EPISODE · Sep 4, 2025 · 26 MIN
ボイスドラマ「ホリデー/後編」
from ヒダテン!ボイスドラマ · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会
前編で荘川を訪れたよもぎに続き、今回はさくらが朝日町を体験します。薬膳や薬草、そして美女高原に広がる空の下で、彼女は新しいインスピレーションを得ていきます。そして――村芝居の舞台で訪れる運命の再会。偶然の出会いから始まった休日交換は、やがて必然の再会へ。荘川と朝日、二つの里の魅力を舞台に、物語は感動の結末を迎えました。この物語が、あなた自身の旅のきっかけになれば幸いです。【ペルソナ】・さくら(28歳)=荘川の村芝居に出演、伝統芸能に興味ある静かな女性(CV=岩波あこ)・よもぎ(28歳)=薬膳カフェのオーナー、芯の強い漢方薬剤師(CV=蓬坂えりか)・朝市のおばちゃん(40歳くらい)=宮川朝市で花の苗を売る女性(CV=小椋美織)<シーン1:高山濃飛バスセンター>◾️朝のバスセンターの雑踏/ステップを降りて深呼吸するさくら「ふう〜っ!気持ちいい〜!」荘川の支所前から高山の濃飛バスセンターまで1時間20分。路線バスの旅って楽しい〜!おのぼりさんみたいに、大きなスーツケースを抱えてバスを降りる。しかも、今日は私、浴衣姿!って、見ればわかるよね。白地に桜の花が満開の浴衣柄。ヒノキのエッセンシャルオイルをさっと振って。エアコンが効いてるバスの中は、浴衣だけだとちょっと寒い。だから薄い羽織を重ねてる。ほら、これも素敵でしょ。透け感のある、淡い桜色の夏羽織。ステップを降りて時計を見ると・・8時前か・・・◾️朝の町を歩く足音まだ陣屋前の朝市は開いてないから、国分寺通りを宮川へ。朝市なんて何年ぶりだろう。なんだかドキドキする。今日の目的は、村芝居のあしらい探し。ここだけの話だけど、今年のテーマはファンタジー。お花の精たちが集まって、夏の終わりを告げる人情時代劇よ。設定はいつものように江戸の元禄時代。え?よくわかんない?じゃあ、見に来てよ。荘川まで。スケジュールは観光協会のサイトに載ってるから。私の役は、桜の精。クライマックスには季節はずれの桜吹雪が舞うんだよ。相手役は、江戸からやってきた役人。ロミジュリの江戸時代版って感じかな。舞台の小道具、あしらいはやっぱり、お花がいいよね。艶やかな花魁たちには、ハイビスカスやアサガオ。恋人役の男の子は・・ひまわり!いろんなお花売ってるといいな。◾️朝市の雑踏「すみません」「はい、いらっしゃい」「ヒマワリってありますか?」鍛治橋(かじばし)に近いお店。お花の苗を売っているおばちゃんに、腰をかがめて話しかける。そのときおばちゃんの前に座っていたのは・・・ミズバショウの柄のグリーンの浴衣を着た女性。手にはラベンダー?の苗。大きなトートバッグを背負って(しょって)・・観光客かしら。おばちゃんは私に向かって、人の良さそうな笑顔で、「切り花かい?うちには切り花は置いてないわなあ。もう少し待てば、陣屋の市が開(あ)くで。あっちに確か切り花の店があったわ」「そうですか・・ありがとうございます。行ってみます」私は浴衣が汚れないよう、裾をひるがえして歩いていく。◾️足音「まって」「はい?」声をかけてきたのは先ほどの女性。浴衣の裾にミズバショウが咲いている。「お花を探してるんですか?」「ああ、はい。今度・・お花を題材にしたお芝居をやるんです」村芝居だけど・・・「お芝居?劇団の方ですか?」「あ、そんなたいしたものじゃないです。ただの趣味で・・」だから村芝居なんだけど・・・「それで高山まで?」「ええまあ・・・そんな感じ」私のこと、自分と同じ観光客だと思ってる?ま、荘川からきた観光客、と言えなくもない。荘川も高山市なんだけど。ふふ。「貴女(あなた)は?さっきラベンダーを持ってらっしゃったみたいだけど」「ええ、白花ラベンダー。ハーブティーにしたり、入浴剤にするとリラックスできますよ」「そうなんですか・・」「はい。私、薬膳カフェをやっているので」「まあ素敵。お似合いよ」「ありがとう。このあと陣屋前の朝市へ行かれるんでしょ。よければご一緒にいかがですか?」「本当ですか?」「私も見たいものがあったので」「よろこんで」浴衣姿の美女2人(笑)・・私たちは肩を並べて宮川沿いを歩く。白地に桜吹雪。翡翠色に真っ白なミズバショウ。なのに手にはスーツケース。背中にトートバッグ。はたから見たら、2人とも絶対観光客だよねえ。ほら、また外国人観光客が振り返る。ああ、せせらぎの音が気持ちいい。<シーン2:荘川の自宅でアプリインストール>◾️虫の声荘川へ帰ったら、すぐに公民館へ。村芝居の練習はたいていここだ。開いたスーツケースの中身。陣屋前朝市で購入してきた小物を皆に配る。ひまわりの花と桔梗の花。ひまわりは相手役の男性が手に持つ。太陽と再生のイメージ。桔梗はラストシーンで私が持つ。美しい星の形の白い桔梗。春の桜から秋の桔梗へと引き継ぐ。彼に別れを告げる悲しいアイテム。和紙でできた提灯や、匠が作った竹細工は、小道具ね。着物の端切れは、お裁縫が得意な私には必須。柄や色を組み合わせて、個性的な衣装を作ろうかな。そして・・・薬草のよもぎ。そう。これは一緒に歩いた彼女が選んだ。”高山にあるもので一番好きなものは?”って聞いたら迷わず「よもぎ」って言うんだもの。観光客にしては、渋すぎない?私が「高山で一番美味しいのは荘川そば」って伝えたときは「朝日のよもぎうどんも美味しい」って、なんか反論してたけど。よもぎの葉は、ハーブとして、またアロマとしても最高、なんだって。そうだ、彼女、薬膳カフェをやってるって言ってたなあ。どこでやってるんだろう?名古屋?東京?考えてみたら私たち結構一緒にいたのに、名前さえ名乗ってないわ。なんとなく波長が合っただけ。朝市で売ってるもの見ながらあーでもないこーでもないって。結局別れるときもあっさりと『それじゃ、よい旅を』なんて。ま、観光客だから、こんな距離感でいっか。そうそう。よもぎの葉は草木染めに適している、とも言ってた。確かに芝居の衣装を自然な色合いに染めるにはいいかも。いろいろ考えながら、演者(えんじゃ)に説明していく。今年の物語はオリジナルだから、つい熱が入っちゃう。ストーリーはね、こんな感じよ。ときは江戸時代。宝暦(ほうれき)年間。幕府の直轄地だった飛騨の国。荘川村も例外ではありません。大規模な治水工事のために、江戸から1人の役人が荘川へやってきます。名前は翔介(しょうすけ)。彼は成果を第一とする冷徹な男でした。ある日、桜の精と出会い、そのはかなくも美しい姿に心を惹かれていきます。桜の精は、翔介に、治水が完成したら、自分は水の底へ沈むと予言しました。治水か恋か、心が揺れる翔介。それでも、陣屋の郡代から執拗な催促もあり、悩みながら治水を完成させます。桜の精は翔介に”生まれ変わるなら秋の花へ”と告げて消えていくのでした。とっても切ないお話でしょ。「さあみんな、少し休憩にしましょ」もうみんなセリフは入っていて、あとは動きの確認だけ。だから休憩してお茶タイム。そのとき、壁に貼ってあるポスターに目がいった。観光協会から新しいアプリのお知らせ?ふうん。なんだろう?高山市内10エリア在住の方限定アプリ「ホリデーシェア」?”お金をかけずに高山市内をプチ旅して再発見しよう!”?なあに、それ?でもなんだか面白そう。キャプションをじっくりと読む。住んでいるエリア以外のエリアの人と、お部屋を交換してホリデーを楽しむ。荘川以外の人とってことね。自分の部屋をゲストに最大1週間ショートステイしてもらう。代わりにその間、自分はゲストの部屋でショートステイ。女性は女性同士でお部屋を交換。帰るときはお掃除をして帰る。お互いのレビューは必須。なるほどねえ。お部屋に泊まってもらうのかあ。お掃除しておかないと。お金をかけずにプチ旅行できる、ってのは楽しそう。じい〜っとアプリのお知らせを見ていたら共演者が『行っといでよ、プチ旅』だって。村芝居の奉納までまだ日にちがあるし、準備は終わってるから?芝居の準備、ほぼひとりで頑張ったご褒美に?頑張った、って・・そんなそんなぁ・・村芝居は私のライフワークなんだもの。でもまあ、2泊3日くらいならいいかなあ・・奥飛騨の温泉でまったりとか〜。うふふ・・・※続きは音声でお楽しみください。
Embed this episode
NOW PLAYING
ボイスドラマ「ホリデー/後編」
No transcript for this episode yet
Similar Episodes
No similar episodes found.