EPISODE · Jul 12, 2026 · 18 MIN
219高齢者の足のむくみは年のせいか、心臓のサインか
from おうちで診る医療|名古屋発!ごうホームクリニックの在宅医療ポッドキャスト · host Go Ito
「最近、母の足がパンパンに腫れているんです。靴下の跡がくっきり残るくらいで……。年のせいでしょうか」。訪問診療の現場で、ご家族からこう相談を受ける場面は少なくありません。夕方になると足の甲まで腫れぼったくなり、指で押すとしばらくへこんだままになる。ご本人は「昔からこんなものだ」と気にしていなくても、久しぶりに顔を合わせたご家族が驚いて相談に来る、というパターンが典型的です。特に、離れて暮らす息子さんや娘さんが帰省した際に「前会った時よりも足が太くなっている」と気づき、そこから相談が始まるケースも多く見られます。厚生労働省の令和4年(2022年)国民生活基礎調査によれば、高齢者が自覚する体の不調(有訴者率)の中で、関節の痛みや腰痛に次いで、手足の「むくみ・しびれ」を訴える方は上位に位置しています。むくみは高齢者にとって非常にありふれた症状である一方、その背景にある原因は一つではなく、加齢による自然な変化から、心臓や腎臓の病気のサインまで、幅広いスペクトラムを持っています。同じ「足がむくんでいる」という見た目でも、その中身はまったく異なる場合があるのです。ここで難しいのは、「よくある症状だからこそ、重大なサインが紛れ込んでいても見逃されやすい」という点です。「年のせい」「立ち仕事が多かったから」と片付けてしまうと、心不全の初期症状や、命に関わる血栓症のサインを見落とすリスクが生まれます。逆に、すべてのむくみを心配しすぎて頻繁に受診を繰り返すのも、ご本人・ご家族双方にとって大きな負担です。訪問診療の現場では、「様子を見てよい範囲」と「早めに相談すべき範囲」の線引きを、ご家族と一緒に整理していくことが日々の役割の一つになっています。本資料では、①むくみの原因は一つではないという基本認識、②危険なむくみを見分ける3つのポイント、③家庭でできる工夫と相談のタイミング、という3つの観点から、ご家族が落ち着いて対応を判断できるよう整理します。むくみは「気づいたその日にどう動くか」で、その後の経過が大きく変わることがある症状です。
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