EPISODE · Mar 31, 2026 · 6 MIN
#32 あきらめない将棋
from 親子の生態図鑑 · host せいちゃんとまっさ
将棋で飛車を失った瞬間、まっさは「負けました」と言った。王はまだ盤上にあったのに。せいちゃんの指摘は単純だ。「まだ終わってないのに、なぜ終わったと言ったのか」。だがその問いは、敗北とは何かという問いに直結する。負けとは、相手に決められるものか。それとも自分が決めるものか。まっさが認めたのは「覚悟の不足」だ。勝ちににじり寄る意志を持てなかった。そしてその不足の正体は、自分が負けると信じてしまったこと——つまり自己への不信だった。4歳のせいちゃんが持ち出したのはプリキュアであり、ご飯であり、NHK杯の棋士たちだ。彼女の論理は一貫している。「やめない人は、やめない」。同語反復のように聞こえて、これは意志論の核心に近い。諦めないとは状態ではなく、繰り返される選択なのだ。新年度の組替えという”小さな死と再生”を入口に、このエピソードは気づけば「自分を信じるとはどういうことか」を問うラジオになっていた。語ったのは父だが、答えを持っていたのは娘だった。
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#32 あきらめない将棋
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