EPISODE · Jul 15, 2025 · 15 MIN
【ミニレクチャー#4】古くて新しいリドカイン静注
from #ワンますラジオ · host 松田 祐典
Foo I, Macfarlane AJR, Srivastava D, et al. The use of intravenous lidocaine for postoperative pain and recovery: international consensus statement on efficacy and safety. Anaesthesia.2021;76:238–250.🧠 背景リドカイン静注は術後疼痛管理に広く使用されているが、その効果と安全性に関する国際的なコンセンサスはこれまで存在しなかった。本研究は、術後回復と疼痛管理におけるリドカイン静注の有効性と安全性について初めての国際コンセンサスを提示することを目的としている。🔬 方法英国の麻酔学会の安全委員会による死亡事例報告を契機に、多職種専門家が集まり、過去のシステマティックレビューやメタアナリシス(計68件のRCT)を分析。リドカイン静注の効果、リスク、およびライセンス外使用について検討した。📊 結果 ・術後0–4時間における疼痛スコアはわずかに改善(SMD: -0.50) ・術後24時間以降では有意な疼痛軽減効果なし ・オピオイド使用量は平均4.5mg減少(モルヒネ換算) ・腸閉塞発生率(RR: 0.37)と悪心発生率(RR: 0.78)はいずれも有意に低下 ・副作用は軽度(例:めまい、金属味、傾眠など)が6.8%に発生 ・致死的副作用は稀だが、過量投与や管理ミスが原因で発生しうる 🤔 考察 リドカイン静注は特定の患者において多剤併用による疼痛管理の一環として有益な可能性がある。ただし、全ての外科手術や患者に対して一律に推奨できるだけの強固なエビデンスはなく、効果は限定的である。使用に際しては、個別評価、インフォームド・コンセント、理想体重による投与量設定、厳格なモニタリングが必須である。✅ まとめ リドカイン静注は、術後早期の回復や一部の副作用軽減に一定の効果を示すが、安全性管理が極めて重要であり、術式・患者背景ごとに慎重な適応判断が求められる。現時点では「ハイリスク薬」として扱われるべきであり、標準化された手順に基づいた運用が推奨される。
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