Ep.782 Intel、SambaNovaを16億ドルで買収へ──AI半導体ユニコーンの救済と“データフロー”への賭け(2025年12月18日配信) episode artwork

EPISODE · Dec 17, 2025 · 3 MIN

Ep.782 Intel、SambaNovaを16億ドルで買収へ──AI半導体ユニコーンの救済と“データフロー”への賭け(2025年12月18日配信)

from 名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト · host ikuo suzuki

2025年も終わろうとしているこの時期に、半導体業界で大きな再編のニュースが飛び込んできました。Bloombergによると、IntelがAIチップの有力スタートアップ、SambaNova Systemsを約16億ドル(約2400億円)で買収する交渉が大詰めを迎えています。このニュースには、大きく分けて二つの側面があります。一つは「AIハードウェア・スタートアップの冬」です。SambaNovaは、SoftBank Vision FundやGoogle Venturesなどから多額の資金を集め、2021年には企業価値が51億ドル(当時のレートで約5600億円)にも達していました。しかし、NVIDIAの牙城はあまりにも高く、独自のチップとソフトウェアエコシステムを単独で普及させることの難しさに直面しました。2025年秋頃には評価額が24億ドル付近まで急落したとも報じられており、今回の16億ドルという価格は、事実上の「救済合併」に近いディスカウント価格と言えます。もう一つの側面は、Intelの執念です。Intelは自社のAIアクセラレータ「Gaudi 3」を展開していますが、NVIDIAに対抗するための決定打にはなり得ていません。そこで白羽の矢が立ったのが、SambaNovaが持つ「RDU」という技術です。RDUは、従来のGPUとは異なり、データがチップ内を流れるように処理を進める「データフロー・アーキテクチャ」を採用しており、特に巨大な言語モデルの推論において高い効率を発揮します。Intelはこの買収により、SambaNovaが持つハードウェアの知見だけでなく、コンパイラなどのソフトウェア資産「SambaFlow」や、優秀なエンジニアチームを取り込む狙いがあります。かつて「NVIDIAキラー」と呼ばれた技術たちが、巨人Intelの中で統合され、次世代の「Falcon Shores」チップやその先の製品にどう生かされていくのか。これは単なる企業の売買ではなく、AIインフラの覇権争いが「総力戦」のフェーズに入ったことを告げる出来事と言えるでしょう。

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