EPISODE · Jun 24, 2025 · 8 MIN
絶対に悪い人がいても、その人を排除しないことが組織づくりで一番大事
from 不安の可視化、圧縮ラボ · host スガコウタロウ
組織が崩れるとき、そこにはいつも“悪者”がいる。 少なくとも、そう見えてしまう構図が生まれる。 誰の目にも原因が明らかなとき、つい人は「この人を外せばすべてが良くなる」と思いたくなる。だが、それこそが最大の誤解であり、最も浅い解決である。 組織にとって本当に大切なのは、「悪者の排除」ではなく、「なぜその人が悪者になったのか」を徹底的に解き明かすことである。 悪者に“なった”という事実の裏にあるもの 人は生まれながらに悪意を持つわけではない。 誰かが組織の中で問題行動を取ったとき、それは多くの場合「構造の歪み」「配置の不整合」「圧力の集中」など、その人の外にある要因と結びついている。 たとえば: チームの誰もが従うことを期待し、逆らえない状況を作ってしまった プレッシャーに押しつぶされ、判断力を失ってしまった 支援のない中で重要な責任を一人で抱え込んでいた こうした背景を分析せずに「本人が悪い」とだけ結論づけるのは、組織が学習を放棄する行為である。 重要なのは、「配置と関係性」の再設計である その人がなぜそのような行動をとるに至ったのか、どんな環境要因が作用していたのかを明らかにし、それが再び起こらないようにする配置やチーム構造を考えること。 ここで問うべきは、次のようなことだ: どんな環境なら、その人の良さが発揮されるのか? 誰と組めば、暴走ではなく協調が生まれるのか? どの位置に置けば、圧力が一点に集中せずに分散できるのか? 問題を起こした人を構造の見直しの起点にすることで、組織はむしろ強くなる。 これは、「個人を許す」という感情論ではなく、組織にとっての合理的かつ戦略的な判断である。 排除の決定をした瞬間、組織は“使い捨ての文化”に染まる もしも、「失敗したら排除される」「目立つと責任を負わされる」という空気が漂い始めれば、誰も本音を言わなくなる。誰も挑戦しなくなる。 やがて、決定も責任も、すべてが表面的で事なかれ主義になり、組織は静かに内側から崩壊する。 そうではなく、「失敗しても、学びと再構成がある」という前提を作り出せたとき、チームは安心して思い切り働けるようになる。それが本質的なチームビルディングだ。 それでも、本人が去りたいと望んだなら… ただし、再配置や再関係構築を提案しても、本人が「もういい」と感じたならば、無理に引き止めてはいけない。 これは“排除”とは違う。 本人の意思を尊重して送り出すことは、「関係の成熟した終わり方」である。 去る者を追わないとは、諦めではなく敬意である。 最終的にその人が「この組織ではもう役割を果たせない」と感じたなら、その選択を静かに受け止めることもまた、健全な組織の在り方だ。 結びに:チームの真価は「どう支え合うか」にある 誰かが過ちを犯したとき、その人を切り捨てることは簡単だ。 だが、その人を通して組織全体の構造を見直し、より良い関係性を再構築できるかどうかが、本当の意味での強さであり成熟である。 絶対に悪いと思える人がいたとしても、排除ではなく配置で応える。 その覚悟と設計力こそが、未来の組織文化を支えていく。 そしてもう一つ大事なこと——「去る者は追わず」もまた、チームを清潔に保つ大切な美学である。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/6844ee2b217d2adac7801fc3
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