PODCAST · fiction
本の朗読2
by 前川工作室
私が気になった本について読んでいきたいと思っております。リクエストなどがありましたら、いつでもおっしゃってください。
Episodes
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星めぐりの歌
星めぐりの歌 宮澤賢治 あかいめだまの さそり ひろげた鷲の つばさ あをいめだまの 小いぬ、 ひかりのへびの とぐろ。 オリオンは高く うたひ つゆとしもとを おとす、 アンドロメダの くもは さかなのくちの かたち。 大ぐまのあしを きたに 五つのばした ところ。 小熊のひたいの うへは そらのめぐりの めあて。
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鎌倉夫人_下
下...
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湯ヶ原より 国木田独歩
湯ヶ原より 国木田独歩 内山君うちやまくん足下そくか...
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桜の樹の下には
桜の樹の下には 梶井基次郎 桜の樹の下には屍体したいが埋まっている! これは信じていいことなんだよ。何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。...
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父帰る―菊池寛
父帰る 菊池寛 人物 黒田賢一郎 二十八歳 その弟 新二郎 二十三歳 その妹 おたね 二十歳 彼らの母 おたか 五十一歳 彼らの父 宗太郎 時 明治四十年頃 所 南海道の海岸にある小都会 情景 中流階級のつつましやかな家、六畳の間、正面に箪笥があって、その上に目覚時計が置いてある。前に長火鉢あり、薬缶から湯気が立っている。卓子台ちゃぶだいが出してある。賢一郎、役所から帰って和服に着替えたばかりと見え、寛くつろいで新聞を読んでいる。母のおたかが縫物をしている。午後七時に近く戸外は闇くらし、十月の初め。 賢一郎 おたあさん、おたねはどこへ行ったの。 母 仕立物を届けに行った。 賢一郎...
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蒲団ラスト―田山花袋
九...
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蒲団10―田山花袋
八 十日に時雄は東京に帰った。 その翌日、備中から返事があって、二三日の中に父親が出発すると報じて来た。 芳子も田中も今の際、寧ろそれを希望しているらしく、別にこれと云って驚いた様子も無かった。 父親が東京に着いて、先ず京橋に宿を取って、牛込の時雄の宅を訪問したのは十六日の午前十一時頃であった。丁度日曜で、時雄は宅に居た。父親はフロックコートを着て、中高帽を冠って、長途の旅行に疲れたという風であった。...
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蒲団09―田山花袋
七...
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蒲団08―田山花袋
二三日経たって後、時雄は例刻に社から帰って火鉢ひばちの前に坐ると、細君が小声で、 「今日来てよ」 「誰が」 「二階の……そら芳子さんの好い人」 細君は笑った。 「そうか……」...
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蒲団07―田山花袋
六 一日置いて今夜の六時に新橋に着くという電報があった。電報を持って、芳子はまごまごしていた。けれど夜ひとり若い女を出して遣る訳に行かぬので、新橋へ迎えに行くことは許さなかった。 翌日は逢って達たって諌いさめてどうしても京都に還かえらせるようにすると言って、芳子はその恋人の許もとを訪とうた。その男は停車場前のつるやという旅館はたごやに宿とまっているのである。...
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蒲団06―田山花袋
五 翌朝時雄は芳子を自宅に伴った。二人になるより早く、時雄は昨日の消息を知ろうと思ったけれど、芳子が低頭勝に悄然として後について来るのを見ると、何となく可哀そうになって、胸に苛々する思を畳みながら、黙して歩いた。 佐内坂を登り了ると、人通りが少くなった。時雄はふと振返って、「それでどうしたの?」と突如として訊ねた。 「え?」 反問した芳子は顔を曇らせた。 「昨日の話さ、まだ居るのかね」 「今夜の六時の急行で帰ります」 「それじゃ送って行かなくってはいけないじゃないか」 「いいえ、もう好いんですの」 これで話は途絶えて、二人は黙って歩いた。...
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蒲団05―田山花袋
悲しい、実に痛切に悲しい。この悲哀は華はなやかな青春の悲哀でもなく、単に男女の恋の上の悲哀でもなく、人生の最奥さいおうに秘ひそんでいるある大きな悲哀だ。行く水の流、咲く花の凋落ちょうらく、この自然の底に蟠わだかまれる抵抗すべからざる力に触れては、人間ほど儚はかない情なさけないものはない。 汪然おうぜんとして涙は時雄の鬚面ひげづらを伝った。...
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蒲団04―田山花袋
四 時雄は例刻をてくてくと牛込矢来町の自宅に帰って来た。 渠かれ は三日間、その苦悶と戦った。渠は性として惑溺わくできすることが出来ぬ或る一種の力を有っている。この力の為めに支配されるのを常に口惜しく思っているのではあるが、それでもいつか負けて了う。征服されて了う。これが為め渠はいつも運命の圏外に立って苦しい味を嘗めさせられるが、世間からは正しい人、信頼するに足る人と信じられている。三日間の苦しい煩悶、これでとにかく渠はその前途を見た。二人の間の関係は一段落を告げた。これからは、師としての責任を尽して、わが愛する女の幸福の為めを謀るばかりだ。これはつらい、けれどつらいのが人生だ!...
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蒲団03―田山花袋
三 それから今回の事件まで一年半の年月が経過した。 その間二度芳子は故郷を省した。短篇小説を五種、長篇小説を一種、その他美文、新体詩を数十篇作った。某女塾では英語は優等の出来で、時雄の選択で、ツルゲネーフの全集を丸善から買った。初めは、暑中休暇に帰省、二度目は、神経衰弱で、時々癪のような痙攣を起すので、暫し故山の静かな処に帰って休養する方が好いという医師の勧めに従ったのである。...
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蒲団02―田山花袋
二 渠かれ は名を竹中時雄と謂った。...
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蒲団―田山花袋
蒲団 田山花袋 小石川の切支丹坂きりしたんざかから極楽水ごくらくすいに出る道のだらだら坂を下りようとして渠かれは考えた。「これで自分と彼女との関係は一段落を告げた。三十六にもなって、子供も三人あって、あんなことを考えたかと思うと、馬鹿々々しくなる。けれど……けれど……本当にこれが事実だろうか。あれだけの愛情を自身に注いだのは単に愛情としてのみで、恋ではなかったろうか」...
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