した評価を目的としています。重症例に時間区分を新設|最大500点へ重症例の評価は、治療時間に応じた区分へと細分化されます。現行では、重症例は一律200点で評価されています。改定後は、この評価が時間区分による段階的な評価へと改められます。具体的には、60分以上が500点、40分以上60分未満が350点と区分されます。この結果、治療時間に応じて点数が分かれることになります。時間区分の新設により、重症例の点数は現行から引き上げられます。60分以上の区分は、現行の200点から500点へと、2.5倍に引き上げられます。40分以上60分未満の区分は、新たに350点として設けられます。いずれの区分も、現行の200点を上回る点数です。重症例以外も100点から150点へ引き上げ重症例以外の点数も、引き上げられます。現行では、重症例以外(区分2)は100点で評価されています。改定後は、この100点が150点に引き上げられます。引き上げ幅は50点であり、現行点数の1.5倍にあたります。重症例以外の見直しは、時間区分を伴わない点で重症例と異なります。重症例では、治療時間に応じて点数が分かれます。一方、重症例以外では、時間区分を設けず、一律150点で評価されます。見直しの基本的な考え方今回の見直しは、より実態に即した評価という基本的な考え方に基づきます。改定の具体的な内容は、リンパ浮腫複合的治療料の点数の見直しです。重症例には時間区分が新設されます。重症例以外は点数が引き上げられます。まとめ|重症度と治療時間に応じた評価へ令和8年度改定では、リンパ浮腫複合的治療料が見直されます。重症例には時間区分が新設され、点数は最大500点に引き上げられます。重症例以外も、100点から150点へと引き上げられます。いずれの見直しも、より実態に即した評価を目的としています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】リハビリテーション総合計画評価料の見直しを徹底解説
リハビリテーションの現場では、患者ごとに複数の計画書を作成しなければなりません。この複数の計画書が、医療従事者の事務負担を重くしています。本稿では、令和8年度診療報酬改定における「リハビリテーション総合計画評価料の見直し」の内容を解説します。今回の見直しは、書類の簡素化を軸に3つの変更を行います。第1に、複数の計画書の様式を統一し、評価料に初回と2回目以降の区分を新設します。第2に、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる患者への目標設定等支援・管理料を廃止します。第3に、この管理料を算定していない患者への減算規定を廃止します。1. 計画書様式の統一と評価料の区分新設計画書様式の統一と評価料の区分新設は、書類の簡素化に関わる変更です。複数の計画書の様式を統一し、作成の手間を減らします。あわせて評価料には、これまでなかった初回と2回目以降の区分を新たに設けます。リハビリテーション総合計画評価料1は、現行の一律300点から、初回300点・2回目以降240点に変わります。初回の点数は据え置かれ、2回目以降の点数だけが240点に下がります。つまり、2回目以降を算定する場合は、これまでより点数が低くなります。リハビリテーション総合計画評価料2も、同じ形で見直されます。現行の一律240点から、初回240点・2回目以降196点に変わります。評価料1と同様に、初回の点数は据え置かれ、2回目以降の点数だけが196点に下がります。評価料1と評価料2に共通するのは、初回が現行どおりで、2回目以降のみ点数が引き下げられる点です。この区分新設の理由は、資料には明示されていません。資料が示す見直しの趣旨は、あくまで「書類の簡素化」です。2. 目標設定等支援・管理料の廃止目標設定等支援・管理料は廃止されます。この管理料は、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる患者に対し、リハビリの目標設定を支援するものでした。廃止の対象は、脳血管疾患等・廃用症候群・運動器の3つのリハビリテーション料です。廃止される管理料は、現行で初回250点・2回目以降100点が設定されていました。この管理料は、要介護被保険者等の患者に対し、3月に1回に限り算定できるものでした。今回の改定では、この区分そのものが削除され、これらの点数は算定できなくなります。3. 減算規定の廃止目標設定等支援・管理料を算定していない患者への減算規定も廃止されます。この減算規定は、管理料を算定しない場合に所定点数を100分の90に減らすものでした。管理料そのものが廃止されるため、減算規定も同時になくなります。現行の減算規定は、要介護被保険者等の患者を対象としていました。具体的には、発症・手術・急性増悪・最初の診断から60日を経過した後も引き続きリハビリを行う場合に適用されました。このとき過去3月以内に管理料を算定していなければ、所定点数が100分の90に減算される仕組みでした。なお、この減算規定の廃止は、脳血管疾患等・廃用症候群・運動器の3つのリハビリテーション料に共通して適用されます。まとめ今回の見直しは、書類の簡素化を軸に3つの変更を行いました。第1に、複数の計画書の様式を統一し、評価料に初回と2回目以降の区分を新設しました。第2に、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる患者への目標設定等支援・管理料を廃止しました。第3に、この管理料を算定していない患者への減算規定を廃止しました。なお、2回目以降の評価料引き下げや管理料の廃止は、算定できる点数が減る変更でもあるため、現場では算定方法の確認が必要になります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定|疾患別リハビリ料「離床なし訓練」は90%算定へ
令和8年度診療報酬改定で、疾患別リハビリテーション料が訓練内容に応じた評価へ見直されます。従来の点数体系は、離床を伴う訓練と離床を伴わない訓練を同じ点数で評価していました。本記事は、この見直しで新設される区分とその算定要件を解説します。今回の見直しでは、離床を伴わない個別療法を所定点数の90%で算定する区分が新設されます。対象は、ベッド上でポジショニングや拘縮の予防などの他動的な訓練のみを行う入院患者です。ただし、集中治療管理料などを算定する患者、15歳未満の小児、医師が特に認めた患者は対象から除かれます。この見直しは、心大血管・脳血管疾患等・廃用症候群・運動器・呼吸器の5つの疾患別リハビリテーション料すべてに適用されます。見直しの基本的な考え方今回の見直しは、より質の高いリハビリテーションを推進する観点から行われます。疾患別リハビリテーション料は、これまで訓練内容の違いを点数に反映してきませんでした。そこで本改定では、訓練内容に応じた評価へと見直されます。新設される区分の内容(90%算定)新設される区分では、離床を伴わない個別療法を所定点数の90%で算定します。この区分の算定には、20分以上の個別療法であることが求められます。算定の上限は、患者1人につき1日2単位までです。なお、この1日2単位の上限は、通則第4号の規定にかかわらず適用されます。対象となる患者この90%算定の対象は、ベッド上で他動的な訓練のみを行う入院患者です。この患者とは、個別療法を実施する日に、ベッド上から移動せずに訓練を行う患者を指します。訓練の内容は、ポジショニングまたは拘縮の予防などを主たる目的とした他動的な訓練に限られます。対象から除外される患者ただし、一定の患者は、この90%算定の対象から除外されます。除外される患者は、次の3つに分類されます。第1は、集中治療管理料または早期リハビリテーション加算などを算定する患者です。具体的には、救命救急入院料や特定集中治療室管理料などの管理料を算定する患者が該当します。また、各疾患別リハビリテーション料の早期リハビリテーション加算、初期加算、急性期リハビリテーション加算のいずれかを算定する患者も該当します。第2は、疾患および状態により、ベッド上からの移動が困難な15歳未満の小児患者です。この患者は、年齢と移動の困難さの両方を満たす場合に除外されます。第3は、医師が3単位以上の個別療法を特に必要と認めた患者です。この患者は、疾患および状態により、ベッド上からの移動が困難であることが前提となります。あわせて、移動が困難な医学的理由、長時間のリハビリテーションが必要な理由、訓練内容を、診療録および診療報酬明細書の摘要欄に記載することが求められます。適用される疾患別リハの範囲この見直しは、5つの疾患別リハビリテーション料すべてに適用されます。具体的には、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料が対象です。資料では心大血管疾患リハビリテーション料を例に示されますが、他の4区分についても同様に取り扱われます。まとめ令和8年度改定では、疾患別リハビリテーション料が訓練内容に応じた評価へ見直されます。新設される区分では、離床を伴わない他動的な訓練のみの個別療法を、所定点数の90%で算定します。一方、集中治療管理料などを算定する患者、移動が困難な15歳未満の小児、医師が特に認めた患者は、この区分の対象から除外されます。この見直しは、5つの疾患別リハビリテーション料すべてに適用されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定|リハビリ算定単位の上限緩和、対象患者を見直し
疾患別リハビリテーション料には、1日に算定できる単位数の上限がある。この上限は、原則として患者1人につき1日6単位である。ただし、別表第九の三に定める患者に限り、1日9単位まで上限が緩和される。この緩和の対象には、これまで運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者も含まれていた。しかし、適切な算定を推進する観点から、対象範囲の見直しが求められていた。そこで令和8年度診療報酬改定は、上限緩和の対象患者を見直す。今回の見直しは、対象患者を2つの方向で変更する。第1に、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第2に、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる60日間の起算日を明確化する。一方、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する患者は、これまでどおり緩和の対象である。以下、上限緩和の仕組みと2つの見直し点を順に説明する。上限緩和とは|1日9単位までのリハビリを認める仕組み上限緩和とは、1日に算定できるリハビリテーションの単位数を、通常より多く認める仕組みである。疾患別リハビリテーション料は、原則として患者1人につき1日6単位までしか算定できない。しかし別表第九の三に該当する患者は、この上限が緩和される。緩和された患者は、1日9単位まで算定できる。つまり別表第九の三は、手厚いリハビリを認める対象患者の一覧表である。この一覧表には、3つの区分の患者が並ぶ。第1の区分は、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する患者である。第2の区分は、脳血管疾患等の患者のうち、一定期間内のものである。第3の区分は、早期歩行やADL自立を目的としてリハビリ料(Ⅰ)を算定する入院患者である。今回の改定は、このうち第2と第3の区分を見直す。見直し①|運動器リハビリの入院患者を緩和対象から除外第1の見直しは、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第3の区分は、早期歩行やADL自立を目的とする入院患者を緩和の対象としている。この区分には、現行では5種類のリハビリ料(Ⅰ)が並んでいた。改定後は、このうち運動器リハビリテーション料(Ⅰ)が削除される。削除の結果、第3の区分で緩和の対象となるリハビリ料は4種類になる。現行で対象だったのは、心大血管疾患、脳血管疾患等、廃用症候群、運動器、呼吸器の5つのリハビリ料(Ⅰ)である。改定後に対象として残るのは、運動器を除いた4つである。具体的には、心大血管疾患、脳血管疾患等、廃用症候群、呼吸器のリハビリ料(Ⅰ)が残る。運動器リハビリの入院患者は、この区分を通じた1日9単位までの算定ができなくなる。この除外は、運動器リハビリの算定を、より適切な範囲に絞る見直しである。見直し②|脳血管疾患等の患者の起算日を明確化第2の見直しは、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる期間の起算日を明確化する。第2の区分は、脳血管疾患等の患者のうち一定期間内のものを緩和の対象としている。この期間は、現行では「発症後六十日以内」と定められていた。しかし、何を起点に60日を数えるかが、必ずしも明確ではなかった。そこで改定後は、起算日を3つに具体化する。新たな規定は「発症日、手術日又は急性増悪の日から六十日以内」である。つまり起算日は、発症日に加え、手術日と急性増悪の日も含まれる。この明確化により、手術後や急性増悪後の患者でも、起算日を判断しやすくなる。変わらない点と実務への影響3区分のうち、第1の区分は今回の改定で変わらない。第1の区分は、回復期リハビリテーション病棟入院料又は特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する患者である。ただし、この区分では運動器リハビリテーション料を算定する患者が、もともと除かれている。この除外規定は、現行のまま維持される。実務では、運動器リハビリの入院患者を扱う医療機関が、影響を受けやすい。これらの医療機関は、第3の区分を通じた1日9単位の算定ができなくなる。一方、脳血管疾患等の患者を扱う医療機関は、起算日の判断基準を確認する必要がある。施行までに、自院の対象患者を区分ごとに整理しておくとよい。まとめ|2つの見直しで緩和対象を適正化令和8年度診療報酬改定は、リハビリ算定単位数の上限緩和について、対象患者を2点で見直す。第1に、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第2に、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる期間の起算日を明確化する。これらの見直しは、適切な疾患別リハビリテーション料の算定を推進するものである。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定|医療機関外リハビリの上限単位数見直しを徹底解説
生活機能の回復には、実際の生活場面に近い環境でのリハビリテーションが効果的です。しかし従来、医療機関外で行う疾患別リハビリテーションは、1日3単位までしか疾患別リハビリとみなすことができませんでした。この上限が、より集中的な取組を行ううえでの制約となる場合がありました。本稿では、令和8年度診療報酬改定における「医療機関外における疾患別リハビリテーション料の上限単位数の見直し」の内容を、初心者の方にも分かりやすく解説します。今回の改定では、医療機関外での疾患別リハビリテーションの上限を、一連の入院において合計3単位まで上乗せできるよう見直しました。従来からの「1日3単位まで」という枠は、引き続き維持されます。この枠を超える必要がある場合に、入院期間全体で合計3単位(厚生労働大臣が定める患者は6単位)を追加で算定できます。算定にあたっては、常時の付き添いや搬送体制の確保など、安全への配慮が引き続き求められます。改定の背景:質の高い生活機能の回復を後押し今回の見直しは、より質の高い生活機能の回復を後押しすることを狙いとしています。リハビリテーションは、患者が日常生活へ円滑に戻ることを目的とする取組です。この目的を達成するには、医療機関の中だけでなく、実際の生活場面に近い環境での訓練が効果を発揮します。たとえば、自宅周辺の道路を歩く、店舗で買い物をするといった訓練は、退院後の生活を見据えた実践的なリハビリにつながります。この医療機関外でのリハビリは、従来、1日3単位までという上限が設けられていました。1日3単位までであれば、医療機関の外で行った訓練も疾患別リハビリテーションとみなすことができました。しかし、患者の状態によっては、1日3単位を超えて医療機関外での訓練が必要となる場面もあります。この上限が、集中的な生活機能回復の妨げとなる場合がありました。こうした課題を踏まえ、今回の改定で上限単位数が見直されることになりました。改定の具体的内容:一連の入院で合計3単位を上乗せ改定では、1日3単位を超える分を、一連の入院において合計3単位まで上乗せできるようになりました。従来からの「1日3単位まで」という枠は、そのまま維持されます。この枠を超えて医療機関外でリハビリを実施する必要がある場合に、入院期間全体を通じて合計3単位を追加で算定できる仕組みです。さらに、厚生労働大臣が定める患者(特掲診療料の施設基準等別表第九の三に掲げる患者)については、上乗せの上限が合計6単位となります。現行と改定後の違いは、次のとおりです。1日あたりの上限は、現行・改定後ともに3単位までで変わりません。この1日3単位を超える必要がある場合、現行では超えた分を算定できませんでした。改定後は、超えた分を一連の入院において合計3単位まで上乗せして算定できます。さらに、厚生労働大臣が定める患者については、改定後は一連の入院において合計6単位まで上乗せできます。ここでいう「厚生労働大臣が定める患者」とは、別表第九の三に掲げられた患者を指します。これらの患者は、より手厚いリハビリテーションを必要とする状態にあると位置づけられています。そのため、医療機関外での上乗せ単位数も、合計6単位とより多く認められています。算定の要件と留意点:安全への配慮は引き続き必須上乗せ算定にあたっても、従来同様の安全への配慮が引き続き必要です。医療機関外でのリハビリを疾患別リハビリとみなすには、所定の要件((1)から(4)まで)をすべて満たさなければなりません。この要件は、今回の上乗せ算定においても変わりなく適用されます。安全への配慮として、まず常時の付き添いが求められます。医療機関外でリハビリを実施する際には、訓練場所との往復を含め、常時従事者が付き添う必要があります。この付き添いにあわせて、緊急時に速やかに医療機関へ連絡・搬送できる体制を確保しなければなりません。こうした体制づくりにより、患者の安全に十分配慮することが求められます。なお、往復に要した時間は、リハビリテーションの実施時間には含まれません。訓練の前後において、訓練場所との往復に要した時間は、実施時間の対象外となります。算定の対象となるのは、あくまで実際にリハビリを行った時間に限られます。この点は、単位数を数えるうえで注意が必要です。まとめ:医療機関外リハビリの上限が柔軟に今回の改定は、より質の高い生活機能の回復を後押しするための見直しです。従来の「1日3単位まで」という枠は維持しつつ、これを超える分を一連の入院で合計3単位(厚生労働大臣が定める患者は6単位)まで上乗せできるようになりました。上乗せ算定にあたっては、常時の付き添いや連絡・搬送体制の確保など、安全への配慮が引き続き必須となります。医療機関外でのリハビリをより柔軟に活用し、患者の生活機能の回復につなげていくことが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】退院時リハビリテーション指導料の対象患者が限定に|算定要件のポイント解説
令和8年度診療報酬改定では、退院時リハビリテーション指導料の算定要件が見直されました。現行の要件では、対象患者が限定されていません。今回の改定は、退院後の在宅生活に向けた訓練を指導するという本来の目的を踏まえ、適切な患者への指導を推進する観点から行われました。本記事は、この算定要件の見直しについて、その背景から対象となる算定項目までを整理して解説します。今回の見直しの要点は、対象患者を入院中にリハビリ関連の点数を算定した患者に限定したことです。見直しの狙いは、退院時リハビリテーション指導料を本来の目的に沿って適切な患者へ提供することにあります。対象患者は、入院中に疾患別リハビリテーション料等を算定した患者に限られます。対象となる算定項目には、リハビリ・栄養・口腔連携の加算、早期離床・リハビリテーション加算、疾患別リハビリテーションが含まれます。見直しの狙いは制度の目的に沿った算定の徹底今回の見直しは、退院時リハビリテーション指導料を本来の目的に沿って算定するために行われました。退院時リハビリテーション指導料とは、退院後の在宅生活に向けた訓練の指導を評価する点数です。この指導の対象は、基本的動作能力、応用的動作能力、社会的適応能力の回復を図る訓練です。この指導は、入院中にリハビリテーションを受けた患者にこそ意味を持ちます。退院後の訓練の指導は、入院中のリハビリテーションの内容を踏まえてはじめて効果を発揮するためです。しかし現行の要件では、対象患者が限定されていません。今回の見直しは、本来の目的に沿った適切な患者への指導を推進するために行われました。改定の要点は対象患者を「リハビリを算定した患者」に限定したこと今回の改定では、対象患者を入院中にリハビリ関連の点数を算定した患者に限定しました。限定の対象となるのは、当該保険医療機関での入院中に、疾患別リハビリテーション料等を算定した患者です。この限定により、入院中にリハビリテーションを受けていない患者は、退院時リハビリテーション指導料の対象から外れます。一方で、指導の内容そのものは現行から変わりません。算定の対象となる指導は、これまでどおり在宅での動作能力や社会的適応能力の回復を図る訓練の指導です。同一日に退院時共同指導料2を別に算定できない取扱いも、現行のまま維持されます。今回変わったのは、指導の内容ではなく、対象となる患者の条件だけです。対象患者の条件となる算定項目は3つのグループに整理できる対象患者の条件となる算定項目は、大きく3つのグループに整理できます。いずれかの項目を入院中に算定した患者が、退院時リハビリテーション指導料の対象となります。以下では、3つのグループを順に確認します。第1のグループは、リハビリテーション・栄養・口腔連携の加算です。具体的には、A233のリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算と、A304注10のリハビリテーション・栄養・口腔連携加算が該当します。第2のグループは、早期離床・リハビリテーション加算です。具体的には、A301注4、A301-2注3、A301-3注3、A301-4注3の各加算が該当します。第3のグループは、疾患別リハビリテーションです。具体的には、第7部リハビリテーションの第1節の各区分のいずれかが該当します。まとめ令和8年度改定では、退院時リハビリテーション指導料の対象患者が見直されました。見直しの狙いは、制度の目的に沿った適切な患者への指導の推進です。対象患者は、入院中に疾患別リハビリテーション料等を算定した患者に限定されました。実務では、対象となる3つのグループの算定項目を確認し、退院時の算定漏れや過誤を防ぐことが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定 在宅療養指導料の見直し|情報通信機器による指導を新設
令和8年度診療報酬改定は、様々な場面におけるオンライン診療の推進を重点課題としている。しかし在宅療養指導料は、これまで情報通信機器を用いた指導を評価してこなかった。本稿は、在宅療養指導料に情報通信機器による指導を新設する見直しを解説する。今回の見直しは、在宅療養指導料に情報通信機器を用いた指導の評価を新設するものである。在宅療養指導料は、初回と2回目以降に区分される。2回目以降の情報通信機器による指導は、148点で新たに評価される。情報通信機器による指導の対象は、在宅自己注射指導管理料を算定する患者と、退院後1月以内の慢性心不全の患者に限られる。1. 見直しの背景と目的今回の見直しは、患者のセルフケア支援の充実と負担軽減を目的とする。在宅療養指導料は、医師の指示に基づき保健師・助産師・看護師が在宅療養上必要な指導を行った場合に算定する。この指導は、これまで対面のみを評価対象としてきた。一方、令和8年度改定は、外来や在宅医療など様々な場面でオンライン診療の推進を進めている。そこで在宅療養指導料についても、対面と情報通信機器を組み合わせた指導を適切に推進する見直しが行われる。組み合わせた指導は、患者のセルフケアを継続的に支援する。さらに、通院に伴う患者の負担も軽減する。2. 新設される点数体系在宅療養指導料は、初回と2回目以降の3区分に再編される。現行の在宅療養指導料は、170点の一本立てである。改定後は、初回(イ)と2回目以降(ロ)に区分される。初回(イ)は、対面で行った場合の170点である。2回目以降(ロ)は、対面と情報通信機器の2つに分かれる。2回目以降の対面(ロ(1))は、170点である。2回目以降の情報通信機器(ロ(2))は、148点である。この148点が、今回新設される評価である。3. 情報通信機器による指導の対象患者情報通信機器による指導は、2種類の患者に対象が限られる。在宅療養指導料そのものは、在宅療養指導管理料を受ける患者など、幅広い在宅療養患者を対象とする。これに対し、情報通信機器による指導(ロ(2))の対象は、次の2種類に限定される。1つは、在宅自己注射指導管理料(C101)を算定している患者である。もう1つは、退院後1月以内の慢性心不全の患者である。この2種類以外の患者は、2回目以降も対面での指導が必要となる。4. 算定上の留意点情報通信機器による指導には、算定回数の制限がある。在宅療養指導料は、患者1人につき月1回を原則として算定する。ただし初回(イ)を算定する月は、初回(イ)と2回目以降(ロ)を合算して月2回まで算定できる。情報通信機器による指導(ロ(2))も、この月1回の枠内で算定する。5. まとめ今回の見直しは、在宅療養指導料に情報通信機器による指導を新設するものである。在宅療養指導料は、初回(170点)と2回目以降(対面170点・情報通信機器148点)に再編される。情報通信機器による指導の対象は、在宅自己注射指導管理料の算定患者と、退院後1月以内の慢性心不全の患者に限られる。この見直しにより、対面とオンラインを組み合わせた在宅療養指導が推進される。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度診療報酬改定】情報通信機器を用いた医学管理等の新評価を解説
令和8年度診療報酬改定は、外来や在宅医療など様々な場面でオンライン診療の推進を進めています。しかし、在宅振戦等刺激装置治療指導管理料とプログラム医療機器等指導管理料には、これまで情報通信機器を用いた場合の評価がありませんでした。本稿は、この2つの管理料に新設された情報通信機器を用いた場合の評価を、背景と算定要件に分けて解説します。今回の改定では、2つの管理料に情報通信機器を用いた場合の評価が新たに設けられました。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料は、情報通信機器を用いた場合に所定点数に代えて705点を算定できます。プログラム医療機器等指導管理料は、情報通信機器を用いた場合に所定点数に代えて78点を算定できます。いずれの管理料も、情報通信機器を用いた診療の体制を整え、施設基準を地方厚生局長等に届け出る必要があります。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料の新設(705点)在宅振戦等刺激装置治療指導管理料には、情報通信機器を用いた場合の評価として705点が新設されました。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料は、振戦などの不随意運動症に対して脳深部刺激療法(DBS)を受ける患者を対象とします。DBSは、患者の体内に刺激装置を植え込み、その刺激の設定を医師が定期的に調整する治療です。この調整は、これまで患者が医療機関へ来院し、対面で行う必要がありました。来院による調整を変えたのが、DBSの遠隔プログラミングです。遠隔プログラミングは、インターネット回線を介して刺激の設定を遠隔から変更する技術を指します。この技術に対応するプログラム医療機器は、令和4年11月に薬事承認されました。海外の臨床試験では、遠隔プログラミングの有用性と安全性が示されています。さらに、日本定位・機能神経外科学会が「脳深部刺激療法(DBS)における遠隔プログラミングの手引き」を作成し、対面診療と遠隔プログラミングを適切に組み合わせる方法を示しました。こうした有用性と手引きを踏まえ、情報通信機器を用いた場合の評価が新設されました。具体的には、施設基準を届け出た保険医療機関が、当該指導管理を情報通信機器を用いて行った場合に、所定点数に代えて705点を算定できます。プログラム医療機器等指導管理料の新設(78点)プログラム医療機器等指導管理料には、情報通信機器を用いた場合の評価として78点が新設されました。プログラム医療機器等指導管理料は、患者自らが使用する治療用アプリ等の指導管理を月1回評価する管理料です。対象となるアプリには、ニコチン依存症治療補助アプリや高血圧症治療補助アプリがあります。所定点数は90点です。今回の新設は、併算定する管理料との整合性を踏まえています。プログラム医療機器等指導管理料は、ニコチン依存症管理料や生活習慣病管理料(Ⅱ)と併せて算定できます。これらの併算定する管理料には、すでに情報通信機器を用いた場合の規定がありました。一方、プログラム医療機器等指導管理料には、この規定がありませんでした。この規定の不整合を踏まえ、情報通信機器を用いた場合の評価が新設されました。具体的には、施設基準を届け出た保険医療機関が、当該医学管理を情報通信機器を用いて行った場合に、所定点数に代えて78点を算定できます。算定に必要な施設基準と届出いずれの管理料も、情報通信機器を用いた場合の評価を算定するには、施設基準を満たして届け出る必要があります。両管理料に共通する施設基準は、情報通信機器を用いた診療を行うにつき十分な体制が整備されていることです。この体制を整えた上で、地方厚生局長等に届け出ます。プログラム医療機器等指導管理料は、この共通基準に加えて、もう一つの施設基準を満たす必要があります。それは、プログラム医療機器等の指導管理を行うにつき十分な体制が整備されていることです。つまり、従来からの指導管理の体制と、新たな情報通信機器の体制という2つの体制を備える必要があります。まとめ令和8年度改定は、オンライン診療の推進の一環として、2つの管理料に情報通信機器を用いた場合の評価を新設しました。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料は所定点数に代えて705点、プログラム医療機器等指導管理料は所定点数に代えて78点を算定できます。いずれの管理料も、情報通信機器を用いた診療の体制を整え、施設基準を届け出ることが算定の前提となります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定|外来栄養食事指導料の見直しを徹底解説
令和8年度診療報酬改定では、情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導料が見直されます。外来栄養食事指導料とは、管理栄養士が患者へ食事指導を行ったときに医療機関へ支払われる診療報酬です。この診療報酬では、従来、情報通信機器や電話による指導の評価と算定要件に課題が残されていました。本稿は、その見直しの内容を初心者にもわかりやすく整理します。今回の見直しは、2つの柱で構成されます。第1の柱は、情報通信機器又は電話による指導の評価の見直しです。第2の柱は、情報通信機器による指導のみでも算定できる要件の明確化です。以下では、2つの柱を順に解説します。第1の柱:情報通信機器又は電話による指導の評価を見直し第1の柱は、情報通信機器又は電話による指導の評価の見直しです。見直しの中心は、2回目以降の追加的指導に対する新区分の新設です。この新設にあわせて、電話による指導の位置づけも変わります。新区分は、2回目以降に情報通信機器又は電話で追加的な指導を行った場合を評価します。点数は、外来栄養食事指導料1で50点、外来栄養食事指導料2で45点です。改定案の点数を区分ごとに整理すると、次のとおりです。【外来栄養食事指導料1】(保険医療機関の管理栄養士が指導する場合) ・初回:対面 260点/情報通信機器 235点 ・2回目以降:対面 200点/情報通信機器 180点 ・2回目以降の追加的指導(新設):50点【外来栄養食事指導料2】(診療所が当該保険医療機関以外の管理栄養士に依頼して指導する場合) ・初回:対面 250点/情報通信機器 225点 ・2回目以降:対面 190点/情報通信機器 170点 ・2回目以降の追加的指導(新設):45点新区分の追加的指導は、初回の指導を前提として実施します。まず、管理栄養士が対面又は情報通信機器で初回の指導を行います。そのうえで、2回目以降に情報通信機器又は電話で追加的な指導を行ったときに、新区分を算定できます。この追加的指導には指導時間の要件がなく、必要な指導が行われれば時間の長短は問いません。新区分の追加的指導には、算定回数と併算定に制限があります。算定回数は、月1回までです。併算定については、同一月に2回目以降の通常の指導(対面又は情報通信機器による指導)を算定した場合、追加的指導を算定できません。電話による指導の位置づけは、今回の見直しで変わります。従来は、電話による指導も「情報通信機器等を用いた場合」の区分として算定できました。改定後は、この区分が「情報通信機器を用いた場合」へ改められ、情報通信機器による指導に限定されます。電話による指導は、新設された追加的指導の区分でのみ評価されます。第2の柱:情報通信機器による指導のみで算定可能とする要件の明確化第2の柱は、情報通信機器による指導のみでも算定できる要件の明確化です。明確化の対象は、事前に作成する指導計画と、対面指導が必須となる場面の2点です。指導計画の作成要件は、いずれか一方の計画でも算定可能であると明確化されます。従来は、対面指導と情報通信機器による指導を組み合わせた計画の作成が求められていました。改定後は、組み合わせ型に加えて、対面のみ又は情報通信機器のみの計画でも要件を満たします。この明確化により、情報通信機器による指導のみで完結する外来栄養食事指導が算定可能となります。退院した患者については、初回から情報通信機器による指導を実施できます。この場合、当該指導までの間に指導計画を作成します。対面指導が必須となる場面は、同日に栄養食事指導を行う場合へ限定されます。従来は、外来受診した場合に必ず対面指導が求められていました。改定後は、外来受診と同日に外来栄養食事指導を実施する場合に限り、対面指導が必須となります。この限定により、外来受診日以外の情報通信機器による指導が行いやすくなります。まとめ:2つの柱でオンライン栄養指導を推進令和8年度改定の外来栄養食事指導料は、2つの柱で見直されます。第1の柱は、情報通信機器又は電話による指導の評価の見直しです。2回目以降の追加的指導に新区分(50点・45点)が新設され、電話による指導はこの新区分で評価されます。第2の柱は、情報通信機器による指導のみで算定できる要件の明確化です。指導計画はいずれか一方の作成でもよく、対面が必須となるのは同日に指導する場合に限られます。これらの見直しは、情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導の推進を目的としています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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遠隔連携診療料の評価拡大とは|令和8年度改定で対象疾患・場面が大幅拡大
かかりつけ医と専門医をオンラインでつなぐ「D to P with D」が、専門医療へのアクセスを支える手段として期待されている。しかし、その評価である遠隔連携診療料は、これまで難病とてんかんの外来診療に対象が限られていた。本記事では、令和8年度診療報酬改定で行われた遠隔連携診療料の3つの拡大を、初めて学ぶ方にもわかるように解説する。令和8年度改定では、遠隔連携診療料が対象疾患と算定場面の両面で大幅に拡大された。第一に、外来診療で対象疾患に希少がんや医療的ケア児(者)などが追加された。第二に、訪問診療における算定が新たに設けられた。第三に、入院診療における算定が新たに設けられた。あわせて点数も3つの場面それぞれで900点に見直された。遠隔連携診療料とは|かかりつけ医と専門医をつなぐ「D to P with D」遠隔連携診療料は、患者のそばにいるかかりつけ医を、専門医とオンラインでつなぐ評価である。この仕組みは「D to P with D」と呼ばれる。ここでは、D to P with Dの意味と、改定前の算定の枠組みを順に説明する。D to P with Dとは、患者(Patient)が医師(Doctor)に付き添われながら、別の医師(Doctor)の診療を受ける形のオンライン診療である。この形では、患者の近くにいるかかりつけ医が、専門的な診療を行う他の医療機関の医師とビデオ通話でつながる。これにより、患者は遠方の専門医療機関まで足を運ばなくても、専門医の診療を受けられる。改定前の遠隔連携診療料は、対象も場面も限られていた。対象疾患は、指定難病とてんかんの2つに限られていた。算定場面は外来診療のみで、点数は診断を目的とする場合が750点、その他の場合が500点であった。いずれの場合も、算定は3月に1回までに限られていた。拡大1:外来診療の対象疾患が広がった1つ目の拡大は、外来診療における対象疾患の追加である。改定前は指定難病とてんかんのみが対象であったが、改定後は対象疾患が大きく広がった。あわせて、点数も従来の枠組みから900点へと見直された。外来診療の対象疾患には、希少がんと医療的ケア児(者)が新たに加わった。希少がんの患者は、診断を目的とする場合には疑いの段階の患者も含まれる。医療的ケア児(者)は、日常的に医療的なケアを必要とする子どもや成人を指す。これらに加え、小児慢性特定疾病の患者も対象に追加された。人口の少ない地域では、さらに3つの疾患が対象に加わった。具体的には、治療中の悪性腫瘍、治療中の膠原病、慢性維持透析の3つである。これらは、対象地域に所在する医療機関を受診した患者に限って算定できる。専門医が不足しがちな地域でも、オンラインで専門的な診療を受けられるようにする狙いがある。点数は、3つの算定場面に共通して900点に見直された。改定前は「診断目的750点・その他500点」と目的別に分かれていたが、改定後は「外来・訪問・入院」と場面別の区分に整理された。外来診療の場合は、このうち900点を3月に1回まで算定する。拡大2:訪問診療での算定が新設された2つ目の拡大は、訪問診療における算定の新設である。改定前は外来診療しか算定できなかったが、改定後は在宅で療養する患者にも対象が広がった。これにより、通院が困難な患者も自宅で専門医の診療を受けられるようになる。訪問診療の対象は、在宅で療養し通院が困難な患者のうち、次の3つに該当する者である。1つ目は、主治医の医療機関が掲げていない診療科で、その診療科の医師でなければ難しい診療を要する者である。2つ目は、医療的ケア児(者)である。3つ目は、外来緩和ケア管理料の対象患者である。訪問診療での算定は、主治医の求めを受けて行う点が特徴である。主治医が計画的な医学管理のもとで訪問して診療を行う際に、専門医とビデオ通話でつなぐ。この訪問診療の場合も、900点を3月に1回まで算定する。拡大3:入院診療での算定が新設された3つ目の拡大は、入院診療における算定の新設である。訪問診療と同じく、改定前にはなかった算定場面が新たに設けられた。これにより、入院中の患者も他の医療機関の専門医による診療(対診)をオンラインで受けられるようになる。入院診療の対象は、入院中の患者のうち、次の5つに該当する者である。1つ目は指定難病の患者、2つ目は希少がんの患者、3つ目は小児慢性特定疾病医療支援の対象患者である。4つ目は臓器移植の希望者として登録された患者、5つ目は当該医療機関が掲げていない診療科で、その診療科の医師でなければ難しい診療を要する者である。入院診療での算定は、入院中にビデオ通話で専門医と連携して行う。入院先の医療機関が事前に専門医へ診療情報を提供したうえで、入院中の患者の治療管理を目的として連携する。この入院診療の場合も、900点を3月に1回まで算定する。算定にあたって共通する要件3つの算定場面には、共通する要件がある。場面ごとに対象疾患や点数は異なるが、算定の進め方の基本は変わらない。ここでは、3つの場面に共通する主な要件を整理する。算定には、患者の同意と、専門医への事前の診療情報提供が必要である。まず、患者の同意を得る。次に、専門的な診療を行う他の医療機関の医師へ、事前に診療情報を提供する。そのうえで、ビデオ通話が可能な情報通信機器を用いて、その専門医と連携して診療を行う。連携先となる専門医療機関には、疾患ごとに満たすべき基準がある。たとえば、難病の患者では難病診療連携拠点病院などが、てんかんの患者ではてんかん診療拠点機関が連携先となる。希少がんでは特定機能病院や都道府県がん診療連携拠点病院が該当する。連携先の要件は対象疾患ごとに定められているため、算定前の確認が欠かせない。まとめ:遠隔連携診療料は3つの拡大で活用場面が広がった令和8年度改定では、遠隔連携診療料が対象疾患と算定場面の両面で大幅に拡大された。第一に、外来診療では対象疾患に希少がんや医療的ケア児(者)などが加わり、人口の少ない地域では悪性腫瘍・膠原病・透析も対象となった。第二に、訪問診療における算定が新設され、通院が困難な患者も自宅で専門医の診療を受けられるようになった。第三に、入院診療における算定が新設され、入院中の患者も専門医による対診を受けられるようになった。いずれの場面も900点を3月に1回まで算定でき、D to P with Dの活用がいっそう進むことが期待される。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定|D to P with N オンライン診療の評価明確化を徹底解説
D to P with N とは、看護師が患者のそばに付き添い、医師が離れた場所からオンラインで診療する形態です。このD to P with N には、看護職員の訪問や検査・処置の算定方法に不明確な部分があり、令和7年6月の規制改革実行計画で改善が求められていました。令和8年度診療報酬改定は、このD to P with N の評価を明確化し、その適正な推進を後押しします。今回の明確化は、3つの観点から算定ルールを整理します。第一に、訪問看護・指導と一体的にオンライン診療を行う場合、在宅患者訪問看護・指導料を併算定できることを明確化します。第二に、訪問看護を伴わずに看護職員が訪問する場合の評価として、訪問看護遠隔診療補助料を新設します。第三に、D to P with N で行う検査・注射・処置の評価として、看護師等遠隔診療実施料を新設します。訪問看護と一体のオンライン診療は併算定できる訪問看護・指導と一体的にオンライン診療を行う場合は、在宅患者訪問看護・指導料を算定できます。この取扱いは、これまで明記されていませんでしたが、今回の改定で通知に明文化されました。この明確化は、在宅患者訪問看護・指導料(C005)と同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2)に適用されます。具体的には、訪問看護・指導の実施時に当該保険医療機関の保険医が情報通信機器を用いた診療を実施した場合、C005およびC005-1-2を算定できます。つまり、看護師の訪問看護と医師のオンライン診療を同じ時間帯に予定している形態が、算定の対象として整理されたわけです。この場合に注意すべき点は、訪問看護・指導の実施時間を十分に確保することです。オンライン診療を併せて行う場合でも、訪問看護・指導そのものの質を落としてはなりません。あくまで訪問看護・指導が主であり、オンライン診療はそこに重なる形で実施されます。訪問看護を伴わない訪問には訪問看護遠隔診療補助料を新設訪問看護を同時に実施しない場合の看護職員の訪問には、訪問看護遠隔診療補助料を新設します。この補助料は、看護職員が医療機関に所属するか訪問看護ステーションに所属するかに応じて、2種類で構成されます。医療機関に所属する看護職員が訪問する場合は、医科点数表のC005-1-3 訪問看護遠隔診療補助料を算定します。点数は1日につき265点で、算定できるのは月に1回までです。算定の対象は、在宅で療養する患者、または緊急に診療を要する通院困難な患者です。医師がオンライン診療の際に看護師等の同席が必要と判断し、患者の同意を得て看護師等が患家を訪問し、診療の補助を行った場合に算定します。このC005-1-3には、2つの訪問パターンが含まれます。1つは、オンライン診療を行う医療機関自身が、診療時に自院の看護師等を患家に訪問させるパターンです。もう1つは、連携する訪問看護ステーションの看護師等が訪問を併用するパターンです。ただし後者でも、訪問看護指示書を交付した医療保険の訪問看護対象患者については、その訪問費用は訪問看護療養費として直接支払われるため、C005-1-3の対象にはなりません。なお、医師または看護師の配置が義務付けられている施設に入所している患者は、C005-1-3の算定対象になりません。ただし給付調整告示等で別に規定する場合は、この限りではありません。C005-1-3には、併算定の制限があります。算定できないのは、在宅患者訪問看護・指導料(C005)、同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2)、訪問看護指示料(C007)、精神科訪問看護・指導料(I012)、および訪問看護療養費です。一方で、在宅患者訪問点滴注射管理指導料(C005-2)は併せて算定できます。C005-1-3を算定するうえで共通して必要なのは、オンライン指針を遵守する点と、訪問の必要性を記録する点です。診療を行う保険医が看護師等による患家への訪問の必要性を認めた場合に限り算定し、その必要性を診療録と診療報酬明細書の摘要欄に記載します。また初診からオンライン診療を行う場合は、これに加えて診療前相談を実施します。一方で、緊急に診療を要する患者に対して行う場合は、追加の条件が課されます。この場合は、患者や家族等から当該医療機関に緊急の診療を直接求められ、医師が看護師等の同席が必要と判断し、可及的速やかに看護師等を患家に訪問させて診療の補助を行ったときに算定できます。逆に、定期的ないし計画的にオンライン診療を行った場合は、緊急ケースとしては算定できません。これは「緊急に診療を要する患者」に固有の取扱いであり、「在宅で療養を行っている患者」を対象とする場合とは区別されます。同一の患家、または形態上ホーム全体を同一の患家とみなせる有料老人ホーム等で、看護師等が2人以上の患者の診療の補助を行った場合は、取扱いが異なります。2人目以降の患者については訪問看護遠隔診療補助料を算定せず、初診料・再診料・外来診療料および特掲診療料のみを算定します。ただし2人目以降で診療に要した時間が1時間を超えた場合は、その旨を摘要欄に記載したうえで訪問看護遠隔診療補助料を算定できます。訪問看護ステーションに所属する看護職員が訪問する場合は、訪問看護療養費の07 訪問看護遠隔診療補助料を算定します。所定額は1日につき2,650円で、算定できるのは月に1回までです。算定の対象は、主治医から交付された訪問看護指示書の有効期間内にある利用者です。定期的に行う指定訪問看護以外の場面で、緊急に診療を要すると判断した主治医の指示を受けて訪問し、オンライン診療の補助を行った場合に算定します。この07にも、併算定の制限があります。同一日には、訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費、訪問看護管理療養費、訪問看護情報提供療養費、訪問看護ターミナルケア療養費、訪問看護ベースアップ評価料を算定できません。また算定できるのは1人の利用者につき1つの訪問看護ステーションのみであり、同一利用者について医療機関がC005-1-3を算定した場合は算定できません。2つの補助料の対応関係は、次のとおりです。* C005-1-3 訪問看護遠隔診療補助料:保険医療機関が算定し、265点(1日につき・月1回)* 07 訪問看護遠隔診療補助料:訪問看護ステーションが算定し、2,650円(1日につき・月1回)検査・注射・処置には看護師等遠隔診療実施料を新設D to P with N で行う検査・注射・処置には、看護師等遠隔診療実施料を新設します。これらは、通常の所定点数に代えて算定する点が特徴です。検査を実施した場合は、看護師等遠隔診療検査実施料を算定します。看護師等といる患者にオンライン診療を行い、第3節または第4節の検査を実施したときに、各区分の所定点数に代えて算定します。点数は、1種類の場合が100点、2種類以上の場合が150点で、いずれも1日につき算定します。注射を実施した場合は、看護師等遠隔診療注射実施料を算定します。看護師等といる患者にオンライン診療を行い、第1節の注射を実施したときに、各区分の所定点数に代えて1日につき100点を算定します。ただし処置実施料のロを算定する場合は算定できず、また在宅患者訪問点滴注射管理指導料(C005-2)は別に算定できません。処置を実施した場合は、看護師等遠隔診療処置実施料を算定します。看護師等といる患者にオンライン診療を行い、第1節の処置を実施したときに、各区分の所定点数に代えて算定します。点数は、1種類の場合が100点、2種類以上の場合が150点で、いずれも1日につき算定します。3つの実施料を整理すると、次のとおりです。* 看護師等遠隔診療検査実施料:第3節・第4節の検査が対象で、1種類100点・2種類以上150点* 看護師等遠隔診療注射実施料:第1節の注射が対象で、100点* 看護師等遠隔診療処置実施料:第1節の処置が対象で、1種類100点・2種類以上150点まとめ:D to P with N の3つの明確化を押さえる令和8年度診療報酬改定は、D to P with N のオンライン診療の評価を、3つの観点から明確化します。第一に、訪問看護・指導と一体的に行うオンライン診療では、在宅患者訪問看護・指導料を併算定できることを明文化しました。第二に、訪問看護を伴わない看護職員の訪問には、訪問看護遠隔診療補助料を新設し、医療機関側を265点、訪問看護ステーション側を2,650円としました。第三に、D to P with N で行う検査・注射・処置には、看護師等遠隔診療実施料を新設しました。これらの整理により、看護師の所属や訪問形態の違いに応じた算定が、より明確になります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】遠隔電子処方箋活用加算とは?算定要件をやさしく解説
令和8年度診療報酬改定で、オンライン診療における電子処方箋の活用を推進する新たな評価が設けられました。オンライン診療では以前から電子処方箋を発行できますが、電子処方箋システムを活用した質の高い処方を後押しする評価はこれまでありませんでした。そこで本稿は、新設される「遠隔電子処方箋活用加算」について、その趣旨と算定の流れを初心者向けに整理します。なお本稿では、読みやすさのため「オンライン診療」と表記します。告示・通知上の正式な表現は「情報通信機器を用いた診療」であり、対象患者は「情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者」です。実務で原文を参照する際は、この正式名称をご確認ください。遠隔電子処方箋活用加算は、オンライン診療で電子処方箋を発行した場合に、月1回10点を加算する評価です。この加算の対象は、情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者です。この加算の算定には、薬剤情報の確認・調剤薬局の聴取と確認・電子処方箋の発行という3つの要件をすべて満たす必要があります。さらにこの加算の届出には、電磁的記録による処方箋を発行する体制という施設基準が求められます。1. 新設の背景|2つの観点から評価する遠隔電子処方箋活用加算は、「利便性の向上」と「質の高い処方の評価」という2つの観点から新設されます。この2つの観点は、いずれもオンライン診療と電子処方箋を組み合わせることで実現します。利便性の向上とは、オンライン診療をより使いやすくすることです。従来のオンライン診療では、紙の処方箋の原本を患者へ郵送したり、患者が希望する薬局へFAXで送ったりする手間がかかっていました。電子処方箋を使えば、こうした郵送やFAXの手間がなくなり、患者と医療機関の双方の負担が軽くなります。なお、この郵送・FAXに関する記述は、本改定項目の資料ではなく、関連する医療DX資料に基づく補足です。質の高い処方の評価とは、安全性の高い処方を診療報酬で後押しすることです。電子処方箋システムでは、患者の最新の薬剤情報を確認できます。この薬剤情報をもとに重複投薬等チェックを行えば、飲み合わせや重複処方のリスクを下げられます。本加算は、このチェックを伴う処方を評価する仕組みです。2. 加算の概要|オンライン診療で月1回10点遠隔電子処方箋活用加算は、オンライン診療の際に電子処方箋を発行した場合に、月1回に限り10点を所定点数に加算する評価です。この加算は、施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関だけが算定できます。算定できるのは、情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者です。つまり、対面ではなくオンラインで医学管理を受ける患者が対象です。この患者に対して電子処方箋を発行したとき、月1回まで本加算を算定できます。3. 算定要件|アからウまでの3要件をすべて満たす遠隔電子処方箋活用加算の算定には、通知に定められたアからウまでの3要件をすべて満たす必要があります。この3要件は、「薬剤情報の確認」「調剤薬局の聴取と確認」「電子処方箋の発行」という処方の流れに沿って並んでいます。要件アは、薬剤情報の確認です。電子処方箋システムにより薬剤情報を確認し、重複投薬等チェックを実施します。このチェックが、安全な処方の土台になります。要件イは、調剤薬局の聴取と確認です。患者に対し事前に調剤する保険薬局を聴取し、当該保険薬局の電子処方箋の対応状況を確認します。この聴取と確認により、患者が希望する薬局と確実に連携できます。要件ウは、電子処方箋の発行です。電子処方箋を発行します。ただし、引換番号が印字された紙の処方箋は、ここでいう電子処方箋には含まれません。4. 施設基準|電磁的記録による処方箋の発行体制遠隔電子処方箋活用加算の届出には、電磁的記録による処方箋を発行する体制という施設基準を満たす必要があります。この体制とは、紙ではなくデータで処方箋を作成・発行できる仕組みを指します。この施設基準を満たした保険医療機関は、地方厚生局長等に届け出ることで本加算を算定できます。届出を行っていない医療機関は、要件を満たしていても算定できません。本加算の算定を検討する医療機関は、まず電子処方箋の発行体制を整えることが出発点になります。5. まとめ|安全と利便性を両立する新加算遠隔電子処方箋活用加算は、オンライン診療で電子処方箋を発行した場合に、月1回10点を加算する新設の評価です。対象は、情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者です。算定には、薬剤情報の確認・調剤薬局の聴取と確認・電子処方箋の発行という3つの要件をすべて満たす必要があります。さらに届出には、電磁的記録による処方箋を発行する体制という施設基準が求められます。この加算は、重複投薬等チェックによる安全性と、郵送の手間を省く利便性を両立させる仕組みといえます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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オンライン診療の施設基準はどう変わる?令和8年度改定の3つの追加要件
オンライン診療(情報通信機器を用いた診療)は、医療現場へ広く用いられている。今回の見直しは、オンライン診療の実態と向精神薬の処方実態を踏まえたものである。本稿は、令和8年度診療報酬改定で見直されたオンライン診療の施設基準を、現場が対応すべき視点から解説する。令和8年度改定は、オンライン診療の施設基準に3つの要件を追加した。第一に、改定後はオンライン診療指針の遵守を確認するチェックリストをウェブサイトへ掲示しなければならない。第二に、改定後は医療広告ガイドラインの遵守が求められる。第三に、改定後は向精神薬を処方する際に電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェックが必要となる。① チェックリストのウェブサイト掲示オンライン診療の施設基準は、改定後、ウェブサイトへの掲示事項を拡充する。現行の施設基準は、ウェブサイトへの掲示として、初診で向精神薬を処方しない旨のみを求めている。改定後の施設基準は、この掲示に加えて、オンライン診療指針の遵守を確認するチェックリストの掲示を求める。掲示すべきチェックリストには、当該保険医療機関での対応状況を記入する。このチェックリストは、「オンライン診療指針」の遵守を確認するための様式である。② 医療広告ガイドラインの遵守医療広告ガイドラインの遵守は、改定後、新たに施設基準へ加わる。このガイドラインは、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等の指針である。オンライン診療を行う医療機関は、自院のウェブサイトでこのガイドラインを守らなければならない。ウェブサイトを作成する医療機関は、「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」を参考にする。この参照は、改定後の施設基準で求められる対応である。③ 向精神薬処方時の重複投薬等チェック向精神薬の処方時には、改定後、電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェックが必要となる。この要件は、向精神薬の処方実態を踏まえて新設された。あわせて施設基準には、向精神薬を適正に使用するために必要な体制の整備が求められる。電子処方箋システムを有していない医療機関には、経過措置が設けられている。この経過措置は、令和10年5月31日までの間に限り認められる。期間中、電子処方箋システムのない医療機関は、代替手段で薬剤情報を確認できる。代替手段は、2つの仕組みのいずれかである。1つ目は、オンライン資格確認等システムである。2つ目は、医療機関間で電子的に医療情報を共有するネットワークである。医療機関は、このいずれかを用いて薬剤情報を確認すればよい。まとめ令和8年度改定は、オンライン診療の適正な推進に向けて、施設基準に3つの要件を追加した。3要件は、チェックリストのウェブサイト掲示、医療広告ガイドラインの遵守、そして向精神薬処方時の重複投薬等チェックである。オンライン診療を行う医療機関は、改定後の運用に向けて、この3要件への対応を早期に進める必要がある。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】医療DX推進体制整備加算の廃止と電子的診療情報連携体制整備加算の新設を解説
医療DXの関連施策は、オンライン資格確認や電子処方箋の普及により着実に前進してきました。普及が進んだ段階では、サービスの導入を促す評価から、サービスの活用による質の高い医療を促す評価へと、軸足を移す必要があります。本メルマガは、令和8年度診療報酬改定の「医療DX推進体制整備加算等の見直し」を、外来・入院・調剤の区分ごとに整理します。今回の見直しの柱は、既存加算の廃止と新加算の新設による評価体系の再編です。第一に、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算を廃止し、電子的診療情報連携体制整備加算を新設します。第二に、診療録管理体制加算について、サイバーセキュリティ対策の要件を見直し、評価区分を3つから2つに整理します。第三に、調剤報酬の加算を電子的調剤情報連携体制整備加算へ改称し、電子処方箋システムによる重複投薬等のチェック体制を要件に加えます。あわせて、電子カルテ情報共有サービスに係る経過措置を延長します。外来・入院での加算の再編:廃止と新設外来と入院の加算は、2つの加算の廃止と新加算の新設により再編されます。廃止されるのは、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算の2つです。両加算に代わり、初診料・再診料・外来診療料・入院料加算として、電子的診療情報連携体制整備加算が新設されます。新設される電子的診療情報連携体制整備加算は、外来では月1回を限度に算定します。初診料では、施設基準の区分に従い、加算1が15点、加算2が9点、加算3が4点です。再診料と外来診療料では、いずれも一律2点です。入院料加算としても、電子的診療情報連携体制整備加算が新設されます。入院料加算では、入院初日に限り、加算1が160点、加算2が80点を算定します。歯科でも、同様の考え方で電子的歯科診療情報連携体制整備加算が新設されます。歯科の初診料では、加算1が9点、加算2が4点です。歯科の再診料では、2点を算定します。なお、初診料・再診料の電子的診療情報連携体制整備加算は、明細書発行体制等加算との併算定ができません。診療所がこの加算を算定する場合、明細書発行体制等加算は別に算定できない点に注意が必要です。診療録管理体制加算の見直し:サイバーセキュリティと区分整理診療録管理体制加算は、サイバーセキュリティ対策の要件見直しと評価区分の整理という2点で見直されます。サイバーセキュリティ対策については、現行の加算1の施設基準にある「非常時における対応体制」の要件が、加算1の施設基準から削除されます。この非常時の対応体制は、後述する新設の電子的診療情報連携体制整備加算(入院)の施設基準に位置づけられます。評価区分は、現行の3区分から2区分へ整理されます。点数も見直され、加算1は140点から100点へ、加算2は100点から30点へ引き下げられます。現行の加算3(30点)は廃止されます。調剤報酬の見直し:廃止・改称と重複投薬チェック調剤報酬では、医療情報取得加算の廃止と、医療DX推進体制整備加算の改称という2つの見直しが行われます。医療情報取得加算は、廃止されます。医療DX推進体制整備加算は、電子的調剤情報連携体制整備加算へ改称されます。改称にあわせて、現行の3区分(10点・8点・6点)は1区分に統合され、点数は月1回8点となります。さらに、電子処方箋システムによる重複投薬等のチェックを行う体制を有することが、施設基準に追加されます。経過措置の延長:電子カルテ情報共有サービス電子カルテ情報共有サービスに係る経過措置は、在宅と調剤の両方で延長されます。在宅医療DX情報活用加算では、当該サービスに係る要件を「当面の間」満たしているものとみなします。電子的調剤情報連携体制整備加算でも、同様に「当面の間」満たしているものとみなします。いずれも、国等が全国で運用を開始した場合は、速やかな導入に努めることとされています。まとめ今回の「医療DX推進体制整備加算等の見直し」は、評価体系の再編が柱です。外来・入院では、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算を廃止し、電子的診療情報連携体制整備加算を新設します。診療録管理体制加算では、サイバーセキュリティ要件を見直し、区分を3つから2つに整理します。調剤報酬では、加算を電子的調剤情報連携体制整備加算へ改称し、重複投薬等のチェック体制を要件に加えます。あわせて、電子カルテ情報共有サービスに係る経過措置を延長します。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定|在宅CPAP指導管理料の見直しと加算15点を解説
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)は、睡眠時無呼吸症候群に対する標準的な治療です。この治療の効果は、患者が機器を毎晩どれだけ使ったか(アドヒアランス)に大きく左右されます。ところが従来の診療報酬では、使用状況をデータで把握する体制が十分に評価されてきませんでした。そこで令和8年度診療報酬改定は、質の高い在宅CPAP療法を推進する観点から、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料と終夜睡眠ポリグラフィーの要件と評価を見直します。本稿は、この見直しの内容を初学者にもわかるように解説します。今回の改定は、2つの見直しで在宅CPAP療法の質を高めます。第一に、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2へ「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算」15点を新設します。第二に、その指導管理料2の点数本体を250点から240点へ引き下げます。第三に、終夜睡眠ポリグラフィーの評価を、院内または訪問で実施する場合とその他の場合とに分けます。在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の見直し在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の見直しは、加算の新設と点数本体の引下げの2つで構成されます。加算の新設では、指導管理料2に「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算」15点を設けます。この加算を算定できるのは、機器の使用時間等をモニタリング可能な体制を有し、適切な指導管理を行っている医療機関です(施設基準)。つまり改定は、患者の使用状況をデータで把握し、その結果に基づいて指導する医療機関を上乗せ評価します。点数本体の引下げでは、指導管理料2を250点から240点へ10点引き下げます。この引下げと先の加算を合わせると、モニタリング体制を満たす医療機関は240点に15点を加えた255点となり、実質で5点増えます。一方、体制を満たさない医療機関は240点にとどまり、10点減ります。改定は、こうしてモニタリング体制の有無で評価に差をつけます。なお、指導管理料1は2,250点のまま変わりません。今回の見直しの対象は、指導管理料2に限られます。終夜睡眠ポリグラフィーの見直し終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)の見直しは、検査の実施方法に応じて評価区分を細分化するものです。評価区分の細分化では、現行で「その他のもの」として3,570点とされてきた区分を2つに分けます。改定後は、保険医療機関内で実施する場合や医療従事者が患者宅を訪問して検査装置を装着する場合を「保険医療機関内で又は訪問して実施するもの」とし、3,570点を維持します。これに対し、それ以外の場合は「その他のもの」として2,000点に設定します。専門職が関与して装着する検査を手厚く評価する考え方です。あわせて、検査に要した交通費の取扱いも明確化します。改定後の終夜睡眠ポリグラフィーでは、検査に要した交通費を患家の負担とする注記を新たに設けます。なお、携帯用装置を使用した場合の720点、多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用した場合の250点、安全精度管理下で行う4,760点は、いずれも変わりません。改定に共通する狙い2つの見直しに共通するのは、データと実施実態に基づいて医療の質を評価する考え方です。在宅CPAP療法では、使用時間のモニタリング体制を評価します。使用時間は治療の効果(アウトカム)に直結するため、その把握体制を評価することが質の向上につながります。終夜睡眠ポリグラフィーでは、訪問や院内での適切な実施を評価します。専門職が関与する実施方法を評価することで、検査データの質を担保します。これらは、アウトカムにも着目した評価の推進という今回の改定方針に沿った見直しです。まとめ令和8年度診療報酬改定は、質の高い在宅CPAP療法を推進するため、2つの見直しを行います。在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2では、モニタリング体制を評価する充実管理体制加算15点を新設し、点数本体を250点から240点へ引き下げます。終夜睡眠ポリグラフィーでは、訪問や院内での実施を3,570点で評価し、その他の場合を2,000点に分けます。いずれの見直しも、データと実施実態に基づいて医療の質を評価する方針を反映しています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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外来データ提出加算が「充実管理加算」へ|令和8年度診療報酬改定の新設項目
令和8年度診療報酬改定は、外来医療でデータに基づく評価を推進します。従来の外来データ提出加算は、データ提出の有無だけを評価していました。本稿は、この加算を再編して新設される「充実管理加算」を解説します。充実管理加算は、データ提出を前提としつつ、上位区分ほど生活習慣病管理の実績を高く評価します。具体的には、従来の外来データ提出加算(50点)が、充実管理加算へ再編されます。この充実管理加算は、患者の主病ごとに、実績水準に応じた3段階の点数を設定します。さらに、経過措置により、既存の届出医療機関は1年間、最上位の実績要件を満たすものとみなされます。見直しの背景と目的今回の見直しは、提出データを診療の質の評価につなげることを目的とします。背景には、外来医療でデータに基づく適切な評価を推進する方針があります。この方針のもと、診療報酬の請求状況や治療管理の状況といった診療内容のデータが、医療機関から継続的に提出されてきました。しかし、従来の外来データ提出加算は、これらのデータの提出体制だけを評価していました。つまり、提出されたデータが示す診療の質は、評価の対象外でした。そこで今回の改定は、ガイドライン等に沿った質の高い生活習慣病管理を行う医療機関を、より高く評価する仕組みへと見直します。あわせて、医療機関に提出を求めるデータは簡素化されます。今回の改定は、この簡素化を踏まえて評価体系を見直します。見直しにより、評価の対象は提出体制から診療の質へと広がります。充実管理加算の点数体系充実管理加算は、3つの主病ごとに、実績水準に応じた3段階の点数を設定します。対象となる主病は、脂質異常症、高血圧症、糖尿病の3つです。これらの主病それぞれに、充実管理加算1から3までの3段階が用意されます。脂質異常症を主病とする場合、点数は3段階に分かれます。充実管理加算1は30点、充実管理加算2は20点、充実管理加算3は10点です。高血圧症を主病とする場合も、同じ3段階の点数が設定されます。充実管理加算1は30点、充実管理加算2は20点、充実管理加算3は10点です。糖尿病を主病とする場合も、同様に3段階の点数が設定されます。充実管理加算1は30点、充実管理加算2は20点、充実管理加算3は10点です。なお、これらの加算は、生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれにも共通して適用されます。段階を区分する施設基準充実管理加算の3段階は、生活習慣病管理の実績水準によって区分されます。いずれの段階も、外来患者の診療内容に関するデータを継続的かつ適切に提出する体制を、共通の前提とします。この共通の前提に、管理実績の要件が段階ごとに上乗せされます。充実管理加算1は、管理につき十分な実績を有する医療機関が対象です。データ提出体制に加えて、主病の管理で十分な実績が求められます。この最上位の段階に、30点が設定されます。充実管理加算2は、管理につき相当の実績を有する医療機関が対象です。データ提出体制に加えて、主病の管理で相当の実績が求められます。この中位の段階に、20点が設定されます。充実管理加算3は、データ提出体制を満たす医療機関が対象です。管理実績の要件はなく、データ提出体制だけが求められます。この基本の段階に、10点が設定されます。既存届出医療機関への経過措置経過措置は、既存の届出医療機関に準備期間を設けます。対象は、令和8年3月31日時点で外来データ提出加算(注4)の届出を行っている医療機関です。これらの医療機関には、新基準への移行を円滑にするための猶予が認められます。具体的には、対象の医療機関は、令和9年3月31日までの間、充実管理加算1の実績要件を満たすものとみなされます。この間、医療機関は十分な実績の要件を改めて満たさなくても、最上位の段階で算定できます。経過措置の終了後は、実際の実績水準に応じた段階で算定します。まとめ令和8年度診療報酬改定は、外来データ提出加算を充実管理加算へ再編します。この充実管理加算は、データ提出体制に加えて、生活習慣病管理の質を評価します。点数は、脂質異常症・高血圧症・糖尿病の主病ごとに、実績水準に応じた3段階で設定されます。既存の届出医療機関には、令和9年3月31日までの経過措置が設けられます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度診療報酬改定】データ提出加算の入院料要件はどう変わる?精神病棟3類型を解説
国は、データに基づくアウトカム評価を医療の質向上の柱に据えています。このアウトカム評価は、医療機関が国へ提出する診療実績データに支えられています。ところが精神病棟入院基本料の一部では、データを提出する医療機関が1~3割にとどまっていました。そこで本稿は、令和8年度診療報酬改定がこのデータ提出を新たに入院料の要件とする見直しを解説します。今回の見直しは、データ提出加算の届出を要件とする入院料を、精神病棟入院基本料の3類型へ拡大するものです。拡大の対象は、精神病棟入院基本料の15対1、18対1、20対1です。拡大の背景には、これら3類型での届出割合の低さと、令和6年度改定で先行した10対1・13対1の要件化があります。そして経過措置として、すでに届け出ている医療機関には令和10年5月31日までの猶予が、一定の要件を満たす医療機関には当分の間の例外が設けられます。データ提出加算とは ― データに基づく評価を支える仕組みデータ提出加算とは、診療実績のデータを継続して厚生労働省へ提出する医療機関を評価する加算です。このデータには、入院・外来・在宅・リハビリテーションの診療実績が含まれます。国はこのデータを用いて、医療の実態把握や診療報酬改定の検討を進めています。この加算の点数は、データ提出加算1から4までに分かれます。たとえばデータ提出加算1は、許可病床数200床以上で145点、200床未満で215点です。点数自体は大きくありませんが、重要なのは点数よりも「届出」のほうです。データ提出加算の「届出」は、近年、入院料を算定するための施設基準として位置づけられてきました。届出を施設基準とすれば、その入院料を算定する医療機関は、実質的にデータ提出を求められます。この仕組みを通じて、国はデータ提出の対象を着実に広げてきました。拡大の対象 ― 精神病棟入院基本料の3類型今回の拡大で新たに要件化されるのは、精神病棟入院基本料の15対1、18対1、20対1です。これら3類型は、患者に対する看護職員の配置を15人対1人などで表す入院料です。今回の改定では、これら3類型の施設基準に「データ提出加算に係る届出を行っていること」が加わります。ただし、この要件には例外があります。新規に保険医療機関を開設する場合など、やむを得ない事情があるときは、要件の対象から除かれます。この例外は、開設直後でデータ提出体制が整わない医療機関に配慮したものです。拡大の背景 ― 届出割合の低さと先行した要件化この3類型を対象に選んだ背景には、届出割合の低さがあります。15対1、18対1、20対1では、データ提出加算の届出を行う医療機関が1~3割にとどまっていました。データに基づくアウトカム評価を進めるうえで、この低さが課題とされました。一方、同じ精神病棟入院基本料でも、10対1と13対1は令和6年度改定ですでに要件化されています。データ提出加算の対象は、これまでの改定で漸次拡大されてきました。今回の見直しは、この流れを精神病棟入院基本料の残る3類型へ広げるものといえます。経過措置 ― 猶予期間と一部医療機関への配慮急な要件化による現場の混乱を避けるため、二段構えの経過措置が設けられます。第一に、令和8年3月31日時点ですでに3類型を届け出ている医療機関は、令和10年5月31日まで要件を満たしているとみなされます。この猶予期間は、データ提出体制の整備に充てられます。第二に、一定の要件を満たす医療機関は、当分の間みなし対象となります。この例外の対象は、データ提出がすでに必須とされている急性期向けなどの病棟を持たず、かつデータ提出加算の届出が困難な正当の理由がある医療機関です。具体的には、療養病棟などを持つ場合はその病床数の合計が200床未満であること、精神病棟入院基本料などを持つ場合は病床数を問わないことが、それぞれ条件となります。これらの措置により、電子カルテが未導入といった事情のある医療機関も、段階的に対応できます。まとめ令和8年度診療報酬改定は、データ提出加算の届出要件を精神病棟入院基本料の15対1、18対1、20対1へ拡大します。拡大の背景には、これら3類型での届出割合の低さと、データに基づくアウトカム評価を推進する国の方針があります。経過措置として、すでに届け出ている医療機関には令和10年5月31日までの猶予が、一定の要件を満たす医療機関には当分の間の例外が設けられます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定|入院基本料の患者割合計算が明確化|3つのポイント解説
入院基本料や特定入院料の施設基準は、平均在院日数や在宅復帰率などの基準の達成を求めます。このうち在宅復帰率などの患者割合は、病棟から退院した患者を分母と分子に振り分けて算出します。しかし、ひとつの病棟で複数の入院料を算定する場合、どの患者を計算対象に含めるかが曖昧でした。そこで令和8年度診療報酬改定は、患者割合の計算方法を明確化しました。本稿では、その明確化の内容を3つのポイントで解説します。今回の明確化は、患者割合の計算ルールを統一し、現場の解釈のばらつきを解消します。第一に、在宅復帰率の計算で、他の入院料を算定する患者を計算対象から除外します。第二に、特定入院料の患者割合の計算でも、同様の除外を通則として明文化します。第三に、1病棟で届け出られる特定入院料を2種類までに制限します。1. 在宅復帰率の計算対象を明確化する在宅復帰率の計算では、他の入院料を算定する患者を計算対象から除外します。除外の対象は、病床単位で算定する特定入院料や、短期滞在手術等基本料を算定する患者です。この除外は、急性期一般入院料1などの自宅等退院割合と、療養病棟の在宅復帰機能強化加算の両方に適用されます。在宅復帰率は、病棟から退院した患者のうち、自宅などに退院した患者の割合です。急性期一般入院料1などの施設基準は、この割合が一定以上であることを求めます。計算では、直近6か月間に退院した患者数を分母とし、自宅等に退院した患者数を分子とします。この計算から除外する患者が、今回の改定で追加されました。従来から、再入院患者や転棟患者、救急患者連携搬送料を算定して転院した患者、死亡退院した患者などが計算対象外とされてきました。ここに、退院時に他の入院料を届け出ている病床・病室の患者と、短期滞在手術等基本料を算定する患者が加わります。療養病棟入院基本料の在宅復帰機能強化加算でも、同じ除外が適用されます。この加算は、在宅に退院した患者の割合が5割以上であることを求めます。改定後は、他の入院料を届け出ている病床・病室の患者と、短期滞在手術等基本料を算定する患者を、分子と分母の双方から除きます。2. 特定入院料の計算方法を通則で統一する特定入院料の患者割合の計算でも、他の特定入院料や短期滞在手術等基本料を算定する患者を除外します。この除外は、個々の入院料ごとではなく、特定入院料に共通する「通則」として規定されます。通則化により、すべての特定入院料で計算ルールが統一されます。特定入院料とは、回復期リハビリテーション病棟入院料などの、特定の機能を持つ病棟・病室の入院料です。これらの施設基準は、それぞれ患者割合などの要件を定めます。同じ病棟内に別の特定入院料や短期滞在手術等基本料を算定する病床があると、計算対象が複雑になっていました。改定後は、これらの患者を計算対象から除く扱いが通則に明記されます。通則とは、個々の入院料に共通して適用される基本ルールです。通則に規定することで、入院料ごとに同じ除外規定を繰り返す必要がなくなります。3. 1病棟あたりの特定入院料を2種類までに制限する1病棟で届け出られる特定入院料は、2種類までに制限されます。この制限は、患者割合などの要件が過度に複雑になることを防ぎます。背景には、病棟が1つの看護単位として機能すべきという考え方があります。従来は、1病棟で届け出られる特定入院料の種類数に明確な上限がありませんでした。種類が増えるほど、病床ごとに異なる患者割合を管理する必要が生じます。この管理は、病棟を1看護単位として運営するうえで過度な負担となっていました。改定後は、この種類数を2つまでとする規定が新設されます。規定は、特定入院料の施設基準の通則に置かれます。上限を設けることで、病棟ごとの管理が簡素になります。4. 経過措置を確認する今回の明確化には、2つの経過措置が設けられます。在宅復帰率と在宅復帰機能強化加算については、令和9年5月31日まで従前の例によることができます。特定入院料の種類数の制限については、当分の間、新基準に該当するものとみなされます。在宅復帰率の計算は、一定期間、従来のルールを使い続けられます。対象は、令和8年3月31日時点で急性期一般入院料1などの届出を行っている病棟です。これらの病棟は、令和9年5月31日まで従前の例によることができます。特定入院料の種類数の制限には、別の経過措置が適用されます。対象は、令和8年3月31日時点で特定入院料の届出を行っている病棟・病室です。これらは、当分の間、2種類までの基準に該当するものとみなされます。まとめ令和8年度改定は、患者割合の計算方法を3つの点で明確化しました。第一に、在宅復帰率の計算から、他の入院料や短期滞在手術等基本料を算定する患者を除外します。第二に、特定入院料の計算でも、同じ除外を通則として明文化します。第三に、1病棟の特定入院料を2種類までに制限します。これらの明確化は、現場の解釈のばらつきを解消し、病棟管理の事務負担を軽減します。経過措置を活用しながら、自院の届出状況を早めに確認しておきましょう。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定 リハビリ実績指数の見直しを徹底解説【回復期リハ病棟】
回復期リハビリテーション病棟では、リハビリの成果を「リハビリテーション実績指数」という数値で評価しています。この実績指数は、機能改善が乏しいまま漫然とリハビリが続くことを防ぐ仕組みとして働いてきました。しかし、より質の高いアウトカム評価を進めるには、算出方法と除外対象患者の基準を見直す必要があります。本記事は、令和8年度診療報酬改定で実施されるこの見直しの内容を、回復期リハ病棟の実務担当者向けに解説します。今回の見直しは、「評価のきめ細かさ」「合格ラインの引き上げ」「除外対象の厳格化」「情報公開の強化」という4つの柱に整理できます。第1の柱では、歩行やトイレ動作が自立した患者に加点する仕組みを新設します。第2の柱では、実績指数の合格ラインを27から30に引き上げます。第3の柱では、算出から除外できる患者の要件と上限割合を厳しくし、除外割合を30%から20%に縮小します。第4の柱では、実績の公開方法に院内掲示とウェブサイト掲載を明確に位置づけます。第1の柱:評価のきめ細かさ ― 歩行・トイレ動作の自立を加点第1の柱は、算出方法を見直して評価のきめ細かさを高めるものです。実績指数は、FIM運動項目の得点の伸び(利得)を、入棟から退棟までの日数で調整して算出します。今回、この利得の計算に、歩行・車椅子とトイレ動作の自立を反映する加点ルールを加えます。ここでいうFIMとは、患者の日常生活動作の自立度を点数化する機能的自立度評価表のことです。このFIMの運動項目は、点数が高いほど自立に近いことを示します。なかでも6点以上は、介助なしで動作できる「自立」の領域を意味します。新ルールは、この自立への到達を実績指数に反映します。具体的には、「歩行・車椅子」と「トイレ動作」の得点が入棟時に5点以下、退棟時に6点以上へ上がった場合、その項目ごとに利得へ1点を加えます。この加点により、介助が必要な状態から自立した患者の改善を、これまで以上にていねいに評価できます。加点の効果は計算例で確認できます。退棟患者50人の運動項目利得の総和が1,400だった場合を考えます。このうち「歩行・車椅子」が自立に到達した患者が20人、「トイレ動作」が自立に到達した患者が30人いれば、分子は1,400+1×20+1×30=1,450に増えます。この結果、実績指数は現行の33.3から34.5へと上がります。第2の柱:合格ラインの引き上げ ― 実績指数27から30へ第2の柱は、実績指数の合格ラインの引き上げです。回復期リハ病棟では、実績指数が2回連続で基準値を下回ると、「効果に係る相当程度の実績が認められない場合」に該当します。今回、この基準値を27から30に引き上げます。基準値を下回り続けると、診療報酬の算定に大きな制約がかかります。該当した月以降、1日6単位(1単位は20分)を超える疾患別リハビリテーション料は、回復期リハビリテーション病棟入院料に包括されます。つまり、6単位を超える分を出来高で算定できなくなります。ただし、発症後60日以内の脳血管疾患等の患者へのリハビリは、この包括の対象から除かれます。復帰の道にも、この実績指数30以上が組み込まれます。包括の対象となった後でも、別の月に「対象患者数が10名未満」「1日あたり平均実施単位数が6単位未満」「実績指数が30以上」のいずれかを満たせば、再び6単位を超える分を出来高で算定できます。このように合格ラインが27から30へ上がることで、病棟にはより高い成果が求められます。第3の柱:除外対象の厳格化 ― 除外要件と割合の見直し第3の柱は、除外対象患者の厳格化です。実績指数は、改善が見込みにくい一部の患者を算出から除外できます。今回、この除外できる患者の要件と上限割合を、ともに厳しくします。第1に、年齢による除外をなくします。これまで除外できた「年齢が80歳以上のもの」という要件を削除します。第2に、運動機能が低い患者の除外に条件を付けます。「FIM運動項目の得点が20点以下のもの」は引き続き除外できますが、1日平均6単位を超えるリハビリを行った患者は算出対象に含めます。第3に、認知機能による除外の基準を引き下げます。「FIM認知項目の得点が24点以下のもの」という要件を、「14点以下のもの」へと厳しくします。第4に、除外できる割合の上限を縮小します。これらの要件見直しに合わせ、入棟患者数に対する除外割合の上限を、100分の30から100分の20へ引き下げます。第4の柱:情報公開の強化 ― ウェブサイト掲載の明確化第4の柱は、実績の情報公開の強化です。回復期リハ病棟は、退棟患者数や直近の実績指数を、少なくとも3か月ごとに公開する義務を負います。今回、この公開方法に院内掲示とウェブサイト掲載を明確に位置づけます。現行では「院内掲示する等の方法で公開」とされてきました。改定後は、院内掲示に加え、掲示事項をウェブサイトに掲載することが求められます。ただし、自らのホームページ等を持たない医療機関は、ウェブサイト掲載を要しません。まとめ:質の高いアウトカム評価への一歩令和8年度の今回の見直しは、回復期リハ病棟のアウトカム評価をより質の高いものへと進めます。算出方法では、歩行・トイレ動作の自立到達を加点します。合格ラインは、実績指数27から30へ引き上げられます。除外対象は、要件と割合の両面で厳格化されます。情報公開は、ウェブサイト掲載まで明確化されます。これらの見直しは、漫然としたリハビリを避け、患者の生活機能の回復という本来の成果を後押しするものといえます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定で医療安全対策加算が大幅引き上げ|85点から160点へ
令和8年度診療報酬改定では、医療安全対策加算の要件と評価が見直されました。医療安全対策加算は、患者へ安心・安全な医療を提供する体制を評価する診療報酬です。今回の見直しは、この安心・安全な医療の提供を更に推進する観点から行われます。そこで本記事は、改定で何がどう変わったのかを、初めて改定資料に触れる方にもわかるように解説します。今回の改定には、2つの変更点があります。第1に、医療安全対策加算1・2の点数が、いずれも約2倍に引き上げられました。第2に、医療安全対策地域連携加算1が、これまで対象外だった特定機能病院でも算定できるようになりました。なお、地域連携加算そのものの点数は、従来どおり据え置かれています。改定の背景:患者の安心・安全な医療の更なる推進今回の見直しは、患者への安心・安全な医療提供を更に推進する観点から行われます。これが、改定資料に示された基本的な考え方です。医療安全対策加算は、医療安全対策に取り組む体制を整えた医療機関を評価する仕組みです。この考え方に沿って、改定では加算の要件と評価がまとめて見直されました。見直しの内容は、2つの対応に分かれます。第1の対応は、医療安全対策加算の評価点数を引き上げることです。第2の対応は、医療安全対策地域連携加算1を特定機能病院でも算定できるようにすることです。以下では、この2つの変更点を順に説明します。変更点1:医療安全対策加算1・2の点数が約2倍に引き上げ第1の変更点は、医療安全対策加算1・2の点数の引き上げです。医療安全対策加算1は、改定前の85点から160点へと引き上げられました。医療安全対策加算2は、改定前の30点から70点へと引き上げられました。加算1はおよそ1.9倍、加算2はおよそ2.3倍の増点であり、いずれも従来の2倍前後の水準です。点数の引き上げは、加算1と加算2の双方で行われました。加算1の引き上げ幅は、85点から160点までの75点です。加算2の引き上げ幅は、30点から70点までの40点です。このように、2つの区分がそろって増点されました。変更点2:地域連携加算1が特定機能病院でも算定可能に第2の変更点は、医療安全対策地域連携加算1の算定対象の拡大です。地域連携加算は、医療安全に関する医療機関間の連携体制を評価する加算です。この加算1について、改定前は特定機能病院が算定対象から除かれていました。しかし今回の改定で、特定機能病院においても加算1を算定できるようになりました。算定対象の扱いは、加算1と加算2で異なります。加算1は、特定機能病院も含めて算定できるようになりました。一方、加算2は、引き続き特定機能病院を算定対象から除いています。なお、地域連携加算の点数自体は、加算1が50点、加算2が20点で、いずれも改定前から変わっていません。まとめ:点数引き上げと連携拡大で医療安全を後押し令和8年度改定における医療安全対策加算の見直しは、2つの変更点に集約されます。第1に、加算1・2の点数がそれぞれ約2倍に引き上げられました。第2に、地域連携加算1が特定機能病院でも算定できるようになりました。これらの見直しは、患者への安心・安全な医療提供を更に推進する観点から行われたものです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定で認知症ケア加算が変わる|点数引き上げと身体的拘束減算の強化
認知症を抱えたまま身体疾患で入院する高齢患者が、年々増えている。こうした患者の安全を守るための身体的拘束をいかに減らすかが、近年の診療報酬改定で重要なテーマとなってきた。本稿では、令和8年度診療報酬改定における「認知症ケア加算の見直し」を、その背景とあわせて解説する。今回の見直しは、「ケアの評価を手厚くする」方向と「身体的拘束をより強く抑える」方向を組み合わせている。第一に、認知症ケア加算1〜3のすべての区分で、基本点数を引き上げた。第二に、身体的拘束を実施した日の減算を、所定点数の100分の40から100分の20へと強化した。これら2つの見直しは、組織で統一した取組を通じて身体的拘束の最小化を進める狙いを持つ。1. 前提:認知症ケア加算とは何か認知症ケア加算は、身体疾患で入院した認知症患者へのケアを評価する診療報酬である。対象は、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅢ以上の患者(重度の意識障害がある者を除く)とされる。算定は1日につき行われ、入院後14日以内の期間と15日以上の期間で点数が分かれている。この加算は、ケアの体制に応じて加算1から加算3までの3段階に分かれている。加算1は、専任の医師・看護師・社会福祉士などからなる認知症ケアチームによる取組を評価する。加算2は、専任の医師または専門性の高い看護師による取組を評価する。加算3は、研修を受けた病棟看護師による取組を評価する。いずれの区分でも、身体的拘束を必要としない環境づくりや、やむを得ず実施する場合の早期解除が、算定の要件に組み込まれている。2. 改定その1:基本点数の引き上げ今回の見直しは、まず認知症ケア加算の基本点数を全区分で引き上げた。引き上げは加算1から加算3まで、また14日以内・15日以上のすべての区分に及ぶ。これは、認知症患者へのアセスメントやケアの充実そのものを、これまでより手厚く評価する措置である。具体的な点数の変化は、次のとおりです。認知症ケア加算1は、14日以内の期間が180点から186点へ、15日以上の期間が34点から39点へ上がります。認知症ケア加算2は、14日以内の期間が112点から115点へ、15日以上の期間が28点から31点へ上がります。認知症ケア加算3は、14日以内の期間が44点から47点へ、15日以上の期間が10点から13点へ上がります。この引き上げは、適切なケアを提供する医療機関を後押しする「飴」にあたる。点数が上がることで、認知症患者への丁寧なケアに取り組む経済的な裏付けが強まる。次に述べる減算の強化と組み合わせることで、改定の方向性がより明確になる。3. 改定その2:身体的拘束実施日の減算の強化基本点数の引き上げと対をなすのが、身体的拘束を実施した日の減算の強化である。改定後は、身体的拘束を実施した日の点数が、所定点数の100分の40から100分の20へと引き下げられる。つまり、拘束のない日に算定できる点数に対して、拘束を行った日に算定できる割合が半分(20%)にまで縮むことになる。この減算は、身体的拘束を抑える「鞭」にあたる。たとえば認知症ケア加算1(14日以内)の場合、拘束のない日は186点を算定できる。一方で拘束を行った日は、その20%にあたる約37点にとどまる。拘束する日としない日の差が大きくなるほど、拘束を避ける動機が強まる仕組みである。減算の強化は、今回が初めてではなく、段階的に進められてきた経緯がある。平成28年度に認知症ケア加算が新設された当初、拘束日の点数は100分の60であった。令和6年度改定でこれが100分の40に引き下げられ、今回さらに100分の20へと強化される。60、40、20という数字の推移は、身体的拘束の抑制を年々強める国の姿勢を示している。4. 改定の背景と狙いこの2方向の見直しは、データと議論の積み重ねを背景としている。令和6年度改定で減算が強化された後、認知症ケア加算を算定した日のうち身体的拘束を実施した日の割合は、減少に転じた。この動向を踏まえ、中央社会保険医療協議会の分科会では、評価をさらに厳格化することもあり得るのではないかとの意見が出された。今回の減算強化は、こうした議論を反映したものである。見直しのもう一つの狙いは、組織で統一した取組を促すことにある。身体的拘束を減らすには、現場の努力だけでなく、管理者が主体となった意識づくりが欠かせない。改定資料でも、組織で統一した取組により、適切なケアや支援を推進することが明記されている。点数の引き上げと減算の強化は、こうした組織的な取組を診療報酬の面から後押しする手段といえる。まとめ令和8年度改定における認知症ケア加算の見直しは、「ケアの評価充実」と「身体的拘束の抑制強化」という2つの方向を組み合わせたものである。第一に、加算1〜3の全区分で基本点数を引き上げ、丁寧なケアを後押しした。第二に、身体的拘束を実施した日の減算を100分の40から100分の20へ強化し、拘束を避ける動機を強めた。これらの見直しは、組織で統一した取組を通じて身体的拘束の最小化を進める、国の一貫した方針を映し出している。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定 身体的拘束最小化の3つの見直しを解説
令和6年度診療報酬改定では、身体的拘束の最小化に向けた取組が入院料の通則に規定されました。この規定により、医療機関は緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束を行わない方針と、組織的に拘束を最小化する体制の整備を求められています。しかし、その後の調査では、施設間で身体的拘束の実施状況に大きな差が残ることが明らかになりました。本記事は、この差を埋めるために行われる令和8年度改定の見直しを、3つのポイントに整理して解説します。令和8年度改定は、3つの見直しで身体的拘束の最小化を更に推進します。第1の見直しは、組織風土や実績の要件を加えた通則基準の充実です。第2の見直しは、体制の基準を満たす施設の減算を40点から20点へ軽減する見直しです。第3の見直しは、1日40点を算定できる「身体的拘束最小化推進体制加算」の新設です。1.通則基準の充実 ― 取組の「質」を3つの追加で高める通則基準の充実は、取組の質を高めるための3つの追加で構成されます。1つ目は組織風土に関する追加です。2つ目は研修内容に関する追加です。3つ目は実績要件の追加です。以下、それぞれを順に説明します。組織風土の醸成は、基準に新たに明記された考え方です。改定後の基準は、患者の尊厳の保持と療養環境の質の確保という観点を冒頭に掲げます。この観点のもとで、医療機関は緊急やむを得ない場合を除き身体的拘束を行わない方針を徹底します。さらに、こうした方針を組織全体に根づかせる組織風土の醸成にも努めることが求められます。研修内容の充実は、職員の意識を高めるための追加です。改定後の研修では、含むことが望ましい内容として2つの項目が新たに示されました。1つは身体的拘束の代替手段に関する内容です。もう1つは患者の尊厳の保持の重要性に関する内容です。あわせて、拘束を最小化する指針には、鎮静を目的とした薬物の適正使用などの内容を必ず盛り込むことになりました(従来は「盛り込むことが望ましい」)。実績要件の追加は、取組の成果を確認するための新しい基準です。この要件は、2つの選択肢のいずれかを満たすことを求めます。1つ目の選択肢は、身体的拘束の実施割合を医療機関内で1割5分(15%)以下に抑えることです。2つ目の選択肢は、拘束の原則廃止に向けて、3つの取組すべてを継続することです。3つの取組とは、3か月に1回以上の委員会の開催、拘束病棟での解除・代替策の検討(巡回または都度の多職種検討)、年2回以上の研修です。実績要件には、施設の準備期間を見込んだ経過措置が用意されています。令和8年3月31日時点で届出を行っている病棟は、令和9年5月31日まで猶予されます。この期間は、指針への記載と実績の要件を満たしているものとして扱われます。2.減算の見直し ― 体制を整えた施設は20点へ軽減減算の見直しは、体制づくりに努める施設の負担を和らげる仕組みです。従来は、身体的拘束最小化の基準を満たせない施設に対し、入院料から1日40点を一律に減算していました。改定後は、この40点減算を原則としつつ、体制の基準を満たす施設には20点減算という軽い扱いを設けます。20点減算の対象は、体制は整えたが実績の基準には届かない施設です。改定後の基準は、体制に関する基準と実績等に関する基準の2階建てに分かれます。このうち体制の基準だけを満たす施設は、40点ではなく20点の減算ですみます。一方、体制の基準すら満たせない施設は、これまでどおり40点の減算となります。3.新加算の創設 ― 質の高い取組を1日40点で評価身体的拘束最小化推進体制加算は、特に質の高い取組を評価する新しい加算です。この加算は、1日につき40点を算定できます。算定できる病棟は、療養病棟入院基本料をはじめとする6つの入院料・管理料を算定する病棟に限られます。算定には、体制・実績・情報公開という3種類の施設基準を満たす必要があります。対象となる病棟は、6つの入院料・管理料に対応します。具体的には、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料です。これら以外の入院料を算定する病棟は、本加算の対象に含まれません。施設基準は、3つの柱で組み立てられています。第1の柱は、拘束の最小化に資する十分な体制の整備です。第2の柱は、当該病棟における十分な実績の確保です。第3の柱は、取組内容の情報公開です。具体的には、病院全体としての取組・原則として拘束を行わない方針・拘束の実施状況の3点を、院内の見やすい場所に掲示し、あわせて原則としてウェブサイトにも掲載します。まとめ ― 患者の尊厳を守るケアを後押しする改定令和8年度改定は、3つの見直しで身体的拘束の最小化を更に推進します。通則の基準は、組織風土と実績の要件を加えて充実します。減算は、体制の基準を満たす施設で40点から20点へ軽減されます。そして、質の高い取組には「身体的拘束最小化推進体制加算」として1日40点が新たに評価されます。これらの見直しは、患者の尊厳を守るケアを後押しするものといえます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度診療報酬改定|腹膜透析の医療機関間連携をやさしく解説
腹膜透析を管理できる医療機関は、二次医療圏によって偏りがある。この偏りのため、基幹病院から遠い地域の患者は、質の高い腹膜透析管理を受けにくい。本稿は、この課題に対応する令和8年度診療報酬改定の項目「医療機関間連携による腹膜透析管理の推進」を解説する。今回の改定は、腹膜透析を導入する基幹病院と、患者の身近で管理を行うかかりつけ医との役割分担を、新たに評価する。具体的には、在宅自己腹膜灌流指導管理料を「管理料1」と「管理料2」に区分した。さらに、管理料2(1,500点)を新設し、基幹病院がかかりつけ医の求めに応じて指導管理を行った場合に算定できるようにした。ただし、管理料2の算定には、施設基準の届出と「一連の治療につき2回まで」という制限が設けられている。なぜ連携が必要か|腹膜透析管理の地域格差腹膜透析の管理には専門的な体制が必要であり、その体制を備えた医療機関は地域に偏在している。腹膜透析は、患者自身の腹膜を使って血液を浄化する在宅治療である。患者は、おなかに留置したカテーテルから透析液を出し入れする。この入れ替えを自宅で続けることで、透析が成立する。腹膜透析は、通院回数が少なく、生活の自由度が高いという利点を持つ。一方で、感染症や合併症を防ぐため、専門的な指導管理が欠かせない。こうした専門的な管理を担うのは、腹膜透析の導入から指導までを行う基幹病院が中心である。しかし、基幹病院は都市部に集中し、腹膜透析を管理できる医療機関が乏しい二次医療圏は多い。その結果、基幹病院から遠い地域の患者は、頻繁な通院が難しく、適切な管理を受けにくい。この医療アクセスの課題を解決する手段が、基幹病院とかかりつけ医の連携である。改定の具体的内容|管理料の区分と管理料2の新設今回の改定は、在宅自己腹膜灌流指導管理料を2つに区分し、連携を担う管理料2を新設した。現行の在宅自己腹膜灌流指導管理料は、4,000点の一本立てであった。改定後は、この管理料を「管理料1」と「管理料2」の2つに区分する。管理料1は、従来どおり4,000点であり、患者を継続的に管理するかかりつけ医が算定する。新設された管理料2は、1,500点であり、連携先の基幹病院が算定する。具体的には、管理料1を算定しているかかりつけ医の求めに応じて、基幹病院が指導管理を行った場合に算定できる。対象となるのは、頻回に指導管理を行う必要がある患者である。この仕組みにより、患者は身近なかかりつけ医に通いながら、必要なときに基幹病院の専門的な管理を受けられる。管理料2の算定要件|施設基準と算定回数の制限管理料2の算定には、施設基準の届出と算定回数の制限という2つの要件がある。1つ目の要件は、施設基準の届出である。管理料2を算定する医療機関は、「腹膜透析患者に対する診療を行うにつき必要な体制が整備されていること」という施設基準を満たさなければならない。そのうえで、地方厚生局長等に届け出る必要がある。2つ目の要件は、算定回数の制限である。管理料2は、一連の治療につき2回までしか算定できない。この制限により、連携は患者にとって必要な範囲に保たれる。補足|算定にあたっての留意点ここで、算定にあたって誤解しやすい3つの点を補足する。第一に、これらの管理料の算定対象は、在宅自己連続携行式腹膜灌流(CAPD)を行う患者である。CAPDは、透析液の出し入れを患者が一日数回くり返す腹膜透析の代表的な方法を指す。本稿では腹膜透析と総称してきたが、算定上の対象はこのCAPDを行う入院中以外の患者に限られる。第二に、管理料1には、現行から変わらない算定ルールが残っている。頻回に指導管理を行う場合、同一月内の2回目以降は1回2,000点を月2回まで算定できる。ただし、同一月内に人工腎臓(J038)または腹膜灌流の1(J042)を算定する場合、この2回目以降の費用は算定しない。第三に、「2回」という回数が、2つの異なる意味で登場する。管理料1の頻回時の算定は「同一月内に月2回まで」を指す。一方、新設の管理料2は「一連の治療につき2回まで」を指す。両者は対象も期間も異なるため、混同しないよう注意したい。まとめ今回の改定は、腹膜透析を導入する基幹病院とかかりつけ医の役割分担を、新たに評価する。在宅自己腹膜灌流指導管理料を管理料1と管理料2に区分し、基幹病院がかかりつけ医の求めに応じて指導管理を行う管理料2(1,500点)を新設した。この連携の仕組みは、施設基準の届出と一連の治療につき2回までの制限のもとで運用される。腹膜透析を管理できる医療機関が乏しい地域でも、患者は医療アクセスを確保しつつ、質の高い管理を受けられるようになる。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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経皮的シャント拡張術・血栓除去術の適正化|令和8年度改定で初回点数が2区分に
人工透析を続ける患者にとって、血液を体の外に出し入れする「シャント」は命綱です。このシャントは狭くなったり詰まったりを繰り返すため、その都度「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」(K616-4)で治療されます。現行制度では、この初回治療の診療報酬が病態の重症度を問わず一律12,000点に設定されており、比較的軽い狭窄にも重い閉塞と同じ評価がされてきました。本稿は、令和8年度診療報酬改定でこの一律評価がどう見直されるのかを、改定前後の対比とともに整理することを目的とします。令和8年度改定では、初回治療の点数を重症度に応じて2区分に分け、軽症側の評価を引き下げます。具体的には、シャント閉塞または高度狭窄に該当する場合(区分イ)は12,000点を据え置きます。一方、それ以外の場合(区分ロ)は9,840点に引き下げます。さらに、高い区分イを算定する際には、超音波検査などの画像所見による医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載することが求められます。改定の背景:一律評価が見直される理由今回の改定は、治療効果が病態によって異なるという事実を診療報酬に反映させるものです。経皮的シャント拡張術・血栓除去術は、シャントが完全に詰まった「閉塞」や、強く狭くなった「高度狭窄」に対して大きな治療効果を発揮します。これに対し、まだ血流が比較的保たれている軽度の狭窄では、同じ治療を行っても得られる効果は相対的に小さくなります。それにもかかわらず、現行制度はどちらの病態にも同じ12,000点を割り当ててきました。この一律評価が、適正化(=メリハリのある評価への見直し)の対象となりました。重症度を問わない評価は、軽症例への過剰な実施を誘発しかねないという課題を抱えていたためです。そこで令和8年度改定では、重い病態とそれ以外の病態とで治療効果に差があるという考え方に基づき、初回治療の算定要件を見直すこととなりました。改定の中心:初回治療が2区分に分かれる改定の中心は、これまで一本だった初回治療の点数を、重症度に応じた2つの区分に分けることです。現行の「1 初回 12,000点」は、改定後に区分イと区分ロの2段階へと再編されます。区分イは重い病態を対象に12,000点を維持し、区分ロはそれ以外の病態を対象に9,840点へ引き下げられます。区分イは、重い病態に該当する場合を対象とし、点数は12,000点で据え置かれます。対象となるのは、透析シャント閉塞の場合か、または超音波検査でシャント血流量が400ml以下もしくは血管抵抗指数(RI)が0.6以上の場合です。これらは血流が大きく損なわれた状態であり、治療効果が高いと評価されるため、現行点数が維持されます。区分ロは、区分イに当てはまらないその他の場合を対象とし、点数は9,840点へ引き下げられます。9,840点は12,000点から2,160点低い水準であり、軽症例の評価を相対的に抑える設定です。この区分により、病態の軽い症例と重い症例とで支払われる診療報酬に明確な差が生まれます。算定の条件:高い区分には医学的根拠の記載が必要高い区分イを算定するには、その病態を裏づける医学的根拠を記載しなければなりません。区分イの対象は、前述のとおり透析シャント閉塞の場合か、または超音波検査でシャント血流量が400ml以下もしくはRIが0.6以上の場合です。これらいずれかの要件を満たす画像所見等の医学的根拠を、診療報酬明細書の摘要欄に記載することが算定の条件となります。なお、3月以内の再実施(「2」12,000点)の取扱いは、対象病態と摘要欄への記載要件を含め、実質的に現行どおりです。改定後の「2 1の実施後3月以内に実施する場合 12,000点」は、シャント閉塞または超音波検査の基準を満たす病態に限り、1回を限度として算定できます。今回新たに重症度の区分が設けられたのは、初回治療(「1」)です。初回治療を3月に1回に限り算定する点も、現行と変わりません。まとめ令和8年度改定では、経皮的シャント拡張術・血栓除去術の初回治療が重症度に応じて2区分に再編されます。シャント閉塞または高度狭窄に該当する場合(区分イ)は12,000点が据え置かれ、それ以外の場合(区分ロ)は9,840点へ引き下げられます。高い区分イを算定する際は、超音波検査などの画像所見による医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載しなければなりません。治療効果の違いを評価に反映させるこの見直しにより、シャント治療の診療報酬は重症度に応じたメリハリのある体系へと改められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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医療メディエーターとは|患者と医療者の対話を促す専門人材の役割
医療現場では、患者と医療者の間で認識の齟齬やコミュニケーション不全が生じます。こうした齟齬は医療の質と安全性を損ない、ときに医療事故や紛争へ発展します。そこで本記事は、患者と医療者の対話を促す専門人材「医療メディエーター」について、その定義、役割、倫理を解説します。医療メディエーターは、患者と医療者の対話を促し、両者の関係構築を支援する専門人材です。この人材は、双方の語りを偏りなく受け止め、自身の見解や評価を示しません。その関わりは、認知の齟齬を予防し、調整する点に価値があります。役割の要点は、直接対話の促進、判断・評価の不実施、関係構築の重視、分け隔てのないケアの4つです。医療メディエーターの定義と誕生の背景医療メディエーターは、患者と医療者の対話を仲介する専門人材であり、医療不信が深刻化した社会的背景のなかで生まれました。ここでは、その定義と誕生の経緯を順に確認します。医療メディエーターとは、患者と医療者双方の語りを偏りなく受け止め、対話の促進を通じて情報共有と認知齟齬の調整を支援する人材です。この人材は、自身の見解や評価、判断を示しません。その関わりは、医療の基盤をなす対話促進のはたらきとして、医療行為の一部を構成します。医療メディエーターが用いるメディエーションは、英米で広く普及した対話促進のモデルです。このモデルは、当事者間の対話を通じて認知の変容を促し、納得のいく合意と関係の再構築を支援します。調停とは異なり、メディエーターは調停案の提示や説得、評価を行いません。英米では、学校で子どもにも教えられるほど、日常的な問題克服のモデルとして根づいています。この専門人材は、1999年以降に深刻化した医療不信への対応から生まれました。従来の対立的な事故対応は、問題を解決するどころか、患者の怒りを増幅させていました。そこで2003年、医療機能評価機構の橋本理事が和田仁孝氏に事故後対応の人材育成を依頼します。依頼を受けた和田仁孝氏と中西淑美氏は、対話を軸とする育成プログラムを開発しました。開発されたプログラムは、2005年の育成開始から急速に広がりました。ニーズの増加を受けて、2008年には日本医療メディエーター協会が設立されます。現在では年間100回ほどの研修が開催され、当初の事故後対応から日常の患者対応まで応用範囲が広がっています。さらに、終末期医療の意思決定やインフォームド・コンセントなど、多様な場面でも活用されています。医療メディエーションを支える4つの本質医療メディエーションには、4つの本質があります。すなわち、医療行為の一部であること、主役は当事者であること、目標は関係構築であること、不偏性に立つことの4つです。第一の本質は、医療メディエーションが医療の基礎をなす対話と情報共有のモデルだという点です。このモデルは、単なる紛争解決の手段ではありません。医療そのものの質を高める要素として、医療行為の一部に位置づけられます。第二の本質は、医療メディエーションの主役が当事者である患者と医療者だという点です。主役である当事者に対し、メディエーターは尊重と傾聴の姿勢で対話を促すだけで、評価や判断はしません。この姿勢は、「その人がその人自身であることを支える」というケアの理念にもとづいています。答えは第三者ではなく、つねに当事者自身のなかにあるからです。第三の本質は、医療メディエーションの目標が解決ではなく関係構築だという点です。関係構築を目標とするメディエーターは、法的権利や賠償といった紛争解決には関与しません。メディエーターの役割は「つなぐこと」であって、「解決すること」ではないのです。深い情報共有によって関係が築かれていけば、問題は自然に克服されていきます。第四の本質は、医療メディエーターが構造的中立性ではなく信頼にもとづく不偏性に立つという点です。院内のメディエーターは病院職員であるため、中立性を標榜してはなりません。しかし、分け隔てのないケアの姿勢があれば、患者からも医療者からも信頼される存在になれます。傷ついたすべての人へ同じケア・マインドで接することが、この不偏性を支えます。医療メディエーターが守る4つの約束医療メディエーターには、4つの約束があります。すなわち、直接対話を促すこと、判断や評価をしないこと、関係構築を目的とすること、分け隔てなく心を聴くことの4つです。第一の約束は、伝言ではなく直接対話を促すことです。メディエーターは、患者と医療者が直接向き合う場を設定し、その対話を促進します。患者は医療者との直接の対話によってこそ納得でき、代弁では受け入れられないからです。間接的な伝言は、誤解や齟齬のリスクを何倍にも高め、最悪の場合は情報操作のリスクすら招きます。第二の約束は、判断・評価・意見を表明しないことです。メディエーターは、事故原因の説明や改善案の提示、賠償や法的評価をいっさい行いません。こうした説明は、医師や事務担当者、顧問弁護士が当事者として患者と向き合うべき事柄だからです。中身に踏み込んだ発言は、メディエーターの不偏性を損ない、その信頼と対話の場を崩してしまいます。第三の約束は、解決ではなく情報共有と関係構築を目的とすることです。問題を克服できるのは当事者だけであり、それはメディエーターが達成する目的ではありません。解決しようと考えると、つい意見や提案をしてしまい、かえって対話が止まってしまいます。メディエーターは黒子に徹し、関係の再構築だけを支援します。第四の約束は、分け隔てのないケアの姿勢で心を聴くことです。メディエーターは、傷ついた患者だけでなく、事故に関わった医療者にも同じケアの姿勢で接します。患者だけに共感すると、医療者は防御的になり、対話が閉じてしまうからです。メディエーターは「言葉でなく心を聴く」姿勢のなかで、対立の背景にある想いへの気づきを支えます。医療メディエーターの実際の役割と活動医療メディエーターの役割は、患者と医療者が直接向き合う対話の場をつくり、チームで支援することです。ここでは、その実務の流れと、活動の広がりを紹介します。実務は、事案の報告・要請を受けるところから始まります。メディエーターは、まず患者との1対1の対応を行い、続いて医療者への対応や症例検討を経て、対話の場を設定・実施します。この過程では、出迎えや記録、文書の扱いまで、細やかな配慮が求められます。対話の場でのメディエーターは、バレーボールのセッターにたとえられます。セッターであるメディエーターがトスを上げ、アタッカーである医療者と患者が向き合います。メディエーターは医療者に代わって対応するのではなく、あくまで対話を促し支える役割に徹します。この役割は、病院上層部の理解や、事故調査・真実開示との連携を前提とします。対話の後には、継続的なフォローアップが続きます。メディエーターは、翌日や週一回のフォローを通じて、向き合い続ける姿勢を示します。このフォローは、医療機関が真摯に向き合っていることを患者へ伝える機会になります。丁寧なフォローの積み重ねが、信頼関係の再構築を促します。こうした役割は、事故後の対応だけでなく、日常の患者対応にも応用できます。現場の小さなクレームへの対応や、職種間・スタッフ間の調整にも、メディエーションの技法は役立ちます。実際、ロンドンの病院では管理者全員が研修を受け、部署内の人間関係の調整に活用しています。医療メディエーションは、医療機関全体の対話文化を高め、コンフリクトの予防にも寄与します。医療メディエーターは「資格」ではない医療メディエーターは「資格」ではなく、だれもが学べる対話のモデルを実践する人材です。ここでは、認定の位置づけと、対象が限定される理由を説明します。日本医療メディエーター協会の認定は、研鑽の場の提供と質の保証を目的としています。メディエーションは、いつでもどこでも活用できる汎用的な考え方です。協会の認定は、医療機関のスタッフを対象に、専門知識の理解、専門技法の習得、倫理性の涵養を支える仕組みとして設けられています。院内メディエーターの認定が医療機関スタッフに限られるのは、弁護士法との関係によります。弁護士法は、弁護士以外の者が紛争解決などの法律業務に従事することを禁じています。そのため、院外の第三者が医療事故紛争に関わると、弁護士法に抵触するおそれがあります。一方、院内スタッフが患者と医療者の関係再構築を支援する場合は、示談交渉の一形態とみなされ、抵触の問題は生じません。患者や市民が医療をめぐって関わる活動は、こうした法律業務とはまったく異なります。協会は「患者・市民と創るメディエーション(PCM)」として、市民団体や患者団体と協働しています。この取組は、さまざまな場面でのメディエーションの応用可能性を広げています。診療報酬制度における位置づけと意義医療メディエーターの重要性は、診療報酬制度でも認められています。ここでは、2012年に新設された加算の内容と、その意義を確認します。2012年には、「患者サポート体制充実加算」が新設されました。この加算は、患者や家族からの相談に適切に応じる体制を評価するものです。医療機関は、専門部署を設け、研修を受けた職員を配置することで、この加算の対象になります。患者サポート体制充実加算は、医療メディエーションの考え方を制度面から支えています。医療機関は、この加算を通じて、患者と医療者の対話を促す体制を整えることが推奨されます。整備された体制は、医療の質向上、患者満足度の向上、医療安全の強化につながります。加算の背景には、医療機関全体の対話文化を高めるという目的があります。苦情対応の窓口を置くだけでなく、メディエーションの考え方を取り入れることで、患者・家族との信頼関係が築かれます。医療メディエーターは、こうした患者サポート体制の中核を担う専門人材です。医療メディエーター導入の効果と広がり医療メディエーターの導入は、医療現場に多面的な効果をもたらします。ここでは、3つの効果と、応用範囲の広がりを紹介します。第一の効果は、事故対応の専従者として初期対応を適切に行えることです。専従者が対応にあたることで、患者側の不安や怒りの増幅を防げます。これにより、医療者側の負担も軽くなります。第二の効果は、管理者が現場のトラブルを芽のうちに摘めることです。小さな不満や誤解は、大きな問題に発展する前に、対話で修復できます。早期の修復は、医療の質向上と医療者のストレス軽減につながります。第三の効果は、各スタッフへの浸透により日常の対話が向上することです。メディエーションを学んだスタッフは、患者対応だけでなく職種間の対話にも技法を活かせます。技法の浸透は、病院全体の対話文化を高め、働きやすい職場を実現します。これらの効果を生む応用範囲は、事故対応だけにとどまりません。終末期医療の意思決定、インフォームド・コンセント、救急医療での説明など、多様な場面で活用できます。さらに、日本モデルの導入は海外にも広がり、国際的な注目を集めています。まとめ医療メディエーターは、患者と医療者の対話を促し、関係調整を支援する専門人材です。その実践は、直接対話の促進、判断・評価の不実施、関係構築の重視、分け隔てのないケアという4つの原則に支えられています。これらの原則のもとで、医療メディエーターは事故後の対応から日常の患者対応まで幅広く活躍しています。重要なのは、医療メディエーターが「資格」ではなく、だれもが学べる対話のモデルを実践する人材だという点です。このモデルは、診療報酬の患者サポート体制充実加算としても評価され、医療機関の対話文化の向上に貢献しています。患者中心の医療を実現するために、医療メディエーターの役割は今後ますます重要になります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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人工腎臓の評価見直し|令和8年度診療報酬改定で新設「腎代替療法診療体制充実加算」を解説
慢性透析患者は全国で約34万人にのぼり、その平均年齢は70歳を超えて高齢化が進んでいます。この透析医療では、災害時の継続体制や腎代替療法の情報提供、シャントトラブルへの対応といった取組に、医療機関ごとのばらつきが課題となっていました。そこで令和8年度診療報酬改定では、血液透析患者がより安心・安全に医療を受けられる体制を確保するため、人工腎臓(J038)の評価を見直すことになりました。本記事では、この見直しの内容を改定案と現行の比較を交えて解説します。今回の見直しは、基本点数の引き下げと新加算の創設という2本立てで行われます。第一に、人工腎臓の基本点数を区分にかかわらず一律20点引き下げます。第二に、引き下げ分を補う形で「腎代替療法診療体制充実加算」(20点)を新設します。この加算は、災害対策・腎代替療法の情報提供・シャントトラブルの医療機関間連携という3つの要件を満たした医療機関で算定でき、要件の一部には届出のための経過措置が設けられています。見直しの背景:透析医療を取り巻く現状と課題今回の見直しは、透析医療の現状に残る体制面の課題を背景としています。慢性透析患者は約34万人で、新規導入患者も年間約3.9万人にのぼります。患者の高齢化が進むなか、災害時にも透析を止めない体制や、患者一人ひとりに適した治療法を選べる支援の重要性が増しています。この体制面の課題は、複数の調査結果にあらわれています。災害対策では、対応マニュアルを策定済みの医療機関が80.5%にのぼる一方、日本透析医会の災害時情報ネットワーク等への登録や自治体等との連携体制を確保している医療機関は76.1%にとどまります。腎代替療法の情報提供では、血液透析・腹膜透析・腎移植という3つの選択肢をすべての患者に提示している医療機関は51.2%にすぎません。シャントトラブルへの対応では、自院での治療や事前に連携した医療機関への紹介を行う施設が93.6%を占める一方、事前連携のないまま紹介する施設も5.9%残っています。これらのばらつきを是正することが、今回の評価見直しのねらいです。すなわち、安心・安全で質の高い透析体制を整えた医療機関を評価する仕組みを通じて、医療機関全体の取組の底上げをめざします。改定内容①:人工腎臓の基本点数を一律20点引き下げ第一の見直しは、人工腎臓の基本点数の一律20点引き下げです。この引き下げは、慢性維持透析1〜3の各区分と「その他の場合」のすべてに適用されます。引き下げ後も、後述の新加算を算定すれば実質的な点数水準は維持される設計になっています。引き下げの内容は、区分ごとに現行点数と改定案を並べると確認できます。最も算定の多い慢性維持透析1では、4時間未満が1,876点から1,856点へ、4時間以上5時間未満が2,036点から2,016点へ、5時間以上が2,171点から2,151点へと引き下げられます。慢性維持透析2では、4時間未満が1,836点から1,816点へ、4時間以上5時間未満が1,996点から1,976点へ、5時間以上が2,126点から2,106点へと引き下げられます。慢性維持透析3では、4時間未満が1,796点から1,776点へ、4時間以上5時間未満が1,951点から1,931点へ、5時間以上が2,081点から2,061点へと引き下げられます。「その他の場合」も1,580点から1,560点へと引き下げられます。改定内容②:腎代替療法診療体制充実加算(20点)の新設第二の見直しは、引き下げ分を補う「腎代替療法診療体制充実加算」(20点)の新設です。この加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た医療機関で算定できます。引き下げと同額の20点であるため、基準を満たした医療機関では従来どおりの点数水準を確保できます。裏を返せば、この加算は体制整備のインセンティブとして機能します。つまり、基準を満たさない医療機関は実質的に20点の引き下げとなり、基準を満たす医療機関だけが従来水準を維持できる仕組みです。こうして、安心・安全な透析体制を整えた医療機関に診療報酬が手厚く配分されます。加算の施設基準:満たすべき3つの要件腎代替療法診療体制充実加算には、満たすべき3つの要件があります。第一に災害対策、第二に腎代替療法の情報提供、第三にシャントトラブルの医療機関間連携です。これらに加え、緩和ケアの提供体制を整えることが望ましいとされています。第一の要件は、災害対策です。具体的には、ハザードマップで自院の災害発生時のリスクを把握したうえで災害対応マニュアルを作成していること、そして日本透析医会等による災害時の情報伝達訓練に年1回以上参加していることの両方を満たす必要があります。第二の要件は、腎代替療法の情報提供です。情報提供では、関係学会の資料に基づき、患者ごとの適応に応じて腎代替療法を説明していることが前提となります。この説明は導入期に限らず、患者の病状や求めに応じて繰り返し行うこととされています。そのうえで、在宅自己腹膜灌流指導管理料(C102)を過去1年間で24回以上算定していること(腹膜透析の実績)、または腎移植の相談に応じ移植手続を行った患者が前年に2人以上いること(腎移植の実績)のいずれかを満たす必要があります。第三の要件は、シャントトラブルの医療機関間連携です。透析シャントの閉塞等で経皮的シャント拡張術・血栓除去術などの治療を要する場合に、自院で治療する場合を除き、治療を行う他の医療機関とあらかじめ連携し、必要に応じて診療情報を提供する体制を整えていることが求められます。なお、緩和ケアの体制整備は努力義務にとどまります。すなわち、患者の症状に応じた治療やケアを提供できる体制を整えることが望ましいとされ、その際は「腎不全患者のための緩和ケアガイダンス」を参考にすることとされています。届出への対応:要件の一部に経過措置加算の要件のうち一部には、届出のための経過措置が設けられています。この経過措置は、加算の届出を行った医療機関を対象に、特定の要件を一定期間満たしているものとみなすものです。これにより、医療機関は段階的に体制を整えられます。経過措置の対象は、2つの要件です。第一に、災害時の情報伝達訓練への参加(災害対策のイ)は、令和9年5月31日までの間は基準に該当するものとみなされます。第二に、腹膜透析の実績と腎移植の実績(情報提供のイ・ウ)は、令和10年5月31日までの間は基準に該当するものとみなされます。まとめ:体制整備を評価する2本立ての見直し令和8年度改定における人工腎臓の評価見直しは、基本点数の引き下げと新加算の創設という2本立てで行われます。人工腎臓の基本点数は一律20点引き下げられ、その分を補う腎代替療法診療体制充実加算(20点)が新設されます。この加算は、災害対策・腎代替療法の情報提供・シャントトラブルの医療機関間連携という3つの要件を満たした医療機関で算定でき、要件の一部には令和9年・令和10年までの経過措置が設けられています。透析医療を提供する医療機関は、これらの要件と猶予期間を確認し、届出に向けた体制整備を計画的に進めることが求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】心不全再入院予防継続管理料を徹底解説|算定要件と点数
心不全は、退院後に再入院をくり返しやすい疾患です。再入院のたびに、患者の心機能は低下します。同時に、患者の生活の質も損なわれます。こうした再入院を防ぐには、退院後の継続した管理が欠かせません。しかし、退院後の継続管理を評価するしくみは、これまで十分ではありませんでした。そこで令和8年度診療報酬改定では、心不全再入院予防継続管理料が新設されました。本記事では、この新しい管理料のしくみと算定のポイントを解説します。心不全再入院予防継続管理料は、急性心不全の入院から退院後の外来までを一貫して評価する点数です。本管理料は、イ・ロ・ハの3区分で構成されます。イは、入院中に1回算定する区分です。ロとハは、退院後の外来で月1回算定する区分です。これらの算定には、多職種による介入が求められます。さらに、施設基準では、地域連携の体制が求められます。新設の背景:再入院予防を地域全体で推進する心不全再入院予防継続管理料は、心不全の再入院予防を推進する目的で新設されました。急性心不全で入院した患者は、退院後に再入院するリスクが高い患者です。このリスクを下げるには、早期からの介入と退院後の継続管理が必要です。そこで本管理料は、入院中の早期介入から退院後の地域連携までを、一連の取組として評価します。この取組の特徴は、多職種による介入にあります。心不全の管理には、薬物治療だけでなく、療養指導・食事指導・運動指導が欠かせません。これらの指導は、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士がそれぞれの専門性をいかして担います。本管理料は、こうした多職種の共同による介入を評価します。点数体系:入院中のイと退院後のロ・ハ本管理料は、入院中のイと退院後のロ・ハの3区分で構成されます。イは、入院中の早期介入を評価する区分です。ロとハは、退院後の外来での継続管理を評価する区分です。各区分の点数は、次のとおりです。イは、入院中に1回算定する区分で、1,000点です。ロは、退院後の外来で月1回算定する区分で、6回目までが700点、7回目以降が225点です。ハも、退院後の外来で月1回算定する区分で、6回目までが400点、7回目以降が225点です。イは、入院中に1回だけ算定する区分です。算定の対象は、急性心不全で入院した患者です。この患者に対し、再入院予防を目的とした計画的な評価と治療を行った場合に算定します。ロとハは、退院後の外来で算定する区分です。いずれも、入院中にイを算定した患者が対象です。つまり、入院中にイを算定し、退院後にロまたはハで継続管理する流れになります。算定は、初回算定日の属する月から1年を限度に、月1回行います。ロは、多職種の共同による評価と治療を行う場合の区分です。ハは、継続した評価と治療を行う場合の区分です。両者の点数差は、介入の手厚さの違いを反映します。対象患者と算定要件:ガイドラインに基づく評価が前提本管理料を算定するには、ガイドラインに基づく評価と治療が前提となります。算定の対象は、慢性心不全の急性増悪を含む急性心不全で入院した患者です。この患者に対し、関係学会の「心不全診療ガイドライン」に基づく評価を行います。具体的には、心機能の評価・原因精査・リスク評価を実施します。イの算定には、入院中の運動療法の実施も要件となります。心不全の患者には、薬物治療に加えて運動療法が有効です。そのため、イを算定する患者には、入院中に運動療法を実施します。あわせて、療養指導・食事指導・運動指導を、必要に応じて個別に実施します。なお、本管理料には、併算定できない点数があります。心不全を主病とする特定疾患療養管理料は、本管理料と併せて算定できません。地域包括診療料も、原則として併算定できません。ただし、慢性心不全以外の慢性疾患もあわせて持つ患者について算定する場合は、地域包括診療料を併算定できます。また、ロについては、外来栄養食事指導料や心大血管疾患リハビリテーション料などを、同一日に算定できません。施設基準:多職種の配置と地域連携の体制施設基準では、多職種の配置と地域連携の体制が求められます。まず、心不全の診療を行う十分な体制が必要です。この体制には、医師・看護師または保健師・薬剤師・管理栄養士を適切に配置します。これらの職種が共同して、心不全の管理にあたります。イを算定する病棟には、入院基本料の要件もあります。対象となるのは、一般病棟入院基本料の届出を行った病棟です。また、7対1または10対1入院基本料の病棟も対象です。ただし、後者は特定機能病院入院基本料または専門病院入院基本料に限られます。まとめ:入院から退院後まで一貫して支える新評価心不全再入院予防継続管理料は、再入院予防を推進する目的で新設されました。本管理料は、入院中のイと退院後のロ・ハの3区分で構成されます。算定には、ガイドラインに基づく評価と多職種の介入が要件となります。さらに、施設基準では、地域連携の体制が求められます。この新評価により、心不全の患者は、入院から退院後まで一貫した管理を受けられます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度診療報酬改定】カルタヘナ法に基づく医学管理の推進|個室管理を評価する新加算300点を解説
近年、遺伝子組換え生物等を含む薬剤の投与機会が増えています。ところが、こうした薬剤の取扱いに必要なカルタヘナ法上の管理は、従来の診療報酬で評価されてきませんでした。そこで令和8年度診療報酬改定では、カルタヘナ法を遵守した薬剤投与と医学管理を推進する評価を新設します。本改定の見直しは、大きく2つです。1つ目は、入院中の個室管理を評価する「特定薬剤治療環境特別加算」(1日につき300点)の新設です。2つ目は、特定薬剤治療管理料の対象拡大であり、自宅等での管理指導を新たに評価します。いずれの見直しも、カルタヘナ法に基づく管理が必要な薬剤を対象とし、新設加算ではその対象に再生医療等製品を含みます。カルタヘナ法と対象薬剤を理解するはじめに、カルタヘナ法と今回の対象薬剤を確認します。カルタヘナ法は、遺伝子組換え生物等が環境へ広がることを防ぐ法律です。医療では、この遺伝子組換え生物等を含む薬剤が、管理の対象となります。カルタヘナ法は、遺伝子組換え生物等の使用を規制し、生物の多様性を守る法律です。正式名称は「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」といいます。この法律は、遺伝子組換え生物等が自然環境へ広がり、在来の生態系に影響を及ぼす事態を防ぐことを目的とします。医療分野では、遺伝子組換え技術を用いた薬剤が、この規制の対象に含まれます。対象薬剤は、カルタヘナ法に基づく管理が必要な薬剤であり、再生医療等製品を含みます。具体的には、ウイルスを用いたがん治療薬や、遺伝子を導入する治療製品などが該当します。これらの薬剤は、投与後に患者の体液や排泄物を通じて、遺伝子組換え生物等が外部へ排出される可能性があります。そのため、薬剤を投与する医療機関には、拡散を防ぐための管理が求められます。1つ目の見直し:個室管理を評価する「特定薬剤治療環境特別加算」1つ目の見直しは、入院中の個室管理を評価する「特定薬剤治療環境特別加算」の新設です。この加算は、1日につき300点を算定できます。対象は、カルタヘナ法に基づく管理が必要な薬剤を投与する目的で個室に入院する患者です。この加算は、遺伝子組換え生物等の拡散を防ぐ個室入院を評価します。対象薬剤を投与すると、遺伝子組換え生物等が患者から外部へ排出される可能性があります。個室での入院管理は、この排出物が他の患者や環境へ広がることを防ぎます。新設の加算は、こうした拡散防止の体制を、診療報酬の面から支えます。算定要件は、対象薬剤の投与を目的とした個室入院です。具体的には、本加算を算定できる入院基本料または特定入院料を現に算定している患者が、算定の前提となります。この患者を、カルタヘナ法に基づく管理が必要な薬剤を投与する目的で個室に入院させた場合に、所定点数へ加算します。なお、対象薬剤には再生医療等製品も含まれます。2つ目の見直し:特定薬剤治療管理料の対象拡大2つ目の見直しは、特定薬剤治療管理料の対象拡大です。改定後は、カルタヘナ法に基づく管理が必要な薬剤を投与する患者への、自宅等での管理指導が評価対象に加わります。算定は、月1回に限られます。今回拡大するのは、特定薬剤治療管理料のうち「注11 ロ」の規定です。この規定は現行で、サリドマイド及びその誘導体を投与している患者を対象としています。具体的には、これらの薬剤を投与している患者について、服薬の安全管理の遵守状況を確認し、その結果を所定の機関に報告するなどの管理を評価します。この確認により投与の妥当性を見極め、必要な指導を行った場合に、月1回算定できます。改定後は、この注11 ロの対象に、カルタヘナ法に基づく管理が必要な薬剤を投与している患者が加わります。これらの患者は、退院後も自宅等で薬剤に由来する遺伝子組換え生物等を排出する可能性があります。そこで、自宅等における管理に必要な指導を行った場合に、月1回に限り所定点数を算定できるようにします。この拡大により、入院中だけでなく退院後の管理も、診療報酬で評価されます。まとめ令和8年度診療報酬改定では、カルタヘナ法に基づく医学管理を推進するため、2つの見直しを行います。1つ目は、入院中の個室管理を評価する「特定薬剤治療環境特別加算」(1日につき300点)の新設です。2つ目は、特定薬剤治療管理料の対象拡大であり、自宅等での管理指導を新たに評価します。これらの見直しにより、遺伝子組換え生物等を含む薬剤の安全な投与と管理が、診療報酬の面から支えられます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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検体検査管理加算の見直し|令和8年度改定でパニック値対応が要件に
令和8年度診療報酬改定では、検体検査管理加算の施設基準が見直されます。検体検査管理加算とは、院内で実施する検体検査の精度を組織的に管理する医療機関を評価する加算です。これまでの基準には、検査結果が生命に関わる異常値を示した際の対応について、明確な定めがありませんでした。今回の改定は、この異常値への対応体制を施設基準に位置づけ、患者への安心・安全な医療の提供を更に推進することを目的としています。今回の見直しでは、検体検査管理加算(Ⅱ)、(Ⅲ)及び(Ⅳ)に、パニック値への対応体制を整えることが望ましいという要件が追加されます。パニック値とは、生命が危ぶまれるような状態を示唆する検査の異常値です。医療機関には第一に、グルコース、カリウム及び血小板についてパニック値の閾値を設定することが求められます。第二に、パニック値が出た際に速やかに担当医師へ連絡することが求められます。第三に、検査結果報告書にパニック値であることがわかる表示を行うことが求められます。見直しの背景と基本的な考え方今回の見直しは、医療安全対策の推進という改定方針に沿うものです。令和8年度改定では「患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価」が重点項目に掲げられました。検体検査管理加算の見直しは、この重点項目を構成する個別改定項目の一つに位置づけられます。検体検査管理加算は、院内検査の品質を組織的に管理する体制を評価する加算です。この加算は管理体制の水準に応じて(Ⅰ)から(Ⅳ)まで段階的に区分されています。これらの区分のうち、より高い管理水準を評価する(Ⅱ)、(Ⅲ)及び(Ⅳ)が、今回の見直しの対象です。見直しの対象となった3区分では、検査結果が異常値を示した際の対応が課題でした。検査値の中には、放置すれば患者の生命を脅かすパニック値が含まれます。このパニック値への対応は、これまで各医療機関の運用に委ねられ、施設基準には明示されていませんでした。そこで今回の改定は、パニック値への対応体制を施設基準に追加し、安心・安全な医療の提供を更に推進することとしました。パニック値の閾値設定(要件ア)第一の要件は、パニック値の閾値を設定することです。閾値とは、検査値が異常値かどうかを判定する境界の数値を指します。医療機関は、院内で実施する検体検査について、この閾値をあらかじめ定めておくことが望ましいとされます。閾値の設定が望ましい検査項目は、少なくともグルコース、カリウム及び血小板の3項目です。グルコースは血糖値であり、極端な高値や低値が意識障害を招きます。カリウムは電解質であり、異常値が重い不整脈の原因となります。血小板は止血に関わる成分であり、著しい減少が出血の危険を高めます。これら3項目は、いずれも異常値が生命に直結するため、優先して閾値を設定する対象とされました。パニック値が出た際の対応体制(要件イ・ウ)第二と第三の要件は、パニック値が出た際の連絡と表示の体制です。閾値を設定するだけでは、異常値を見逃すおそれが残ります。そこで改定案は、パニック値を検出した後の具体的な対応も体制として整えることを望ましいとしました。連絡の要件では、パニック値が出た際に速やかに担当医師へ伝えることが求められます。医師への伝達は、看護師等を経由して連絡しても差し支えありません。また、連絡を受けた医師は、パニック値に対して行った対応を遅滞なく診療録に記載するよう努めることとされています。表示の要件では、検査結果報告書にパニック値であることがわかる表示を行うことが求められます。報告書の中で異常値が他の数値に埋もれると、対応が遅れるおそれがあります。そのため、結果がパニック値であると一目で判別できる表示を行うよう努めることとされました。加算(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)への反映今回追加された要件は、3区分すべてに連動して反映されます。新しい要件は、まず検体検査管理加算(Ⅳ)の施設基準に項目(7)として新設されます。続いて、上位区分の(Ⅱ)と(Ⅲ)が(Ⅳ)の基準を引用する形で、この新要件を取り込みます。具体的には、(Ⅱ)と(Ⅲ)が引用する(Ⅳ)の基準の範囲が広がります。現行では、(Ⅱ)は(Ⅳ)の(3)から(6)までを、(Ⅲ)は(Ⅳ)の(2)から(6)までを満たすこととされていました。改定案では、(Ⅱ)は(Ⅳ)の(3)から(7)までを、(Ⅲ)は(Ⅳ)の(2)から(7)までを満たすこととされます。この引用範囲の拡大により、新設された(7)が(Ⅱ)と(Ⅲ)にも適用されます。なお、これらの要件はいずれも「望ましい」と位置づけられている点に留意が必要です。望ましいとは、必須ではないものの実施が推奨される努力義務的な扱いを指します。したがって、各医療機関は自院の体制を見直し、パニック値への対応を整えていくことが期待されます。まとめ令和8年度改定では、医療安全対策の推進を目的として、検体検査管理加算の施設基準が見直されます。見直しの対象は、検体検査管理加算(Ⅱ)、(Ⅲ)及び(Ⅳ)の3区分です。これらの区分には、生命が危ぶまれる異常値であるパニック値への対応体制を整えることが望ましいという要件が追加されます。具体的には、グルコース・カリウム・血小板の閾値設定、パニック値検出時の医師への速やかな連絡と診療録への記載、検査結果報告書での明示の3点が求められます。各医療機関は、これらの要件に沿って院内の検査体制を点検し、より安心・安全な医療の提供につなげることが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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近視進行抑制薬の検査を新たに評価|令和8年度改定で年2回・2種類までの算定要件を新設
近視の進行抑制を効能・効果とする医薬品が、令和6年12月に薬事承認されました。この医薬品の治療では、関係学会の指針により、治療開始時と治療中に屈折検査などの検査が推奨されています。しかし、近視進行抑制薬の処方に係る検査については、診療報酬上の算定の取り扱いが定められていませんでした。本記事は、令和8年度診療報酬改定で新設された眼科学的検査の算定要件を整理します。令和8年度改定は、近視進行抑制薬を投与している患者の眼科学的検査に、新たな算定要件を設けました。対象は、近視の進行抑制を目的として診療を行い、近視進行抑制薬を投与している患者です。この患者への眼科学的検査は、年2回の受診に限り算定します。さらに、1回の受診で複数の検査を行った場合は、2種類を限度として算定します。改定の背景|近視進行抑制薬の承認と検査の必要性今回の改定は、近視進行抑制薬の薬事承認を契機としています。承認されたのは、近視の進行抑制を効能・効果とする医薬品(一般名:アトロピン硫酸塩水和物、販売名:リジュセアミニ点眼液0.025%)です。承認日は、令和6年12月27日でした。この医薬品は、1日1回就寝前に1滴を点眼する低濃度アトロピン点眼薬であり、主に小児の近視治療に用いられます。この医薬品は薬価収載されておらず、選定療養への追加が提案されました。選定療養とは、保険外の医薬品や治療を、保険診療と併用できる仕組みです。この仕組みが認められれば、患者は保険診療を受けながら、自己負担で近視進行抑制薬による治療を併せて受けられます。令和8年度改定に向けた提案・意見募集では、この医薬品を選定療養に追加する提案が寄せられました。この治療では、定期的な検査が欠かせません。関係学会の治療指針は、治療開始時と治療中に屈折検査等を行うよう推奨しています。具体的には、治療開始時に近視の有無を確認し、治療中は3〜6か月ごとに近視の進行状況を確認します。こうした検査の代表例が、屈折検査(D261、69点)と矯正視力検査(D263、69点)です。これらの検査自体は従来から算定できましたが、近視進行抑制薬の処方に係る検査としての取り扱いは定められていませんでした。改定の内容|眼科学的検査の新たな算定要件改定後は、眼科学的検査に「対象」「回数」「種類」の3つの要件が加わります。これらの要件は、近視進行抑制薬を投与している患者への検査を、適切に評価するためのものです。以下、3つの要件を順に説明します。第1の要件は、算定の対象です。対象は、近視の進行抑制を目的として診療を行い、当該効能・効果を有する医薬品を投与している患者です。つまり、近視進行抑制薬による治療を受けている患者が対象となります。第2の要件は、算定の回数です。この患者への眼科学的検査は、年2回の受診に限り算定します。年2回という上限は、治療中の定期観察にあわせた頻度です。第3の要件は、算定する検査の種類です。1回の受診で複数の検査を行った場合は、2種類を限度として算定します。3種類以上の検査を行っても、算定できるのは2種類までとなります。現行との違い|新設される検査の取り扱いこの算定要件は、これまで規定のなかった検査の取り扱いを新たに設けるものです。現行の眼科学的検査の通則には、近視進行抑制薬に関する規定がありませんでした。改定後は、通則に新たな項目が加わり、対象・回数・種類の取り扱いが明確になります。実務では、近視進行抑制薬を投与している患者かどうかの確認が出発点になります。対象患者であれば、眼科学的検査の算定は年2回までです。同じ受診日に複数の検査を行った場合は、算定する検査を2種類までに整理します。これらの点に注意することで、新たな算定要件に沿った適切な請求が可能になります。まとめ|年2回・2種類までの新ルールを押さえる令和8年度診療報酬改定は、近視進行抑制薬を投与している患者の眼科学的検査を新たに評価しました。対象は、近視進行抑制薬による治療を受けている患者です。この患者への眼科学的検査は、年2回の受診に限り算定します。また、1回の受診で複数の検査を行った場合は、2種類を限度として算定します。承認された近視進行抑制薬の背景とあわせて、この「年2回・2種類まで」のルールを押さえておきましょう。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】骨塩定量検査の算定回数が「4月に1回」から「1年に1回」へ
骨塩定量検査は、骨粗鬆症の診断と経過観察に用いる検査です。現行では、医療機関はこの検査を4月に1回算定できます。しかし、この算定頻度は、関係学会が示す治療管理での位置付けと一致していません。本稿は、令和8年度診療報酬改定で見直される骨塩定量検査の算定回数を、現行と比較して解説します。今回の改定は、骨塩定量検査の算定回数を見直し、頻回な検査を適正化します。見直しの背景には、学会ガイドラインにおける骨塩定量検査の位置付けがあります。原則の算定頻度は、4月に1回から1年に1回に変わります。ただし、治療開始1年以内や骨量が急激に変動する患者など、6つのケースでは、引き続き4月に1回算定できます。改定の背景:学会ガイドラインを踏まえた頻度の見直し今回の見直しは、関係学会が示す骨粗鬆症の治療管理での骨塩定量検査の位置付けを踏まえています。現行の算定要件は、検査の種類を問わず一律に4月に1回を認めています。一方、関係学会は、骨粗鬆症の治療管理のなかで骨塩定量検査の位置付けを整理しています。今回の改定は、この学会の位置付けを踏まえ、一律のルールを見直すものです。この見直しによって、骨量が安定している患者の算定頻度が、学会の位置付けに沿った形に改められます。これにより、診療報酬の算定ルールが、骨粗鬆症診療の実態に近づきます。改定内容:原則の算定頻度を「4月に1回」から「1年に1回」へ改定後は、骨塩定量検査(D217)の原則の算定頻度を、4月に1回から1年に1回に変更します。現行の算定要件は、検査の種類にかかわらず、患者1人につき4月に1回を上限としています。改定後の算定要件は、この上限を患者1人につき1年に1回に引き下げます。つまり、骨量が安定している患者では、年に1回の測定が標準になります。ただし、治療開始後の早い時期は、例外として4月に1回を維持します。改定案では、骨粗鬆症の治療を開始した日から1年以内の場合に、患者1人につき4月に1回算定できると定めています。治療開始直後は骨量の変化を細かく確認する必要があるためです。現行と改定案の違いは、次の3点に整理できます。第1に、原則の算定頻度は、現行の4月に1回から、改定案では1年に1回に変わります。第2に、治療開始1年以内の取り扱いは、現行では区別なく4月に1回でしたが、改定案でも引き続き4月に1回となります。第3に、例外の取り扱いは、現行では規定がありませんでしたが、改定案では6つのケースに限って4月に1回を認めます。例外:引き続き「4月に1回」算定できる6つのケース治療開始1年以内や骨量が急激に変動する患者など、特定の6つのケースでは、例外として、引き続き4月に1回算定できます。改定案は、急激な骨減少または骨増加をきたす病態や薬剤投与時を、例外として位置付けています。これらの患者は、骨量の変化を短い間隔で確認する必要があるためです。具体的には、以下のアからカのいずれかに該当する場合に、4月に1回算定できます。* ア 骨粗鬆症の治療を開始した日から1年以内の場合* イ 新たに骨折した場合* ウ 関係学会のガイドラインで示されている骨折危険因子が新規に増えた場合* エ ビスホスホネート薬治療の中断を検討する場合* オ グルココルチコイド、アロマターゼ阻害薬、抗アンドロゲン薬、骨形成促進薬など、骨減少または骨増加をきたす薬剤を投与する場合* カ 吸収不良、全身性炎症性疾患、長期不動、人工閉経など、骨減少または骨増加をきたす疾患などを有する場合これらに該当しない患者は、原則どおり1年に1回の算定となります。したがって、医療機関は、患者がアからカのいずれかに該当するかを確認したうえで、算定頻度を判断します。まとめ:原則は「年1回」、骨量が変動する例外は「4月1回」今回の改定は、骨塩定量検査の算定回数を見直し、頻回な検査を適正化します。見直しの背景には、学会ガイドラインにおける骨塩定量検査の位置付けがあります。原則の算定頻度は、4月に1回から1年に1回に変わります。ただし、治療開始1年以内や骨量が急激に変動する患者など、6つのケースでは、引き続き4月に1回算定できます。医療機関は、患者が例外に該当するかを確認したうえで、適切な算定頻度を選択することが求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度診療報酬改定|質の高い臨床検査の評価と検査料新設をわかりやすく解説
令和8年度診療報酬改定では、質の高い臨床検査を適切に評価する見直しが行われます。新規に保険適用された検査の一部は、専用の点数を持たず、既存の検査の点数を借りて算定されてきました。本記事では、この「準用点数」の課題を解消する検査料の新設について、背景から具体例まで解説します。今回の見直しは、E3区分で保険適用された新規の検査に、専用の検査料を新設するものです。対象となるのは、現在「準用点数」で算定されている新規臨床検査です。新設される検査料は、E3区分で保険適用された新規体外診断用医薬品等を対象とします。具体例として、感染症免疫学的検査のアスペルギルスIgG抗体に390点が新設されます。準用点数とは何か——新規検査が抱えてきた課題今回の見直しは、新規検査が「準用点数」で評価されてきた課題に対応します。準用点数とは、新しい検査に専用の点数がないとき、既存の似た検査の点数を借りて算定する仕組みです。新しい検査が保険適用されると、まずはこの準用点数で算定が始まります。準用点数は、新規検査をすばやく保険適用するうえで欠かせない仕組みです。専用の点数を一から設定するには、検査の手間やコストを丁寧に評価する時間が必要になります。そこで、評価が整うまでの間は、性質の近い既存検査の点数を準用して算定します。この仕組みにより、患者は新しい検査を早期に保険診療で受けられます。ただし準用点数には、検査の価値を正確に反映しにくいという課題があります。準用元の検査と新規検査では、手間やコストが必ずしも一致しません。そのため、準用点数のままでは、新規検査の実際の負担と点数がずれる場合があります。このずれを解消するには、新規検査に専用の検査料を設定する必要があります。E3区分の新規検査に検査料を新設する今回の改定では、E3区分で保険適用された新規体外診断用医薬品等に、専用の検査料を新設します。E3区分とは、既存の検査と測定する項目が異なる、新しい検査を指す分類です。測定項目そのものが新しいため、E3区分の検査には準用できる既存検査が見つかりにくいという特徴があります。E3区分の検査は、これまで準用点数で算定されてきました。測定項目が新しくても、保険適用の段階では暫定的に近い検査の点数を準用します。この暫定的な扱いが続くと、新規検査の価値が点数に反映されないまま固定化してしまいます。そこで改定では、E3区分の検査を準用点数から専用の検査料へと切り替えます。専用の検査料は、その検査の手間やコストに見合った水準で新設されます。この見直しにより、質の高い臨床検査が、その価値に応じて適切に評価されるようになります。具体例:アスペルギルスIgG抗体に390点検査料新設の具体例が、感染症免疫学的検査のアスペルギルスIgG抗体です。アスペルギルスIgG抗体は、真菌の一種であるアスペルギルスへの体の反応を調べる検査です。この検査は、慢性の肺アスペルギルス症などの診断に役立ちます。アスペルギルスIgG抗体は、これまで準用点数で算定されてきました。測定項目が新しいE3区分の検査であるため、専用の点数が設定されていませんでした。この準用の状態を解消するのが、今回の検査料新設です。新設される検査料は、アスペルギルスIgG抗体に対して390点です。診療報酬は1点を10円として計算するため、検査料の総額は3,900円となります。なお患者が窓口で支払うのは、このうち自己負担割合(1~3割)分です。この専用点数の新設により、アスペルギルスIgG抗体は準用ではなく、検査そのものの価値に応じて評価されます。まとめ:質の高い臨床検査を、価値に応じて評価する令和8年度診療報酬改定は、質の高い臨床検査を適切に評価するため、専用の検査料を新設します。対象は、現在準用点数で算定されているE3区分の新規体外診断用医薬品等です。具体例として、感染症免疫学的検査のアスペルギルスIgG抗体に390点が設定されます。この見直しにより、新規検査は準用点数の課題から解放され、その価値に応じて評価されるようになります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度診療報酬改定】迅速フィブリノゲン測定加算150点を徹底解説
フィブリノゲン製剤は、出血を止める血液凝固に欠かせないたんぱく質「フィブリノゲン」を補い、大量出血時の止血を助ける重要な製剤です。この製剤を適正に使うには、投与の前に患者のフィブリノゲン値を迅速に測定する必要があります。しかし従来は、その迅速な測定を評価する仕組みがありませんでした。本稿では、迅速な測定を後押しするために令和8年度診療報酬改定で新設された「迅速フィブリノゲン測定加算」を解説します。令和8年度改定では、迅速フィブリノゲン測定加算として150点が新設されました。この加算の対象は、後天性低フィブリノゲン血症の患者です。測定の目的は、フィブリノゲン製剤を投与すべきかどうかの判断です。そして算定には、手術室等の場所で迅速に測定することが求められます。なぜ迅速フィブリノゲン測定加算が新設されたのか迅速フィブリノゲン測定加算は、フィブリノゲン製剤の適正使用を支えるために新設されました。適正使用とは、必要な患者に、必要なタイミングで、過不足なく製剤を使うことです。この適正使用を実現するうえで鍵となるのが、フィブリノゲン値の迅速な測定です。フィブリノゲン製剤を投与すべきかどうかは、患者のフィブリノゲン値を踏まえて判断します。一般にフィブリノゲン値が大きく下がっていれば、製剤の投与が検討されます。逆に値が十分であれば、投与は要らないと考えられます。いずれにせよフィブリノゲン値の把握が、投与判断の出発点になります。その値を把握するための測定では、結果が出るまでに時間を要する場合があると考えられます。一般に検査は、採取した検体を検査室へ送り、そこで分析する流れになるためです。大量出血が進む手術室では、こうした待ち時間が課題になりうると考えられます。そこで令和8年度改定では、手術室等での迅速な測定を新たに評価することになりました。手術室等でその場で測定すれば、待ち時間を抑えられると考えられます。この迅速な測定を評価することで、フィブリノゲン製剤の適正使用を後押しするのが、今回の加算のねらいです。迅速フィブリノゲン測定加算の概要迅速フィブリノゲン測定加算は、既存の出血・凝固検査に上乗せして算定します。上乗せの対象は、「フィブリノゲン半定量」と「フィブリノゲン定量」という2つの検査です。いずれもフィブリノゲンの量を調べる検査で、半定量はおおよその量を、定量は正確な量を測定します。この2つの検査を迅速に行った場合に、所定点数へ150点を加算します。加算とは、もともとの検査の点数(所定点数)に上乗せする点数のことです。診療報酬は1点を10円として計算するため、150点は1,500円に相当します。なお現行では、この加算は設けられていません。今回の改定で初めて新設される項目です。算定できる3つの要件迅速フィブリノゲン測定加算の算定には、3つの要件をすべて満たす必要があります。3つの要件とは、対象患者、測定目的、実施場所です。以下、順に説明します。第1の要件は、対象患者です。対象は、後天性低フィブリノゲン血症の患者に限られます。後天性低フィブリノゲン血症とは、大量出血などによって後天的にフィブリノゲンが不足した状態を指します。第2の要件は、測定目的です。測定は、フィブリノゲン製剤の適応の可否を判断する目的で行う必要があります。適応の可否とは、その患者に製剤を投与してよいかどうかの判断です。第3の要件は、実施場所です。測定は、手術室等の場所で実施しなければなりません。手術室等でその場で測定することが、「迅速」な測定の条件となります。まとめ令和8年度診療報酬改定では、迅速フィブリノゲン測定加算150点が新設されました。この加算は、フィブリノゲン製剤の適正使用を支えることをねらいとしています。算定するには、後天性低フィブリノゲン血症の患者に対し、製剤の適応の可否を判断する目的で、手術室等の場所で測定する、という3つの要件を満たす必要があります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度診療報酬改定|遺伝学的検査の対象疾患拡大をわかりやすく解説
令和8年度診療報酬改定で、遺伝学的検査の対象疾患が拡大されました。背景には、国が指定する難病(指定難病)が新たに追加され、診断に遺伝学的検査が欠かせない疾患が増えている事情があります。ところが現行の診療報酬では、こうした新しい疾患の多くが検査の算定対象から漏れていました。そこで本稿は、今回の改定で何がどう変わったのかを、検査区分ごとに整理して解説します。今回の改定の柱は、遺伝学的検査の対象疾患の拡大です。拡大の背景には、診断に遺伝学的検査が必須となる指定難病の追加があります。この追加を受けて、検査区分のエと区分オを中心に、20を超える疾患が新たに対象へ加わりました。あわせて、一部の疾患では名称の変更や区分の整理も行われています。改定の背景:指定難病の追加が出発点今回の改定は、指定難病の追加という制度の動きを受けて行われました。指定難病とは、難病のうち、患者数や診断基準などの条件を満たし、国が医療費助成の対象として定めた疾患です。この指定難病は近年も追加が続いています。追加された疾患のなかには、確定診断に遺伝学的検査が必須となるものが含まれます。しかし、こうした新しい疾患は現行の算定対象から漏れていました。遺伝学的検査とは、遺伝子の変化を調べ、遺伝性の病気を診断するための検査です。この検査は、算定できる疾患があらかじめリストで定められています。リストにない疾患は、検査を行っても診療報酬を算定できません。その結果、診断に検査が必須でありながら算定できない、という不整合が生じていました。そこで今回の改定は、この不整合を解消しました。具体的には、診断に遺伝学的検査が必須とされる指定難病を、対象疾患のリストへ追加しています。難病患者が必要な検査を確実に受けられる体制を整えることが、改定のねらいです。何が変わったか:検査区分エ・オを中心とした対象拡大今回の改定は、検査区分のエと区分オを中心に、対象疾患を大きく追加しました。遺伝学的検査のリストは、検査の手法や実施体制に応じて区分アから区分オまでに分かれています。区分アは、PCR法やDNAシーケンス法などの基本的な手法で算定できる疾患です。区分エは、施設基準を満たして届け出た保険医療機関で算定できる疾患です。区分オは、臨床症状や他の検査では診断がつかない場合に、同じく届出医療機関で算定できる疾患です。今回の追加は、専門性の高い区分エと区分オに集中しています。区分エでは、より多くの遺伝性疾患が新たに対象へ加わりました。たとえば、レット症候群、ロウ症候群、三好型ミオパチー、肺胞低換気症候群、脳腱黄色腫症などが追加されています。また、先天性魚鱗癬、眼皮膚白皮症、シャルコー・マリー・トゥース病なども対象に含まれました。これらは、施設基準を届け出た医療機関での検査が想定される疾患群です。区分オでも、診断が難しい疾患が幅広く追加されました。たとえば、無虹彩症、レーベル遺伝性視神経症、進行性骨化性線維異形成症などが新たに対象となっています。また、ウェルナー症候群、コケイン症候群、ダイアモンド・ブラックファン貧血なども加わりました。これらは、臨床症状だけでは診断がつかない場合に検査が想定される疾患群です。名称の変更と区分の整理:あわせて見直された点今回の改定は、対象の追加だけでなく、疾患名の変更と区分の整理もあわせて行いました。これは、医学的な疾患概念の整理や、新しい病名への対応を反映したものです。実務では、見慣れた病名が置き換わっている点に注意が必要です。疾患名の変更は、おもに3つの疾患で行われました。区分アでは、家族性アミロイドーシスが全身性アミロイドーシスへ変わりました。区分エでは、ペリー症候群がペリー病へ変わりました。区分オでは、禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症が、HTRA1関連脳小血管病へ変わりました。区分の整理は、ロイス・ディーツ症候群で行われました。この疾患は、現行では区分ウに置かれていました。改定後は区分ウから外れ、区分エでマルファン症候群と併記される形(マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群)へ整理されています。実務上の留意点:算定回数と施設基準を確認する実務では、算定回数のルールと施設基準の確認が重要になります。対象疾患が拡大しても、算定の基本的な枠組みは現行から変わっていないためです。新しく対象となった疾患でも、これらのルールは共通して適用されます。算定回数は、原則として患者1人につき1回です。2回以上実施する場合は、その医療上の必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載する必要があります。このルールは、追加された疾患にも同じく当てはまります。施設基準は、区分エと区分オで求められます。これらの区分の検査は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生(支)局長へ届け出た保険医療機関でのみ算定できます。今回追加された疾患の多くはこの2区分に属するため、検査を実施する前に届出の有無を確認することが欠かせません。まとめ令和8年度診療報酬改定では、遺伝学的検査の対象疾患が拡大されました。背景には、診断に遺伝学的検査が必須となる指定難病の追加があります。この追加を受けて、検査区分エと区分オを中心に、20を超える疾患が新たに対象へ加わりました。あわせて、家族性アミロイドーシスなど一部の疾患で名称の変更や区分の整理も行われています。実務では、原則1人1回という算定回数のルールと、区分エ・オで求められる施設基準の届出を、あらためて確認しておきましょう。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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「遺伝性疾患療養指導管理料」新設で変わる遺伝医療の評価【令和8年度診療報酬改定】
質の高いゲノム医療の推進が、令和8年度診療報酬改定における重要な論点となっています。現行の遺伝カウンセリング加算は、検査実施時に月1回1,000点を所定点数に加算する仕組みであり、検査前の説明やライフステージの変化に応じた継続的な指導を評価できませんでした。本記事では、令和8年度改定で新設される「遺伝性疾患療養指導管理料」の内容と算定要件を解説します。令和8年度改定は、遺伝性疾患の療養指導を「加算」から「医学管理料」へと評価体系を再編します。新設の「遺伝性疾患療養指導管理料」は、検査前の説明(300点)と検査後の療養指導(初回700点、2回目200点)の3段階で評価されます。これに伴い、従来の遺伝カウンセリング加算と遺伝性腫瘍カウンセリング加算は廃止されます。さらに、遠隔連携による療養指導や、がんゲノムプロファイリング検査時の算定方法も新管理料の枠組みで整理されます。改定の背景:質の高いゲノム医療の推進が課題ゲノム医療の質向上には、検査前後を通じた継続的な遺伝情報の伝達が不可欠です。遺伝学的検査の結果は患者本人だけでなく血縁者にも影響を及ぼします。そのため、検査前の十分な説明と、検査後のライフステージに応じた継続的な指導が求められます。しかし、現行の評価体系は、検査実施時の遺伝カウンセリング加算に限定されていました。現行の遺伝カウンセリング加算は、療養指導を1回しか評価できない点が課題でした。具体的には、難病に関する検査や遺伝性腫瘍に関する検査の実施時に、月1回1,000点を所定点数に加算する仕組みです。また、がんゲノムプロファイリング検査については、別途「遺伝性腫瘍カウンセリング加算」として月1回1,000点が設定されていました。これらの加算は、検査前の意思決定支援や、検査後のライフステージ変化に応じた指導には対応していませんでした。そこで令和8年度改定では、療養指導の評価体系を抜本的に見直すこととしました。具体的には、評価の枠組みを「加算」から「医学管理料」へと変更し、検査前後のライフステージ変化に応じて算定できる仕組みを新設します。この見直しにより、検査前の意思決定支援から検査後の継続的な療養指導までを、一貫して評価できる体系が構築されます。新設「遺伝性疾患療養指導管理料」の3段階評価遺伝性疾患療養指導管理料は、検査前後の各段階に応じて3区分で評価されます。3区分は、検査前の説明、検査後の初回指導、検査後の2回目指導に対応します。それぞれの区分は、患者1人につき1回に限り算定できます。検査前の説明には、「1 医師が遺伝子検査の必要性等について文書により説明を行った場合」として300点が設定されます。この区分は、検査または病理診断を実施する前に算定する仕組みです。算定対象となるのは、遺伝学的検査(D006-4)、角膜ジストロフィー遺伝子検査(D006-20)、染色体構造変異解析(D006-26)、遺伝性網膜ジストロフィ遺伝子検査(D006-30)、遺伝性腫瘍に関する検査などです。検査後の初回指導には、「2 イ 初回」として700点が設定されます。この区分は、検査または病理診断の結果に基づき療養上必要な指導を行った場合に算定します。検査結果が判明した後の最初の指導を評価する仕組みです。検査後の2回目指導には、「2 ロ 2回目」として200点が設定されます。この区分は、過去に検査を実施した患者に対し、改めて療養上必要な指導を行った場合に算定します。具体的には、ライフステージの変化に応じた継続的な指導を想定した区分です。旧加算の廃止と算定上の留意点新管理料の創設に伴い、従来の遺伝カウンセリング加算と遺伝性腫瘍カウンセリング加算は廃止されます。両加算は、月1回1,000点として検体検査判断料やミスマッチ修復タンパク免疫染色に加算する仕組みでした。両加算は、検査時の1回のみの評価という限界を抱えていました。新管理料はこの限界を解消し、検査前後の継続的な評価を可能にします。遠隔連携での療養指導も、新管理料の枠組みで評価されます。「遠隔連携遺伝性疾患療養指導管理」として、情報通信機器を用いて他の保険医療機関と連携して行う療養指導が算定対象となります。ただし、遠隔連携の対象は難病に関する検査に係るものに限られ、別途定める施設基準を満たす保険医療機関でのみ算定できます。がんゲノムプロファイリング検査については、新管理料の中で取扱いが整理されます。具体的には、D006-19に掲げるがんゲノムプロファイリング検査について、検査前の説明(300点)、検査後の初回指導(700点)、検査後の2回目指導(200点)をそれぞれ患者1人につき1回算定できます。また、がん患者指導管理料のニを算定する場合、新管理料の「1」(検査前の説明)は併算定できません。施設基準は、医師の配置と体制整備の2点が求められます。具体的には、遺伝性疾患の診療につき十分な経験を有する常勤医師の配置と、療養指導を行うにつき十分な体制の整備が必要です。遠隔連携での算定には、これらに加えて情報通信機器を用いた診療体制の整備も求められます。まとめ:継続的な遺伝医療を支える評価体系へ令和8年度改定は、遺伝性疾患の療養指導を「医学管理料」として段階的に評価する仕組みへと再編します。新設の「遺伝性疾患療養指導管理料」は、検査前の説明(300点)、検査後の初回指導(700点)、検査後の2回目指導(200点)の3段階で構成されます。これに伴い、従来の遺伝カウンセリング加算と遺伝性腫瘍カウンセリング加算は廃止されます。検査前の意思決定支援からライフステージに応じた継続的な指導までを一貫して評価することで、質の高いゲノム医療の推進が期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定|全身麻酔の評価が3つの軸で抜本再編
令和8年度診療報酬改定では、全身麻酔の評価体系が抜本的に見直されます。現行の評価体系は、麻酔の深度や気道確保デバイスの違い、麻酔管理体制を十分に反映していません。この課題を解消し、安全で質の高い麻酔管理を適切に評価するため、本記事では改定内容を整理して解説します。全身麻酔の評価は、「麻酔の深度」「気道確保デバイスの有無」「麻酔管理体制」の3つの軸で再構築されます。第1に、短時間の鎮静を評価する区分として「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」(L001)が新設されます。第2に、深鎮静の評価は麻酔管理体制に応じた4区分に整理されます。第3に、L008の名称が「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔」に変更され、点数も調整されます。短時間鎮静を評価するL001「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」が新設短時間の鎮静については、現行の複数区分を統合して新区分が設けられます。統合対象は、現行の区分番号L000「迷もう麻酔」、L001「筋肉注射による全身麻酔、注腸による麻酔」、L001-2「静脈麻酔」の1、およびL007「開放点滴式全身麻酔」です。なお、L001-2「静脈麻酔」の1とは、現行のL001-2が短時間(1)・長時間で十分な体制下(2)・その他(3)の3区分で構成されているうちの「短時間」を指します。これらの区分を統合する形で、L001「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」が新設されます。新設されるL001は、実施時間に応じた2区分で評価されます。1つ目は「10分未満のもの」で120点が算定されます。2つ目は「10分以上20分未満のもの」で310点が算定されます。これら2区分は、短時間鎮静の実態に即した時間軸で整理された評価体系です。深鎮静の評価は麻酔管理体制に応じた4区分に再編深鎮静についても、麻酔管理体制を反映した評価体系へと見直されます。現行のL001-2「静脈麻酔」の2および3を整理する観点から、深鎮静の評価が新L007「吸入麻酔又は静脈麻酔による深鎮静(声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴わないもの)」として整備されます。なお、旧L007「開放点滴式全身麻酔」の内容は前述のとおり新L001に統合されるため、L007という区分番号は深鎮静の評価へと役割を変えます。新L007は、麻酔に従事する医師の関与度に応じた4段階の評価で構成されます。L007の4区分は、麻酔専従医師の関与度に応じて段階的に点数が設定されます。第1区分は「麻酔に従事する医師が専従で実施する場合」で2,600点となります。第2区分は「麻酔に従事する医師の指導下で麻酔を専従で実施する場合」で1,700点となります。第3区分は「麻酔を専従で実施する場合」で900点となります。第4区分は「1から3まで以外の場合」で600点となります。L007には、複数の加算と算定要件が設定されます。実施時間が2時間を超えた場合は、麻酔管理時間加算として30分又はその端数を増すごとに、第1区分で780点、第2区分で510点が加算されます。3歳以上6歳未満の幼児に対しては、幼児加算として所定点数の10%が加算されます。なお、第1区分および第2区分の算定には、施設基準への適合と地方厚生局長等への届出が要件となります。L008は名称変更と点数調整で気道確保デバイスの評価を明確化L008については、気道確保デバイスを用いた全身麻酔の評価であることを名称で明確化します。現行の「マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔」は、「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔」へと変更されます。この名称変更により、評価対象となる気道確保デバイスの範囲が明確になります。L008の点数は、名称変更とあわせて一部が調整されます。腹腔鏡を用いた手術等が行われる場合の点数は、麻酔困難患者で9,130点から9,015点へ、それ以外で6,610点から6,500点へと改定されます。麻酔管理時間加算も同様に、該当区分で660点から650点へと調整されます。これらの点数調整は、改定全体の整合性を踏まえた見直しです。改定全体を貫く3つの軸を踏まえた対応が必要令和8年度改定における全身麻酔の評価は、3つの軸での再編が共通の柱となります。第1の軸である麻酔の深度に応じて、短時間鎮静のL001と深鎮静のL007が整理されます。第2の軸である気道確保デバイスの有無に応じて、L007とL008が区分されます。第3の軸である麻酔管理体制に応じて、L007が4段階に区分されます。医療機関は、これら3つの軸を踏まえて自院の麻酔管理体制を点検し、施設基準の届出など必要な対応を進めることが求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定で新設、ロボット手術200例以上の病院に15,000点加算
ロボット手術は、平成24年度の保険適用以降、累次の診療報酬改定で対象術式が拡大し、現在32項目が保険収載されている。しかし、令和6年時点では、ロボット手術を実施する675施設のうち年間150回未満の施設が59%を占め、算定回数の分散が顕著である。本稿では、こうした状況を背景に令和8年度改定で新設された「内視鏡手術用支援機器加算」について、加算の趣旨、対象手術、施設基準、経過措置を解説する。内視鏡手術用支援機器加算は、年間200例以上のロボット手術を実施する保険医療機関を対象に15,000点を算定する新加算である。算定対象は、悪性腫瘍手術等の25区分(区分番号ベース)のK番号手術である。施設基準は、年間症例数、人員配置、機器管理体制、情報公開の4つの観点で構成される。情報公開要件のうち前年実績のウェブサイト掲載については、令和9年5月31日まで経過措置が設けられている。新加算の背景:算定の分散と高額な医療材料費新加算の背景には、ロボット手術の算定実績の分散と医療材料費の高さという2つの課題がある。厚生労働省は、これらの課題を踏まえ、高額医療機器の効率的活用と集約化を促す方針を示した。ロボット手術の算定実績は、医療機関ごとに大きく分散している。令和6年の算定医療機関数は675施設、総算定回数は約11.3万回である。このうち、年間算定回数が150回未満の医療機関は全体の59%を占める一方、250回以上の医療機関は22.8%にとどまる。さらに、250回以上の医療機関で実施されるロボット手術は全体の55.5%に達し、症例の集約傾向が認められる。医療材料費は、ロボット手術が腹腔鏡下等手術と比較して約2〜3倍高い。外保連試案2026によれば、肺悪性腫瘍手術(肺葉切除等)の償還できない医療材料費は、腹腔鏡下等手術が175,762円であるのに対し、ロボット手術は511,584円である。胃悪性腫瘍手術(全摘)でも、腹腔鏡下等手術346,240円に対しロボット手術697,582円と、同様の傾向がみられる。こうした課題を踏まえ、令和8年度改定では、多数の手術を実施する保険医療機関への評価を新設する方針が示された。具体的には、医療機器の効率的な活用と高額医療機器の集約化を図る観点から、年間手術実績に応じた評価を行うこととされた。新加算は、この方針を実現する具体的な手段として位置づけられる。新加算の概要:15,000点で25区分が算定対象内視鏡手術用支援機器加算は、所定の手術を実施する際に手術1件ごとに15,000点を算定する加算である。算定対象は、悪性腫瘍手術およびそれに準じた手術のうち、内視鏡手術用支援機器を用いた症例である。算定対象となるK区分番号は25区分にわたる。ただし、区分番号は25であっても、K514-2は枝番2と枝番3が、K655-2は枝番3が、K655-5は枝番3が、K657-2は枝番4のみが対象となるため、対象手術項目としては実質的に26項目となる点に留意が必要である。具体的な対象手術は、領域別に整理すると以下のとおりである。頭頸部領域では、K374-2(鏡視下咽頭悪性腫瘍手術)およびK394-2(鏡視下喉頭悪性腫瘍手術)が対象となる。胸部領域では、K502-5(胸腔鏡下拡大胸腺摘出術)、K504-2(胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術)、K514-2の2・3(胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術)、K529-2・K529-3(食道悪性腫瘍手術)、K554-2(胸腔鏡下弁形成術)、K555-3(胸腔鏡下弁置換術)が含まれる。腹部領域では、K655-2の3(腹腔鏡下胃切除術・悪性腫瘍手術)、K655-5の3(腹腔鏡下噴門側胃切除術・悪性腫瘍手術)、K657-2の4(腹腔鏡下胃全摘術・悪性腫瘍手術)、K674-2(腹腔鏡下総胆管拡張症手術)、K695-2(腹腔鏡下肝切除術)、K702-2(腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術)、K703-2(腹腔鏡下膵頭部腫瘍切除術)、K719-3(腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術)、K740-2(腹腔鏡下直腸切除・切断術)が対象となる。泌尿器・婦人科領域では、K755-2(腹腔鏡下副腎髄質腫瘍摘出術)、K773-5(腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術)、K773-6(腹腔鏡下尿管悪性腫瘍手術)、K778-2(腹腔鏡下腎盂形成手術)、K803-2(腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術)、K865-2(腹腔鏡下仙骨腟固定術)、K879-2(腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術、子宮体がんに限る)が含まれる。算定対象と症例数カウント対象の非対称:K843-4の取扱いに要注意本加算の最大の注意点は、加算の算定対象となる手術と、200例の症例数要件をカウントする対象となる手術が、完全には一致しない点にある。具体的には、K843-4(腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術)が両者で異なる扱いを受ける。K843-4は、施設基準告示において200例の症例数要件をカウントする対象に含まれている。つまり、年間200例という分子の集計には、K843-4の症例を算入できる。前立腺癌に対するロボット手術は症例数の多い領域であるため、施設基準の充足にあたって重要な意味を持つ。一方で、K843-4は、加算15,000点の算定対象には含まれていない。つまり、K843-4の手術自体には本加算を上乗せして算定することはできない。本加算が算定できるのは、前項で列挙した25区分(実質26項目)の手術に限られる。この非対称な構造を踏まえると、医療機関は2つのリストを明確に区別して運用する必要がある。施設基準の充足判定には26区分(K843-4を含む)の合計症例数を、加算の算定可否判断には25区分(K843-4を除く)の対象手術リストを参照することになる。リストを取り違えると、施設基準誤届出や算定誤りの原因となりうる。施設基準:症例数、人員配置、機器管理、情報公開の4要件施設基準は、症例数、人員配置、機器管理、情報公開の4つの観点から構成される。これらの基準を満たし、地方厚生局長等への届出を行った保険医療機関のみが、本加算を算定できる。症例数要件は、年間200例以上のロボット手術実績である。対象手術は、施設基準告示に列挙された26区分のK番号手術(K843-4を含む)を合算する。この要件は、医療機器の効率的活用と集約化を促す本加算の中核的な要件である。人員配置要件は、麻酔科の標榜、常勤麻酔科標榜医の配置、常勤臨床工学技士1名以上の配置の3点である。あわせて、緊急手術が可能な体制を整備することも求められる。これらは、ロボット手術を安全に実施するための周術期体制を担保する要件である。機器管理要件は、保守管理計画の策定と適切な保守管理の実施である。また、関連学会が行うレジストリへの参加も求められ、手術患者の長期予後情報の収集に貢献することが施設に課せられる。これらの要件は、機器の安全性確保と医療技術のエビデンス蓄積を目的とする。情報公開要件は、前年の実績(症例数および平均在院日数)をウェブサイトに掲載することである。本要件には経過措置が設けられ、令和9年5月31日までの間は、未掲載であっても要件を満たすものとみなされる。算定を予定する医療機関は、経過措置期間内にウェブサイトを整備する必要がある。まとめ:集約化の方針を踏まえた体制整備と運用設計が鍵内視鏡手術用支援機器加算は、年間200例以上のロボット手術を実施する保険医療機関を対象とする新加算である。本加算は、算定実績の分散と医療材料費の高さを背景に、高額医療機器の集約化を促す目的で新設された。算定対象は悪性腫瘍手術等の25区分(実質26項目)で、施設基準は症例数、人員配置、機器管理、情報公開の4要件から構成される。特に、K843-4(腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術)は症例数要件のカウント対象には含まれるが加算算定対象には含まれないという非対称な扱いには注意が必要である。情報公開要件のうちウェブサイト掲載については、令和9年5月31日までの経過措置が設けられている。算定を目指す保険医療機関は、経過措置期間内に体制整備とウェブサイト掲載を完了させることが求められる。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度診療報酬改定|手術等の医療技術の適切な評価4つの柱を徹底解説
医療技術は日々進歩しており、新しい手術手技や検査が次々と臨床現場に登場しています。一方で、診療報酬上の評価は必ずしも技術の実態や人件費・材料費に追いついておらず、医療機関の持ち出しが恒常化している術式も少なくありません。令和8年度診療報酬改定では、こうした課題に対応するため、手術等の医療技術について評価の見直しが行われます。今回の改定では、手術等の医療技術の適切な評価として4つの柱で見直しが行われます。第1に、医療技術評価分科会の検討結果を踏まえた新規技術の保険導入と既存技術の再評価が行われます。第2に、新規医療材料等として保険適用された準用点数技術への新たな評価が行われます。第3に、外保連試案2026を参考にした技術料の見直しが行われます。第4に、整形外科領域のKコードが部位別に細分化されます。1.新規技術の保険導入と既存技術の再評価医療技術評価分科会の検討結果を踏まえ、新規技術の保険導入と既存技術の再評価(廃止を含む)が行われます。学会等から提案された技術のうち、優先度が高いものが新たに保険適用され、エビデンスが乏しくなった技術は廃止されます。あわせて、LDTs(Laboratory Developed Tests)の評価のあり方も整理されます。優先度が高い新規技術として、学会等からの提案では5項目が例示されています。具体的には、骨盤内臓全摘術(ロボット支援)、死体移植腎機械灌流保存技術、自己免疫性脳炎に対する血漿交換療法、肝エラストグラフィ撮影加算、細菌培養同定検査(血液又は穿刺液)です。先進医療として実施されている技術では、陽子線治療と重粒子線治療が対象となり、いずれも切除不能の3個以内の大腸癌肺転移に係るもので、かつ原発巣切除後であり局所再発のないものに限られます。保険医療材料等専門組織で審議された技術では、「注意欠如多動症治療補助プログラム」の使用に係る医療技術や、在宅振戦等刺激装置治療指導管理料及び疼痛等管理用送信器加算(遠隔プログラミングを算定対象とするための再評価)が対象となります。廃止される技術の例として、ヒッチコック療法が挙げられます。臨床的な使用実績や有効性のエビデンスを踏まえ、診療報酬上の評価から削除される技術が整理されます。LDTsの評価については、令和8年度改定の次の改定における医療技術評価分科会の評価対象とする方向が示されました。具体的には、性能評価や精度管理等の要件を満たすことが客観的に担保された施設で実施されていること、国内診療において一定の使用実績があることの2要件を満たすLDTsが対象となります。LDTsとは、単一の検査室または検査室ネットワーク内で設計・開発・製造され、臨床診断の補助や臨床的管理の意思決定に用いられる検査を指します。2.新規医療材料等の準用点数技術への新たな評価C2区分で保険適用された新規医療材料等について、これまで準用点数で算定されていた医療技術に技術料が新設されます。準用点数とは、新規材料が保険適用された際に、既存の類似技術の点数を準用して算定する仕組みです。今回の改定では、こうした準用状態の技術に独立した点数が設定されます。技術料新設の代表例として、植込型除細動器移植術に「4 胸骨下植込型リードを用いるもの 24,310点」が新設されます。胸骨下植込型リードという新しい医療材料の特性を踏まえ、従来の経静脈リード等を用いるものとは区別された独立評価が行われます。これにより、医療機関は技術の実態に即した算定が可能となります。3.外保連試案2026に基づく技術料の見直し外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の「外保連試案2026」における人件費及び材料費の調査結果等を参考に、技術料の見直しが行われます。外保連試案は、各術式に要する人件費・医療材料費等を学会が積算した資料であり、診療報酬の適正化を検討する際の重要な参考データです。今回の改定で見直される区分の例として、CT撮影が挙げられます。CT撮影については、機器のマルチスライス列数による区分が見直されます。現行では「64列以上」「16列以上64列未満」「4列以上16列未満」「その他」の4区分でしたが、改定後は「128列以上」が新設され5区分となります。具体的な点数は、128列以上の共同利用施設で1,120点、その他で1,100点となり、64列以上128列未満は共同利用施設で1,020点、その他で1,000点とされます。最新の高性能機器による撮影が独立して評価されることで、機器更新を進める医療機関のインセンティブとなります。4.整形外科領域のKコードの部位別見直し整形外科領域のKコードについて、部位別を基本として区分が見直されます。これまで複数部位を一括りにしていた区分が、部位ごとに細分化されます。背景には、外科系学会社会保険委員会連合の手術基幹コードであるSTEM7の分類に基づく解析により、手術時間に有意な差があることが明らかになった点があります。骨折観血的手術(K046)を例にとると、現行の3区分が改定後は15区分に細分化されます。現行では「肩甲骨、上腕、大腿」(21,630点)、「前腕、下腿、手舟状骨」(18,370点)、「鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他」(11,370点)の3区分でした。改定後は、肩甲骨骨折、上腕骨骨折、大腿骨骨折、前腕骨骨折、下腿骨骨折、手舟状骨骨折、鎖骨骨折、膝蓋骨骨折、手根骨(舟状骨を除く。)骨折、中手骨骨折、手指骨骨折、足根骨骨折、中足骨骨折、足趾骨骨折、その他の骨折観血的手術の15項目に整理されます。点数水準は現行と同様の3階層(21,630点、18,370点、11,370点)が維持されつつ、各部位がどの階層に該当するかが明確化されます。部位別細分化により、診療実態に即した算定がしやすくなります。これまで複数部位がまとめられていた区分が部位ごとに独立して整理されることで、レセプト記載の明確化と統計データの精緻化が期待されます。まとめ:手術等医療技術の評価が実態に即したものへ令和8年度診療報酬改定では、手術等の医療技術の適切な評価として4つの見直しが行われます。新規技術の保険導入と既存技術の再評価、準用点数技術への技術料新設、外保連試案2026に基づくCT撮影等の技術料見直し、整形外科Kコードの部位別細分化です。いずれも、医療技術の進歩や実態に即した適正な評価を目指したものです。医療機関の事務担当者や臨床現場の医師・看護師にとっては、改定後の点数算定ルールの確認が不可欠です。特にCT撮影の128列以上の新設や、整形外科Kコードの細分化は、施設基準の届出やレセプト記載の運用に直接影響します。改定告示・通知の発出後、速やかに自院の対応状況を点検することをお勧めします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】健診後の保険診療|初再診料の算定ルールが明確化
医療機関では、健康診断、検診、予防接種等(以下「健診等」)の受診後に、健診等で発見された疾病について保険診療を行う場面が日常的に発生している。しかし、現行の通則では、こうした健診後の保険診療における初診料、再診料、外来診療料(以下「初再診料等」)の算定ルールが明記されていない。令和8年度診療報酬改定では、この健診後の保険診療に関する初再診料等の算定方法を、通則に新たな規定を追加して明確化する。本改定は、通則13〜17の新設により、健診後の保険診療における算定ルールを4つの観点から整理する。第一に、健診等の費用は「療養の給付と直接関係ないサービス等」として別途徴収できることを明確化する。第二に、健診等と同日に1回の受診で保険診療を行う場合、初再診料等は算定できないことを明確化する。第三に、健診等の後に別の受診として保険診療を行う場合、再診料または外来診療料は算定できることを明確化する。第四に、健診後に行う検査や治療について、保険給付の対象として算定できる要件を明確化する。1. 健診等の費用は「療養の給付と直接関係ないサービス等」として別途徴収できる(通則13)健診等の費用は、保険診療とは別の枠組みとして患者から直接徴収できることが、通則13により明確化される。健診等とは、健康診断、検診、予防接種等を指し、これらは保険給付の対象外である。保険給付の対象外であるため、健診等の費用は保険診療の費用と区別して取り扱う必要がある。改定後の通則13では、この健診等の費用を「療養の給付と直接関係ないサービス等」に分類することが明記される。「療養の給付と直接関係ないサービス等」とは、保険診療と直接関係しない費用を患者から実費徴収できる仕組みである。本規定により、医療機関は健診等の費用を保険診療の費用と独立して請求できる根拠が明確になる。2. 健診等と同日に1回の受診で保険診療を行う場合、初再診料等は算定できない(通則14前段、通則15)健診等と同日に同一の受診機会で健診関連疾病の保険診療を行う場合、初診料、再診料、外来診療料はいずれも算定できないことが、通則14の前段により明確化される。同日に1回の受診で保険診療を行うケースとは、健診等を実施した医療機関で、同一日に1回の受診として健診関連疾病の保険診療を行う場合を指す。例えば、健診を受けた患者がその場で高血圧の指摘を受け、同日に高血圧の治療を開始する場合がこれに該当する。このケースでは、初診料に加え、再診料および外来診療料も算定できない。これは、現行の初診料の取扱いと同じ考え方を、再診料および外来診療料にも適用するものである。受診の機会が1回である以上、初再診料等を重複して請求できないという整理である。加えて通則15では、算定できない初再診料等に含まれる特掲診療料や、初再診料等と併せて算定できない特掲診療料についても、同様に算定できないことが規定される。ただし、検査、画像診断、投薬、注射、リハビリテーション、処置、手術、麻酔、放射線治療、病理診断は、保険診療として実施する場合に限り算定できる。3. 健診等の後に別の受診として保険診療を行う場合、再診料等は算定できる(通則14後段)健診等の後に、改めて別の受診として保険診療を行う場合、初診料は算定できないものの、再診料または外来診療料は算定できることが、通則14の後段により明確化される。別の受診として保険診療を行うケースとは、健診等を実施した医療機関で、健診等とは別の受診機会として健診関連疾病の保険診療を行う場合を指す。例えば、健診結果の説明を後日改めて行い、その場で治療を開始する場合がこれに該当する。このケースでは、「A001」再診料または「A002」外来診療料を、それぞれの規定に従い算定できる。これは、現行の保険診療における再診料の取扱いと同じ考え方である。健診等が初診の機能を果たしているとみなし、その後の受診を再診として整理するものである。4. 健診後の検査・治療は要件を満たせば保険給付の対象として算定できる(通則16、通則17)健診等の結果、疾病またはその疑いが判明した場合に行う検査や治療の費用は、所定の要件を満たせば医療保険給付の対象として算定できることが、通則16および通則17により明確化される。通則16では、健診結果に基づき治療方針を確立するために行う検査の算定要件が示される。具体的には、当該検査が健診等の一環としてあらかじめ計画または予定されていたものではないことが客観的に明らかである場合に限り、医療保険給付の対象として診療報酬を算定できる。本規定は、健診費用に含まれるべき検査と、保険診療として実施する検査を明確に区別する趣旨である。通則17では、健診結果に基づき治療を開始した場合の治療費用の算定要件が示される。具体的には、健診等の結果、特に治療の必要性を認めて治療を開始した場合、当該治療費用について医療保険給付の対象として診療報酬を算定できる。ただし、通則14および通則15により算定できないとされる費用は対象から除外される。まとめ|健診後の保険診療における算定ルールの整理本改定により、健診等の受診後に保険診療を行う際の初再診料等の算定ルールが明確化される。健診等の費用は別途徴収できる一方、同日に1回の受診で保険診療を行う場合は初再診料等を算定できず、別の受診として保険診療を行う場合は再診料または外来診療料を算定できる。さらに、健診後の検査や治療の費用は、所定の要件を満たせば医療保険給付の対象として算定できる。なお、本改定は歯科においても同様に適用される。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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総合診療医とは?4つの役割と地域医療の未来を旭川の医師が語る
総合診療医という言葉が、ドラマ「19番目のカルテ」の放送をきっかけに、少しずつ社会に知られはじめています。しかし、総合診療医が実際に何をする医師なのか、その専門性と地域医療における役割は、まだ十分に理解されていません。本記事では、北海道旭川市で総合診療医として活動する西村涼医師へのインタビューから、総合診療医の本当の役割と価値を伝えます。総合診療医は、「なんでも診る医者」を超え、地域医療のインフラを担う専門医です。西村医師は、総合診療医の役割を4つに整理しています。また、旭川市では2024年4月から、総合診療医を育てる専門研修プログラム(KAMUI総合診療プログラム)を開始しました。このプログラムは、医療・介護・福祉を一つの法人内で学べるエコシステムを強みとしています。総合診療医の4つの役割総合診療医の専門性は、4つの役割に整理できます。西村医師は、入り口の整理、コンテキストに基づく個別化医療、在宅医療、医療・介護・福祉の包括的ケアという4つの軸で、総合診療医の仕事を説明します。入り口の整理は、総合診療医の第一の役割です。患者が「お腹が痛い」「背中が苦しい」「めまいがする」「足がしびれる」といった症状を抱えたとき、何科にかかればよいか迷うことが少なくありません。総合診療科にまず受診すれば、適切な検査と診断を行ったうえで、専門科への紹介や自科での治療の判断ができます。総合診療医は、患者と専門医療をつなぐ窓口として機能します。コンテキストに基づく個別化医療は、第二の役割です。コンテキストとは、患者のライフステージや価値観のことを指します。たとえば、20代・30代で心疾患を発症した患者には、ガイドラインに沿った標準治療を組み合わせて進行を予防します。一方、90代後半で認知症症状のある患者には、症状緩和を優先し、薬剤を減量調整します。総合診療医は、患者の人生に合わせたオーダーメイドの処方を提供します。在宅医療は、第三の役割であり、総合診療医の得意分野です。西村医師は、患者の自宅を訪問し、玄関の上がりかまちの高さ、寝室からトイレまでの距離、段差、手すりの有無を詳細に評価します。この評価をもとに、ケアマネージャーと連携して住環境の改善を提案します。在宅医療では、患者の生活全体を支える視点が求められます。医療・介護・福祉の包括的ケアは、第四の役割です。総合診療医は、医療だけでなく、介護や福祉の専門職と連携し、患者を地域で支える仕組みをつくります。この役割を果たすには、医療機関の中だけで完結する診療ではなく、地域全体を見渡す視点が必要です。西村医師が総合診療医を目指した原体験西村医師が総合診療医を目指した原体験は、学生時代の大学病院での実習にあります。当時、各診療科の外来で、患者が「ついでに他の症状も相談したい」と話す場面を何度も目撃しました。その場面で、医師は「それはうちの科ではなく、他科に行ってください」と患者を回していました。この対応に、西村医師は強いモヤモヤを感じたと振り返ります。患者を病気という文脈ではなく、「その人の困っていること」として捉えたいと思うようになりました。このモヤモヤが、総合診療科を目指す出発点になりました。西村医師は、患者の困りごとを全体として受け止め、整理できる専門性を身につけるため、総合診療の道を選びました。旭川での専門研修プログラムとビジョン西村医師のビジョンは、「総合診療科という名前が当たり前に社会に知られている状態」をつくることです。総合診療専門医制度は2018年に開始されたばかりで、2025年時点でも全国に1000人未満の専門医しかいません。専門研修プログラムも、全国に十分整備されていない状況です。このビジョンを実現するため、西村医師は2024年4月から、旭川でKAMUI総合診療プログラムを開始しました。プログラムは、専門医機構が定める整備基準にもとづき、入院病棟管理、外来診療、在宅での終末期ケア、家族との話し合いをカリキュラムに組み込んでいます。一つの病院では完結できないため、旭川市内の大学病院、大規模病院、道外の病院と連携し、3カ月ごとのローテーションを組んでいます。プログラムの強みは、医療・介護・福祉を一つの法人内で学べるエコシステムです。所属法人は、病院に加えて、介護事業所の経営、ソーシャルワーカーの配置、社会福祉協議会との提携を備えています。研修医は、患者を地域で生活させるためのすべてのリソースを、均等に学ぶことができます。地域医療における総合診療医の意義総合診療医は、地方の中小病院と在宅医療において、二つの意義を持ちます。西村医師は、病院側の意義と患者側の意義の両方から、総合診療医の役割を整理しています。病院側の意義は、収益向上です。総合診療医は、来院した患者を幅広く診察し、適切に整理して専門医に送るか、自科で対応するかを判断します。この機能により、病院全体の患者動線が整理され、収益が安定します。患者側の意義は、受診先の明確化です。患者は「総合診療医がいる病院」を目印にして、最初の受診先を決められます。動線が整理されることで、たとえば血圧高値程度で大病院の夜間救急を受診し、当直医に怒られるような悲しい体験を減らせます。総合診療科を受診するタイミング総合診療科は、いつでも、何のきっかけでも受診できます。西村医師は、リスナーに向けて、受診のハードルを下げるメッセージを送っています。健康診断で異常を指摘されたときは、総合診療科にまず相談できます。受診すれば、必要な検査を組んで、診断と治療方針を整理します。家族の物忘れが気になるときも、総合診療科で相談できます。受診するかどうか悩む段階の相談も歓迎です。入院中の家族の退院支援も、総合診療科の役割です。人工呼吸器や点滴管などの医療機器がついたまま在宅に戻る場合、介護の方法や生活の整え方を一緒に考えます。患者本人と家族がつらくない状況をつくるため、総合診療医は伴走者として関わります。まとめ総合診療医は、「なんでも診る医者」を超え、地域医療のインフラを担う専門医です。西村医師は、入り口の整理、コンテキストに基づく個別化医療、在宅医療、医療・介護・福祉の包括的ケアという4つの役割を、旭川の現場で実装しています。総合診療専門医はまだ全国に1000人未満ですが、旭川のKAMUI総合診療プログラムは、医療・介護・福祉を一つの法人内で学べるエコシステムを強みに、地域医療の中心を担う総合診療医を育てています。総合診療医を地域医療のインフラに据える取り組みは、病院の仕組みそのものを再設計する挑戦でもあります。西村医師は、Substack「『病院』再設計ノート」で、現場から病院の仕組みをどう組み直すかを書き続けています。総合診療、在宅医療、病院運営、AI実装を一つの絵としてつなぐ視点に触れたい方は、ぜひご覧ください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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療養・就労両立支援指導料の見直し|令和8年度改定の4つのポイント
治療と仕事の両立は、日本社会における重要な課題となっています。現行の療養・就労両立支援指導料は、対象疾患が限定されており、評価額や算定期間の面でも十分とは言えない状況にあります。本記事は、令和8年度診療報酬改定で行われる療養・就労両立支援指導料の見直し内容を解説します。療養・就労両立支援指導料の見直しは、4つの観点から行われます。第1の見直しは、勤務情報の提供方法に「治療と仕事の両立支援カード」を追加する点です。第2の見直しは、対象疾患の定めを廃止する点です。第3の見直しは、2回目以降の算定可能期間を3月から6月に延長する点です。第4の見直しは、初回・2回目以降の点数および相談支援加算を引き上げる点です。勤務情報の提供方法の拡大勤務情報の提供方法に「治療と仕事の両立支援カード」が追加されます。これまで医療機関が患者と事業者の共同作成文書を受け取る方法に限定されていた仕組みが、改定によって柔軟化されます。現行制度では、患者と事業者が共同して作成した勤務情報を記載した文書が、算定の前提条件となっています。この共同作成文書には、病状や就労状況などを医療機関に伝えるための情報が記載されます。共同作成という形式が必要なため、患者と事業者の双方に作成負担が生じている状況です。改定後は、患者が作成した「治療と仕事の両立支援カード」が、事業者の確認を経て医療機関に提供された場合も算定可能となります。この両立支援カードは、患者自身が病状や就労上の希望を記載するツールです。事業者の確認のみで足りるため、共同作成に比べて手続きの負担が軽減されます。対象疾患の定めの廃止対象疾患の定めが廃止され、算定対象が大幅に拡大されます。現行では7区分に限定されていた対象が、就業継続への配慮が必要な入院中以外の患者へと広がります。現行制度の対象疾患は、悪性新生物、脳血管疾患、肝疾患(慢性)、心疾患、糖尿病、若年性認知症、指定難病等の7区分に限定されています。これらの疾患に該当しない患者は、就業継続に配慮が必要であっても算定対象とはなりません。疾患の限定は、両立支援を必要とする多様な患者を制度から排除する要因となっていました。改定後は、疾患の増悪防止等のための反復継続した治療が必要な入院中の患者以外の患者であって、就業の継続に配慮が必要なものが算定対象となります。本指導料は外来患者を対象とした評価であるため、入院中の患者は引き続き対象外です。疾患名による制限が撤廃されるため、対象範囲はこれまでより広くなり、従来の7区分に含まれなかった疾患の外来患者にも、両立支援指導の機会が拓かれます。算定可能期間の延長と評価の引き上げ算定可能期間が6月に延長され、点数も全体的に引き上げられます。この見直しは、両立支援指導が3月を超えて継続されている実態を踏まえたものです。算定可能期間は、現行の3月から改定後の6月へと延長されます。2回目以降の指導について、現行では1を算定した日の属する月またはその翌月から起算して3月が限度となっています。改定後は、同じ起算点から6月までが限度となり、より長期にわたる継続的な支援が評価対象になります。評価の引き上げは、初回・2回目以降・相談支援加算・情報通信機器使用時のすべての項目で行われます。初回は800点から850点へ、2回目以降は400点から500点へ引き上げられます。相談支援加算は50点から400点へと大幅に増点されます。情報通信機器を用いた場合は、初回696点から740点へ、2回目以降348点から435点へとそれぞれ引き上げられます。まとめ令和8年度改定では、療養・就労両立支援指導料が4つの観点から見直されます。第1に、勤務情報の提供方法に「治療と仕事の両立支援カード」が追加されます。第2に、対象疾患の定めが廃止され、入院中の患者以外の算定対象が拡大されます。第3に、2回目以降の算定可能期間が3月から6月に延長されます。第4に、初回・2回目以降の点数および相談支援加算が引き上げられます。これらの見直しにより、治療と仕事の両立支援がさらに推進される改定となっています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】外来医師過多区域の新規開業に診療報酬ペナルティ
令和8年度診療報酬改定では、医師の地域偏在対策の一環として、外来医師過多区域における新規開業者への診療報酬上のディスインセンティブ措置が導入されます。背景には、改正医療法による外来医師過多区域の無床診療所への対応強化があり、地域で不足する医療機能の提供に応じない医療機関の保険医療機関指定期間が3年以内に短縮される仕組みが新たに設けられました。指定期間が3年以内に短縮された医療機関については、地域医療への寄与が不十分との位置付けを踏まえ、診療報酬上の評価から除外する措置が講じられます。具体的には、保険医療機関の指定が3年以内とされた診療所について、5つの主要な評価項目が対象から外れます。算定不可となるのは機能強化加算、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料の4項目、届出不可となるのは在宅療養支援診療所の1項目です。改正医療法と診療報酬を連動させたこの仕組みは、医師偏在対策の実効性を高める初の試みとして位置付けられます。外来医師過多区域対応の背景と目的医師の地域偏在は、2040年頃を見据えた医療提供体制の確保において、最も重要な課題のひとつです。都市部に医師が集中する一方、医師少数区域では医療機関の維持が困難になりつつあり、「保険あってサービスなし」との事態に陥る懸念が指摘されています。こうした状況を打開するため、令和7年12月に医療法等の一部を改正する法律が公布され、医師偏在是正に向けた総合的な対策が法制化されました。改正医療法では、外来医師過多区域の無床診療所への対応が強化されました。具体的には、新規開業の事前届出制、要請・勧告・公表の手続き、そして保険医療機関の指定期間の短縮といった措置が導入されています。都道府県知事は、外来医師過多区域での新規開業者に対し、開業6か月前の届出を求め、地域で不足する医療機能や医師不足地域での医療提供を要請することができます。要請に従わない場合には、保険医療機関の指定期間が通常の6年から3年以内に短縮される仕組みです。診療報酬改定では、この改正医療法と連動したディスインセンティブ措置を講じます。指定期間が3年以内に短縮された医療機関は、地域医療への寄与が不十分との位置付けであることを踏まえ、かかりつけ医機能等を評価する主要な診療報酬項目の対象から除外されます。診療報酬と医療法を連動させることで、医師偏在対策の実効性を高めることが今回の改定の目的です。対象から外れる5つの評価項目指定期間が3年以内に短縮された診療所では、5つの評価項目が対象から外れます。算定不可となるのは機能強化加算、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料の4項目です。これに加えて、在宅療養支援診療所の届出ができなくなります。いずれも、かかりつけ医機能や地域医療を担う医療機関を評価する重要な項目であり、診療所経営への影響は決して小さくありません。機能強化加算は、専門医療機関への受診の要否の判断や一元的な服薬管理等を含めた、診療機能を評価する初診料の加算です。地域包括診療料・加算は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症、慢性心不全、慢性腎臓病のうち2つ以上の慢性疾患を有する患者に対する、継続的かつ全人的な医療を評価する項目です。小児かかりつけ診療料は、小児に対する継続的かつ全人的な医療を評価する項目として位置付けられています。在宅療養支援診療所は、地域において在宅医療を支える24時間の窓口として、他の医療機関と連携を図りつつ24時間往診や訪問看護等を提供する診療所を評価する仕組みです。これら5項目はいずれも、地域医療への積極的な貢献を前提とした評価であり、地域で不足する医療機能の提供要請に応じない医療機関を対象外とすることには明確な政策的合理性があります。改定内容の具体的な規定施設基準の改定内容は、機能強化加算を例にとると明確に把握できます。改定後の施設基準では、「健康保険法第六十八条の二第一項の規定により三年以内の期限が付された同法第六十三条第三項第一号の指定を受けた診療所以外の保険医療機関であること」が新たに加わります。つまり、指定期間が3年以内に短縮された診療所は、機能強化加算の算定要件を満たさないことが明文化されます。同様の規定は、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅療養支援診療所の施設基準にも追加されます。条文上の表現は項目ごとに揃えられており、改正医療法における健康保険法第六十八条の二第一項の規定を共通の参照点として、5項目に一貫した形で適用される構成です。施設基準の通知においても、同趣旨の規定が新設されます。新規開業を検討する医師にとっては、開業地の選定段階から外来医師過多区域に該当するかどうかの確認が不可欠となります。外来医師過多区域に該当する場合は、都道府県知事からの要請内容を十分に検討し、地域で不足する医療機能の提供に応じるか否かを判断する必要があります。要請に応じない選択をする場合には、診療報酬上の主要な加算・料が算定できないことを前提とした事業計画の策定が求められます。まとめ:改正医療法と診療報酬の連動による医師偏在対策令和8年度診療報酬改定では、外来医師過多区域における医師偏在対策として、診療報酬上のディスインセンティブ措置が導入されます。都道府県知事の要請に応じず保険医療機関の指定が3年以内とされた診療所は、機能強化加算、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料の4項目が算定不可となり、在宅療養支援診療所の届出ができなくなります。改正医療法と診療報酬を連動させたこの新たな仕組みは、医師偏在対策の実効性を高める制度設計の出発点として位置付けられます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】包括型訪問看護療養費を新設|高齢者住まい併設ステーション対応
令和8年度診療報酬改定では、高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションを対象に、新区分「包括型訪問看護療養費」が新設されます。背景には、併設ステーションが居住者へ短時間で頻回の訪問看護を効率的に実施できる一方、現行の出来高評価では加算が積み上がり訪問看護療養費が高額化する構造的な問題があります。本メルマガでは、対象施設・利用者、点数体系、算定要件、施設基準を整理し、改定への実務対応を解説します。包括型訪問看護療養費は、1日当たりの包括評価として算定する新たな報酬体系です。対象は併設・隣接ステーションが指定する建物の居住者であり、別表第7・第8該当者または特別訪問看護指示書に基づく利用者に限られます。点数は単一建物居住利用者数(20人未満・20人以上50人未満・50人以上)と訪問時間(30分以上60分未満・60分以上90分未満・90分以上・90分以上で大臣が定める場合)の組み合わせで決まり、5,950円から15,500円までの9区分が設定されています。算定には24時間対応体制、日中・夜間それぞれ1回以上の訪問、計画書の1日1回以上の確認などが求められ、関連する加算等の併算定には広範な制限が設けられます。新設の背景|効率的な訪問看護と高額化する療養費高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションは、居住者に対し短時間で頻回な訪問看護を効率的に実施できる環境にあります。中医協資料(在宅その2)によれば、住宅型有料老人ホームに併設・隣接する訪問看護事業所のうち87.6%は関連法人が運営しており、移動時間や提供時間が短い特性から、医療機関の入院患者への看護に近い継続的・断続的なケアが提供されている実態があります。こうした効率的な訪問看護に対し、現行の出来高評価では加算が積み重なり訪問看護療養費が高額化する構造的な問題が指摘されてきました。中医協が示した試算例では、別表第7該当者50名が居住する高齢者住まいで併設ステーションが訪問看護を実施した場合、訪問看護基本療養費(Ⅱ)に難病等複数回訪問加算・複数名訪問看護加算・夜間早朝加算・深夜加算等が積み上がり、利用者1人当たり1月で約88万円に達するケースが提示されています。この構造を是正する観点から、令和8年度改定では一連の頻回訪問看護を1日単位で包括評価する体系が新設されます。包括型訪問看護療養費は、効率的な提供環境を点数体系に反映させると同時に、24時間体制での計画的な訪問看護を要件化することで、提供の質と請求の適正化を両立させる仕組みです。点数体系|単一建物居住者数と訪問時間の組み合わせで算定包括型訪問看護療養費は、単一建物居住利用者数と1日当たりの訪問時間の組み合わせにより、9区分で算定します。利用者数の区分は「20人未満」「20人以上50人未満」「50人以上」の3段階、訪問時間の区分は「30分以上60分未満」「60分以上90分未満」「90分以上」「90分以上で別に厚生労働大臣が定める場合」の4段階で設定されています。単一建物居住利用者が20人未満の場合は、30分以上60分未満で7,000円、60分以上90分未満で11,000円、90分以上で14,000円、90分以上で大臣が定める場合で15,500円となります。20人以上50人未満の場合は、それぞれ6,300円、9,900円、13,720円、15,190円です。50人以上の場合は、それぞれ5,950円、9,350円、13,440円、14,880円が算定可能です。「90分以上で別に厚生労働大臣が定める場合」とは、緊急時に即時対応できる体制を有し、かつ算定対象利用者全員の1日当たり訪問時間の平均が120分以上である場合を指します。利用者数が多い建物ほど効率性が高いと評価され、1人当たりの点数は低く設定される構造です。算定要件|24時間体制と日中・夜間の訪問が必須包括型訪問看護療養費の算定には、24時間対応体制での計画的または随時の頻回訪問看護が前提となります。算定対象は、別表第7該当の疾病等の者、別表第8該当者、または特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者(以下「大臣が定める者」)に限られます。利用者の同意を得た上で、主治医(保険医療機関の保険医、介護老人保健施設または介護医療院の医師)から交付された訪問看護指示書および訪問看護計画書に基づき実施します。訪問の頻度については、日中および夜間帯(午後6時から午前8時まで)にそれぞれ少なくとも1回ずつの指定訪問看護が必要です。1日当たりの訪問看護実施時間が60分以上となる場合は、1日3回以上の訪問を実施しなければなりません。訪問時間は1日に行った複数回の指定訪問看護で実際に看護を提供した時間を合算して算出します。看護職員の関与に関する要件も明確化されています。1日に1回以上、准看護師を除く看護職員による訪問が含まれる必要があります。また、訪問看護ステーションの管理者または当該日の指定訪問看護に関する責任を担う看護職員(准看護師を除く)が、訪問看護計画書について1日1回以上の確認と必要時の見直しを行います。記録については、訪問看護計画書および訪問看護記録書を電子的方法で記録し、実施した指定訪問看護の内容と実施時間を記載します。同一建物内の利用者属性に応じた算定方法も整理されています。届出を行った建物に居住する「大臣が定める者」に対して1日に2回以上の指定訪問看護を行う場合は、包括型訪問看護療養費以外の訪問看護基本療養費等は算定できません。一方、届出建物に居住していても「大臣が定める者」に該当しない利用者(別表第7・第8該当者でも特別訪問看護指示書対象者でもない利用者)に指定訪問看護を行った場合は、訪問看護基本療養費(Ⅱ)等を算定します。算定上の併算定制限にも注意が必要です。包括型訪問看護療養費を算定する場合、同一日に「訪問看護基本療養費(訪問看護基本療養費(Ⅰ)および(Ⅱ)のハを除く)」、精神科訪問看護基本療養費、難病等複数回訪問加算、複数名訪問看護加算、夜間・早朝訪問看護加算、深夜訪問看護加算、複数名精神科訪問看護加算、精神科複数回訪問加算、訪問看護管理療養費および24時間対応体制加算は別に算定できません。ここで括弧書きで除外された「訪問看護基本療養費(Ⅰ)」と「訪問看護基本療養費(Ⅱ)のハ」のみが、包括型との同日算定の対象となります。なお、緊急訪問看護加算および精神科緊急訪問看護加算は、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、別途算定可能です。施設基準|建物の指定と看護職員配置の要件包括型訪問看護療養費の届出には、訪問看護ステーションが高齢者向け住まい等に併設または隣接していることが前提となります。届出時には、併設・隣接する高齢者向け住まい等のうち算定対象とする建物を訪問看護ステーションにつき1か所指定し、その建物を単位として指定訪問看護を実施します。届出は訪問看護ステーションごとに行う必要があり、サテライトのみが併設・隣接している建物では届出できません。ただし届出済みステーションが当該建物以外の場所にサテライトを設置し、そこから建物外の他の利用者へ包括型を算定しない指定訪問看護を実施することは差し支えありません。組織体制および地域連携に関する要件も求められます。医療安全および衛生管理に関する組織的な取組み、合同研修や事例検討会等を通じた地域の保険医療機関または訪問看護ステーションとの連携実績、厚生労働大臣が実施する利用者状態・訪問看護実施状況等に関する毎年の調査および中医協要請に基づく随時調査への適切な参加が必要です。指定訪問看護に係る記録は電子的に行い、看護職員の負担軽減および処遇改善に資する体制の整備も求められます。看護職員の配置については、夜間帯(午後6時から午前8時まで)の対応体制が詳細に規定されています。算定区分1・2・3のハまたはニを算定する利用者に対し、夜間帯の対応を行う看護職員を常時1名以上配置することが原則です。当該利用者の合計が31以上80以下の場合は2名以上、81以上の場合は50またはその端数を増すごとに1名を加えた数以上の配置が求められます。夜間対応の看護職員は、算定利用者への影響を与えない範囲で同建物内の他の利用者への訪問看護に従事できますが、建物外の利用者への訪問看護との兼務はできません。施設基準のうち、地域の保険医療機関等との連携に関する相当な実績については経過措置が設けられています。令和9年5月31日までの間は、基準に該当するものとみなされます。まとめ|効率性と質を両立する新たな評価体系令和8年度改定で新設される包括型訪問看護療養費は、高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションを対象に、短時間で頻回な訪問看護を1日単位で包括評価する新たな報酬体系です。点数は単一建物居住利用者数と訪問時間の組み合わせで9区分が設定され、5,950円から15,500円までの範囲で算定します。算定には24時間対応体制、日中・夜間それぞれ1回以上の訪問、看護職員による1日1回以上の関与、電子的記録が必須であり、訪問看護基本療養費(Ⅰ)および(Ⅱ)のハを除く各種基本療養費・加算・管理療養費との同日併算定が制限されます。施設基準では建物の指定、看護職員配置、地域連携実績、職員の負担軽減・処遇改善体制などが求められ、地域連携実績は令和9年5月31日まで経過措置の対象です。出来高評価による加算積み上げの構造を是正しつつ、24時間体制での質の高い在宅療養を支える仕組みとして、対象ステーションは要件への適合と届出準備を進めることが求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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【令和8年度改定】同一建物の訪問看護、人数・日数で評価が細分化へ
高齢者住まい等に居住する利用者への訪問看護は、近年、多人数への頻回な訪問が短時間で効率的に行われる傾向が強まっています。しかし、現行の訪問看護基本療養費(Ⅱ)等は、同一日に3人以上か否かといった粗い人数区分に留まり、効率性の実態を十分に反映できていません。この課題を踏まえ、令和8年度診療報酬改定では、訪問看護基本療養費(Ⅱ)等とその関連加算を、1月当たりの訪問日数や建物内の訪問人数に応じたきめ細かな評価へと再編します。本改定の柱は4点です。第1に、訪問看護基本療養費(Ⅱ)等の人数区分を、現行の2区分から「2人」「3人以上9人以下」「10人以上19人以下」「20人以上49人以下」「50人以上」の5区分へ細分化します。第2に、訪問時間の標準を30分以上とし、20分未満の訪問は算定不可とする要件を新設します。第3に、同一建物の定義に同一敷地内の建物を含めるよう拡張します。第4に、難病等複数回訪問加算や夜間・早朝・深夜訪問看護加算、複数名訪問看護加算についても、人数や日数に応じた段階評価へ見直します。なお、頻回訪問を24時間体制で行う高齢者住まい等併設・隣接ステーションについては、加算による評価ではなく、新設される「包括型訪問看護療養費」(Ⅱ-5-2⑧)で別途評価されます。本メルマガで扱う加算の段階評価は、その他のケースに適用される枠組みです。訪問看護基本療養費(Ⅱ)が人数区分2区分から5区分に再編訪問看護基本療養費(Ⅱ)の人数区分は、現行の2区分から、同一建物に居住する利用者の人数に応じた5区分へと細分化されます。現行は「同一日に2人」と「同一日に3人以上」の2区分でしたが、改定後は「2人」「3人以上9人以下」「10人以上19人以下」「20人以上49人以下」「50人以上」の5区分となります。これにより、大規模な高齢者住まい等への効率的な訪問の実態が、点数体系に直接反映される構造になります。新たに設定される10人以上の3区分では、1月当たりの訪問日数による段階評価も導入されます。保健師・助産師・看護師による訪問の場合、例えば「同一日に50人以上」では、1月当たり20日目までが2,610円、21日目以降は2,510円と、頻回訪問に対して逓減的な点数が設定されます。准看護師による訪問にも、同じ5区分と日数階層が適用されます。建物規模と訪問頻度の両軸で評価が分かれる点が、今回の改定の特徴です。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問にも、同じ5区分の人数区分が適用されますが、週・月の段階の入り方は職種により異なります。保健師等と准看護師では、「2人」と「3人以上9人以下」の区分内に「週3日目まで/週4日目以降」の段階がありますが、PT・OT・STの場合は、これらの区分はフラット料金(週・月による段階なし)です。一方、10人以上の3区分では、職種を問わず1月当たりの日数階層が共通で適用されます。訪問時間の標準を「30分以上」とする要件を新設訪問看護基本療養費(Ⅱ)等を算定する場合に、適切な訪問時間に関する要件が新たに設けられます。具体的には、適切な指定訪問看護の時間は30分以上を標準とし、20分を下回る訪問では基本療養費(Ⅱ)およびその加算等を算定できません。実施した時間は訪問看護記録書に記載することが義務付けられ、短時間訪問の濫用を抑制する仕組みとなります。短時間訪問の合算ルールも新設されます。前回提供した訪問看護の終了から2時間未満の間隔で、提供時間が20分以上30分未満の指定訪問看護を行う場合、それぞれの所要時間を合算して1回として扱います。ただし、緊急の指定訪問看護はこの合算対象から除かれます。短い訪問を分割して複数回算定する運用が、これにより制限されます。同一建物の定義に同一敷地内の建物を追加同一建物の定義は、同一敷地内の建物まで含むよう拡張されます。現行では「当該者と同一の建物に居住する他の者」が同一建物居住者の対象でしたが、改定後は「同一の建物又は同一の敷地内の建物に居住する他の者」も対象となります。この見直しにより、敷地内に複数棟を構える高齢者住まい等への訪問も、同一建物居住者として扱われます。この定義の見直しは、介護保険における取り扱いとも整合性を高めるものです。介護保険では従来から、同一敷地内や隣接する敷地内の建物に居住する利用者への訪問看護費に減算が適用されてきました。医療保険でも同一敷地内の建物を同一建物と扱うことで、訪問看護ステーションが敷地内の複数棟を効率的に巡回する場合に、その実態が評価に反映される仕組みとなります。主要加算も人数・日数に応じた段階評価へ難病等複数回訪問加算は、同一建物内の算定人数に応じた5区分の評価へと細分化されます。現行は「1人または2人」「3人以上」の2区分でしたが、改定後は「1人または2人」「3人以上9人以下」「10人以上19人以下」「20人以上49人以下」「50人以上」の5区分になります。1日に3回以上の場合は、「1人または2人」の区分はフラット料金(8,000円)ですが、「3人以上9人以下」以降の区分には1月当たりの算定日数による段階も加わります。例えば「3人以上9人以下」で1日3回以上の場合、20日目までが7,200円、21日目以降は6,900円となります。複数名訪問看護加算と複数名精神科訪問看護加算についても、同一建物内の算定人数に応じた5区分の評価が導入されます。看護職員と他の看護師等が同時に訪問する場合、現行の「1人または2人」「3人以上」の2区分から、難病等複数回訪問加算と同じ5区分構造へと再編されます。准看護師との同時訪問や、その他職員との同時訪問にも、同様のパラレルな構造が適用されます。夜間・早朝訪問看護加算と深夜訪問看護加算は、人数による5区分を基本とし、3人以上の区分には1月当たりの算定日数による段階が加わります。「同一建物内2人」の区分は日数階層がないフラット料金(夜間・早朝2,100円、深夜4,200円)です。一方、3人以上の4区分では、1月当たり15日目までと16日目以降で段階評価が設定されます。例えば夜間・早朝訪問看護加算の「同一建物内50人以上」では、1月当たり15日目までが1,000円、16日目以降は800円となり、深夜訪問看護加算では同じ階層構造で1,800円・1,300円が設定されます。まとめ:効率性の実態を反映した、きめ細かな評価体系へ令和8年度改定における同一建物への訪問看護の見直しは、訪問の効率性を点数体系に反映させる方向で、4つの軸から進められます。すなわち、訪問看護基本療養費(Ⅱ)等の人数5区分化と日数階層の導入、訪問時間の標準化と短時間訪問の合算ルール、同一敷地内まで含めた同一建物の定義拡張、そして主要加算の段階評価への再編です。なお、24時間体制で頻回訪問を行う高齢者住まい等併設・隣接ステーションは、加算による評価ではなく新設の「包括型訪問看護療養費」で別途評価される点にも留意が必要です。高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションを運営する事業者にとっては、収益構造に直接影響する改定であり、令和8年度の施行に向けて算定要件の確認と運用体制の見直しが急務となります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定で訪問看護管理療養費はどう変わる?月初日の評価充実と統合・細分化を解説
訪問看護の利用者のニーズや療養環境は多様化している。この多様化に対応するため、適切な指定訪問看護に係る管理の推進が求められている。本稿では、令和8年度診療報酬改定における訪問看護管理療養費の見直し内容を解説する。訪問看護管理療養費の見直しは、月の初日の評価充実、月の2日目以降の統合と細分化、施設基準の届出不要化の3点に集約される。月の初日の訪問看護管理療養費では、機能強化型1から3までの点数を引き上げ、新たに機能強化型4を新設する。月の2日目以降の訪問看護管理療養費では、現行の1と2を統合し、1月当たりの訪問日数と単一建物居住者数で評価を細分化する。施設基準の届出は、月の2日目以降の評価について不要となる。月の初日の訪問看護管理療養費は評価を充実月の初日の訪問看護管理療養費は、機能強化型1から3の点数引き上げと機能強化型4の新設により評価を充実する。機能強化型訪問看護管理療養費1から3は、それぞれ点数を引き上げる。機能強化型1は13,230円から13,730円へ500円引き上げる。機能強化型2は10,030円から10,430円へ400円引き上げる。機能強化型3は8,700円から9,000円へ300円引き上げる。これらの引き上げは、適切な指定訪問看護の管理推進を目的としている。機能強化型訪問看護管理療養費4は、9,000円で新設される。この新設区分の詳細は、別途の改定項目「Ⅱ−5−2④」で示されている。新設区分の追加により、機能強化型の評価体系は4段階となる。機能強化型以外の場合は、7,670円から7,680円へ10円の引き上げにとどまる。引き上げ幅が小さいことから、今回の改定の中心は機能強化型の評価充実にあるとわかる。月の2日目以降は統合と細分化を実施月の2日目以降の訪問看護管理療養費は、現行の1と2を統合し、訪問日数と単一建物居住者数で評価を細分化する。現行の訪問看護管理療養費1と2は、今回の改定で統合される。現行は1が3,000円、2が2,500円の2段階評価であった。今回の改定で両者を統合し、新たな評価軸で細分化する。新たな評価軸は、単一建物居住者の人数と1月当たりの訪問日数の2軸である。単一建物居住者が20人未満の場合は、訪問日数にかかわらず3,000円となる。単一建物居住者が20人以上49人以下の場合は、訪問日数に応じて2,200円から2,500円に細分化される。単一建物居住者が50人以上の場合は、訪問日数に応じて2,000円から2,400円に細分化される。訪問日数による細分化は、3区分で設定される。1区分目は1月当たり15日以下、2区分目は16日以上24日以下、3区分目は25日以上である。訪問日数が多くなるほど点数が低くなる仕組みである。施設基準の届出が不要に施設基準の届出は、月の2日目以降の訪問看護管理療養費について不要となる。施設基準の届出は、現行では月の2日目以降の評価でも必要であった。具体的には、現行の訪問看護管理療養費1と2のそれぞれに施設基準が設けられていた。訪問看護管理療養費1の基準は、同一建物居住者の割合が7割未満であることに加え、別表第七・第八に掲げる疾病等の者への訪問看護実績、またはGAF尺度40以下の精神科訪問看護利用者数が月5人以上であることを求めていた。訪問看護管理療養費2の基準は、同一建物居住者の割合が7割以上であること、または当該割合が7割未満で1の基準に該当しないことを求めていた。これらの基準は、今回の改定ですべて削除される。月の2日目以降の評価については、施設基準の届出なしで算定可能となる。月の初日の機能強化型の評価のみ、施設基準の届出が継続して求められる。まとめ令和8年度診療報酬改定では、訪問看護管理療養費が3つの方向で見直される。3つの方向とは、月の初日の評価充実、月の2日目以降の統合と細分化、施設基準の届出不要化である。これらの見直しは、適切な指定訪問看護に係る管理の推進と、利用者のニーズや療養環境の多様化への対応を目的としている。訪問看護ステーションは、改定内容を正確に把握し、自施設の運営方針への反映を進める必要がある。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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脳外科医が実践するAI活用術|知的生産を加速する3つの極意
岡大徳のポッドキャストに、脳神経外科専門医の山本俊先生をお招きしました。山本先生は、頭痛外来で患者を診察しながら、大学院博士課程でAIを活用した研究に取り組む医師です。本記事では、現役の脳神経外科医がなぜAIエージェントを使い倒し、その知見をメルマガで発信するのか、その実践と思想を伺ったインタビュー内容をお届けします。山本先生がAIをどのように活用しているのか、その全体像を3つの切り口でお伝えします。1つ目は、Claude Codeによるデータ前処理の劇的な効率化です。2つ目は、自分の脳とAIを有機的に結合させる能動的な質問の姿勢です。3つ目は、自分自身の能力を信じて伸ばすという根本姿勢です。以下、山本先生の経歴に触れた上で、それぞれを順に解説します。山本先生の経歴とAIに本気で取り組む背景山本先生は、臨床現場での豊富な経験を持つ脳神経外科専門医であり、現在は大学院博士課程で研究に取り組んでいます。医師として臨床現場でバリバリ働いた経験を土台に、頭痛外来で患者を診察しながら研究にも従事する実践者です。詳しい経歴やAIに本気で向き合う理由は、ご本人による自己紹介記事に綴られています。▼山本先生の自己紹介記事はこちら 【自己紹介】【ver0】医療現場のガチな修羅場をくぐった脳外科医が、あなたの「つらい頭痛」になぜ本気で向き合うのかAIへの取り組みの起点は、2024年以降のAIの急速な進化にあります。山本先生は進化の著しさに注目し、人間の労働や知的生産が根本的に変わると確信しました。この確信から、まず自分の研究にAIを組み込む実践者になることから始め、得られた知見を発信する活動へとつなげています。AIによる生産性向上とのファーストタッチ:データ前処理の劇的な効率化山本先生は、昨年登場したClaude Codeを初めて研究で触った時のことを次のように語られています。従来は丸一日近くかかっていたデータ前処理が、わずか30分で完了するようになりました。この時間短縮こそが、知的生産を加速させる最初の体験となったそうです。Claude Code導入前の課題は、データ前処理に膨大な時間を要することでした。PythonやRなどのプログラミング言語を学んでも、データクリーニングやCSVファイルのバージョン管理といった泥臭い作業に時間を取られていました。1つの工程を済ませるのに丸一日かかる日もあったといいます。Claude Code導入後の変化は、作業時間の桁違いの短縮です。数時間かかっていた処理が数十分単位に短縮され、機械学習のコード作成も容易になりました。コードはPythonとして残るため、自分で内容を確認できる安心感もあります。時間短縮の効果は、新たなワークフローの構築にもつながっています。山本先生は空いた時間を活用し、Codexを活用し文献調査を行い、知識管理ツールObsidianに蓄積する仕組みを構築しました。文献管理ソフトにMCPサーバーを接続し、スキルを一度実行すれば一連の作業が完了する環境を整えています。自分の脳とAIを有機的に結合させる能動的な質問山本先生が最も重視するのは、AIに能動的に質問することで自分の脳と接続させる姿勢です。AIに調べさせるだけでは、自分自身の知的積み重ねがないまま成果物だけが完成してしまいます。この問題を避けるため、質問という行為を通じてAIの知識を自分の脳に有機的に結合させることを意識しています。質問の工夫として、山本先生は3つのテクニックを実践しています。1つ目は、AIが使った分からない用語を1つも逃さず聞き返すことです。2つ目は、AIが人間に迎合する傾向をプロンプトで抑制し、聞きたくないことまで積極的に言わせることです。3つ目は、メタ認知を引き出すために、背景にある根本的なアイデアも交えて話すよう指示することです。質問の質を高める基盤は、日常的に考える習慣にあります。山本先生は通勤中や散歩中など、パソコンから離れた時間に思考を巡らせています。考えた内容はスマホのChatGPTやClaudeに投げかけて壁打ちし、自分の脳とAIが共に加速する毎日を意識しています。自分自身の能力を信じて伸ばすという根本姿勢山本先生がメルマガを通じて伝えたいのは、自分自身の能力を信じて伸ばすというAI活用の根本姿勢です。AIに依存して自分の能力が下がるのではないかという不安を抱える人は少なくありません。この不安に対し、現場の実践者の言葉で価値ある情報を発信することに意義があると考えています。メルマガ発信のもう一つの動機は、コミュニティを通じた議論の深化です。自分の考えを発信することで多様な人と交流し、意見を交わせる場を構築したいという思いがあります。SNS初心者ながら、コミュニティの力を信じて少しずつ発信を積み重ねています。今後の発信は、一般的なAI活用と医療現場での実装の2軸で展開する予定です。特に自律型AIエージェントは、患者をよくするという臨床応用の可能性を秘めています。山本先生は、自身が医療現場で実装した結果や深く考えた内容といった一次情報にフォーカスして発信していくと語っています。まとめ:AI時代の知的生産は自分の脳を伸ばすことから現役脳神経外科医の山本俊先生は、Claude Codeによる業務効率化、能動的な質問によるAIとの有機的結合、そして自分自身の能力を伸ばす根本姿勢という3つの極意でAIを活用しています。AIに任せきりにするのではなく、自分の脳と接続させながら共に加速していく姿勢こそが、AI時代の知的生産の鍵となります。山本先生のメルマガでは、頭痛治療の専門情報に加え、医療現場でのAI実装やAIエージェント活用の一次情報が発信されます。研究や知的生産にAIをどう組み込むか、その本質に触れたい方にとって、現場の実践者だからこそ語れる貴重な内容となるはずです。▼山本俊先生のメルマガはこちらから 山本俊の「頭痛」と「脳」のメルマガ Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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脳神経外科専門医が語る頭痛外来の真実|山本俊先生インタビュー
頭痛に悩む方は日本に数多く存在しますが、その多くが市販薬での対処を当たり前と考え、専門的な治療にたどり着いていません。この現状を変えるべく、自身も片頭痛経験者である脳神経外科専門医・山本俊先生は、頭痛外来での診療と並行して情報発信活動に取り組んでいます。今回のインタビューでは、山本先生が頭痛外来を始めた背景と、専門医だからこそ伝えられる頭痛治療の本質について、岡大徳がお話を伺いました。山本先生は脳神経外科専門医として、頭痛外来を運営しています。頭痛外来では、初めて激しい頭痛を経験した患者さんと長年頭痛に悩み続けてきた患者さんの2種類に対し、それぞれに合わせた診療を実践しています。さらに、自身の片頭痛経験を活かした患者さんへの共感と、Substackを通じた情報発信により、頭痛外来に来られない方にも届く取り組みを進めています。山本先生の経歴と頭痛外来への取り組み山本俊先生は、脳神経外科専門医として臨床経験を積み、現在は博士課程に在学しながら頭痛外来を運営しています。命に関わる頭痛を数多く診てきた経験が、患者さんに与える安心感の違いとなって表れています。山本先生のより詳しい経歴については、ご自身の自己紹介記事【自己紹介】【ver0】医療現場のガチな修羅場をくぐった脳外科医が、あなたの「つらい頭痛」になぜ本気で向き合うのかをご覧ください。脳神経外科の専門性は、頭痛外来において大きな強みとなります。山本先生は臨床の最前線で命に関わる頭痛を数多く診療してきました。この経験により、患者さんに対して根拠ある安心感を提供できる立場にあります。頭痛で困っている人の多さと治療の進歩が、山本先生の活動の原動力です。現在の医療では頭痛治療が大きく進歩し、多くの患者さんを助けられるようになっています。この事実に山本先生自身が感動し、頭痛外来の開設をはじめとする幅広い活動を積極的に展開しています。頭痛外来における2種類の患者さんと診療アプローチ頭痛外来には大きく分けて2種類の患者さんが来院し、山本先生はそれぞれに応じた診療を行っています。初めて激しい頭痛を経験した患者さんと、長年頭痛に悩み続けてきた患者さんです。どちらの患者さんに対しても、しっかりと受け止める姿勢で外来を運営しています。初めて激しい頭痛を経験した患者さんには、危険な頭痛の発見が最優先となります。この種の患者さんに対しては、丁寧な問診、神経診察と画像診断が診療の命となります。画像検査で問題がなければ患者さんを安心させると同時に、なぜそのような頭痛が起きるのかについても踏み込んで説明することを心がけています。長年の頭痛持ちの患者さんには、信頼関係の構築から診療を始めます。この種の患者さんは、周囲の理解が得られなかったり、医療機関で適切な対応を受けられなかった経験を抱えていることが多いものです。山本先生は、患者さんの話をしっかり受け止める姿勢から始め、治療が大きく進歩している事実を時間をかけて伝えることで、信頼関係を築いています。信頼関係の構築には、診察の入り口に工夫を凝らしています。山本先生は、頭痛の場所を尋ねる代わりに、日常生活への影響を最初に聞くようにしています。仕事や家庭でどのような困りごとを抱えているかから対話を始めることで、患者さんの緊張を和らげ、スムーズなコミュニケーションを実現しています。自身の片頭痛経験が生んだ患者さんへの共感山本先生が頭痛外来に注力する最大の理由は、自身の片頭痛経験にあります。子供の頃にひどい片頭痛を抱え、人に分かってもらえない辛さを経験しました。この経験が、患者さんの痛みを理解できる強みにつながっています。患者さんとの信頼関係は、生のコミュニケーションから生まれます。山本先生は「本当に辛いですよね」という共感の言葉を起点に、患者さんとの関係を構築しています。1人当たり30分かけることもありますが、痛みを理解する姿勢こそが最も大事だと考えています。山本先生自身の片頭痛は、年齢とともに頻度が減少しました。男性の場合、加齢に伴い頻度が少なくなるパターンがあり、山本先生もこのパターンに該当します。一方で女性の場合は一生付き合っていくケースが多いため、「付き合っていくもの」として治療でどれだけ改善できるかを伝える診療を実践しています。情報発信活動を始めた理由と今後のビジョン山本先生が情報発信活動を始めた理由は、頭痛患者さんが自らにかける「スティグマ」を変えるためです。スティグマとは烙印を意味する言葉で、「頭痛は市販薬で対処するもの」「寝込むのは諦めるしかない」と頭痛患者さん自身が思い込んでいる現状を指します。この思い込みは、医師自身が発信しなければ変えられません。頭痛外来で待つだけでは届かない患者さんが、世の中には数多く存在します。治療を求めて来院する患者さんは助けられても、来院に至らない患者さんは助けられません。山本先生は、自ら発信することでスティグマにとらわれた患者さんにも届けたいと考えています。山本先生の発信プラットフォームには、Substackを選択しています。Xはアルゴリズムに依存し投稿が流れてしまう一方、Substackは記事を資産として積み重ねられる点が優れています。頭痛患者さんが興味を持って訪れた際に、様々な治療法を知ることができる情報の蓄積を目指しています。山本先生のビジョンは、全ての頭痛患者さんに届く大きな声を発信できる医師になることです。頭痛外来で待つだけでなく、自ら発信することで、スティグマに閉じ込められた患者さんにも届けたいと考えています。リスナーに対しては、フォローだけでも構わないので、専門医がフィルターをかけた情報を周囲にも伝えてほしいと呼びかけています。まとめ山本俊先生のインタビューを通じて、頭痛外来における専門医の役割と情報発信の意義が明らかになりました。山本先生は脳神経外科専門医として頭痛外来を運営し、2種類の患者さんそれぞれに応じた診療を実践しています。自身の片頭痛経験が患者さんへの深い共感と発信活動の原動力となり、Substackを通じて全ての頭痛患者さんに届く声を発信することを目指しています。頭痛に悩む方とその周囲の方は、専門医のフィルターを通した価値ある情報に触れることで、新たな治療の選択肢を知ることができるはずです。📩 山本俊の「頭痛」と「脳」のメルマガ 頭痛治療の最新情報や、AI時代の「脳」に関するテーマを専門医がお届けします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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令和8年度改定で乳幼児加算が100円増額|訪問看護への影響を徹底解説
乳幼児に対する訪問看護の利用者数は近年大きく増加しており、令和6年度診療報酬改定では利用者の状態に応じた区分が乳幼児加算に導入されました。一方で、状態に応じた質の高い訪問看護をさらに後押しするためには、評価水準そのものの見直しが必要との指摘がありました。本記事では、令和8年度診療報酬改定における乳幼児加算の見直し内容を、算定実務の視点から整理して解説します。令和8年度改定では、厚生労働大臣が定める者以外への乳幼児加算が1日1,300円から1,400円に引き上げられます。対象となるのは6歳未満の乳幼児に対する訪問看護であり、適用される点数項目は訪問看護基本療養費・在宅患者訪問看護・指導料・同一建物居住者訪問看護・指導料の3つです。超重症児等の厚生労働大臣が定める者への評価1,800円は据え置きとなります。改定の背景|乳幼児への訪問看護を取り巻く現状乳幼児への訪問看護は、利用者数が増加するなかで質の確保が課題となっています。NICU等を退院後も医療的ケアを必要とする医療的ケア児は全国で2万人を超えると推計されており、訪問看護を必要とする乳幼児への適切な評価のあり方が継続的に検討されてきました。令和6年度改定では、乳幼児加算が利用者の状態に応じて2つに区分されました。改定前は一律1,500円であった評価が、改定後は厚生労働大臣が定める者以外で1,300円、厚生労働大臣が定める者で1,800円という構造に組み替えられました。厚生労働大臣が定める者には、超重症児または準超重症児、別表第7に掲げる疾病等の者、別表第8に掲げる者が含まれます。この区分導入後、算定状況には特徴的な傾向が見られます。乳幼児加算の算定利用者数は令和元年の9,810人から令和5年には15,486人へと約1.6倍に増加し、その後も増加傾向が続いています。令和7年6月審査分の速報値では、算定利用者のうち厚生労働大臣が定める者に該当する割合は42.0%、それ以外が58.0%となっており、両区分とも一定の利用者規模が確認できる状況にあります。改定の具体的内容|100円の引き上げと据え置きの整理令和8年度改定の中心は、厚生労働大臣が定める者以外への評価を1日1,300円から1,400円へ100円引き上げる点です。引き上げの対象は6歳未満の乳幼児に対し、訪問看護ステーションの看護師等が指定訪問看護を行った場合に算定する乳幼児加算です。改定の趣旨は、状態に応じた質の高い訪問看護が提供されるよう、評価水準を適正化することにあります。一方で、厚生労働大臣が定める者への評価1,800円は据え置きとなります。据え置きの対象は、超重症児または準超重症児、別表第7に掲げる疾病等の者、別表第8に掲げる者です。これらの利用者については、令和6年度改定で設定された手厚い評価がそのまま維持されます。改定後の評価構造を整理すると、2つの区分の差が500円から400円に縮小する点が特徴です。改定前は1,800円と1,300円で差額500円でしたが、改定後は1,800円と1,400円で差額400円となります。重症度に応じたメリハリは維持しつつ、厚生労働大臣が定める者以外への乳幼児訪問看護評価が底上げされる構造となります。対象となる点数項目|3つの算定区分での適用範囲今回の見直しは、訪問看護に係る3つの点数項目に共通して適用されます。具体的には、訪問看護ステーションが算定する訪問看護基本療養費、医療機関が算定する在宅患者訪問看護・指導料、医療機関が同一建物居住者に対して算定する同一建物居住者訪問看護・指導料の3つです。いずれの算定区分でも、乳幼児加算の金額は同一水準に揃えられます。訪問看護基本療養費の乳幼児加算については、注11において1及び2(いずれもハを除く)に対する加算として規定されます。算定対象は6歳未満の乳幼児に対し、訪問看護ステーションの看護師等が指定訪問看護を行った場合です。改定後は1日につき1,400円、厚生労働大臣が定める者に該当する場合は1日につき1,800円が所定額に加算されます。在宅患者訪問看護・指導料および同一建物居住者訪問看護・指導料についても同様の取扱いとなります。医療機関から訪問看護を提供する場合でも、訪問看護ステーションからの提供と同一水準の乳幼児加算が適用されるため、提供主体による差は生じません。算定要件・金額・対象者区分は3つの点数項目で統一されています。実務への影響|訪問看護ステーションが押さえるべきポイント実務上の最大のポイントは、令和8年度改定施行後の算定額の切り替えを正確に行うことです。施行日以降に提供する6歳未満の乳幼児への訪問看護では、厚生労働大臣が定める者以外への加算が1,300円から1,400円に変わります。レセプト請求システムや訪問看護記録のフォーマットを点検し、新単価への対応を施行日までに完了させる必要があります。利用者区分の判定方法は、改定前後で算定要件の文言上の変更は見られません。超重症児または準超重症児、別表第7に掲げる疾病等の者、別表第8に掲げる者に該当するかを従来どおり確認し、該当する場合は1,800円、該当しない場合は1,400円を算定します。区分判定のためのスクリーニングや記録は、令和6年度改定で導入された運用をそのまま継続できる見込みです。経営面では、令和7年6月審査分の速報値で算定利用者の58.0%を占める「厚生労働大臣が定める者以外」への評価引き上げが収益に影響します。乳幼児への訪問看護に積極的に取り組む訪問看護ステーションでは、訪問1回あたり100円の増額が積み重なることで、年間ベースでは小さくない影響となります。乳幼児の受け入れ体制の維持・拡充を検討する材料として活用できます。まとめ|状態に応じた質の高い訪問看護の実現に向けて令和8年度診療報酬改定では、6歳未満の乳幼児への訪問看護に対する乳幼児加算が見直されます。厚生労働大臣が定める者以外への評価は1日1,300円から1,400円に100円引き上げられ、厚生労働大臣が定める者への評価1,800円は据え置きとなります。適用される点数項目は訪問看護基本療養費・在宅患者訪問看護・指導料・同一建物居住者訪問看護・指導料の3つであり、改定の趣旨は状態に応じた質の高い訪問看護の提供にあります。施行日に向けて、算定システムの更新と現場での周知を着実に進めることが求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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機能強化型訪問看護管理療養費4新設|精神科訪問看護の地域連携評価を解説
令和8年度診療報酬改定では、地域と連携して精神科訪問看護を提供する訪問看護ステーションに対する新たな評価が設けられます。この新評価は、精神科訪問看護の質の向上を推進し、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に資する機能を評価するものです。本記事では、新設される「機能強化型訪問看護管理療養費4」の内容を解説します。機能強化型訪問看護管理療養費4は、9,000円の新たな評価として設けられます。この評価では、難病等の重症者受け入れと精神科訪問看護の双方の機能が求められます。また、24時間対応と地域連携の体制整備が要件となります。さらに、施設基準として人員配置と実績要件を中心とする6項目が定められます。新設の基本的な考え方機能強化型訪問看護管理療養費4は、精神科訪問看護の質の向上を推進する観点から新設されます。この新設は、地域の関係者と連携して支援ニーズの高い利用者に対して精神科訪問看護を提供する等の役割を担う訪問看護ステーションを、機能強化型訪問看護ステーションとして評価するものです。支援ニーズの高い利用者とは、重点的な支援を要する精神障害を有する利用者を指します。重点的な支援を要する利用者への対応は、施設基準の実績要件としても位置づけられています。地域包括ケアシステムの構築は、新評価の目的を支える政策的な背景となります。今回の新設は、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に資する精神科訪問看護に求められる機能を踏まえたものです。機能強化型訪問看護管理療養費4の概要機能強化型訪問看護管理療養費4は、9,000円の新たな評価です。この評価は、一定の機能と実績を備えた訪問看護ステーションが対象となります。一定の機能とは、難病等の重症度の高い利用者の受け入れと精神科訪問看護の双方を担う機能を指します。重症者受け入れの機能では、特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者または同別表第八に掲げる者への指定訪問看護が想定されます。精神科訪問看護の機能では、精神障害を有する者のうち重点的な支援を要する者への指定訪問看護が想定されます。求められる体制は、24時間対応と地域連携の2つで構成されます。24時間対応の体制では、支援ニーズの高い精神科訪問看護利用者等を受け入れ、24時間の対応を行うことが想定されます。地域連携の体制では、地域の関係機関と連携する体制の整備が求められます。施設基準の詳細施設基準は、人員配置・体制整備・実績要件で構成される6項目です。各項目は、機能強化型訪問看護ステーションとして求められる要件を具体的に示しています。人員配置の基準は、看護職員の数と割合の2つで定められます。看護職員の数では、常勤の保健師、助産師、看護師または准看護師が4人以上であることが求められます。看護職員の割合では、指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準第二条第一項に規定する看護師等のうち、6割以上が同項第一号に規定する看護職員であることが求められます。体制整備の基準は、24時間対応体制加算の届出として定められます。24時間対応体制加算の届出は、施設基準の第3項目に位置づけられています。実績要件の基準は、訪問看護の対象者と連携の取り組みに関する3項目で定められます。訪問看護の対象者では、別表第七・第八に掲げる者および重点的な支援を要する精神障害を有する者への指定訪問看護で、相当な実績を有することが求められます。連携の取り組みでは、退院時の共同指導および主治医の指示に係る保険医療機関との連携で、相当な実績を有することが求められます。さらに、地域の保険医療機関、訪問看護ステーションまたは住民等に対する研修および相談への対応並びに関係機関との連携でも、相当な実績を有することが求められます。まとめ機能強化型訪問看護管理療養費4は、地域と連携して精神科訪問看護を提供する訪問看護ステーションを評価する新たな仕組みです。この評価は9,000円として新設され、難病等の重症者受け入れと精神科訪問看護の双方の機能を担う訪問看護ステーションが対象となります。届出には、常勤の看護職員4人以上の配置、24時間対応体制加算の届出、訪問看護および連携の双方で相当な実績を有することなど、6項目の施設基準を満たすことが求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。 www.daitoku0110.news
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