EPISODE · Dec 11, 2025 · 6 MIN
20251126 - 暗黒物質がついに見えた!?
from 宇宙天気予報
東京大学 のプレスリリース「暗黒物質がついに見えた!?」について紹介します。https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10983/https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1475-7516/2025/11/080研究概要天の川銀河の中心方向から、「ハロー(球状のまわりを取り囲む領域)」として、広く・ぼんやりと広がる高エネルギーガンマ線の放射が確認された。 ガンマ線のエネルギーは約 20 ギガ電子ボルト(GeV)。 放射の広がりは、銀河の中心から30度以上におよぶ — 非常に大きなスケールで「ハロー状」に広がっていた。 📄 論文の概要研究チームは、15年分の Fermi Gamma‑ray Space Telescope(Fermi-LAT)のデータを使い、銀河系ハロー領域(銀河中心から離れた高緯度帯域)でのガンマ線放射を詳しく解析。解析では、既知の点源モデル、宇宙線とガスの相互作用による背景放射(GALPROP モデル)、背景の等方成分、そして過去に認識されていた構造(例:Fermi bubbles やループ I)などを「テンプレート」としてあらかじめ除去・モデル化。そこに「ハロー状 (halo-like) の余剰 (excess)」が残るかを検証。 結果として、「球対称に広がるハロー状余剰」が統計的に有意に検出され、そのエネルギー分布(スペクトル)は約 20 GeV にピーク — それ以下 (~2 GeV) やそれ以上 (~200 GeV 超) では余剰が消える構造。 さらには、このガンマ線の「放射の強さ (フラックス)」「空間分布 (銀河中心からの距離による減衰パターン)」は、暗黒物質が広く仮定される「滑らかなハロー密度分布 (如く Navarro–Frenk–White profile — NFW プロファイル)」による対消滅 (annihilation) を仮定したときと おおむね整合。 暗黒物質粒子 (仮に WIMP) の質量としては、おおよそ 0.5–0.8 テラ電子ボルト (TeV) のオーダー、そして対消滅断面積 (annihilation cross section) は ⟨σ v⟩ ≈ (5–8) × 10⁻²⁵ cm³/s 程度、とのフィッティング結果。 ただし、この断面積は、過去に他の場所(特に暗黒物質が濃いとされる小さな銀河 — 「矮小銀河 (dwarf galaxies)」)を対象にした観測から得られていた上限値 (upper limits) を大きく上回る。これは通常「暗黒物質が熱起源 (thermal relic)」とされる場合の期待値よりも高めで、論文著者も「やや議論の余地あり」としている。
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