ひとりごと。

PODCAST · society

ひとりごと。

ひとりごと。ふと心に浮かぶ言葉たち。声には出さないけれど、確かにある。そんな小さなひとりごとを、そっと話しています。いつもは素通りしてしまうようなこと。何でもない景色の、ほんの少し違う見え方。季節のうつろい。うまくいかなかった日のこと。ささやかに嬉しかったこと。そしてまた、明日がくる。少しだけ、ゆっくりと。https://listen.style/p/pt1yhnah?x3P63C1r

  1. 24

    剱岳のこと

    剱岳の名を、ふと耳にする。険しさの話のはずなのに、なぜか、もっと古い気配のほうへと心が引かれていく。装備や予報の話をなぞりながら、足元に重なるものに目を凝らすと、見えてくるものがある。山に向かうということの、静かな手ざわりをたどる一篇。

  2. 23

    ゴミ捨てとお地蔵さんのこと

    山の中へ流しそうめんを食べに行った帰り道、立て札とお地蔵さんが並ぶ場所に出会う。よくある風景のようで、どこか少しだけ違って見える。どうにかしようとした気配と、言葉にならなかったものが、そのまま残っている。うまくいくことと、すこし引っかかること。そのあいだにあるものを、静かにたどっていく。

  3. 22

    ことばの余韻のこと

    言葉は、意味だけを運んでいるわけではないらしい。ふと口にした一語のあとに、説明しきれなかった何かが、静かに残る。昔の言葉と、いまの言葉。そのあわいに漂う、やわらかな余韻をたどりながら、言葉の外側にある気配をそっとすくい上げる一篇。

  4. 21

    アホウドリの楽園のこと

    海の上をすべるように飛ぶ鳥と、ぽつんと浮かぶ小さな島。名の響きとは少しちがう、その鳥の姿に目を向けてみると、思いがけない景色が見えてきます。遠くの島に残された気配をたどりながら、命や時間のめぐりにそっと触れる一篇。

  5. 20

    親鸞のこと

    比叡山の静けさから、越後の泥へ。正しさを求めて歩いた先で見えてきたのは、「どうしようもない自分」と向き合う時間でした。親鸞と賢治、すれ違いながらもどこかで触れ合う、その静かなまなざしの行方をたどります。

  6. 19

    あじさいのこと

    あじさいといえば、かたつむり。そんなふうに思っていたのですが、どうもそれだけでもないようです。花びらのように見えていたものの奥や、葉の陰で起きていることに目を向けてみると、同じ景色が少し違って見えてきました。雨の季節に、静かに寄り添う話です。

  7. 18

    フランケンシュタインのこと

    読み返した物語の中に、思いがけず静かなぬくもりを見つける。名を持たない存在の孤独と、誰かに受け止められたいという願い。変わったのは物語ではなく、きっと読む側のほう。あの古い物語を通して、やわらかく自分に触れ直す一篇。

  8. 17

    宮沢賢治のこと

    小さな頃に出会った一枚のプリントからはじまった、宮沢賢治という存在。ことばの奥に流れる、静かな祈りのようなもの。ほんとうの幸いとは何か。その問いを胸に抱え続けたひとりの作家の影を、そっとたどります。今夜は、心の奥にやわらかな灯りがともるような時間です。

  9. 16

    完成のこと

    決められた目安よりも、自分の感覚のほうを信じてみること。カップラーメンの三十秒からはじまる、ささやかな「完成」のはなし。やがて思いは、未完のまま筆を置いたレオナルド・ダ・ヴィンチへと、静かにつながっていきます。それぞれの胸の内にある、それぞれの完成を、そっと浮かべながら。

  10. 15

    一週間のこと

    わたしたちの暮らしに、いつからか根を下ろしている七日間。月曜から日曜へと巡るそのリズムをたどっていくと、物語は旧約の創世記を抜け、はるかなバビロンの夜空へとつながっていきます。星はただの光ではなく、祈りであり、道しるべだった時代。空を読み解こうとした人びとの静かな情熱が、やがて曜日というかたちになります。

  11. 14

    ヤマアラシのジレンマのこと

    実家の本棚から、ひとつの哲学がこぼれ落ちる。学生のころに手にした アルトゥル・ショーペンハウアー の本。そこにあったヤマアラシの寓話が、いまのぼくたちの距離をそっと照らします。近づけば痛く、離れれば寒い。それでも人は、誰かのそばにいたい。そしてもうひとつの物語へ。映画 35年目のラブレター が映す、静かな時間。棘とぬくもりのあいだで、距離のかたちをたずねるひとときです。

  12. 13

    距離のこと

    距離はいつから、ただの長さになったのだろう。歩くこと、疲れること、ひと息つくこと。昔の人が身体で感じていた距離の話は、いつのまにか、僕たち自身の暮らしの話へとつながっていく。定規では測れない感覚を、そっと拾い集めるような時間。耳を澄ませて、少し遠回りをしてみたくなるそんなおはなし。

  13. 12

    鬼のこと

    鬼は外と言わない街があります。険しい嶺を、人々は畏れと親しみをこめて鬼と呼びました。千年のあいだ、山に入る修行者たちを黙って見守ってきた鬼の夫婦がいて、遠い国から渡ってきて、ありがとうと微笑みながら歴史の向こうへ消えていった王子もいました。節分の夜、豆をつまんだ指先が、ふと止まってしまうような話です。怖い顔の裏側に、そっとしまわれた寂しさや、深くてあたたかな慈しみ。

  14. 11

    土用の丑の日のこと

    実家でもらったうなぎ。台所に立ちながら、暦のことを思い出す。四季は四つ、五行は五つ。余った「土」が受け持つもの。決まっているようで、揺れている。暦も、季節も、私たちの暮らしも。

  15. 10

    ものがたりの出番のこと

    屋島の境内には、たくさんの狸が肩を寄せている。けれど源平合戦の時代、その席はまだ空いていた。弁慶はいつ物語に呼ばれ、狸はなぜ近代になって現れたのか。うどんの出汁の匂い、静かな海、瓦投げの軌跡をたどりながら、僕は物語の配役について考える。歴史と伝説のあいだで、誰が舞台に立ち、誰が待っていたのか。読後、世界の見え方が、ほんの少しやわらかくなる一篇。

  16. 9

    ことばの匂いのこと

    ことばは、意味だけでできていない。散歩や下駄箱、牛乳配達。暮らしのなかで当たり前に使ってきたことばが、いつのまにか別の役割を与えられ、別の匂いをまとっていく。その変化を否定も肯定もせず、静かに見つめながら、ことばが背負ってきた時間や風景に耳を澄ます一篇。消えていくのではなく、居場所を移していくことばたちの話。

  17. 8

    たぬきの総大将のこと

    正月の静かな山あいで出会った、たぬきの総大将の話。昔話や映画の向こう側にいた存在が、いまも人の暮らしのそばで、そっと祀られていること。雪の降る社、立て札に書かれた物語、供えられた菓子箱。特別な出来事は何もないのに、帰るころには少し気持ちがやわらいでいる。そんな時間の流れを、そのまま声にしました。忙しい日々の合間に、少し立ち止まりたくなったときに聴いてほしいラジオです。

  18. 7

    石鹸のこと

    電子マネーの半端な残高から ふと思い出した 小学校の用務員さんと 合体した石鹸のこと。レモン石鹸や 牛乳石鹸の赤と青。 いつのまにか日常から遠ざかったものたちが 静かに手のひらの記憶を呼び戻す 大晦日の夜に 少しだけ立ち止まって聴きたい 暮らしの片隅にあった 優しい時間の話。

  19. 6

    その日の気分のこと

    今日は何を食べたいか。その日の気分に耳を澄ませながら、選ぶことや迷うことについて話します。食べ物を入り口にした、小さなひとりごと。

  20. 5

    エアコンのこと

    エアコンの「度」は、本当に温度なんだろうか。夏と冬で違う推奨温度。その8度の差の中に、何かが隠れている。ふと気づいた、小さなこと。

  21. 4

    ラジオのこと

    寝静まった田舎道を、コンビニへ向かう。車の中に流れるラジオ。それだけで、どこか遠くへ旅している気分になる。ただ流れているものと一緒に過ごす時間。それも、自分のものだった。ラジオについての、ひとりごと。

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ひとりごと。ふと心に浮かぶ言葉たち。声には出さないけれど、確かにある。そんな小さなひとりごとを、そっと話しています。いつもは素通りしてしまうようなこと。何でもない景色の、ほんの少し違う見え方。季節のうつろい。うまくいかなかった日のこと。ささやかに嬉しかったこと。そしてまた、明日がくる。少しだけ、ゆっくりと。https://listen.style/p/pt1yhnah?x3P63C1r

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