EPISODE · Apr 2, 2026
第503回 歩いたり走るとふくらはぎや足裏が痛くなる人へ。大事なのは「蹴る」より「離す」こと
from 仲野整体(整體)東京青山(表参道・渋谷)治療院 · host 姿勢治療家(R)仲野孝明
今回は、姿勢治療家(R)が考える健康の要素、6ヘルス(構造・睡眠・食・運動・精神・呼吸)の中の「構造・運動」の話です。 マラソンシーズンになると、患者さんの中にも大会に出られる方が増えます。その中でよく聞くのが、 後半になるとふくらはぎがつる 足の裏が痛くなる アキレス腱まわりに張りが出る 靴ずれしやすい といった悩みです。 こういう症状があると、「走るってそういうものなのかな」と思ってしまう方もいます。ですが実際は、そうとは限りません。 かなりの割合で、体の使い方を見直すことで負担は変えられます。 長い距離ほど「蹴る走り」は負担が大きい 歩く時も走る時も、多くの方は無意識に、地面をぐっと蹴って前に進むイメージを持っています。 もちろん、短い距離を速く進むなら、それが必要な場面もあります。10m、20mのダッシュなら、しっかり力を使って前に進む動きは有効です。 ただ、マラソンのように距離が長くなると話は別です。 地面を強く蹴るたびに、ふくらはぎや足裏の筋肉を何度も強く収縮させることになります。それを何千回、何万回と繰り返せば、当然使いすぎになります。 結果として、 ふくらはぎが張る 足の裏が痛む アキレス腱に負担が集まる ということが起こりやすくなります。 足は「蹴る」より「離す」 では、どう考えればいいのか。 ポイントは、足で地面を蹴るのではなく、地面から足を離すように使うことです。 この感覚は少し抽象的に聞こえるかもしれませんが、たとえば以前お伝えしていた「切手をはがすように足を離す」というイメージが近いです。 足の裏が地面にベタッとついている状態を、封筒に貼られた切手だと考えてみてください。そこから、力任せにベリッとはがすのではなく、かかと側から丁寧に、そっとはがしていく。 そんな感覚で足が地面から抜けていくと、余計な力が入りにくくなります。 大事なのは、足の裏が後ろを向いて蹴り上がる感じではなく、足の裏が下を向いたまま自然に前へ抜けていくことです。 この使い方ができるようになると、足首から先に余計な力が入らなくなり、長い距離でも壊れにくくなります。 リラックスして走れる人ほど壊れにくい 実際、故障しにくい人ほど、必要以上に力を入れていません。 特にジョギングや長い距離では、膝から下にほとんど力を入れないくらいの感覚の方がうまくいくことがあります。 速く走る瞬間や、短く強い力が必要な場面では力を使う。でも、普段の移動や長距離では、なるべく余計な力を抜く。 この切り替えがとても大切です。 常に踏ん張る。常に頑張る。常にどこかを使い続ける。 この状態では、体はもちません。 人間の体は、本来そんなに壊れやすくできていません。壊れている時は、多くの場合、どこかで使い方を間違えているサインです。 こんなサインがある人は「蹴りすぎ」かもしれない 自分ではよく分からない方もいると思います。そんな時は、次のようなサインをチェックしてみてください。 ふくらはぎがいつも張る 足裏が疲れやすい 靴ずれしやすい アキレス腱が片側だけ太い、硬い 足首や足指が固い 指で地面をつかもうとしてしまう こうした傾向がある方は、足で踏ん張りすぎている可能性があります。 最近はベアフット系の靴も流行っていますが、ここでも誤解が起こりやすいです。 「足指を広げて使う」「地面をつかむように歩く」 こう聞くと、指先に力を入れて踏ん張ればいいと思う方がいます。でも実際は、指先でつかみにいくほど固くなることも多いです。 感覚を使うことと、力を入れてつかむことは別物です。 現代人は「力を抜くこと」が苦手になっている 本質はとてもシンプルです。ですが、現代人はそのシンプルなことが難しくなっています。 なぜかというと、日常の中で体が鈍っているからです。 座る時間が長い 靴に守られすぎている 本来の動きをしなくなっている その結果、「力を抜いてください」と言われても、そもそも抜き方が分からない。だから不調が続くのです。 子どもの頃のように、自然に、全身を連動させて使えていれば、もっと楽に動けるはずです。本来の人間の体は、もっとしなやかで、もっと丈夫です。 AIで調べる人が増えた時代に感じること 最近の診療では、もうひとつ面白い変化があります。 それは、患者さんがAIを使って自分の状態をかなり細かく整理してから来られることです。 症状を入力して、かなり長い分析レポートのようなものを持って来られる方も増えました。専門用語がたくさん並んでいて、一見するとすごく詳しく見えます。 でも、実際には情報が重複していたり、本質とは少しずれていたりすることもあります。 つまり、AIは「分かった気」にさせるのは得意だけれど、そこから何をするかは別問題ということです。 ただし、これは悪いことではありません。むしろ、自分の状態を振り返るきっかけとしてはとても有効です。 自分の悩みを言語化する 時系列で整理する 何に困っているのかを見つめ直す この段階までできていると、診療のキャッチボールはかなり早くなります。 AIは便利。でも最後は「実際の体」を見ることが大事 AIはショートカットになります。調べ物にも使えますし、仮説を立てる助けにもなります。 ただ、体は検索結果だけでは分かりません。 文化の違い、生活習慣の違い、足の使い方の癖、過去の積み重ね。そういうものは、実際に話を聞いたり、動きを見たりしないと見えてこないことが多いです。 たとえば海外の情報では有効な方法でも、日本人の体や生活習慣にはそのまま当てはまらないこともあります。 情報は便利です。でも最後は、目の前のその人の体に合っているかが大事です。 まとめ 走っていてふくらはぎや足裏が痛くなる人は、頑張りが足りないのではありません。むしろ逆で、頑張りすぎていることが多いです。 地面を蹴りすぎない 足を地面から丁寧に離す 膝から下を使いすぎない 指でつかみすぎない 全体で楽に動く この感覚を身につけるだけでも、体の負担は変わってきます。 そして、AIで情報を集める時代だからこそ、大事なのは情報量ではなく、自分の体で何が起きているかを見抜くことです。 体は、ちゃんと使えばもっと楽に動けます。不調は我慢するものではなく、見直すためのサインです。 走ること、歩くこと、日常の動き。その土台を整えたい方は、まずは自分の「使い方」を見直してみてください。 体を見直す時間は、人生を見直す時間です。 ■Youtube|姿勢治療家の「姿勢の医学」チャンネル 正しい姿勢と正しいカラダの使い方配信中 https://www.youtube.com/user/nakanoseitai ■twitter|勢治療家仲野孝明公式 https://twitter.com/sisei_nakano ■動画講座|いつでもどこでも学べる姿勢 暮らしの解剖学~痛めない・疲れないための正しい体の使い方~ https://senakano.jp/campaign/ondemand/ ■メルマガ登録|仲野孝明メールマガジン 6ヘルスを軸にした日々の気づきコラム配信中。 http://takaakinakano.com/mail-register/ ■オンラインSHOP|姿勢治療家印のグッズ販売 自分が使いたい商品をつくっちゃいました https://shop.senakano.jp/ ■公式ページ|姿勢治療家仲野孝明 http://takaakinakano.com/ ■仲野整體東京青山|姿勢治療家HEADOFFICE 治療のご相談はこちら https://senakano.jp/
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