EPISODE · Sep 1, 2011 · 39 MIN
現代版「ヒポクラテスの誓い」で医師の鎧を脱ごう
from 哲楽 · host 哲楽編集部
現代求められる医師宣言を驚きの方法で編纂中の尾藤医師。twitterでブレーンストーミング、選定会議をustreamで公開、facebookでレビューして総選挙。どんな医師像が浮かび上がってきたのか、ぜひお聴き下さい。 The post 現代版「ヒポクラテスの誓い」で医師の鎧を脱ごう first appeared on 哲楽.
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What this episode covers
(2011年9月1日収録) 東京医療センターの尾藤誠司先生にお話を伺いました。尾藤先生は、「『もはやヒポクラテスではいられない』21世紀 新医師宣言プロジェクト」の代表として、現代の求められる医師像を全く新しい方法で編纂しておられます。 その方法とはなんと、twitterでブレーンストーミング、7人の医師と4人の顧問による選定会議をustreamで公開、facebookでレビューして総選挙するというもの。日本医師会が定める倫理綱領とは全く違う方法によって、どんな医師像が浮かび上がってきたのか、ぜひお聴き下さい。また、総選挙にもぜひご参加下さい。 質問事項 * 医学生と「ヒポクラテスの誓い」について(1:00) * 「もはヒポ」を始められたきっかけについて(03:42) * facebook、twitter、usteramなどのソーシャルメディアを駆使したオープンな議論について(06:57) * 選定する人の職種や選定基準について(15:12) * 帰納的に宣言文を作るときの様々な価値観によるカテゴリー分けについて(20:28) * 哲学・倫理分野の研究者との対話で得られたこと(24:45) * 「脳死の子どもの臓器移植」という特定の問題に関わる宣言文について(26:24) * 一連の医療行為が終った後の反省の機会について(33:56) * facebookでの総選挙のお知らせ、メッセージ(36:38) リンク 『もはやヒポクラテスではいられない』21世紀 新医師宣言プロジェクト公式ホームページ facebookもはヒポ・ファンページ 書き起こしテキスト 田中:はい、改めまして田中です。本日は東京医療センターというところにお邪魔しており ます。本日お話をお伺いするのは尾藤誠司先生という方です。どうぞよろしくお願い 致します。 尾藤:よろしくお願いします。 田中:尾藤先生のご経歴を簡単にご説明させて頂きたいんですが、岐阜大学医学部をご卒業 後、国立長崎中央病院、国立東京第二病院、国立佐渡療養所での勤務をされ、その後 UCLAに留学され、臨床疫学を学ばれました。現在は東京医療センター教育研修部臨床 研修科医長及び、臨床疫学研究室長というご経歴でございます。尾藤先生に今日お伺 いするお話というのが、「もはヒポ」というプロジェクトについてなのですが、この プロジェクトの正式名称が「『もはやヒポクラテスではいられない』21世紀新医師宣 言プロジェクト」ということでして、医学部の学生さんに馴染みがある「ヒポクラテ スの誓い」というのがあり、それを現代の日本版にアレンジしようとようという試み です。まず最初に問題になっている「ヒポクラテスの誓い」について教えて頂きたい のですが、日本の医学部の学生さんはこの「ヒポクラテスの誓い」に出会うんでしょ うか。 尾藤:私も大学の人間ではないので、実は良く知らないんですけど、実は私が学生だった頃 はですね、こういう「医師とは」とか、「医師の基本態度」とか「責任感」とか、そ ういうような授業はほとんどなかったんですね。ほとんどは細胞がどうなっていると か、こういう薬がどうなっているかとかそういうようなことしか習った記憶がないん ですが、一方で、今の学生さんというのは、カリキュラムの中に、「プロフェッショ ナル教育」といいまして、「態度」だとか、「医療専門職がもつべき姿勢」とか、「 倫理コード」、このようなものを学ばなければならないというのが大学の卒然カリキュ ラムの中にしっかり謳われておりますので、そういう意味で私の頃とは違いまして、 「医師とは」とか「医師の義務」とか「倫理規範」とか、こういうことは学ぶ機会が あるようです。その中で恐らく最近の「ヘルシンキ宣言」とか「リスボン宣言」とか、 「リスボン宣言」というのは患者の権利に対する一つの規範なんですが、こういうよ うなものとともに、医師がもつべき態度として、「ヒポクラテスの誓い」だとか、こ ういう様なものを学ぶ機会があるとは聞いています。 田中:ありがとうございます。このヒポクラテスという人なんですが、紀元前460年頃に生ま れた古代ギリシャの医師で、「医学の父」ですとか、「疫学の祖」というふうに言わ れているということでして、「ヒポクラテスの誓い」というのは世界中でも医学部の 学生さんが学ばれていて、非常に有名なものであるんですが、今進められている「も はヒポ」を始められたきっかけについて教えて頂けますか? 尾藤:はい。かしこまりました。実はですね、「ヒポクラテスの誓い」を意識してどうこう という訳ではございませんで、「ヒポクラテスの誓い」の内容も「もはヒポ」という キーワードを立ち上げてから改めて読んだくらいなんですね(笑)。ではなぜ「もは やヒポクラテスではいられない」というものを考えついたのかというと、「ヒポクラ テスの誓い」云々というよりは、クラッシックな医師像、我々が学生だった頃、若い 医師だった頃、「こういうものが医師たるべき存在だ」というモデルがあったわけで す。こういうモデルをどこで我々が刷り込まれるかというのは、中々難しいんですけ れど、色んなところで刷り込まれるんですね。その色んなところで刷り込まれていく 医師の像というのが、現代の医療とか、患者ー医療者関係では、一部機能しないとこ ろがあって、もちろん立派なところもあるんですけれども。一部、患者の利益になる 良い医療という意味では、足枷になっている部分もあるんじゃないか。その足枷になっ ていることというのが、昨今いわれている医療の中での具合が悪いことの原因となっ ているんじゃないか、というのが、私の中の仮説としてありまして、それを割とアバ ンギャルドに(笑)、エキセントリックに表現したのが「もはやヒポクラテスではい られない」という言葉。すなわち、クラッシックなこういう医師が素晴らしいという モデルに対しての、ひとつの楔を入れたいという意図が、この言葉の中にちょっと、 アジテーション気味に込められていると考えて頂ければと思っております。 田中:なるほど、ありがとうございます。大変このプロジェクト自体も興味深いのですが、 この進める手段ですとか過程も大変興味深いなと思って勉強させて頂いていたんです が、医師の現代版あるべき姿というのを、facebookとかtwitterとか最新のソーシャル メディアを使って、募集されておられます。この中で何か新しい発見というのはござ いましたでしょうか。 尾藤:ありがとうございます。その発見の前に、なぜこのようにすべてのプロセスをできる だけ透明化して進めていこうと思いついているのかということについて、「もはやヒ ポクラテス」ではいられないというコンセプトと大きくリンクしています。すなわち、 先ほど私が言っていたクラッシックなタイプな医療者というのは、実に厳かな存在と いうかですね、私はよく「王国の騎士」という、鎧に身をまとった騎士あるいは、武 士ではないかと形容しているんですが。それはどういうことかというと、弱い民を守 るために自分は強くなければならない、敵と戦うために鎧で武装して、決して傷つい てはいけないし、迷ってもいけない。常に強い存在であり、頼られるだけの存在とい うモデルですね。より分かりやすくいうと、昔のウルトラマンとか仮面ライダーとか いう感じですね。困った時に颯爽と現れて敢然と悪に立ち向かい助けてくれる、そう いう存在を、ずっと私は医師に対して思い描いています。ただ、それだとどうしても 色んなものを秘密にしていかないといけないですよね。例えば弱みを見せてはいけな いので、弱みを秘密にしなければいけないし、疲れていることも見せちゃいけないで すよね。仮面ライダーは、「今日オレ疲れちゃったんで、ちょっと休んでいい?」と はなかなか言えないわけですよ。いろんなものを取得していかないといけない、そし
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