EPISODE · Jun 19, 2025 · 15 MIN
ボイスドラマ「卒業旅行〜サプライズの向こうに」
from ヒダテン!ボイスドラマ · host Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会
春、卒業。東京の大学で出会った仲間たちとの最後の旅。──でもその行き先に、ふるさと・高山を提案するのはちょっとだけ、勇気が要った。だって、オレは“ロック”だから。手紙、飛騨牛、祖母の笑顔。ふるさとを隠して生きてきた青年・リクが、本当に大切なものに気づくまでの、心あたたまる4日間の物語。舞台:岐阜県高山市 清見町登場アイテム:飛騨牛/トマト/道の駅ななもり清見/せせらぎ街道/木工体験/ブルーベリー狩り など出演:・リク(清見ロック)/CV:田中遼大・ミサキ/CV:小椋美織・祖母/CV:中島ゆかり・その他大学の友だち/CV:大学生の友だち「ヒダテン!」公式サイト:https://hidaten.com Instagram・TikTokで清見の魅力も続々配信中![シーン1:リクのアパート/ばあちゃんからの手紙】リク今度の高山祭は帰ってこれるんか?ばあちゃん、足腰弱くなって、トマトもそうそう摘まれへんようになったわ歩くことも、どもならんようになってきたからもう東京へは行けん生きとるうちにもう一回リクの顔がみたい大学、忙しいやろうけど、無理はせんようにな元気で暮らせよ、リクばあちゃんからの手紙。春と秋。祭が近づいてくると、必ず送ってくる。しかも文面は毎回同じ。コピー?と思ったけど、毎回ちゃんと書いてんだよな。ばあちゃんオレがどれだけ頼んでも、頑なにLINEでなくて、手紙だ。手元に残らんと伝わらん、と言って。『高山祭』を帰る理由にして送ってくるけどうちは高山の市街地じゃなくて、清見町。野菜作ってる農家やないか。飛騨牛食べに帰ってこい、とかトマトの収穫、手伝いに来い、とか、そっちじゃね?・・・なんて、悪態つくつもりは毛頭ないんだけど。だってばあちゃん、飛騨牛なんてしょっちゅう送ってくれるし、毎年2月になるとトマトやほうれん草の入ったでっかい箱が届く。ほうれん草はオレの大好物だから・・バイト暮らしの貧乏学生にはもったいないほどのごちそうだ。おかげで体力もりもり。風邪ひとつひかん。ばあちゃん、オレだってホントは帰りたいんや。ばあちゃんの顔、見たいんやさ。[シーン2:渋谷ミヤシタパークのカフェ/同級生のミサキ】◾️SE:カフェの雑踏「卒業旅行の候補、考えてきた?」「あ、忘れてたわ」「もう〜、今日みんなで決めようって言ってたじゃない。ちゃんと覚えてる?」眉間に皺を寄せて、ミサキがあきれる。渋谷のスクランブル交差点。が、見えるカフェ。の、窓際の席。向かいに座っているのは、同じ大学のミサキ。午後の講義が休講になったおかげで、二人ゆっくりお茶を飲んで過ごす。普段は慌ただしく過ぎていく大学生活。こういう何気ない時間、意外と貴重だったりして。「えーっと、私カフェラテ。ロックは?」「ちょ、その呼び方やめれ」「なんで?いいじゃん。ロックなリク」「ロックじゃねえし」「ロックな生き方、してるでしょ」「してねえよ」「ほう〜ら、ロックだ」「ワケわかんね」「ふふふ」笑いを噛み殺しながら、ミサキは、ショートカットにしたばかりの髪をめんどくさそうに耳にかける。ロック、と呼ぶのはミサキだけだ。まったく。オレのなにがロックな生き方なんだよ。「卒業旅行、どこ行きたいの?」メニューをオーダーするのと、同じテンションで聞いてくる。「せっかくだから、思い出に残る場所がいいな。ありきたりの観光地じゃなくて」「えー。オレ、ハワイかグアムがよかったなあ」「卒業旅行で?いくらかかると思ってるの?この円安の時期に」「だって一生に一度の卒業旅行だぞ?お金の問題じゃないだろ」「私、飛行機無理だから」「じゃそもそもダメじゃん」「当然国内旅行よ。行ったごどねどご。(行ったことないとこ)私、実家が秋田だから、東より西の方向がえなあ(いいなあ)」「西か・・・」「でも距離的には、関西より向こうはやだ」なんか、近づいてないか・・「大自然の中の温泉とか、くつろげるとこ」おっと。「もちろん、美味しい料理ってのは必須で」「そ、そうだな・・・」「実はね、昨日ちょっと調べてみたの」ドキッ。「城崎温泉。和倉温泉。おごと温泉。白骨温泉」「みんな温泉じゃねえか」「だって癒されたいんだもん」「どこもアクセスがめんどくさそうだな」「それがいいんじゃない。秘境の旅。何時間もバスに揺られていくのよ」「車酔いするからやだ」「情けないなあ」「あ、それ差別発言」「どこが。あー、やっぱ美味しいもん食べたいかな」「最初からそこだろ」「その雑誌みせて」「ほいよ」「へえ、旅グルメ特集だって」「旅グルメか・・」◾️SE:雑誌をめくりながら「浜松のうなぎ。名古屋の味噌カツ。京都の湯葉料理。大阪はコナモンかあ・・」「いまひとつピンとこねえな」「そうだね、なんだろう・・・なんか足りないような・・」「肉、じゃね」「そう!肉!肉旅!」「それな」「出てるわよ、いろいろ。松坂牛(まつさかうし)。近江牛(おうみぎゅう)。神戸ビーフ。但馬牛(たじまぎゅう)・・」「そんだけ・・?」「まだある。えっと・・ヒダギュウ・・?なに?」「知らないのか」「どこの牛?」「高山だよ」「タカヤマってなに?」「え?」「高尾山、みたいな感じ?」「ちげーよ。インスタで調べてみな」「そうする。(一拍おいて)あ、これか・・・」「ああ」「なんか・・・すごいじゃん!」「そうだ」「見るもの、すっごいある」「だろ」「高山祭。古い町並。朝市。そして、飛騨牛!」「うん」「卒旅、高山にしよう!」「お・・・おう」「ひっだっぎゅう〜!きめ細かく柔らかい肉質と、口の中でとろけるような霜降り、だって!高山行けば食べれるんだよね」「まあな。ま、高山は高山でも、飛騨牛のふるさとは『清見』だけどな」「ロック、あんたなんでそんな詳しいの?」「オレの・・・実家だから」「え〜〜〜〜〜」◾️友だちのエキストラガヤ「お待たせ〜」「おっつかれ〜」など適当に清見のこと、説明しようとしたとき、授業が終わってみんながやってきた。結局、卒業旅行の行き先は、全員一致で『高山』。『飛騨牛』は出たけど『清見』の名前は出なかった。ま、こんなもんか。 [シーン3:卒業旅行初日/高山駅】◾️SE:高山駅の雑踏「きたぞぉ〜!たかやま〜!!」◾️友だちのエキストラガヤ「おお〜」「高山だ〜」など適当に深呼吸しながらミサトが声をあげる。オレもつられて、大きく背伸びをした。総勢10名。気の合う仲間と訪れた高山。いや、久しぶりに帰ってきた高山。あのあとミサキは、オレの実家が清見だってこと、誰にも言わなかった。なんでだろう・・・でもまあ、よかったかな。旅行ガイドみたいなことしなくてすんだし。だってオレ、話をするの、あんま得意じゃねえから。まずは、観光コンベンション協会へ。地元のリアルタイム情報をゲットしてと。高山/陣屋から中橋を渡って、古い町並へ。「うわあ、京都の祇園みたい」「だから”飛騨の小京都”って言うんだよ」「食べ歩きしてたら、ここで1日経っちゃうよ〜」オシャレなカフェで一休み。このあとみんなは、安川通(やすがわどおり)を渡って桜山八幡宮へ行くそうだ。日本酒好きなミサキとオレは、別行動で酒蔵(さかぐら)めぐりへ。「ちょっとちょっと。花酵母だって」「ん〜。甘くてジューシー。たまんな〜い」幸せそうな顔で試飲する。来てよかったな。高山。清見には帰れそうもないけど。ばあちゃん。元気かな・・・[シーン4:卒業旅行最終日の朝/ホテルのロビー】◾️SE:ホテルロビーの雑踏/朝の小鳥のさえずり「ロック、おそ〜い!」「なんだよ、朝から。朝食バイキングはもうちょっとあとだろ」「いいから来て」卒業旅行最終日の朝。ミサキからホテルのロビーに呼び出された。「あのね。怒らないできいてくれる?」「な、なんだ、その言い方?やめてくれよ」「高山駅に着いた日、あなたポッケから大事なもの落としたの、気づいてた?」「大事なもの?・・・・・あ!」「おばあさまからの手紙。すぐに渡そうと思ったんだけど、ロックったらどんどん先に行っちゃうんだもん」「ああ・・・そうだ・・」「結局私も忘れちゃって、その日の夜に思い出したの」「お、おう」「すごく悩んだんだけど、半分手紙の中身が見えてて」「・・・」「悪いと思いながら(も)、読ませてもらったわ」「そっか・・・」「で・・・」「なに?」「一歩前へ」言われるまま、目の前のソファの方へ歩いていくと・・・「リク、おかえり」「ば、ばあちゃん!?」「今朝、ミサキさんが迎えに来てくれたんやさ」驚いて振り返ると、ミサキが人差し指にレンタカーのキーをはさんで、くるくる回してる※続きは音声でお楽しみください。
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