EPISODE · Mar 22, 2025 · 12 MIN
ボイスドラマ「愛と裏切りの戦士〜セオリ号泣!スサノ愛の死」
from ヒダテン!ボイスドラマ · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会
時は古代、飛騨と邪馬台国。時代と運命に引き裂かれながらも、人は人を想い、命を懸けて守ろうとする。『愛と裏切りの戦士〜セオリ号泣!スサノ愛の死』は、前作『愛と希望の戦士たち』の続編にあたります。飛騨王朝の薬師・セオリと、邪馬台国の戦士・スサノ。敵対する立場にありながらも、心を通わせ、やがて愛に至ったふたりの切なくも力強い物語を描きます。飛騨の霊峰・位山に宿る「白銀の水晶」——それを巡る抗争の中で、人は何を選び、何を信じるのか。戦乱と陰謀が渦巻く中、ふたりの運命は、避けられぬ“愛と別れ”へと向かっていきます。古代の風に乗って紡がれる、もうひとつの愛のかたち。この物語を通して、あなたの心にも静かに灯る“祈り”がありますように(CV:桑木栄美里)【ストーリー】<『愛と裏切りの戦士〜セオリ号泣!スサノ愛の死』>【資料/『セーラームーン』に浮かれていた】http://www.style.fm/as/05_column/animesama24.shtml[シーン1:合戦!飛騨山中にて】■SE/合戦の音『ひるむな〜!』『我ら邪馬台国には青銅の剣がある!』『兵として恥じぬ戦いをせよ!』オレの名は、スサノ。女王の命を受け、はるばる備前から飛騨まで出向いてきた。備前から伊都国(いとこく)の港へ進み、船で越前まで北上。越国から先は険しい山々を越えて、飛騨へたどり着いた。わざわざ二十日と一夜(はつかとひとよ)をかけて、この山深い飛騨まで行軍するのには理由がある。もちろん、飛騨の豊富な資源、鉄鉱石が眠る山も、米や農作物もすべて手に入れること。だが、今回の制圧にはもっと大きな理由がある。卑弥呼。この最強にして冷徹な女王にとって、飛騨王朝はほろぼすべき仇敵なのだ。飛騨王朝の女王・スクナと卑弥呼との間にどんな因縁があるのかは知らぬ。魏の国より授かった金印が示す通り、卑弥呼は倭の国々の王。伊都も末盧も出雲も、尾張でさえ邪馬台国に服属している。だが、スクナだけが、使者を退けたのだ。そのうえ、敵対する狗奴国と交易までしている。われらへの当てつけか?まつろわぬ者どもへの見せしめという意味もあり、このスサノの軍団を飛騨へ送ったのだ。■SE/虫の声 or 森の鳥の声飛騨の伏兵どもは、山岳の地形を生かして攻めてくる。兵器は木製の槍や弓だが、身軽な装備で飛ぶように走り、まるで歯が立たない。我が軍は鉄や青銅剣で武装しているというのに、何人もの兵が命を落とした。やつらに気づかれぬよう、気配を殺しながら森の中をゆっくりと進む。ん?やけに静かだ。いや、静かすぎる。さっきからまったく人と出会わない。■SE/罠の音/バサッ!「しまった!罠だ!」落とし穴の中に無数の竹槍が上を向いて埋められている。兵士たちの絶叫が耳を貫く。麻布が血で染まる。なんとか・・・すんでのところで穴の横土に剣を刺した。だ、だめだ。穴は壺の形になっている。地上には上がれない。もはやこれまで・・・[シーン2:セオリの治療小屋】■SE/森の夜『う・・・ううう』「ああ、目が覚めたのね」『か、からだが・・・』「口がきけるっことは、まあ、死なずにすみそうね」『なにをしている・・・』「見てわからないの?あんたたちを治療してるのよ」『きさまは・・・』「飛騨の薬師よ」『薬師だと・・・?』「そうよ。名前はセオリ。祓戸大神、瀬織津姫から名付けられたの」『ここはどこだ・・・?』「私の治療小屋。怪我人を手当してる」『なん・・・だと?』「あんたたちの仲間も助かりそうな者は運んどいたから」『な、なぜだ・・・?』「さっきから質問ばっかりね。怪我人や病人を助けるのが私の役目なの!」『オレたちは、飛騨を制圧しにきたんだぞ』「知ってる」『なに!?どういうことだ・・』「くどい!私は薬師だって言ってるでしょ!怪我人に敵も味方もないわ」『じゃあ、なんであんな酷い罠を仕掛けたんだ・・』「あれは私じゃない!人を傷つけるようなものを私は作らない!」『なら・・だれが?』「あんたたちを憎んでいる、急進派の兵よ」『そうか・・』「ちょっと!」『な、なんだ・・?』「私、ちゃんと名乗ったのよ。あんたも兵なら名乗りなさい」『わ、わるかった。オレの名は、スサノ。おわかりのように、荒ぶる神、素戔嗚尊から名付けられた邪馬台国の兵だ』「荒ぶる神と祓戸大神。ふん。どこにも接点はないわね」『ああ、そうだな』「その傷、両足を貫通してるから、薬草が切れてきたら、また激痛がやってくると思うけど」『なに・・?』「はい、これ飲んで。ヨモギとドクダミを煎じた薬。傷口には化膿しないよう薬草を貼っといたから。今のうちにもう一度眠っときなさい」『何度も言うが、オレたちはお前達を殺しにきたんだぞ』「くどい。わかってるって言ったでしょ。殺したきゃ、怪我が治ってから私を殺しなさい」「こ、これが・・・飛騨の矜恃(きょうじ)か」[シーン3:治療小屋の朝】■SE/森の朝の環境音『朝・・・あいつは・・・薬師は・・・セオリはどこいった?』■SE/扉を開けて外へ出ると水浴びの音『行水・・・?』そういえば飛騨王朝は位山の加護で暮らしていると聞いた。オレの目的は、飛騨を従属させることだけではない。卑弥呼から命じられたのは、白銀の水晶を奪うこと。飛騨王朝に代々伝わる聖なる力の源だという。薬師ということは、薬草だけでなく呪術を使った治療もしているだろう。白銀の水晶について何もしらないとは思えない。この女を利用すれば・・・「なんとか歩けるようになったか」『はっ!え?ば、ばか・・・早く服を着ろ!』「なに照れてるのよ。あんたの血まみれの麻布だって洗ってあげたのに」『それとこれとは・・なに?オマエ、オレの体を見たのか』「見るもなにも、体じゅうさわんないと治療なんてできないでしょ」『な・・・』「くだらないこと言ってないで。歩けるようになったのなら薬草採取を手伝って」『わかった。オレにも些少なら薬草の知識はある。ほしいものがあれば言え』「じゃあ・・クサリヘビモドキを探して」『わかった。必ず見つけてやる』「期待せずに待ってるわ」クサリヘビモドキは幻の薬草。解毒・止血・鎮痛作用があり、見つけることはとても難しい。それからしばらくの間、オレとオレの部下はこの小屋ですごした。歴戦の勇者だった部下たちも、飛騨人に対する憎しみは消え、目を閉じて傷ついた身をまかせている。『ここには誰もこないのか?村人も、兵も』「ここは霊峰位山。怪我人と病人以外は誰も入れないわ」『位山・・ではこの上が・・』「女王・スクナの神殿よ」スクナの神殿・・ではそこに白銀の水晶が・・・よこしまな考えが脳裏をよぎったとき、責めるような部下たちの視線がオレを射抜いた。[シーン5:最後の夜】■SE/森の小鳥(朝の環境音)セオリたちが薬草を採りに出かけた早朝。オレは位山を登り始めた。女王スクナの神殿へいき、白銀の水晶を手に入れる。状況次第では女王を殺めても・・これは、遠く備前から卑弥呼がオレに送ってくる、抗えぬ波動。邪悪な心がオレを支配したまさにそのとき。「スサノ〜!」治療小屋の方角からセオリの悲鳴が聞こえてきた。『セオリ!』卑弥呼の邪心を振り払い、オレはセオリの元へ走る。やがて、治療小屋の前に現れた風景は・・・『お前たちは・・・』『スサノ、なにをしている!卑弥呼さまがお怒りだぞ。麓にいた、飛騨の兵どもは我らが全員片付けた。さあ、女王スクナのもとへ』こいつらは邪馬台国の軍団『邪鬼』。怖れを知らぬ、殺人集団だ。『セ、セオリはどこだ!?』「スサノ!」声は部下たちが組む円陣の中から。セオリを守るように、部下たちは立ったまま、息絶えていた。『斬ったのか・・オレの部下を』『飛騨の女を庇う裏切り者どもだ』『斬ったのかと訊いている』『ああ、一刀両断にした。次はその女だ』■SE/剣を抜く音「シャキーン」『逃げろ!セオリ』「いやよ!まだ小屋の中に怪我人がいるもの」『それは邪馬台国の兵だろう。お前を殺そうとした連中だぞ』「私を助けてくれた英雄よ」『ホントに強情な女だな』「あなたこそ、聞き分けのないオトコ」『いいか!皆のもの、よく聞け!オレは邪馬台国の戦士、スサノだ。この女、セオリに手をかけることは、命にかえてもオレが許さん!』『飛騨ごときに洗脳されおって』■SE/激しい戦闘の音「スサノ!」『はぁはぁはぁ・・・もう・・大丈夫だ・・全員斬った。助けたりしちゃ、だめだぞ』「しっかりして!」『すまん。クサリヘビモドキを採ってくる約束・・・守れそうもない』「ばか言わないで!」『なあ、セオリ。お願いがある・・』「もうしゃべっちゃだめ!薬草とってくるから!」『いくな。いかないでほしい。このまま、お前の腕の中にいさせてくれ』「わかった」『・・愛してる』「知ってる」『ありがとう』「愛してる」■SE/虫の音セオリは、オレとオレの部下を埋葬したあと、穢れを祓う祝詞で送ってくれた。「掛けまくも畏き 伊邪那岐大神筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に禊ぎ祓へ給ひし時に 生り坐せる祓戸の大神等諸々の禍事 罪 穢 有らむをば祓へ給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと 恐み恐みも白す」「スサノの魂よ、穢れのない天へ登りなさい。愛してる」
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