EPISODE · Mar 16, 2026 · 19 MIN
#031草の根の午後|言葉を超えた食の繋がり
from Masaru↽szk(マサルスズク)の つりざんまい ディープダイブ · host マサル
午後三時の鐘。甘う焦げた匂い。レンゲ畑に寝転んで、ただ空を数えよった日。今回のディープダイブは、楽曲『草の根の午後』を手がかりに、「懐かしい貧しさ」を語るんやなく、**言葉を超えた“食のつながり”**を掘り下げていきます。花の蜜を吸うても、うまいともまずいとも言わん。草の根を折って食べても、悲しいとも辛いとも言わん。この歌が残そうとするのは、感想や評価の前にある、**“生のままの感覚”**です。途中、古典『竹取物語』の一節「草の根を食物とす」が引かれます。そこにあるのは、嘆きではなく、ただ淡々とした事実。――食べ物が尽きた。だから草の根を食べた。その潔さが、この歌の芯に静かに息づいとります。そして、物語の中心に現れるのが、言葉の少ない「隣におった不器用な人」。語り合った記憶は少ない。けれど二人は、同じ匂いを吸い、同じ空腹を抱え、同じ午後を身体で分け合った。最後に残る一言。「同じ空を食べよった」見るでも、想うでもなく、食べた。風景そのものを自分の中に取り込み、血肉にした。だから、あの午後は“思い出”として棚に置けん。今も胸の奥で、静かに息をしとる。名もつけず、忘れもせず。言葉にならんまま残った記憶と、もう一度、出会い直す回です。
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