EPISODE · Jan 10, 2022 · 11 MIN
#216 総則6項の適用基準は「課税の公平」にあり?【2022/01/10】のれん相続税事件
from TAXMANIA55のラジオ · host Takeshi Hosokawa
TAXMANIA55 radio, it is just beginning of the story of TAXMANIA55. さあ始まりました。taxmania55のラジオ、Udemy・タックス・クリエーターの税理士、細川健です。Udemyベストセラー講師の細川 健(ほそかわ たけし)が、皆さんに「税金の話」をかみ砕いて、分かりやすく伝えます。 長年、国税調査官、国税審判官、外資のアドバイザー、大学教授等特殊な税金の仕事を継続してきたTAXMANIA55が、税金の話を中心に、税金以外のこぼれ話にもフォーカスして、聴いている皆様に価値を届けます。 初学者を意識して、お顧客さまの悩みを解決する立場で、お顧客さまが私のUdemyコース受講後の未来の姿を容易に想像できるような、最終的にはターゲットを絞ってビデオの制作を続けていきます。 その制作過程で考えたことをラジオでしゃべります。 左利ききのエレン第3巻15話「何かを得た時に始まる人生もある。何かを捨てた時に始まる人生もある。悩んで、もがけ、人生が始まる日まで。」 北野武の映画、「キッズ・リターン」「まあちゃん、もう俺たち終わったのかな?」「馬鹿野郎、まだ始まってもいないぜ」 M1で優勝した錦鯉の長谷川雅紀(マサノリ)は「魂は歳を取らない」という松本人志の名言に涙しました。 そうです。TAXMANIA55の物語は、そして皆様の物語も、まだ、始まったばかりです。 #216 総則6項の適用基準は「課税の公平」にあり?【2022/01/10】のれん相続税事件 ・のれん相続税事件(令和2年7月8日裁決) ・財産評価基本通達第1章総則 第6項 この通達の定めにより難い場合の評価(以下「総則6項」という。) 近々出されるであろう最高裁判決のポイントは、1)結果的に時価と財産評価通達の評価額の差が著しい場合に総則6項は適用される、2)納税者の租税回避の意図が明白である場合のみに総則6項は適用されるのかです。最高裁の判断が注目されます。 ・(最高裁に係属中の事案あり) ・一審の東京地裁・二審の東京高裁の判断通達 ・1)評価額(4億7,761万1,109円)と鑑定評価額(10億4,000万円)の著しいかい離の存在あり(客観的事実) ・2)被相続人が生前から相続税の圧縮を認識して不動産を購入等したこと(納税者の主観の評価) ・1)と2)により財産評価通達評価額によらないことが相当と認められる「特別の事情」がある場合に該当、国の行った更正処分等は適法と判断 ・この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。 ・「評価基本通達に定める評価方法を画一的に適用した場合には、適正な時価評価が求められず、その評価方法が不適切なものとなり、著しく課税の公平を欠く場合も生じることが考えられる。このため、本項においては、そのような場合には個々の財産に応じた適正な時価評価が行えるように措置している」山田弘編集 平成15年版『財産評価基本通達逐条解説』(2013)p.24 ・営業権(のれん)に占めるシナジー効果に基づく営業権(のれん)が100%近いのであれば、被買収企業自体の超過収益力に基づく営業権(のれん)は著しく低くなる可能性あり ・このケースのように巨大薬局が小規模薬局を買収する場合も営業権(のれん)に占めるシナジー効果に基づく営業権(のれん)が100%近い場合もある可能性あり ・営業権(のれん)の本質論を語る必要あり ・⑴差額概念説を否定した上で、⑶営業機会取得説に基づいた主張をする又は⑵超過収益力説に基づいて計算してものれんは算定されないという財産評価基本通達165と166による評価結果の正当性を主張することが可能である。 ・しかしながら、納税者は純資産価額方式ではなく比準価額方式を採用していて、比準価額方式には営業権(のれん)の算定金額が全く含まれていないことに留意が必要である。 ・財産評価通達178により区分された大会社の株式価額は類似業種比準方式により算定するのが基本 ・しかしながら、納税者が財産評価通達179⑴に従って、納税者の選択により純資産価額方式で算定することも可能であったことを考慮すると、 ・仮に納税者が純資産価額方式で株式の評価額を算定していたら、財産評価基本通達166と167に基づいた営業権(のれん)の評価の正当性を営業権(のれん)の本質論に絡めて主張することも可能であったと考えられる。 そうすると、結論として、総則6項の「著しく課税の公平を欠く場合」(山田弘, 2013, p.24)と裁判所の言う「特別な事情」にこの事案が当てはまるかがポイントになる。 国税不服審判所は、仮に納税者の租税回避の意図が明白な場合でなくても、株式の評価方法を純資産価額方式ではなく比準価額方式を選択したことにより時価が著しく低くなることを納税者を認識していれば、「適正な時価を求めることができない結果になるなど著しく公平を欠くような特別な事情があるとき」に該当し、「個々の財産の態様に応じた適正な『時価』の評価方法によるべき」であると考えている。そして、国税不服審判所は、総則6項が適用される基準を課税当局と同様に「課税の公平」に求めていることが分かる。
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