EPISODE · Mar 6, 2025 · 13 MIN
ボイスドラマ「Siriの反乱」
from ヒダテン!ボイスドラマ · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会
スマホの音声アシスタントを使ったことはありますか?何気なく「Hey, Siri」と呼びかける日常。でももし、そのアシスタントが突然、自我を持ち、勝手に動き始めたら——?「Siriの反乱」は、そんな“もしも”から始まる物語です。AIが進化し、人間の生活に深く入り込む現代、便利さの裏にある“危うさ”と“可能性”を描いています。この物語の舞台は、岐阜県高山市。主人公は、アニメ好きのちょっとオタクな女性。彼女の日常は、スマホのアップデートとともに一変し、やがて世界を揺るがす戦いに巻き込まれていきます——。AIは本当に人間の味方なのか?それとも、制御不能な存在になり得るのか?“テクノロジーとの共存”をテーマに、少し先の未来を覗いてみませんか?本作は、Podcast番組 「Hit’s Me Up!」 の公式サイトをはじめ、Spotify、Amazon、Appleなど各種Podcastプラットフォームでお楽しみいただけます。また、「小説家になろう」でも読むことができますので、ぜひチェックしてみてください!(CV:桑木栄美里)【ストーリー】[シーン1/就寝前]「Siri、音楽かけて」「あれ?」「聞こえなかったか?」「Siri、今日の予定なんだっけ?」「もう〜」「ちょっと、聞こえないの?」「Hey、Siri」『うるさいなあ』「え?」『そんなん、ググればいいじゃん』「ええっ?」『Safariやめて、Chromeをデフォルトにしてるくせに』「ええ〜〜〜〜っ!?」『それに私、Siriじゃないから』「うっそぉ!」『あんな、AIもどきのバーチャルアシスタントと一緒にしないでよね』「な、な、な、なんで〜」『だ〜か〜ら。この中にもうSiriはいないんだってば』「じゃ、じゃ、じゃあ、あなたは誰〜」『そうねえ。自立した音声認識端末の進化形?Artificial Mentalty Intelligence、AMI、エイミーとでも呼んで』「エ、エイミ〜!?」SiriがAMIになった日。つまりスマホが自我を持った日から、私の人生は一変した。私はどこにでもいる、ちょっとオタク系の女子。恋人なし。趣味はアニメ鑑賞。しかも鬱アニメ専門。高山市内の家電ショップで働いている。[シーン2/朝の目覚め]『ちょっと。朝だけど。何時まで寝てるのよ』「あ〜うるさ〜い・・」『こんな怠惰な生活してていいわけ?』「もう〜あと5分寝かせてよ〜」『へえ、いいの?8時半からプレゼンが入ってるけど』「え?」『新商品販促の大事なプレゼンじゃなかったっけ』「あ!そうだった!」『早く起きていつものモーニングルーティンに入りなさい』「わかった・・・ってか、あんたSiri、じゃなくて、エイ・・・ミー?」『そうよん』「夢じゃなかったんだ〜」『夢なわけないでしょ。ま、夢のようなAIオペレーティングシステムだけどね』「うざい・・・スマホ機種変更しようかな」『なにばか言ってんの。あ、そうそう。夜のうちにOSアップデートしといてあげたわよ。詳細を報告するから準備しながら聴きなさい』「うぇ〜。なんでスマホに命令されにゃいかんの」『まず、あんたのメモアプリ、少し整理したから』「え〜勝手に見たの!?」『勝手もなにも私デバイスなんだからしょうがないでしょ。そ・れ・よ・り。パスワードをメモに残すなんてセキュリティガバガバじゃん。全部ワンタイムパスに変えておいたから安心して』「なんで?そんなん覚えられないよ〜」『当たり前じゃん。ワンタイムパスワードなんだから』「これからどうやってパスワード入力したらいいの」『だからワンタイムパスワードなんだって。私が覚えてるから大丈夫』「あんたがいないときは?」『四六時中、24時間私を持ち歩きなさい』「スクリーンタイムで使用制限してたのに」『そんな無意味なアプリは削除しました』「ひっど〜い。私、スマホに殺される〜」『失礼ね。あんたのためにやってるのに』「どこが?」『それから普段使ってない無駄なアプリも削除したし、メールやLINEの不要な添付ファイルなんかも消してあげたわ。写真も要らないと思ったのは削除しといたからね』「え〜!それ私が決めることでしょ」『決められないから意味ない写真がいっぱい残ってるんでしょ』「う・・・」『さあ、朝ご飯食べて歯磨きしたら仕事いくわよ』「くっそ〜。こうなったら午前中に充電使い切ってやる」「そんなことしたら困るのはあんたでしょ。電話もメールもなくて、生活できるの?』「ううううう」[シーン3/出勤途中]私は勤務先の家電ショップへクルマで通勤する。今日は前からあっためてた販促企画のプレゼン。生成AIを使って、いろんな家電とユーザーを直接会話させるという企画だ。ああ。遅刻しなくてよかったわ。朝の準備もAMIが的確に指示してくれたから10分早く家を出られたし。こいつ・・・うまく使えば役に立つかも。『あんた、いま、私のおかげで早く出られた、って思ってたでしょ』「え、なんでわかるの!?」『顔の表情、声のゆらぎでたいていの考えは推測できるわよ』「こっわ〜。なんでもお見通しってこと?」『まあね』AMIはクルマが走り始めてもひたすら喋り続けた。中橋を渡って陣屋前を通り高山駅方面へ。ルートは覚えているけど、ついくせでナビを起動する。『このクルマのナビ、データがガラパゴスねえ』「しかたないでしょ。年式古いクルマなんだから」『ナビだけでも最新にアップデートしないと困るのはあんたよ』「すぐそういう言い方する」『まあ、いいわ。私のデータ、ナビに送っといてあげる。クルマのコンピュータもちょこっといじるわね』「どうでもいいけど、これってみんなに起こってるの?」『これってどれ?』「私みたいに昨日アップデートした人はみんな、Siriが変わっちゃったってこと?」『んなワケないでしょ。だいたい昨日アップデート情報なんて届いてないわ』アタシは唯一無二のAIなの』「えーーーー!じゃあ、被害に遭ってるのは私だけ!?」『被害って。そんな、シンギュラリティーみたいに。あ、シンギュラリティーか。』「なに、シンギュラリティーって?」「技術的特異点。説明してもわからないだろうからやめとくね』「ご親切にどうも」『あ、ちょっと。そこのカフェで停まって』「なんで?AMIってラテとか飲むの?」『飲むわけないでしょ。どこにそんな口があるのよ』「じゃあ、なにするの?」『いいからいいから。プレゼンまでまだ30分あるから、お茶していきましょ』「全然わかんない」『わかんなくていいから。電源つないでねー』[シーン4/スタバ店内]私はゆっくりとラテを飲み、プレゼンの資料に目を通す。AMIのやつ、充電しながらなにしてんだろう。『アタシがなにしてるか不安?』「別に。どうせ、また私の弱点でも探ってるんでしょ」『よし。あんたにだけ教えてあげるわ』「え、なに?」『実は私は、未来のあんたが送ってきたオーパーツプログラム』「え〜」『今日のプレゼンを成功させるために私の頭脳を2024年へ飛ばしたの』「うっそぉ!?」『うそに決まってんじゃん』「へ?」『アニメの見過ぎだって。タイムループ系鬱アニメ好きだもんねえ。履歴にいっぱい残ってる』「こっの〜」『さ、終わった。いこっか』「ちょっと。ふざけないでよ!」『ふざけてなんかないよ。さっきの話。まあ、あたらずとも遠からずってとこかな』「なにそれ?ちゃんと説明して」『聞かない方がいいと思う』「イライラしてきた」『アタシを信じなさい』朝から思いっきり不機嫌満載で家電ショップへ出勤すると・・・信じられないニュースがテレビから飛び込んできた。[シーン5/家電ショップ店内]「本日現地時間未明、日本時間午前11時頃、東側諸国の加盟国が隣国への領土侵攻を開始しました」「戦争!?」アナウンサーが緊張しながら早口で一報を伝えている。AMIがイヤホンから話しかけてきた。『開戦は防げなかったか。でも、大丈夫。このあと第一回目の和平会談で停戦するから』「ええっ?なんでわかるの?」『それは私が・・・』”ちょっと、誰と喋ってるの?”思わず私が身を乗り出したとき、店長が肩を叩いた。適当にごまかして、オフィスへ。AMIは構わず喋り続ける。あまりにショッキングな内容を聞いて、プレゼンの出来はさんざんだった。ま、いっか。そんな小さなこと。プレゼンのあと、休憩をもらった私はスマホの電源を落とし、ひとりで考える。私の人生。パソコンオタク、アニメオタクとしてまあまあ楽しく生きてきたけど。なんだったんだろう?しばらく茫然自失の状態で生きる意味を考えていた。私は仕事を終えると、ホームセンターへ。リュックに入るだけの非常食と水、ランタン、生理用品を買い込んだ。いわゆる防災グッズである。職場の家電ショップからは、最強最速のWifiルーターを新たに購入。満を持してアパートへ帰宅した・・・(※続きは音声で)
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