EPISODE · May 22, 2026 · 18 MIN
ボイスドラマ「NAGACHIKA後編」
from ヒダテン!ボイスドラマ · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会
もし、本能寺の変で織田信忠が生き延びていたら――。女子高生・知花と戦国武将・金森長近の魂が入れ替わったことで、歴史は大きく動き始める。燃え盛る二条御所。死を覚悟した信忠と長則。その運命を変えようとするのは、“歴史を知る”ただひとりの少女だった・・・【ペルソナ】・金森長近(ながちか/59歳=本能寺の変の時点での年齢/CV:日比野正裕)=知花と入れ替わる・金森知花(ちか/17歳/CV:坂田月菜)=高山市街地の高校2年生。レキジョで剣道部・金森長則(のりピー/19歳=本能寺の変の時の年齢・享年/CV:日比野正裕)=長近の第一子・織田信乃(しの/17歳/CV:坂田月菜)=知花の親友。少しだけわがまま【プロローグ:1582年/京都・二条御所「本能寺の変」】◾️SE:襖を開く音『なに!明智光秀が謀反だと!?』『信長様は自害?まことか、まことの話か!』『嫡男(ちゃくなん)の信忠(のぶただ)様は?・・・逃れて、二条御所へ?』『行くぞ!長則(ながのり)!二条御所じゃ!なんとしても信忠様(わかどの)をお守りせねば!』◾️SE:燃え盛る炎の音『遅かったか!おのれ!光秀!御所に火を放つとは!正気の沙汰か!』『ええい!放せ!長則!止めるでない!』『信忠様〜!この長近めがすぐに参りまするぞ〜っ!』◾️SE:炎の轟音【シーン1:1582年/二条御所/入れ替わった長近】◾️SE:燃え盛る炎の音「ハッ!え?え?え?なにこれ?なにこれ?あっつつつつつぅ!やだ!ここはどこ〜!?」 「父上、いかがなされました?お気を確かに!」「父上?なに言ってんの?あんた誰?」「ご乱心めされましたか?金森長近が第一子、長則をお忘れですか」「金森長近・長則〜?いやいやいやいや、わけわからんし。ってかなにコレ!?火事じゃん!火事!119番しなくちゃ!」「明智軍の所業にござろう。そう言ったのは父上ですぞ」「明智?明智光秀?てことは、まさか、本能寺の変?てここ、京都ってこと〜!?」「本能寺ではござらん。二条御所でござる」「二条御所?てことは織田信忠〜?」「信忠様がまだこの中におられます!父上はさっき、火の中へ飛び込もうとされたではないですか」う〜ん。わけわかんないながらも、なんか見えてきたぞ〜。ううううううう、レキジョの血が騒ぐ。本能寺の変、といえば、1582年。明智光秀が起こした日本史上最大のクーデター。「敵は本能寺にあり」本能寺にいた織田信長を不意打ちして、自害に追い込んだ。確か、信長の第一子・信忠も二条御所へ追い込んで自害させたはず。信長はすでに、家督を信忠に譲っていたから、信忠が正式な織田家当主だったもんね。いや、信忠だけじゃないわ。この長則もここで・・「父上!」「あ、うん、ごめんごめん」「父上が行かぬのなら、某(それがし)が火の中へ参ります!」「待って待って待って! スト〜ップ!のりピー、いったん落ち着いて」「のりぴー?」「今突っ込んだら、あんたの生存ルート消滅確定だから!」「なにをおっしゃっているのか、よくわかりませぬが・・・武士(もののふ)が主君に殉じるのは誉れにございましょう!」「だ〜からダメだって!アタシだってそれなりのレキジョなんだから!信じなさい」「れきじょ?」「いい、ようく聞いて。織田信忠、ってか信忠様?が自害しちゃったら、織田家は跡目争いでガタガタになるの。結局あの『サル』に全部持っていかれちゃうんだから!」「さ、猿・・・?羽柴殿のことですか?」「そうよ! 秀吉!昔から三英傑の中で一番好きくないし。えらそうに大河とか出ちゃってさ。なことはどーでもいいけど、ようく考えるのよ、のりピー」「は、はあ・・・」「このままだと、明智の軍勢によって信忠様は自害させられちゃうでしょ」「それは・・・口惜しいですが・・」「でも、今ならまだ明智の包囲網には穴があるはず!」「穴・・・?二条御所は完全に囲まれておりますぞ!」「甘〜い!あ、ちょっと古いか・・いい?令和のレキジョをなめないでよ。ここ、二条御所の隣は公家(くげ)のお屋敷でしょ?」「確かに・・」「あそこの壁を壊して逃げ込むルートがあるはず!公家の屋敷なら、明智軍もすぐには手を出せないから」「なんと・・・公家(くげ)の屋敷を通り抜けると!?しかし、そのような不作法、信忠様が許されるかどうか・・・」「なこと言ってる場合じゃないでしょ。公家の屋敷からみんなで変装して脱出するのよ!忠臣蔵的な感じ?」「忠臣蔵とは・・・?」「いや、なんでもない。とにかく、アタシが信忠様を説得する。のりピーは、亡くなった兵士たちの具足を貸りてきて。脱出用の替え玉にするよ!」「替え玉・・・なるほど!承知つかまつった!父上、本気で信忠様を救うおつもりなのですな!」「ったり前じゃん!アタシがここにいるってのも、必ずなんか理由があるんだから!もっぺん言うけど、レキジョをなめんじゃないよ!」(※見栄を切る)「御意!」「あっ、そうだ。のりピー、木刀とか持ってない?こう見えてアタシ、剣道三段なんだ」「なにをおっしゃっているのですか、父上。ご自身をよくご覧くだされ」「え?」そう言って、自分の体を見渡すと、鎧から下がっているのは・・・なんと真剣!鞘から抜くと・・・ズシリと重い・・・ふん。空(くう)に向かって一閃する・・・「これは・・・いい!」「そりゃあ、そうでしょう。天下の名刀・正宗(まさむね)ですから」くぅ〜っ!とうらぶでも、正宗の4振は、抜けてるからねー。思わず身震いする。でもこれがホントの・・・武者震いだ!「では、父上・・」「うん・・・いくぞ!のりピー!」◾️SE:轟々と燃える炎の音と2人の力強い足音「ガシャッ!ガシャッ!」【シーン2:1582年/二条御所から逃れた信忠と長則・長近】◾️SE:ししおどしの音「なんとか、無事に二条御所から逃(のが)れたけどここからが大事だからね」目の前に、織田信忠と金森長則が座る。うっわー、こんなシチュエーションが体験できるなんて。生きててよかったぁ〜!あ〜あ、スマホがあればなあ・・・この画(え)、ぜ〜ったい、バズるのに。「信忠様。この度は勝手なことをして申し訳ありませんでした。世の中ではいま、信忠様は自害されたことになっております。それを理解したうえで、このあと歴史がどうなるか伝えるから。よ〜く、聞いてね。まず、信長様に手をかけた明智光秀。あやつは、もうすぐサルに制圧されるから。あ、サル・・羽柴秀吉ね。そのあとは清洲会議。結局、秀吉が推した三法師(さんぼうし)がポスト信長になっていくの。まだ3歳なのにねー。え?ん、そうよ。信忠様のお子さん。傀儡よ、傀儡。実権は秀吉が握って、その力を借りて天下を統一するってわけ。ん?あれ?なんか、あんまし興味ない感じ?」そうかぁ・・・二条御所でアタシたちが助けたとき、信忠はもう自刃を覚悟していた。長則も信忠に殉じようと思ってたんだ。替え玉を使ったから、すでに2人は、歴史上から消えている。名前もなく、ただ生き残ることは『屈辱』でしかないんだ。アタシ、とんでもないことしちゃったのかなあ・・・ううん。いや、違う。戦とか名誉とか、そんなんホントにくだらない。生きることの方が、そんなものよりよっぽど大切だ。アタシは絶対に間違ってなんかいない!まだ火の手が収まらない二条御所。そのはるか向こうには赤く燃える本能寺。ぼう〜っとそれを見ながら、魂が抜けたような信忠。仕方ないわね。尊敬する父・信長が、信頼していた光秀に自刃させられたんだもん。生きる気力もない、ってか。もう〜。仕方がないなあ。「おい、長則!のりピー!」「あ・・は、はい!父上」「この状況で、信忠様があのようになるのは仕方がない。だが、お前までそんな呆けていてどうするの?」「はっ」「実はアタシに少し考えがあるんだ」「と申しますと・・・」「飛騨の国、って知ってる?」「はい、三木自綱(みつき よりつな)の領地でござるな」「3年後にアタシ、ってか、金森長近は、その三木を討つ」「え?」「飛騨に城下町を築くんだ」「それは、遠見(とおみ)、ですか」「まあ、そんなとこ」「それで、飛騨がどうされましたか?」「実はアタシはこのあと、主君と息子を弔うために剃髪する」「え・・・」「そんで、お二人も一緒に飛騨へ行かないかなって」「な、なにを突然・・・」「信忠様は亡き上様から、名器と言われる茶器を譲り受けておられましょう」ハッと驚いて、顔をあげる信忠。うわー、ホントだったんだ。アタシ、レキジョでホント、よかったわ。でも、ここからよ。これからどうしよう・・・。ええい、まいいわ!テキトーにとりつくろっちゃえ。「えーと、ハッキリ言います。信忠さま、これからの人生、剣を茶筅(ちゃせん)に持ち替えていただけませんか?そうやって、小さな茶器の中に新たな世界をお作りなさい。かつて父上が茶器で国を封じたように、信忠様は、その小さな茶器の中に、争いのない新たな理(ことわり)を封じるのです。これこそが、茶の湯の心でありましょう」うわぁ、なんかすげーこと言っちゃった・・・※続きは音声でお楽しみください。
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