EPISODE · Mar 18, 2025 · 10 MIN
ボイスドラマ「ナビゲーターの奇跡」
from ヒダテン!ボイスドラマ · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会
飛騨高山の風を感じながら、ラジオの向こうに広がる世界へ。『ナビゲーターの奇跡』は、高山のFM局「Hits FM」の若手ナビゲーター・エミリが巻き起こす、不思議で心温まるサクセスストーリーです。飛騨高山で生まれ育ち、この街をこよなく愛するエミリ。彼女の声が、思いがけない出会いと奇跡を引き寄せていきます。地方FM局のナビゲーターが、ある日突然、全国ネットのFMプロデューサーに声をかけられたら? その先に待つのは、東京進出か、それとも地元愛を貫く道か…。ラジオが持つ“声の力”が、人と人をつなげ、運命すらも動かしていく。高山の美しい街並みとともに、彼女の選んだ道を、ぜひ最後まで見届けてください。さあ、奇跡のナビゲーションが、今始まります——(CV:桑木栄美里)【ストーリー】<『ナビゲーターの奇跡』>[シーン1:朝の番組終わりで】■SE/ステーションジングルの終わりで『それではみなさん、また来週!今日も元気に・・・Have A Nice Day!Bye bye HIDA〜!!』(※英語っぽく)■SE/少人数の拍手「みんな、おつかれさま!」「タニグチちゃん、さっきのジングルのタイミングかっこよかったぁ!」『ホント?ありがと!”ポン出し”難しい曲だったけどね』(※谷口さん)「ヤマシタさん、スポンサーのパブコメ、あれでよかった?」『バッチリバッチリ!”オトクイ”、”生”聴いててめっちゃ喜んでたわ』(※山下さん)番組スタッフといつものアフターカンファ。とは言っても、短いポイントのチェックだけ。番組は朝7時から11時までだから、月イチでランチってのもありだけど。ま、放送事故でもない限り、来週のテーマの確認くらいで終了。「ねえ、来週の木曜は世界観光の日でしょ」「八幡祭のティザー的な意味もこめて”高山のチートコンテンツを見直す”なんてのはどう?」「OK?ありがと!じゃあ私、週明けまでにまとめとくわ」そっか、八幡祭=秋の高山祭までもう3週間もないんだ。時間が経つのって、あっという間だな。私の担当番組は、毎週木曜の朝番組『Morning Call from HIDA!!』春からスタートしてもうすぐ半年。最初は早朝からドタバタで緊張の連続だったけど、最近はスタジオに入るのが楽しくてしょうがない。それもこれも・・・『エミリちゃん、ちょっといいかな?』「あ、はい!」『お昼ご飯でも食べながら、ちょっと話せない?』そう、このプロデューサー宮ノ下さんに声をかけられたから。半年前の私は、高山市内のデザイン会社で働くグラフィックデザイナー。メインの仕事はHits FMのタイムテーブルのデザイン。宮ノ下さんと色稿をチェックしているときに、いきなりしゃべってみないか、って。めちゃくちゃ驚いたけど、私って昔から好奇心旺盛なのよねー。その場で即答。今に至る、って感じ。あとから仲のいいナビゲーターに聞いたんだけど、その番組、ホントは宮ノ下さんが喋るはずだったんだって。プレッシャー半端ないし。聞かなきゃよかった。[シーン2:ランチMTG】■SE/飲食店内のガヤ『時間大丈夫だった?』「うん、時間は問題ないけど、逆に大丈夫なんですか?こんなハイエンドの飛騨牛のお店で」『大丈夫大丈夫。松喜うしは馴染みだから。なんでも好きなの頼んでいいよ』「ええええええ?じゃあ、A5ランクの飛騨牛フィレ、シャトーブリアン・・・」『え?』「・・・ってウッソー。ビーフシチューにしま〜す」『ビックリした』「ごめんなさい。で、お話ってなんですか?」『うん。エミリちゃんって番組スタートしてもうすぐ半年だよね』「え〜、まさか、番組打ち切りとか?」『なわけないでしょ。あのね、ほかの曜日も少しずつやってみないかな、って』「え?10月からの改編ってもうプレスに出てましたよねー?」『出したよ。じゃあ・・夜帯の編成をあと2時間伸ばして21時-23時で新番組を作る話は知ってるでしょ』「そこって確か、AIによるインフォメーションと夜系のミュージックミックスにするんじゃ・・・」『そのつもりだったよ。それが、ここだけの話だけど・・・このタイミングでスポンサーが、やっぱり、ヒトの声がいいって』「で、私のこの・・」『癒し系セクシーボイスを発揮してみないかってこと』「マジで?」『考えてみて』「考えてもいいですけど」『あれ?即答じゃないんだ』「だって、私、Hitsでしゃべってるけど、まだデザイン会社に席はあるんですからね」『そっかそっか。ま、前向きに考えてみてよ』細くキュートな目をさらに細くして、笑顔で推してくる。きっとまた、この笑顔に負けちゃうんだろうな、私。[シーン3:古い町並】■SE/古い町並のガヤ宮ノ下さんとは結局、関係ないアニメの話でそのあと盛り上がり、お店を出たのは午後2時近かった。帰り道。いつもは人混みを避けてショートカットで帰るんだけど、なんとなく、今日は古い町並をぶらっと歩いてみた。食後のおやつにみだらしだんごを食べながら歩いていると、『ちょっとすみません』唐突に声をかけられた。明らかに地元民ではない格好をした紳士。『さがしましたよ』え?新手のナンパ?いや、全然違っていた。「全国ネットFMのプロデューサー!?」思わず大きな声が出る。「え?どういうこと?」「SNSで見かけて、その声質とトーンに興味を持った?」「生放送を一度聴きたくて東京から高山へ?」「放送を聴いてから、すぐここへ?なんで?」「私のSNSでよくアップされているお団子屋さんだから?」なるほどね〜。鋭いけど。で、私になんの用?「できれば?東京へ来て?全国ネットのFMで?しゃべってみないか?」「うっそおおおおお」「いつから?」「10月〜〜〜〜〜〜〜!?」「まさか、AIの代わりなんじゃ?」『えっ!なんで知ってるの?』これって神様のいたずら〜?それともさるぼぼの悪ふざけ〜?全国ネットのFM局なんて。なんだか夢のような話。私でホントにいいの?■SE/風鈴の音そのとき、さるぼぼのぬいぐるみが飛んできて私の体に当たった。え?お土産屋さんの軒先から飛ばされてきたみたい。なんか、あざとい伏線っぽいなあ。でもそうだ・・・「お誘いいただいてありがとうございます。すごく光栄です」「ただ、私、高山を離れることはできません」「私のSNSを見られたのなら、わかりますよね」「私がどれほど高山を愛しているか」「この街を離れて東京へ行くようなこと、したくないんです」「それに私、この10月から地元のFM局で新しいプログラムにたずさわるんです」おっと。まだ正式にオファーを受けてないけど・・・『そうか・・・それは残念だなあ。じゃあ・・・』と言って、あきらめるかと思ったら。「新幹線で〜?日帰りで〜?」「そうすれば、通いでナビゲータできるって?」そりゃそうだけど・・・『とにかく考えてみてほしい。時間は全然ないけど・・』そう言って、彼は、さっさと高山駅の方へ歩いていった。ううん。考えたって、答えなんて決まってる。誰になんと言われても、私は高山ファースト。だって、彼の言ってる番組を担当したら今日宮ノ下さんからオファーされた新番組受けられないじゃん。それに、私のレギュラー番組ともかぶってる。やっぱり、ちゃんと、彼が東京へ帰る前にメールで断っとこう。人気FM局のロゴマークが印刷された名刺を見ながら、彼のアドレスへ断りのメールを送った。はあ〜。なんか今日、すごい1日だったなあ。こういうのを、昭和なら、盆と正月がいっぺんに来た、って言うんだろうな、きっと。[シーン4:早朝のHits FM】■SE/朝のイメージとHitsFM内のガヤ翌日。東京の声優がやっているボイスドラマの収録を見ようとHits FMへやってくると・・・なんだか、局内が騒然としている。「おはようございまぁす」「どうしたんですか?みんな集まって」私が挨拶したとたん、場が静まり返った。みんながホワイトボードに貼られたプレスリリースを指さす。私も思わず視線を送る・・・えっ?東京の広域FMステーションと、Hits FMとのスペシャルコラボプログラム!?うそ?なになにそれ?『すごいじゃないか、エミリちゃん』宮ノ下さんが満面の笑みで、ナビゲーターの輪の中から現れる。『昨日の夕方、東京のFM局のプロデューサーから電話があったんだ』『エミリちゃんを起用して、FMの新しい番組を作りたいって』『でもエミリちゃんが高山を絶対に出ない、って言ってるから』『高山発で、東京のFM局とHits FMとのネット番組をスタートさせたいって』『最初は、うちの夜帯からスタートして、来春の改編では夕方のドライビングゾーンに入れたいって』うっそぉ!信じらんない!ホントにコレ、盆と正月だよ。『こうなったら今日も松喜うしにランチいこう!A5ランクの飛騨牛フィレ、シャトーブリアン食べない!』まだまだ残暑の高山。来週は、絢爛豪華な八幡祭が、肌寒い秋の訪れを告げる。こよなく高山を愛し続けてきた私に答えるように、一足早く、秋の奇跡が駆け抜けていった。■SE/高山祭の喧騒でシメ
Embed this episode
NOW PLAYING
ボイスドラマ「ナビゲーターの奇跡」
No transcript for this episode yet
Similar Episodes
No similar episodes found.