EPISODE · Jun 7, 2026 · 29 MIN
「JTBは復活したのか? 1兆円企業の決算から見える旅行業界の“夢のなさ”」 〜国内旅行の縮小、海外・インバウンドの成長、そして総合旅行会社のこれから〜
from 観光交差点 · host 観光交差点
今回は、日本最大の旅行会社・JTBの2026年3月期決算を入口に、旅行業界の構造変化について話しました。JTBは売上高1兆1,333億円、純利益121億円と、3期連続で売上1兆円を超え、利益も前期比41%増。数字だけを見ると、コロナ前の水準まで力強く回復しているように見えます。一方で、純利益率は約1%。日本最大の旅行会社が1兆円以上を売り上げても、最終利益はこの水準にとどまるという現実に、旅行代理店ビジネスの構造的な難しさも見えてきます。ホテルや航空券を仕入れ、手配し、販売するモデルでは、価格競争の中で大きな利益を乗せにくい。旅行業界全体にある「売上は大きいが、利益は薄い」という課題について考えました。また、JTBの事業構造にも大きな変化が表れています。国内旅行は依然として主力であるものの、前年比では減少。一方で、海外旅行、インバウンド、そして日本を経由しない第三国間旅行が伸びています。日本人の国内旅行需要だけで大企業を支える時代から、グローバルに旅行需要を取り込む時代へ。JTBの決算は、その変化をかなりはっきり映しているように見えます。後半では、JTBの長期ビジョン「Open Frontier 2035」についても話しました。2035年に取扱額2.5兆円規模を目指すという大きな構想の一方で、内容はやや抽象的で、「結局、何を軸に変わっていくのか」が見えにくい印象もあります。総合旅行会社として全方位で事業を展開せざるを得ない難しさ、非上場企業として外圧が働きにくい可能性、そして2万人規模の組織だからこそ発揮できる価値とは何なのか。そんな問いを投げかけています。ただし、ノーススターの買収に見られるように、デジタル領域のインテリジェンスを取り込み、既存の事業基盤と組み合わせようとする動きには可能性も感じます。旅行会社はこれから何を価値として提供するのか。JTBの決算を通じて、観光産業の未来を考える回になりました。 番組公式X(旧Twitter)アカウントhttps://x.com/kanko_kosatenお問い合わせ・ご感想はこちらからhttps://forms.gle/9hEJPLmsxPej3rij8
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