PODCAST · arts
あなたのいない夕暮れに -世界の名詩を新訳で
by yori.so publishing
「あなたのいない夕暮れに」は、世界の名作と呼ばれる詩を現代にあわせた新訳でお届けするボイスレターです。文:小谷ふみ朗読:天野さえか絵:黒坂麻衣
Episodes
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【短編映画】あなたのいない夕暮れに 〜新訳:エミリー・ディキンソン
メッセージ 南北戦争の時代を生きたアメリカの詩人に、エミリー・ディキンソンという女性がいます。 彼女は生涯を自然の中の家の中で白いドレスを着て過ごし、ほとんど外にでることなく、窓から差し込む光を頼りに詩作を続けました。 わたしたちはその生き方から、自分の心の中にある壊れそうなものを現実世界の棘のようなものから守りたいという気持ちと、それでも創作を通じて現実世界と関わりたいという祈りのような気持ちの両方を感じます。 その生き方から着想し、1つの映画と2つのドレスが生まれました。 ディキンソンの詩を新訳したこの朗読短編映画「あなたのいない夕暮れに」。 私達がforget me...
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エミリー・ディキンソン「傷つく誰かの心を守れたなら」
こんにちは。 強い日差しにカーッと照りつけられたり、急な雨にザーッと降られたり、あわただしく交互に使う日傘と雨傘を、晴雨兼用ひとつの傘にしたら、どんな空もさあ来いや、と思えるようになりました。 今月、私はまたひとつ年を取ります。半世紀近く生きても、心の中の日照りや大雨、どちらにも使える心の傘は、なかなか見つからないものですね。おかわりありませんか。 先日、数々の引越しとともに、我が家の食器棚にあり続けた、りんごの形の白いお皿を割ってしまいました。それから、あまり時間をたたず、家族が大切にしているお茶碗も......。...
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エミリー・ディキンソン「夜明けがいつ来てもいいように」
こんにちは。 ひと晩で、舞台の背景セットが変わったように、雨雲が跡形もなく消え、夏の空が一気に広がりました。はしゃいで、一年ぶりにノースリーブのワンピースを着てみたら、二の腕が驚くほど太くなっていて、戸惑っています。冬の間に蓄えた脂肪が、夏の眩しすぎる光に、さらされています。 おかわりありませんか。 先日、この夏空のように、突然のお客さまを、我が家にお迎えしました。この機会を逃したら、今後、会えるか分からない。そんな奇跡的なタイミングは、ある日の夕方やって来ました。 それは、旅先から、我が家を経由して、帰路に着く計画。こちらは、予告ありの流れ星を受けとめるような、高揚感と緊張感。...
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エミリー・ディキンソン「蜘蛛が銀の玉 ひとつ抱きかかえ」
こんにちは。 灰色の空が広がり、お天気ぐずつく日が増えてきました。空のご機嫌に振り回されて、体調や気分が、すっきり晴れない日も多くあります。おかわりありませんか。 先日、雨あがりの遊歩道の植え込みに、十以上の小さな蜘蛛の巣ができていました。レースのような巣には一面、小さな雨の丸いしずくがくっついて、そのひとつひとつが、日の光にキラキラ輝いていました。まるで、銀色に光る、雨後のオセロ大会のようでした。...
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エミリー・ディキンソン「草原をつくるなら クローバーとミツバチを」
こんにちは。 日を追うごと、草木がぐんぐん育ち、うす緑色だった柔らかな葉っぱも、その濃さと力強さを増しています。見ているだけで、元気を分けてもらえそうですね。おかわりありませんか。命の息吹を、そこかしこに感じる5月、私はいくつかの記念日を迎えます。 毎年、この時期になると、春の大掃除をしながら、棚の奥のホコリっぽくなった思い出ボックスを取り出します。そして、1年ぶりの思い出と再会し、また新たに、この1年に得た記憶を箱につめます。今年は、さらに手を伸ばし、棚のもっと奥に眠る、ボロボロの箱を開いてみました。...
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エミリー・ディキンソン「自分の居場所を決めるのは その心」
こんにちは。 日ごと気温が、急上昇したり急降下したり、何を着ればよいやら毎日悩んでいましたが、春のご機嫌はようやく落ち着いたようですね。クローゼットから出しては、しまってを繰り返していた冬の服も、やっとクリーニングに出しました。身にまとうものが薄くなると、気持ちも少し軽くなったような気がします。おかわりありませんか。 1年ぶりに、春ものの服を出し、ふと冷静に並べて眺めてみたところ、何だかどれも、似ている服ばかり。...
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エミリー・ディキンソン「石ころって いいな」
こんにちは。 本格的な春の目覚めに向け、今日は、髪を短く切り揃えました。帰り道、すれ違った学生さんのコートの下、胸元にちらり、ひと足早く咲いた春の花を見つけました。卒業、門出の季節を迎えているのですね。おかわりありませんか。 学生のころは、進級や進学といった節目がありましたが、大人になってからの日々には区切りがつきづらいものです。ですが、特に人生のイベントがなくても、この時期は自然と気持ちが改まりますね。 この春、赤ちゃんの頃から見てきた近所の子どもたちが、小学校にあがります。...
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エミリー・ディキンソン「憧れは種のように」
あなたへ こんにちは。頬が凍るような風吹く日々が続いていますが、町のショーウインドはもう春の装い。毎年、「まだこんなに寒いのに、気が早いなあ」と思うのですが、暦は二十四節気の始まり「立春」を迎えました。冬はもう、春にバトンを渡したのですね。おかわりありませんか。 家の裏に、種類の違う紫陽花を3つ植えているのですが、葉っぱの赤ちゃんたちも一斉に芽吹いていました。七十二候が「東風解凍(はるかぜ こおりをとく)」とうたうように、霜柱も解け、土の中の生きものたちも、わずかに漂う春の香りに目覚めつつあります。...
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エミリー・ディキンソン「鉛筆がないのなら」
あなたへ こんにちは。新しい年の幕開けは、丘の上から1年先まで見渡せそうなほど、キリリとよく晴れた空模様でした。おかわりありませんか。 今朝は散歩の帰りに、お正月休みの小さな商店街を通りました。アーケードを中ほどまで進むと、誰でも弾けるピアノが置いてありました。そこに小学校高学年くらいの女の子がひとり、「ぽろろん」と鍵盤に触っていました。まだ目覚めない町の中で、音楽は眠ることなく、「ぽろろん」と佇んでいました。そのメロディ未満のメロディは、これから始まる1年の物語のプロローグのようでもありました。 私の心には、12歳の頃から大切にしている、ピアノの音色に綴られた物語があります。...
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エミリー・ディキンソン「これは世界におくる手紙」
あなたへ こんばんは。冷たく澄んだ冬の夜空に、イルミネーションの光が華やかに咲く季節になりました。おかわりありませんか。 今日は、ちょっと気が重い用事を、やっと終えた帰り道、小さな光が散りばめられたケヤキ並木を歩きました。私がひと呼吸するよりも、ゆっくり点滅するきらめきのなか、この1年をほっと振り返りました。それはまるで、今年のフィナーレへと続く花道のようで「一年間、おつかれさまでしたね」と語りかけてくるようでした。なんだか感傷的になり、ちょっと涙ぐんでしまいました。 あなたは、どんな一年を過ごしましたか。...
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エミリー・ディキンソン「月と星の灯りが 道を照らし」
こんにちは。 暮れゆく秋のため息が、街路樹を赤や黄色、橙(だいだい)に染めてゆきます。丘の上まで続く「いろは坂」も、カラフルな葉っぱのグラデーションに縁取られました。坂道のカーブの途中で振り返ると、深く色づいた町を一望できます。もう少し背が高かったら、あなたの町のいちょう並木も見つけられそうです。おかわりありませんか。 今日は、いろは坂をのぼりきったところにある、丘の上の喫茶店で手紙を書いています。...
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エミリー・ディキンソン「心には いくつもの扉があって」
あなたへ こんばんは。 町が秋色に染まりゆく日々に、人恋しいような、ひとりでいたいような、振り子のように心揺れるのは、秋の空のせいでしょうか。おかわりありませんか。 夕方には、暗闇がますます濃くなり、西の空の一番星がいっそう輝きを増すようです。 秋の夕暮れに、どの星よりも早く、強く輝く金星を見つけると、友達の黒猫を思い出します。 10年ほど前のこの時期に、猫が苦手な友人が、猫と暮らし始めました。...
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エミリー・ディキンソン「かなしみのように ひっそりと」
あなたへ こんにちは。夏の炎を吹き消すような、涼しい風が吹く季節になりました。おかわりありませんか。 思い出したように火照る日はまだありますが、燃え盛る夏の間には出来なかったことに、やっと手を伸ばしています。 今日は、海外に住む友人に手紙を出しました。エアメールを書くのは数十年ぶりで、宛名の書き方を思い出そうとしていたら、学生時代の色あせかけた記憶も一緒に引き出されてきました。 高校時代に、アメリカで寮暮らしをしていた時のことです。 車で1時間は走らないと町に出られない田舎町での日々に、日本から送られてくる荷物や手紙は、一番の楽しみでした。...
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エミリー・ディキンソン「天国はきっとすぐそばに」
あなたへ こんにちは。太陽が直接吹きかけてくるような熱い風が、町を真夏の色に染めてゆくような日々ですね。おかわりありませんか。 我が家の庭では、夏が熟すのと歩調を合わせるように、ホオズキが濃い橙(だいだい)に熟れてきて、夜、暗い庭を眺めると、ぽっぽっと浮き上がって見え、お盆が近いことを感じさせます。 先日、一足早く父とお墓参りに行き、暮らしを共にしていた動物たちが眠る場所へも行きました。昼間でも薄暗い通路を渡り、ずらりと並んだ扉の一つを開けると、時が止まったような愛犬たちの写真が出迎えてくれます。...
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エミリー・ディキンソン「小鳥が小道におりて来た」
あなたへ こんばんは。夕暮れの風の隙間に、蝉の声が交じる季節になりました。おかわりありませんか。蝉の声は夏の目覚めの合図のよう。あの夜の出来事も蝉が鳴き始めたばかりのことでした。 足りないものをコンビニに買いに行った夜のこと、自動ドアの蛍光灯の下に何か黒いものが転がっているのを見つけました。それは、ひっくり返ったカブトムシのメスでした。夏はまだ始まったばかりだというのに、なぜか傷だらけでツヤも悪く、生きることへの諦めの空気を漂わせ、起き上がらせてもじっと動きません。...
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エミリー・ディキンソン「私は名もなき隣人 あなたは?」
あなたへ こんにちは。草木がみずみずしく潤う季節になりました。おかわりありませんか。 この季節になるといつも、雨の合間を縫って楽しみに散歩をする場所があります。それは、住宅街の中にポツンとある家一軒ほどの大きさの田んぼです。冬の間は枯れた空き地のようなのですが、梅雨が始まるころ水が引かれ、幼い苗が植えられます。 そしてある時期を境に、夜の田んぼを舞台にした小さなカエルたちの大合唱が始まるのです。...
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エミリー・ディキンソン「真実をありのまま語って でも目を合わせずに」
あなたへ 春の新生活のざわめきも遠ざかり、日常が静かに落ち着いてきました。 おかわりありませんか。木々の緑が日を追うごとに濃くなり、散歩をするのに気持ちのいい朝も多くなりました。最近は、少し荷物になってもカメラを持って歩くようにしています。 今、私の元には、大中小3つのカメラがあります。ひとつは、祖父から受け継いだ古いお爺ちゃんカメラ、もうひとつはコンパクトなデジタルカメラ、そして文字通りおもちゃのようなトイカメラ。棚の上に、黒とシルバー、合わせて3つの相似形が並ぶ様子は、三兄弟のようでとても可愛らしいです。...
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エミリー・ディキンソン「心が踊るのは踏み出すこと」
あなたへ こんにちは。 四季の色が春のピンクから新緑のグリーンに変わりつつあります。新年とはまた違った意味で気持ちが改まる4月の日々、おかわりありませんか。 春は出会いと別れの季節ですね。でも、新しい出会いとはすぐに仲良くなれるわけではなく、私には別れのインパクトの方が強いようです。川に流れる花びらを見送りながら、この胸の奥からなかなか出て行かない切ない気持ちをぼんやり感じて過ごしています。それでも、時間は、私の感情などお構いなしに、前へ、前へと進み続けてゆきます。 川の水面を桜色に染めていた花いかだは、今ごろ大きな海に出た頃でしょうか。...
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エミリー・ディキンソン「世界に春が芽吹いたら」
あなたへ こんにちは。 吹く風に柔らかな春を感じられるようになりました。おかわりありませんか。 まだ寒の戻りもあり、厚手の衣類をしまったり、また引っ張り出したり、身にまとうものも定まらない日々です。 町の桜もまた、冷たい風に膨らみかけたツボミを固くし、ほっとほころべるその時を、じっと待っているようです。 桜が咲きそうなこの時期になると、私には「桜の音」が聴こえます。正確には聴こえるような気がして、木のそばに寄ると耳の奥がむずむずザワザワするのです。...
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エミリー・ディキンソン「水を喉の渇きが」
あなたへ こんにちは。 節分をまたぎ、暦は冬から春になりましたが、しかめ面の北風はまだまだ健在で、春はどこか遠くで眠ったままのようです。 風邪など引いていませんか。 私は鼻風邪を引きかけましたが、ひどくなる前に引き返すことができました。 鼻や喉、頭やお腹、どこにも痛みや違和感がない、それだけで嬉しくなります。 日々、黙々と、身体は絶妙なバランスを保ちながら機能しているという奇跡を、調子を崩すたびに思い知ります。 そして、いつものご飯の美味しさや、外に出れば空が青いこと、その下を風に吹かれながらスタスタと歩けること、そんなありとあらゆる、日々の「当たり前」を新鮮に、尊く感じます。...
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エミリー・ディキンソン「降り積もる歳月は」
あなたへ こんにちは。新たな年を迎えた鐘の音も遠くなり、日常の鼓動が戻ってきました。寒さも一段と深まりましたが、いかがお過ごしですか。 年賀状や寒中見舞いのやり取りがひと段落すると、私のお正月気分もようやく終わります。数年前までは、年賀状をその年ごと輪ゴムでまとめていたのですが、今は下さった方ごと小さなファイルに収めています。 旅する景色の写真ばかりだった大学時代の友人が、ある年、伴侶を得て、景色に彼らも映るようになりました。毎年の年賀状を続けて見ると、ひとりがふたりになった旅の写真集のようになります。...
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エミリー・ディキンソン「『希望』は柔らかな羽をまとって」
あなたへ こんにちは。街のイルミネーションに足をとめ、白い息を深く吐きながら、新しい年へ歩みを進める時期になりました。冬らしい冷たい風吹く日が続きますが、おかわりありませんか。 私の町に流れる川で暮らす鳥たちも、カモやカワウなど冬の鳥が主役になりました。凍りそうで凍らず流れる川をスイスイ泳ぐ鳥たちを眺めていると、バトンタッチし去っていったツバメたちのことが気になりだします。...
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エミリー・ディキンソン「100 年の月日が流れたら」
あなたへ こんにちは。今年の後ろ姿が少し見えてきましたが、「いや、まだ行かないで」と今年の袖を強く掴みたい毎日です。おかわりありませんか。 実は、あなたといつか一緒に行こうと話していたあの喫茶店が、久しぶりに行ってみたらなくなっていて…静かで鈍いショックから立ち直れずにいます。 空っぽになった店のドアに貼られた「閉店します」の張り紙には、常連さんたちの書き込みが沢山ありました。これまで何度も「最後と分かっていたら何と声をかけただろう」という思いをしてきたのに、私はまたその言葉を見つけることができませんでした。...
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エミリー・ディキンソン「宝ものをにぎりしめて」
あなたへ こんにちは。秋と冬がすれ違うかすかな風を、スカートの裾に感じる季節になってきました。おかわりありませんか。 季節の変わり目は、頭痛がする日があるのですが、その引き金となる失くし物をしてしまって、ちょっと困っています。眼鏡です。手元を見る時だけにかけるので、ちょっとどこかに置いたまま忘れてしまうことがしばしばで。 何かを失くすたび、これまで失くしてきたものたちのことも思い出しては、「ああ、あれは結局どこに行ってしまったんだろう」と、ちょっと胸がチクリとします。 失くしものは、日用品だったり、思い出の品だったり。物じゃないないものもあります。...
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エミリー・ディキンソン「草葉はそこに佇むだけで」
あなたへ こんにちは。夏の入道雲を見送り、迎えた秋の高い空にやっとひと息つけるころになりまし た。おかわりありませんか。 雨上がりの今日は、午前中に久しぶりの庭仕事をしたのですが、長い梅雨、そして暑い日々 を乗り越えて、草木も少しホッとしているように感じました。 午後から買い物や図書館に行くつもりだったのに、思いのほか草抜きに時間と体力を奪われ てしまい、ひとやすみしながら、土の匂いが立ちこめる庭で手紙を書いています。 土と同じ目線になってみたら、3ミリくらいのバッタの赤ちゃんや、5ミリくらいの小型の ゲジゲジ虫、地球の素肌に生まれ育つ、幼い生きものたちに出会いました。...
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