EPISODE · Jul 6, 2026 · 38 MIN
ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』#2:意識の濁流、スタンプラリー、叙情と叙述
from Cobe.fm 本好きコンサル2人の読後感想戦 · host Miki Watanuki/Nozomi Tanaka
Part 2では、『灯台へ』をめぐる二人の読み方の違いが、よりはっきりしていきます。みきは『灯台へ』を、口に出す前の心の動き、整理される前の意識の流れをそのまま書いた小説として受け止めます。ビジネスの世界では許されない「雰囲気」や、理由と結果に回収されない気分が、小説ではそのまま存在できる。一方ののぞみは、内面を直接書かれるよりも、動作や表情や物の動きだけを見せてほしいタイプ。そこから、「読む濁流」としてのウルフの文体、説明も接続詞も少ないまま人々のすれ違いを描く小説のあり方について話していきます。話はさらに、足立美術館で見た横山大観、庭園を写真に収めて帰っていく観光客、舞台の感想をブログに書くためにメモを取る観客、そして旅先の居酒屋で偶然始まる東京03の感想戦へ。何かを「味わう」とはどういうことなのか。観光や鑑賞は、いつのまにかスタンプラリーになってしまうのか。それでも、スタンプを押すように出かけることにも、何かが残るのではないか。二人の考えは揺れながら交差します。最後にたどり着くのは、「叙情」と「叙述」の違い。心を直接語られるよりも、事象だけを置いてほしいのぞみ。世の中そのものが叙情でできているように感じるみき。『灯台へ』の感想から始まった対話が、美術館、観光、舞台、旅、俳句へと広がりながら、二人それぞれの感じ方の輪郭を浮かび上がらせるPart 2です。
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