EPISODE · Apr 10, 2026 · 12 MIN
熊本地震から10年、「思い出話」を「未来を守る力」へ変える――ライブ配信ディレクター・斉場俊之氏が語る、災害を「自分事」にアップデートする視点
from ニュース515+plus(RKKラジオ)
4月14日、16日の「熊本地震の日」を前に、各地で追悼式典や特集報道が行われています 。 多くの人が震災当時を振り返る中、斉場さんは「節目を単なるメモリアルにしないということ」と提言します。 🔶 「忘れること」の必要性と、失ってはいけない「経験値」 発災から10年が経過し、当時の生々しい記憶が薄れてきたと感じる人も少なくありません。 斉場さんは、記憶の風化を「人間が生きていく上で必要な機能」と捉えています 。 心の防衛本能: つらい記憶を抱え続けることは精神的な負担が大きく、適度に「忘れていく」ことは人として必要な心の機能である 。 貴重な財産としての経験: 一方で、被災から復興までを「できるしこ(自分にできる範囲)」で支え合った経験は、何物にも代えがたい「経験値」である 。 自分事化: 災害を「他人事」ではなく「自分事」として捉えられるようになった感性は、被災したからこそ得られた大きな財産である 。 🔶 「安全バイアス」を打ち砕く火山の真実 斉場さんは、NHKで放映された富士山噴火のシミュレーション番組(前編4/5、後編4/12放送予定)に触れ、私たちが陥りがちな「安全バイアス」の危うさを指摘します 。「富士山は美しく、噴火するイメージを持ちにくい」という感覚は、かつての熊本県民が抱いていた「熊本は地震が少ない」という思い込みと重なります 。 金峰山は「立派な火山」: 熊本市の西側に位置する金峰山は、立派なカルデラを持つ火山である 。 知られざる地形: 峠の茶屋を越えた先にある開けた土地は、かつてのカルデラ湖の跡であり、立田山もまた一連の火山活動で形成された山である 。 「静穏」は一瞬の奇跡: 私たちはダイナミックな地球活動の中の、ほんの一瞬の穏やかな時期に過ごしているに過ぎない 。 🔶 「1%未満」の罠から抜け出し、次の災害への「スタート」へ 熊本地震の前、熊本で30年以内に大地震が起きる確率は「1%未満」とされていました 。この数字を「安全」と読み違えたことが、いざという時の混乱を招く要因となりました 。斉場さんは、10年目の今こそ、振り返るべきポイントを整理しています。 ▶ 具体的な検証: 何に困り、どう動いたのか。その行動は正解だったのか、それとも失敗だったのか 。 ▶ 変化の自覚: 10年前と現在では、自分の年齢も体力も家族構成も異なる。当時と同じ動きができるとは限らない。 ▶ 防災の再構築: 地震だけでなく、水害や火山災害も含め、「いつ来るかわからない災害」に対する覚悟を持ち直す 。 🔶 まとめ:未来の被害を減らすための「覚悟」 「苦難を乗り越える」という過去の視点から、「未来の被害を減らす」という未来の視点へ 。斉場さんは、節目の日を単なる思い出話で完結させるのではなく、次の災害に向けた「スタート」の日にすべきだと結びました 。「地震は終わった」という空気感に流されることなく、10年前の教訓を次の10年の備えへと繋いでいく。その一人ひとりの意識の変化こそが、次に必ずやってくる災害から、私たち自身を守る唯一の手段となるはずです。 出演:ライブ配信ディレクター・斉場俊之さん/聞き手:江上浩子(RKK)
Embed this episode
Ready to play
熊本地震から10年、「思い出話」を「未来を守る力」へ変える――ライブ配信ディレクター・斉場俊之氏が語る、災害を「自分事」にアップデートする視点
No transcript for this episode yet
Similar Episodes
No similar episodes found.