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アルバム全曲解説

海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りする音楽解説ポッドキャスト。制作背景・歌詞のテーマ・音楽的な仕掛けを、1曲まるごと語り尽くします。

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  1. 151

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #12 録音されていると知らなかった声『Facebook Story』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第12回は12曲目『Facebook Story』。歌のない語りだけの一曲です。話しているのはフランスの音楽家SebastiAn。友達申請を承認しなかったことで恋人との関係が壊れた、という実話を語ります。本人は後年、この会話が録音されていることを知らなかったと明かしました。ロンドンのスタジオでFrank Oceanを待つあいだの雑談が、そのまま作品になっている。承認されないことが不実の証拠になる時代の孤独を、この作品の位置づけとあわせて解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  2. 150

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #11 荒れた音の果てに、子どもの声『Pretty Sweet』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第11回は11曲目『Pretty Sweet』。削ぎ落とした音づくりを続けてきた作品の中で、突然、混沌とした一曲です。不協和音の弦が渦を巻き、リズムは暴れ、声は歪む。弦の編曲はJon Brion。そして終盤、ロンドンのAbbey Road Studiosで録音されたCapital Children's Choirの歌声が、クレジットを伴わないまま重なります。荒れきった果てに子どもの合唱が来るという配置の意味を解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  3. 149

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #10 自分の曲を、他人に明け渡す『Solo (Reprise)』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第10回は10曲目『Solo (Reprise)』。1分あまりを、André 3000がひとりで担当します。Frank Oceanの声は、最初から最後まで一度も入りません。ヴァースは発売の2年前、2014年に録音されており、本人は発売当日まで自分がこの作品に入っていることを知らなかったと語っています。しかも録音時の伴奏はまったく別の、よりヒップホップ寄りのものだったとのこと。第5回『Solo』の続きを他人の声に明け渡すという設計を軸に解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  4. 148

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #9 60分のちょうど真ん中で切り替わる『Nights』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第9回は9曲目『Nights』。この作品の心臓部です。曲の途中でビートが切り替わりますが、その瞬間はおよそ60分のアルバムの、ちょうど30分地点にあたります。作品全体が、この一点で前半と後半に分かれる設計です。切り替わりの前は働きづめの日々、後はHurricane Katrinaのあとに移り住んだHoustonの記憶。「二つのバージョン」という主題が、曲の構造とアルバムの構造の両方で同時に鳴る回として解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  5. 147

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #8 1分で終わる、ある夜のこと『Good Guy』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第8回は8曲目『Good Guy』。1分あまりで終わる、この作品で最も短い曲のひとつです。友人の紹介で会った相手との、噛み合わない一夜。連れて行かれた店の名前が、2012年の公表を経たこの人が、作品の中で自分の性のあり方に触れる場面になっています。曲の終わりには、失恋を語る他人の声が重なる。1分に何も足さないという判断と、歌が終わったあとに他人の声で続きが語られる構造を解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  6. 146

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #7 ひとりでは出せない声『Self Control』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第7回は7曲目『Self Control』。この作品でも指折りに愛されている一曲です。サビで聴こえる高い声は本人ではなく、Slow HollowsのAustin Feinstein。自分でピッチを上げて録った試作をFrank Oceanが気に入り、そのまま採用されたと伝えられます。2番ではスウェーデンのYung Leanが加わり、終盤では複数の声が層になって、ひとりでは出せない音になる。自制心という題名と、制御を手放していく音の運びが正反対を向いていることを軸に解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  7. 145

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #6 終わらない夏の一行『Skyline To』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第6回は6曲目『Skyline To』。夏と、夜と、身体のことを歌う一曲です。制作にTyler, the Creator、James Blake、Malay、Om'Mas Keith。作詞クレジットにはKendrick Lamarの名前もあります。発売当時はKendrick Lamarが歌っているという噂が流れ、後に公開されたクレジットで否定されました。題名が前置詞で途切れていることの意味と、夏を終わらせないための文法を解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  8. 144

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #5 ひとりと、沈むこと『Solo』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第5回は5曲目『Solo』。教会のオルガンを思わせる音がほぼ全編を支え、その上を声だけが渡っていきます。題名の「ソロ」は、ひとりであることと、低いところへ沈むことの両方に読めるよう置かれています。母の説教のあとに薬物の景色を置く並び、教会の楽器で世俗を歌う矛盾、そしてこの曲が10曲目でAndré 3000によって引き継がれる伏線までを解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  9. 143

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #4 母親ではなかった留守番電話『Be Yourself』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第4回は4曲目『Be Yourself』。歌ではなく、留守番電話に残された声だけで1分半ほどが進みます。大学へ発つ息子に、薬物に手を出さないよう、自分自身でいるよう語りかける女性の声。多くの人が本人の母親だと受け取りましたが、雑誌『Boys Don't Cry』での説明によれば、友人の母親Rosie Watsonの声でした。他人の母親の声を自分のアルバムに置くという選択と、「加工された声」を軸にする本作で唯一まったく加工されていない声の意味を解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  10. 142

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #3 名前を出さずに歌う人『Pink + White』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第3回は3曲目『Pink + White』。Pharrell Williamsとの共作・共同プロデュース。簡素なピアノと歩くようなベースの上で、クライマックスにはクレジットのないBeyoncéの背景ヴォーカルが重なります。同じ2016年に『Lemonade』(第3弾)を出した人が、名前を出さずに後ろで歌う意味。題名の桃色と白の空、そして死すべきさだめという主題を、ニューオーリンズで育ちカトリーナで街を離れた作者の経歴とあわせて解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  11. 141

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #2 壊れたあとに振り返る初恋『Ivy』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。第2回は2曲目『Ivy』。明るく軽く歪んだギターと控えめなドラムだけで進む、初恋の記憶の歌です。制作はMalayとの共作に、Om'Mas Keithと元Vampire WeekendのRostam Batmanglij(編曲も担当)。1曲目の極端に高い声のあとに、素に近い声が置かれる意味、2012年に本人が公表した19歳の夏の初恋との関わり方、そして終わり近くで声が歪んで壊れていく結末を、壊れたあとに振り返る歌として解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  12. 140

    Frank Ocean『Blonde』全曲解説 #1 誰の声か分からない声で始まる『Nikes』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第11弾はFrank Ocean『Blonde』(2016)。前日に映像作品『Endless』でレーベルとの契約を満了させ、翌日に事実上の自主リリースとして世に出た、Billboard 200初登場1位、そして本人がグラミーに出品しなかった一枚です。第1回は1曲目『Nikes』。歌っているのが本人だと分からないほどピッチを上げた声で始まり、スニーカーの名前を題に掲げた物欲の歌の途中で、A$AP Yams、Pimp C、Trayvon Martinの名が呼ばれる。第10弾Kraftwerkのボコーダーと正反対の方向へ声を加工する、このシリーズの通し軸「加工された声で、記憶と喪失を書く」を導入します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  13. 139

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #12【最終回】20年かけて戻ってきた旋律『Tour de France』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)の最終回は、12曲目にして表題曲『Tour de France』。1983年のシングルを、原曲の編曲を土台に2003年へ録り直した一曲です。#2から温存されてきたあの旋律がついに戻り、20年の円環が閉じます。全12曲の総括——レースの時間から身体の内側へ、そして測れないものへ——と、ホームページ albumatlas.jp のご案内、そして次シリーズ第11弾Frank Ocean『Blonde』(2016)の予告をお届けします。

  14. 138

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #11 走っていない時間の1分16秒『Régéneration』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第11回は11曲目『Régéneration』。1分16秒、アルバムで最も短い曲です。8分41秒の『La Forme』の直後に、いちばん短い曲を置く配置。回復はテレビに映らず、競技時間にも数えられない。それでいて、三週間走り続けるステージレースの勝敗を決めるのは回復です。そして「再生」という言葉は、次の最終曲——20年前のシングルが生まれ直す一曲——の予告にもなっています。

  15. 137

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #10 ただひとつ、測れないもの『La Forme』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第10回は10曲目『La Forme』。8分41秒、アルバム最長の曲です。フランス語で調子、コンディションを指すこの言葉は、自転車競技でいちばん使われ、いちばん説明のつかない語でもあります。時計も、栄養も、空気抵抗も、素材も、心拍も数字にできるのに、調子だけは測れない。身体を機械として設計し直してきたアルバムが、最後の最後で「それでも設計できないものがある」と認める地点として解説します。

  16. 136

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #9 ライブ盤の題名になった心拍『Elektro Kardiogramm』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第9回は9曲目『Elektro Kardiogramm』。心電図です。人間の内側を流れる電気を線として描き出す装置を、電子音楽の始祖が題名にしました。2005年、最初のライブ演奏からおよそ35年を経て発表された初の公式ライブ盤『Minimum-Maximum』は、その題名をこの曲の歌詞から採っています。バンド自身がこの曲を看板に選んだということです。時計・栄養・空気・素材と外側を測ってきたアルバムが、ついに心臓そのものへ到達する回。

  17. 135

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #8 人とモノの境目が消える『Titanium』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第8回は8曲目『Titanium』。短く、硬く、金属的な一曲です。アルバムでただひとつ、人間でも時間でもなく「モノ」を題名にした曲。自転車競技が機材のスポーツでもあること、鉄からアルミ、チタン、そしてカーボンへと移った素材の歴史の中で2003年にチタンを選ぶことの含み、そしてビンディングで足が固定され人と機械がひとつの装置になる競技において、このシリーズの通し軸「身体を機械として設計し直す」が最も文字どおりになる地点として解説します。

  18. 134

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #7 いちばんの敵は空気だった『Aéro Dynamik』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第7回は7曲目『Aéro Dynamik』。2004年3月15日にシングルとして発売され、英国のダンス・シングル・チャートで1位を獲得した、アルバムでいちばんダンスフロアに近い一曲です。Alex Gopher/Etienne de Crécy、François K、そして2007年にはHot Chipがリミックスを手がけました。自転車競技における最大の敵は重力ではなく空気であること、そして流線型という主題が『Autobahn』から続いていることを軸に解説します。

  19. 133

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #6 成分表を読み上げるだけの8分間『Vitamin』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第6回は6曲目『Vitamin』。8分を超える長尺です。ボコーダーが読み上げるのは炭水化物、たんぱく質、そしてビタミンの名前だけ。「サプリメントの瓶の成分表示を読んでいるだけだ」と評されたほどの、ただの列挙です。持久競技において何を身体に入れるかは競技の一部であること、そしてこのレースが薬物問題と切り離せない歴史を持つこと。断定を一切せず判断を聴き手に預けるその手つきを、第9弾The Velvet Underground『Heroin』と並べて解説します。

  20. 132

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #5 時計と一人で向き合う競技『Chrono』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第5回は5曲目『Chrono』。題名は個人タイムトライアルを指すフランス語 contre la montre——直訳すれば「時計に抗して」——の呼び名から来ています。選手は1分から2分ほどの間隔で一人ずつ出発し、誰の後ろにも隠れられない。ゆえに「真実のレース」と呼ばれる競技です。アルバムで最もKraftwerkらしいと評されることの多い硬質なシンセと打楽器の精度を、正確さそのものを美学にしてきたこのグループの必然として解説します。

  21. 131

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #4 同じ一日を、何度も繰り返す『Tour de France Étape 3』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第4回は4曲目『Tour de France Étape 3』。3分56秒。1曲目『Prologue』から続いてきた約15分半の組曲が、ここで終着します。30秒・4分半・6分41秒・3分56秒という長さの配分が描いているレースの形、そして3つの『エタップ』があえて似た顔をしている理由——ステージレースとは、同じ構造の一日を何十回も繰り返す競技だという主題から読み解きます。ここから曲名は、レースの時間そのものから、走る身体の部品へと移っていきます。

  22. 130

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #3 何も起こらない時間を設計する『Tour de France Étape 2』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第3回は3曲目『Tour de France Étape 2』。6分41秒、冒頭の組曲でいちばん長い一曲です。作曲クレジットに名を連ねるMaxime Schmittは、フランスのPathé-Marconiでキャピトル・レーベルを率い、1970年代半ばからバンドと関わり、1983年のシングルの歌詞をRalf Hütterと共作した人物。ドイツのグループがフランス語で歌う土台を作った人です。同じ曲名が1983年の12インチにも存在したという20年越しの再利用と、ステージレースの中盤=耐える時間を、長い持続でどう設計したかを解説します。

  23. 129

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #2 呼吸が打楽器になる『Tour de France Étape 1』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾は、番組ホームページ albumatlas.jp に届いた初のリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第2回は2曲目『Tour de France Étape 1』。前回の『Prologue』から続く、4つの曲でひとつながりの15分半の組曲が、ここから本格的に走り出します。打楽器のように使われる呼吸音、登り坂を思わせる上昇音形、そして1983年のシングル版が引いていたとされるPaul Hindemith『フルートとピアノのためのソナタ』の面影。『Autobahn』『Trans-Europe Express』から続く「移動する音楽」の系譜として解説します。

  24. 128

    Kraftwerk『Tour de France』全曲解説 #1 レースは第1ステージの前に始まっている『Prologue』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾は、番組ホームページ albumatlas.jp に届いた初のリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)です。2003年8月にTour de France Soundtracksとして発表され、2009年のリマスターで題名と曲名が整理された、Electric Café以来17年ぶりのスタジオ・アルバム。ドイツのアルバム・チャートで彼ら初の1位を獲得しました。第1回は1曲目『Prologue』。わずか30秒あまりの序奏がなぜ「プロローグ」と呼ばれるのか、自転車ロードレースにおけるプロローグの意味から、アルバム全体の設計を読み解きます。リクエスト・フォームのご案内もあわせてどうぞ。

  25. 127

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #11【最終回】詩人に捧げた7分半の轟音『European Son』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾The Velvet Underground & Nico(1967)の最終回は、11曲目『European Son』。Lou Reedの大学時代の師である詩人Delmore Schwartzに捧げられた、アルバム最長の一曲です。ロックの歌詞を嫌った師に捧げるため、あえて言葉のいちばん少ない曲が選ばれ、初版では曲名に献辞が併記されました。1分の歌のあとに来る6分以上の自由な轟音、そしてガラスの割れる音の正体。全11曲の総括と、番組ホームページ albumatlas.jp のご案内、そして初のリスナー・リクエスト作品となる次シリーズ第10弾Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)の予告をお届けします。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  26. 126

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #10 この曲をもう一度やったらクビだ『The Black Angel's Death Song』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第10回は10曲目『The Black Angel's Death Song』。1965年、グリニッジ・ヴィレッジのCafé Bizarreで「その曲をもう一度やったらクビだ」と言われ、次のセットの頭でわざと演奏して本当にクビになった、いわくつきの一曲です。Lou Reed自身が「意味ではなく、音の楽しさのために言葉を並べた」と書き残した歌詞、John Caleの電気ヴィオラの不協和音とマイクへの息の音。聴き手を歓迎しない曲が最後から2番目に置かれた理由を解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  27. 125

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #9 泣くまで歌わされた2分間『I'll Be Your Mirror』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第9回は9曲目『I'll Be Your Mirror』。ライブのあとNicoがLou Reedにかけた「私があなたの鏡になる」という一言から生まれ、1966年7月のデビュー・シングルではB面に置かれた、アルバムでいちばん優しい2分間です。しかし録音は難航しました。もっと弱く歌ってほしいバンドと、強く歌ってしまうNico。何度もやり直させられ、泣き出したあとに残った声。Nicoが歌う3曲を貫く「肖像」の主題とあわせて解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  28. 124

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #8 モータウンから盗んだリフ『There She Goes Again』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第8回は8曲目『There She Goes Again』。7分の『Heroin』の直後に置かれた、2分半の爽やかなポップ・ソングです。跳ねるギター・リフの出どころはMarvin Gayeの1962年『Hitch Hike』。デトロイトのソウルを、ニューヨークの前衛バンドが自分の手癖として弾き直した瞬間の意味と、明るい響きの下に置かれた冷たい言葉、そしてR.E.M.らに受け継がれた後年の評価までを解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  29. 123

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #7 加速と減速だけでできた7分間『Heroin』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第7回は7曲目『Heroin』。二つの和音だけで7分を走り抜ける、ロック史上もっとも議論を呼び続けている一曲です。John Caleがギター弦とマンドリン弦を張った電気ヴィオラ、テンポの加速と減速そのものが主題になった構造、そして轟音の中で音が聴こえずMaureen Tuckerが数秒間叩くのをやめた、あの有名なテイク。賛美でも説教でもない一人称で書かれたことの意味と、放送から締め出された代償までを解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  30. 122

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #6 ファクトリーの明日を歌う『All Tomorrow's Parties』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第6回は6曲目『All Tomorrow's Parties』。1966年7月にデビュー・シングルとして世に出た、アルバム前半の頂点です。John Caleがピアノの弦にクリップの鎖を絡めて弾いたプリペアド・ピアノ、Terry RileyやLa Monte Youngから受け継いだ反復、Lou Reedのオーストリッチ・チューニング、そして二重に重ねられたNicoの声。Warholが最も好んだ曲と伝えられる一曲から、ファクトリーの人々の明日と、1曲目『Sunday Morning』へつながる時間の環を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  31. 121

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #5 ユニオン・スクエアを走る群像劇『Run Run Run』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第5回は5曲目『Run Run Run』。ライブ会場へ向かう道すがら、紙切れに一気に書き上げられたと伝えられる、アルバムで最もガレージ・ロック的な一曲です。舞台はユニオン・スクエア。あだ名で呼ばれる4人の人物が次々に登場し、それぞれの理由で街を走り回る。Lou Reedのノイズ寸前のギター・ソロと、群像劇という手法から、都市を書くもうひとつの文体を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  32. 120

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #4 ヴィオラが鳴らす中世の闇『Venus in Furs』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第4回は4曲目『Venus in Furs』。題名はLeopold von Sacher-Masochの1870年の小説『毛皮を着たヴィーナス』から。John Caleのエレクトリック・ヴィオラの持続音、全弦を同じ音に合わせた通称オーストリッチ・ギター、Maureen Tuckerの儀式のような打撃。1967年のロックがビートルズとサマー・オブ・ラヴに向かう中で、ひとりだけ中世の暗がりへ向かった、アルバムで最も異様な一曲を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  33. 119

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #3 ウォーホルが注文した肖像画『Femme Fatale』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第3回は3曲目『Femme Fatale』。Andy Warholが「彼女はファム・ファタールだと思わないか」とLou Reedに持ちかけ、ファクトリーの女王Edie Sedgwickをモデルに書かれた曲を、Warholのもう一人のミューズであるNicoが歌う。依頼主、モデル、歌い手、作者の四角関係が生む冷たい距離感と、Nicoの低い声の謎を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  34. 118

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #2 街角で人を待つだけの歌『I'm Waiting for the Man』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第2回は2曲目『I'm Waiting for the Man』。ハーレムの125丁目とレキシントン・アベニューの角で、26ドルを握りしめて売人を待つ。それだけの数分間を、John Caleの叩きつけるピアノとLou Reedの乾いた語りが刻みます。ロックがそれまで歌わなかった時間を初めて歌にした一曲を、「待つ」という主題と観察者の文体から読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  35. 117

    The Velvet Underground & Nico 全曲解説 #1 日曜の朝の、優しい不安『Sunday Morning』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第1回は1曲目『Sunday Morning』。アルバムで最後に録音された曲であり、プロデューサーTom Wilsonは「Nicoが歌うシングル候補」を求めたのに、マイクの前に立ったのはLou Reed本人でした。スタジオで見つけたチェレスタをJohn Caleが弾き、オルゴールのように優しい音の下に、誰かに見られているような不安が忍び込む。Andy Warholが主題として「パラノイア」を示唆したと伝えられる、子守唄の顔をした冒頭曲から、「売れなかった傑作」の物語を始めます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  36. 116

    Nas『Illmatic』全曲解説 #10【最終回】マイケルの吐息と20歳の署名『It Ain't Hard to Tell』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。最終回は10曲目『It Ain't Hard to Tell』。Large Professorが、Michael Jackson『Human Nature』(1983)の吐息のようなコーラスに、Kool & the Gang、Mountain、Stanley Clarkeの断片を重ねた、アルバムからの先行シングルです。「分かりきったことだ」という題名の意味、自らを世に出した恩人Large Professorがアルバムの入口と出口を締める円環、そして全10曲が30年間「完璧」と呼ばれ続ける理由。第8弾シリーズを締めくくり、次シリーズ第9弾『The Velvet Underground & Nico』(1967)を予告します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  37. 115

    Nas『Illmatic』全曲解説 #9 無声映画のオルガンが団地の賛歌になる『Represent』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第9回は9曲目『Represent』。DJ Premierとのセッションで最初に録音された、いわばアルバムの出発点です。土台は、無声映画『バグダッドの盗賊』のために弾かれたLee Erwinの劇場オルガン。サイレント映画の伴奏音楽が、90年代クイーンズブリッジの賛歌に生まれ変わります。ヒップホップの合言葉「レプレゼント=代表する」の意味と、曲の最後に仲間の名前を延々と読み上げる声の意味を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  38. 114

    Nas『Illmatic』全曲解説 #8 何も起こらない贅沢『One Time 4 Your Mind』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第8回は8曲目『One Time 4 Your Mind』。プロデュースは『Life's a Bitch』に続きL.E.S.。緊張の続くアルバムの中で、この曲だけは事件が起きません。部屋でくつろぎ、仲間とつるみ、韻を転がす。それだけの時間です。名盤の中の「地味な曲」は本当に弱点なのか。息継ぎのない10曲がなぜ息苦しくならないのか、アルバム設計における休符の役割から読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  39. 113

    Nas『Illmatic』全曲解説 #7 鉄格子の向こうへ書いた手紙『One Love』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第7回は7曲目『One Love』。A Tribe Called QuestのQ-Tipがプロデュースとサビの歌を担い、Heath Brothers『Smilin' Billy Suite Pt. II』(1975)の親指ピアノの響きを土台に据えた一曲です。歌詞の形式は、獄中の友人たちに宛てた手紙。実際に友人たちと交わした文通から生まれたとNas本人が語る、ヒップホップ史に残る書簡体のラップです。サンプラーではなくカセットの一時停止で組まれたと伝えられるループの逸話とあわせて読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  40. 112

    Nas『Illmatic』全曲解説 #6 公園のオルガンと記憶の小道『Memory Lane (Sittin' in da Park)』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第6回は6曲目『Memory Lane (Sittin' in da Park)』。DJ Premierがオルガン奏者Reuben Wilsonの『We're in Love』(1971)から掘り出した、まどろむようなループの上で、Nasが過ぎ去った日々を語ります。サビのスクラッチに仕込まれたMarley Marl周辺の声、クイーンズブリッジという土地がヒップホップ史に刻んできた先輩たちの系譜。街の記憶と個人の記憶が重なる、アルバム後半の入り口を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  41. 111

    Nas『Illmatic』全曲解説 #5 アルバムより2年早く生まれた曲『Halftime』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第5回は5曲目『Halftime』。実はこの曲、アルバムより2年早い1992年、映画『Zebrahead』のサウンドトラックからシングルとして世に出ていた、Nasのソロ・デビュー曲です。橋渡し役はMC Serch。プロデュースはLarge Professorで、Average White Bandのドラム、Gary Byrdのホーン、そしてミュージカル『ヘアー』の日本語キャスト盤『Dead End』のベースラインという意外な素材が組み合わされています。デビュー曲をアルバムのほぼ中央に置き直した設計の意味を、「ハーフタイム」という題名から読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  42. 110

    Nas『Illmatic』全曲解説 #4 5秒のピアノと所有宣言の系譜『The World Is Yours』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第4回は4曲目『The World Is Yours』。Pete Rockがジャズ・ピアニストAhmad Jamalの1970年の演奏『I Love Music』から5秒だけ切り出し、回し続けて生まれた永遠のループ。サビを歌うのはPete Rock本人です。題名は映画『Scarface』(1983)で飛行船に浮かぶ標語、そしてヒップホップ側の先祖はT La Rock『It's Yours』(1984)。「世界はお前のものだ」という言葉が、映画と、ヒップホップの起源と、クイーンズブリッジの窓辺を経由して受け継がれていく系譜を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  43. 109

    Nas『Illmatic』全曲解説 #3 20歳の誕生日と父のコルネット『Life's a Bitch』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第3回は3曲目『Life's a Bitch』。アルバム唯一の客演ラッパーAZが、キャリア初録音にして「史上最高の客演ヴァース」と呼ばれ続ける一節を残し、そのままレコード契約を勝ち取った曲です。プロデュースはL.E.S.。本当はMtume『Juicy Fruit』を使う予定がレコードを忘れ、The Gap Band『Yearning for Your Love』に差し替えられた逸話、そして曲の最後に響く、Nasの実父でジャズ・ミュージシャンのOlu Daraのコルネット。人生の短さを歌う曲が、なぜこんなに温かいのかを読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  44. 108

    Nas『Illmatic』全曲解説 #2 不穏なピアノと観察者の眼『N.Y. State of Mind』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第2回は2曲目『N.Y. State of Mind』。DJ Premierがジャズ・ドラマーJoe Chambersの『Mind Rain』から掘り出した不穏なピアノ・ループの上で、20歳の言葉が夜のニューヨークを映画のように写し取っていきます。冒頭に残された「どう始めればいいか分からない」という呟き、そこから一気に走り出したと伝えられる長い最初のヴァース。ヒップホップ史上最高の一曲に数えられ続けるこの曲の、観察の文体を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  45. 107

    Nas『Illmatic』全曲解説 #1 地下鉄の轟音から始まる創世記『The Genesis』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第1回は1曲目『The Genesis』。地下鉄の轟音、映画『Wild Style』(1983)の台詞と音楽、そして17歳のNasがMain Source『Live at the Bar-B-Que』(1991)に残した伝説のデビュー・ヴァースの断片。クイーンズブリッジの部屋での会話だけで作られた1分45秒のイントロが、なぜ「創世記」と題されているのか。ヒップホップという文化の起源と、一人の20歳の起源を重ね合わせた設計を読み解き、新シリーズを開始します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  46. 106

    Daft Punk『Discovery』全曲解説 #14【最終回】10分間の大団円『Too Long』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第7弾はDaft Punkの『Discovery』(2001)。最終回は14曲目『Too Long』。1曲目『One More Time』のRomanthonyが再び歌う、10分におよぶアルバムの大団円です。「長すぎる」という題名の自己言及、祝祭で開き祝祭で閉じる円環の構造、そして『Interstella 5555』の結末——物語すべてが、レコードを聴く一人の少年の想像だったという種明かしまで。アルバム『Discovery』が最後に届ける「音楽を聴くことそのものへの讃歌」を読み解き、第7弾シリーズを締めくくります。次シリーズ第8弾はNas『Illmatic』(1994)。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  47. 105

    Daft Punk『Discovery』全曲解説 #13 70個の断片で作った素顔『Face to Face』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第7弾はDaft Punkの『Discovery』(2001)。第13回は13曲目『Face to Face』。米ニュージャージーのハウスの職人Todd Edwardsを共同制作と歌に迎えた一曲です。約70個もの細かなサンプルの断片を縫い合わせて、元の曲では誰も聴いたことのない新しい旋律を作るという、アルバムでも最も緻密な作り。出典は20年以上謎のままでしたが、近年Edwards本人が当時のフロッピーディスクを開いて明かしました。『Interstella 5555』では、バンドの記憶と本来の姿が戻る「素顔での対面」の場面。断片から顔を組み上げるという制作手法と物語が重なる一曲を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  48. 104

    Daft Punk『Discovery』全曲解説 #12 音楽がショートする瞬間『Short Circuit』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第7弾はDaft Punkの『Discovery』(2001)。第12回は12曲目『Short Circuit』。うねるファンクの機械が全力で回転したかと思うと、曲の途中で文字どおり「ショート」して、壊れた電子音だけがゆっくり息絶えていく異形のインストです。『Interstella 5555』では、記憶のディスクを取り戻そうと単身潜入したオクターヴが、警備員の電撃を受けて倒れる場面。題名と音と映像が一直線につながる、アルバムでいちばん「痛み」を描いた一曲を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  49. 103

    Daft Punk『Discovery』全曲解説 #11 パイプオルガンが明かす秘密『Veridis Quo』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第7弾はDaft Punkの『Discovery』(2001)。第11回は11曲目『Veridis Quo』。教会のパイプオルガンのような音色が、同じ旋律を荘厳に繰り返す一曲です。題名はラテン語の警句「Quo vadis(どこへ行くのか)」をもじった造語で、並べ替えると「Very Disco」、続けて読めば「Discovery」になる言葉遊びでもあります。『Interstella 5555』では、バンドが敵の館の隠し部屋で、すべての企みが記された一冊の書物を見つける場面。アルバム全体の題名が、物語の核心で「秘密の書」として姿を現す仕掛けを読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

  50. 102

    Daft Punk『Discovery』全曲解説 #10 金のレコードを積んだ探査機『Voyager』

    海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第7弾はDaft Punkの『Discovery』(2001)。第10回は10曲目『Voyager』。歌のない、引用もない、うねるベースと80年代風のシンセだけで進む一曲です。『Interstella 5555』では、正体を取り戻したバンドが車で敵の館へ向かう移動の場面に置かれています。そしてこの題です。1977年、地球はボイジャーという探査機に金のレコードを積んで宇宙へ送り出しました。地球の音楽を、いつか誰かが見つけてくれることを願って。一方この映画の悪役は、宇宙じゅうから金のレコードを集めようとしている。偶然にしてはできすぎた響き合いから、このアルバムの主題を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。

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