EPISODE · May 27, 2026 · 14 MIN
#35 人生が少しだけ変わる日
from ドリアン助川 ECHO WORDS · host ドリアン助川
良い意味で人生が少しだけ変わる日。 例えばそれは、朗読する作品を全て暗記し、なにも手に持たずの暗唱パフォーマンスをステージでやり遂げた日です。そんなこと、なにか意味があるの? と言われてしまいそうですが、年齢にとらわれず、自分の新しい可能性に気づけたことは大きいです。ただ、これまでを振り返りますと、まさに人生が少し変わった典型的な事例は、小説『あん』を書き上げたことでした。物語がヒットしたこともさることながら、ハンセン病、およびその差別問題を通じて、「人間とはなにか」という問いと長く付き合う日々が始まったのです。 5月29日(金)22時30分より、NHK総合放送「時をかけるテレビ」に出演します。「らい予防法」「優生保護法」下に於いて、いかに悲惨なことが起きたのか、そのドキュメンタリー番組を司会の池上彰さんと共に観て、対談をしました。私はスタジオで、「絶望もあるが、希望もある」と語り、池上さんから「どうして?」と問われました。 小説『あん』を書いた根源の理由にも通じることです。どれだけ厳しい状況に追い込まれたとしても、そこに人間がいる限り、「希望」はなんらかの形で顔を出します。決して摘まれない芽があるのです。 今回は、ハンセン病療養所で綴られた短歌、俳句、川柳などの作品集である『訴歌』(晧星社)も紹介します。東京新聞、中日新聞に私が書いた書評がありますので、それを朗読します。
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