EPISODE · Apr 27, 2025 · 10 MIN
【産科麻酔#6】「いきみ方」でアウトカムは変わる⁉︎
from #ワンますラジオ · host 松田 祐典
Froeliger A, Deneux-Tharaux C, Madar H, et al. Closed- or open-glottis pushing for vaginal delivery: a planned secondary analysis of the TRAnexamic Acid for Preventing postpartum hemorrhage after vaginal delivery study. Am J Obstet Gynecol. 2024; 230: S879–S889.🧠 背景分娩第2期における「いきみ方」──つまり呼吸法(クローズド・グロットいきみ=息を止めていきむ、オープン・グロットいきみ=息を吐きながらいきむ)──が、母体や新生児の転帰に与える影響は明らかでなく、国際的なガイドラインでも「好みに応じた方法を推奨」とされている。だが、実際にどちらがどのような影響をもたらすのかについては、十分なエビデンスがなかった。🔬 方法本研究は、2015~2016年にフランスの15施設で実施されたTRAAP試験(経腟分娩後の出血予防のためのトラネキサム酸RCT)の二次解析である。対象は妊娠35週以降の単胎分娩を計画していた3,041人。いきみ方は、分娩直後に助産師が記録した「オープン・グロット(自然呼吸型)」と「クローズド・グロット(バルサルバ法)」に分類された。主要評価項目は鉗子・吸引などの器械的経腟分娩の発生率で、母体・新生児アウトカムや産後満足度、2ヶ月後の心理的影響も評価された。 📊 結果 全体の81%がクローズド・グロット、19%がオープン・グロットを使用していた。 経産婦では、オープン・グロットの方が器械的分娩のリスクが有意に低かった(2.3% vs 6.7%、aOR = 0.43, p=0.03)。 一方、初産婦では差は認められなかった(28.7% vs 27.5%、p=0.7)。 その他の母体・新生児アウトカム、満足度、心理的影響に有意差はなかった。 🤔 考察経産婦において、オープン・グロットいきみは器械的分娩のリスクを低下させる可能性が示唆されたが、その因果関係や生理学的メカニズムは明確ではない。医療者による選択バイアスの可能性も否定できない。なお、初産婦ではいきみ方が分娩結果に与える影響は限定的であった。✅ まとめ初産婦においてはいきみ方の違いによる影響は限定的であり、どちらを選んでも安全と考えられる。一方、経産婦ではオープン・グロットの方が器械的分娩のリスクが低くなる可能性があることから、個々の状況に応じた選択と医療者との共有意思決定が重要である。感想やリクエストなどは「#ワンますラジオ」で!「フォロー」や「いいね」してくれたら、泣いて喜びます!!
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