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EPISODE · Mar 24, 2026 · 20 MIN

敗血症ショックにアルブミンは必要か

from ER/ICU Radio · host deepER

Albumin Replacement Therapy in Septic Shock: A Randomized Clinical TrialJAMA Network Open. 2026;9(2):e2559297本研究は、敗血症性ショック患者において、血清アルブミン濃度を維持することを目的としたアルブミン投与が死亡率を低下させるかどうかを検証した、多施設共同オープンラベルランダム化比較試験(ARISS試験)である。ドイツの23の集中治療室(ICU)において、敗血症性ショック発症から24時間以内の成人患者440名を、20%アルブミンを投与して血清アルブミン濃度を3.0 g/dL以上に維持する群(222名)と、通常の晶質液による管理を行う対照群(218名)に割り付けた。主要評価項目である90日全死因死亡率は、アルブミン群で43.3%、対照群で45.9%であり、両群間に統計的な有意差は認められなかった。また、28日死亡率、60日死亡率、ICU滞在期間、臓器不全の程度(SOFAスコア)、人工呼吸器や昇圧薬を必要としない日数などの二次評価項目においても、両群間で有意な差は示されなかった。有害事象の発生頻度は両群で同等であり、本プロトコルによるアルブミン投与の安全性は確認された。結論として、敗血症性ショック患者に対する目標指向的なアルブミン補充療法は安全ではあるが、90日生存率を改善しなかった。内的妥当性本研究の最大の限界は、目標としたサンプルサイズ(1,662名)に対し、症例登録が440名に留まった段階で、登録ペースの遅延(パンデミックの影響など)を理由に早期終了したことにある。そのため、統計的な検出力が不足しており、アルブミンの潜在的な有益性を完全には排除できていない。また、対照群の48.6%に医師の判断で早期蘇生のためのアルブミンが投与されており、群間の差異が薄まった(汚染バイアス)可能性がある。さらに、アルブミン群においても、重症度や大量の輸液による希釈の影響で、半数以上の患者において目標とした血清濃度(3.0 g/dL以上)を維持できなかった点も、結果の解釈に影響を与える要因となる。オープンラベルのデザインによる治療割り当ての非盲検化も、臨床判断にバイアスをもたらした可能性がある。外的妥当性ドイツ国内の高度な集中治療施設(23施設)で実施されており、先進的な医療リソースを有する環境における一般化可能性は高い。しかし、対象患者の約62%が外科手術後の症例であり、内科的疾患を主とする敗血症性ショック患者にそのまま適用できるかは慎重な検討を要する。また、本研究では20%アルブミン製剤を使用しているが、先行研究(SAFE試験など)で使用された4%アルブミン製剤とは薬物動態や薬力学的な特性が異なるため、異なる濃度の製剤を使用する場合に同様の結果が得られるかは不明である。加えて、アルブミンの抗酸化作用は製剤の製造過程や酸化状態によって異なる可能性が指摘されており、すべての市販アルブミン製剤に共通する結論とは言い切れない。

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