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おうちで診る医療|名古屋発!ごうホームクリニックの在宅医療ポッドキャスト

「在宅医療って、実際どうなの?」その疑問に現場の医師がお答えします。名古屋市天白区の「ごうホームクリニック」は、24時間365日対応の機能強化型の在宅クリニックです。約600名の患者さんの「おうちで過ごしたい」という願いに寄り添い、年間100件超の看取り・緊急往診、人工呼吸器を使う方や医療的ケアが必要なお子さんの在宅サポートなど、地域の在宅医療を支えています。このポッドキャストでは、病院では教わらない在宅医療の実践知をお届けします。・高齢者の「いつもと違う」を見逃さないプロの眼・在宅での急変時、何を見て何を伝えるか・ご家族への説明で大切にしていること・訪問診療チームの連携の実際医療・介護に携わる専門職の方の学びに、そしてご家族の介護に向き合う皆さんの安心につながれば幸いです。移動中でも、家事をしながらでも、「聴く在宅医療」をぜひご活用ください。

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    236救急を要する高齢者の皮膚所見

    在宅医療の現場で、高齢者の皮膚トラブルは日常的に遭遇する問題ですが、時に急変し重篤な状態に至ることがあります。特に、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や壊死性筋膜炎といった重症感染症、急性アレルギー反応、スティーブンス・ジョンソン症候群などの薬剤性皮膚障害は、数時間で生命を脅かす状態に進行することがあります。在宅医療スタッフは、これらの急変の初期サインを見逃さず、適切な判断と対応を求められます。高齢者の皮膚は加齢により菲薄化(薄くなること)し、皮脂分泌が低下し、バリア機能が著しく低下しています。このため、わずかな外傷や圧迫から感染が急速に拡大しやすく、また全身状態への影響も大きくなります。さらに、糖尿病や免疫抑制剤の使用、低栄養状態などの背景因子があると、リスクはさらに高まります。本資料では、在宅現場で遭遇する皮膚トラブルの急変について、「ABC」アプローチ(Airway/Breathing/Circulation:気道・呼吸・循環の評価)を基本とした初期対応、在宅での対応限界と入院判断、そして119番通報の具体的基準について解説します。

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    235褥瘡と食事の関係を振り返る

    高齢者の皮膚トラブルは在宅医療の現場で日常的に遭遇する課題です。褥瘡(じょくそう)、スキンテア(皮膚裂傷)、乾燥性皮膚炎など、加齢に伴う皮膚の脆弱性は多くの高齢者が抱えています。これまでスキンケアというと外用薬や保湿剤といった「外からのケア」に焦点が当てられてきましたが、近年の研究で「内からのケア」、つまり栄養管理の重要性が改めて注目されています。従来、スキンケアが必要な患者さんには「低カロリー・低脂肪」の食事が推奨されることがありました。しかし、最新のエビデンスでは、むしろ適切なカロリーと良質な脂質、タンパク質の確保が皮膚の修復と維持に不可欠であることが明らかになっています。特に褥瘡のある患者では、創傷治癒のために通常の1.2〜1.5倍のタンパク質が必要とされ、低栄養状態では治癒が著しく遅延します。在宅の現場では、「食べ過ぎは良くない」「高齢者は粗食が良い」という古い常識が根強く残っています。しかし、スキンケアを必要とする高齢者にこそ、積極的な栄養介入が必要です。本資料では、従来の常識と最新エビデンスの違いを明確にし、低栄養リスクとのバランスを取りながら実践できる食事指導のポイントをお伝えします。

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    234高齢者のスキンケアの見逃し厳禁サイン

    在宅医療の現場で、皮膚トラブルは最も頻繁に遭遇する問題の一つです。高齢者の皮膚は加齢により薄く脆弱になり、バリア機能が低下しているため、わずかな刺激でも深刻な状態に進行することがあります。しかし、多くの皮膚トラブルは初期段階では症状が軽微で、本人も家族も「年齢のせいだから仕方ない」と見過ごしてしまうことが少なくありません。実際、褥瘡の約70%は初期の発赤段階で適切に対処すれば進行を防げたというデータもあります。また、皮膚の小さな異変が実は全身状態の悪化や重大な疾患のサインであることもあり、「たかが皮膚、されど皮膚」という認識が重要です。在宅医療スタッフが訪問時に適切なアセスメントを行い、早期に異変をキャッチすることで、利用者のQOL維持だけでなく、医療コストの削減や家族の介護負担軽減にもつながります。この資料では、見落としやすいサインを見逃さないための実践的なポイントをお伝えします。

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    233高齢者のスキンケア悪化予防の3原則

    在宅医療の現場において、高齢者の皮膚トラブルは最も頻繁に遭遇する問題の一つです。加齢に伴う皮膚の菲薄化(薄くなること)、皮脂分泌の減少、保湿機能の低下により、高齢者の皮膚は健常な成人と比べて約30%も水分保持能力が低下しているとされています。このため、わずかな刺激や環境変化でも皮膚トラブルが発生しやすく、一度悪化すると治療に長期間を要することになります。特に在宅療養中の高齢者では、褥瘡、スキン-テア(皮膚裂傷)、失禁関連皮膚炎(IAD)などが生活の質を大きく低下させます。これらの皮膚トラブルは、初期段階で適切に対応すれば予防可能なものがほとんどです。しかし、「少し赤いだけ」「いつものこと」と見過ごされた結果、重症化してしまうケースが後を絶ちません。慢性期管理においては、「治す」ことよりも「悪化させない」「再発させない」という予防的視点が極めて重要です。本資料では、在宅医療スタッフが日々のケアの中で実践できる、高齢者のスキンケア悪化予防の3原則について解説します。

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    232皮膚を守りながら介助するということ

    高齢者の皮膚は、加齢に伴い表皮が薄くなり、皮脂分泌が低下することで、バリア機能が著しく低下します。特にスキントラブルを抱える高齢者においては、日常生活動作(ADL)の介助が皮膚への負担となり、新たな損傷や感染のリスクを高める可能性があります。在宅医療の現場では、医療機関と異なり、限られた人員と環境の中で、安全かつ効果的なケアを提供する必要があります。スキンケアが必要な患者のADL介助では、単に「動作を助ける」だけでなく、「皮膚を守りながら介助する」という二重の視点が求められます。褥瘡、スキン-テア(皮膚裂傷)、失禁関連皮膚炎(IAD)などを持つ患者では、不適切な介助が症状を悪化させ、治癒を遅らせるだけでなく、痛みや感染症、さらには全身状態の悪化につながることもあります。本資料では、ADL介助時の観察ポイント、安全な介助テクニック、急変リスクを減らす工夫について、在宅医療スタッフが明日からすぐに実践できる具体的な方法を提示します。皮膚トラブルを持つ高齢者が、安全で快適な在宅生活を継続できるよう、エビデンスに基づいた実践的なケア技術を身につけましょう。

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    231高齢者のスキンケアを支えるチーム連携

    高齢者の皮膚は加齢に伴い、表皮の厚さが若年者の約半分になり、皮脂分泌量も30代と比較して70代では約40%減少します。このため、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥、掻痒感、湿疹、スキン-テア(皮膚裂傷)などのトラブルが生じやすくなります。在宅療養中の高齢者では、このような皮膚トラブルが放置されると、感染症や褥瘡、ADL低下につながるリスクが高まります。在宅医療の現場では、医師、看護師、介護職、ケアマネジャー、薬剤師など多職種が関わりますが、それぞれが利用者と接する時間帯や場面が異なります。看護師は週1-2回の訪問、介護職は毎日の生活支援、ケアマネジャーは月1回のモニタリングなど、それぞれの視点から皮膚の変化を捉えることができます。この「多眼的観察」が、早期発見と予防的介入の鍵となります。しかし、多職種連携が形式的になっていたり、情報共有が不十分だと、せっかく各職種が気づいたサインが他職種に伝わらず、対応が後手に回ることがあります。効果的なチーム連携によって、高齢者の皮膚トラブルを予防し、QOLを維持することが可能になります。

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    230高齢者のスキンケアの薬、なぜ塗らない?飲まない?チーム連携

    高齢者の皮膚トラブルは在宅医療の現場で日常的に遭遇する問題です。乾燥肌、湿疹、褥瘡、帯状疱疹後の皮膚炎など、スキンケアに関する内服薬や外用薬が処方されているにもかかわらず、「薬が残っている」「症状が改善しない」といった場面に多く直面します。実は、高齢者の服薬アドヒアランス(患者が主体的に治療方針に従うこと)の低下は、認知機能や身体機能の問題だけでなく、患者自身の価値観や生活習慣、薬に対する理解不足など、多様な要因が絡み合っています。在宅医療における服薬管理は、医師だけでなく、看護師、薬剤師、介護職、ケアマネジャーなど多職種が関わる重要な課題です。特にスキンケアに関する薬は、「すぐに効果が実感できない」「塗るのが面倒」「飲む必要性がわからない」といった理由で中断されやすく、結果として症状が悪化し、QOL(生活の質)の低下につながります。多職種チームが連携して服薬支援を行うことで、患者の理解を深め、生活に即した服薬方法を提案し、継続的なモニタリングが可能になります。本資料では、高齢者がスキンケアの薬を中断する理由を理解し、アドヒアランス向上のための実践的な工夫と、多職種でできる服薬支援の方法を解説します。

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    229高齢者のスキンケアの見逃し厳禁サイン

    在宅医療の現場で、皮膚トラブルは最も頻繁に遭遇する問題の一つです。高齢者の皮膚は加齢により薄く脆弱になり、バリア機能が低下しているため、わずかな刺激でも深刻な状態に進行することがあります。しかし、多くの皮膚トラブルは初期段階では症状が軽微で、本人も家族も「年齢のせいだから仕方ない」と見過ごしてしまうことが少なくありません。実際、褥瘡の約70%は初期の発赤段階で適切に対処すれば進行を防げたというデータもあります。また、皮膚の小さな異変が実は全身状態の悪化や重大な疾患のサインであることもあり、「たかが皮膚、されど皮膚」という認識が重要です。在宅医療スタッフが訪問時に適切なアセスメントを行い、早期に異変をキャッチすることで、利用者のQOL維持だけでなく、医療コストの削減や家族の介護負担軽減にもつながります。この資料では、見落としやすいサインを見逃さないための実践的なポイントをお伝えします。

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    228腎臓を守るか、筋肉を守るか:高齢者CKDの食事

    「腎臓が悪いので、肉も魚も野菜も減らしました。ところが体重が落ち、歩けなくなってきました」。高齢者のCKDでは、制限を守ろうとするほど低栄養やフレイルが進むことがあります。CKDの食事療法には、たんぱく質、食塩、カリウム、リン、エネルギーなど複数の軸があります。しかし必要な調整は、CKDステージだけでは決まりません。尿蛋白、進行速度、血清カリウム、心不全、糖尿病、食欲、筋肉量、本人の希望を組み合わせて考えます。KDIGO 2024は、成人CKD G3~G5でたんぱく質摂取量0.8g/kg体重/日を提案する一方、フレイルやサルコペニアのある高齢者では、より多い蛋白質とエネルギー量を検討するよう示しています。数字を一律に当てはめるのではなく、腎臓を守る利益と低栄養の害を比較することが重要です。本資料では、①制限より先に栄養評価、②食塩・カリウム・たんぱく質の個別化、③続けられる食事を多職種で作る、という3点を整理します。

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    227脱水・感染・薬で急に悪くなる:慢性腎臓病CKDのシックデイ対応

    「下痢で食べられない日も、いつもの薬は全部飲ませた方がよいですか」「水分を多めに取らせれば大丈夫でしょうか」。CKDのある方が体調を崩したとき、ご家族は薬と水分の判断で迷います。CKDのある人は、脱水、感染、尿路閉塞、薬剤などをきっかけにAKI、つまり急性腎障害を重ねることがあります。一方、心不全や体液過剰がある方に一律の補水を行うと、かえって呼吸状態を悪化させる可能性があります。シックデイ対応の基本は、インターネット上の一律ルールではなく、本人専用の連絡・服薬・水分計画です。処方薬を自己判断で中止・継続せず、平時に主治医・看護師・薬剤師と決めておきます。本資料では、①早めに連絡する変化、②薬と水分の個別計画、③迷わず救急要請する状態、の3点を整理します。

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    226症状がないから大丈夫?慢性腎臓病CKDは血液と尿で見つける

    「腎臓の数値が少し悪いと言われました。でも、むくみもなく元気なので、様子を見てよいでしょうか」。在宅医療では、ご家族からこのような相談をよく受けます。日本腎臓学会の「CKD診療ガイド2024」では、日本のCKD患者は約2,000万人、成人のおよそ5人に1人と推計されています。CKDは珍しい病気ではありませんが、初期には自覚症状がほとんどないため、症状の有無だけでは判断できません。CKDは、腎臓の構造や働きの異常が3か月を超えて続く状態です。確認の中心は、血液検査のeGFRと、尿蛋白またはアルブミン尿です。一度の結果だけで決めず、原因、経過、年齢、筋肉量、合併症を含めて評価します。本資料では、①血液と尿をセットで見る、②一回の数字ではなく時間軸で見る、③症状は診断ではなく連絡のきっかけとして扱う、という3つの観点から整理します。

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    225腎臓の治療をどう選ぶ? 透析と保存的腎臓療法

    「透析が必要になるかもしれないと言われました。どの治療が今の暮らしに合うのか、どう考えればよいでしょうか」。腎機能が低下したとき、ご本人とご家族は大きな決断を迫られたように感じます。腎不全に対する選択肢には、血液透析、腹膜透析、腎移植などの腎代替療法があります。また、透析を選択しない場合にも、症状を和らげ、生活の質を支える包括的保存的腎臓療法があります。どれか一つがすべての人に正しいわけではありません。透析導入はeGFRだけで決めません。尿毒症症状、体液量や血圧の管理、治療に反応しない電解質・酸塩基異常、栄養状態、認知機能、QOL、本人の希望を総合します。準備には時間がかかるため、必要になる直前ではなく、選択肢を早めに知ることが大切です。本資料では、①選択肢と生活への影響、②開始時期は数字だけで決めない、③本人・家族・医療チームで繰り返し話し合う、という3点を整理します。

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    224介護と仕事の両立。仕事を辞める前に知ってほしい制度と組み立て方

    「これ以上は、仕事を続けながら親の介護をするのは無理かもしれません」。ケアマネジャーのもとには、こうした相談が日常的に届きます。平日の日中は仕事で家を空けざるを得ない。通院の付き添いのたびに有給休暇を使い果たしていく。上司にどう切り出せばいいのか分からない。積み重なった疲れの果てに、「辞めるしかない」という結論に、ご本人が一人でたどり着いてしまっているケースが少なくありません。相談の多くは、すでに何か月も一人で抱え込んだあとにようやく言葉になったものです。しかし、介護のために仕事を辞めるという選択は、想像以上に重い代償を伴います。厚生労働省の雇用動向調査によれば、家族の介護・看護を理由に離職する人は毎年一定数にのぼり、そのうち多くが再就職後に収入が減少したという調査結果が示されています。年齢が上がるほど再就職の条件は厳しくなりやすく、いったん離職すると、以前と同じ雇用形態・同じ収入水準に戻ることは簡単ではありません。加えて、介護離職は収入の問題にとどまりません。介護をする方が仕事という「社会とのつながり」や「気持ちの切り替えの場」を失うことで、かえって介護に向き合う体力と気力が続かなくなるケースが、現場では繰り返し観察されています。なぜ、これほど「辞める」という選択に至りやすいのでしょうか。背景には、「介護は家族が担うもの」という思い込みと、「使える制度をそもそも知らない」という情報不足の両方があります。多くのご家族は、介護休業や介護休暇という言葉自体は聞いたことがあっても、「具体的に何日休めるのか」「どんな場面で使うものなのか」を正確に把握していません。制度を知らないまま、「これ以上は職場に迷惑をかけられない」と自己判断で退職を選んでしまう方も少なくないのです。介護休業・介護休暇といった法律上の制度、日中の負担を減らす介護サービス、そして通院の負担そのものを軽くする医療側の選択肢――これらを組み合わせれば、「辞める」以外の道が見えてくることは、現場で数多く経験されています。本資料では、働きながら親や配偶者を介護するご家族に向けて、①「介護のために仕事を辞める」前に知っておきたい制度、②「自分がやる」から「回る仕組みを作る」への発想の転換、③平日日中に動けない家族のための具体的な工夫、という3つの観点から整理します。あわせて、実際に両立を続けているご家族の典型的な事例も紹介します。

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    223レスパイト入院とショートステイ。家族にとって必要な休養を考える

    「最近、母の介護に疲れが溜まっていて…でも、休みたいなんて言ったら、母を見捨てるみたいで」。在宅介護のご相談を受けていると、こうした声にしばしば出会います。真面目にご家族を支えてきた方ほど、「休む」という選択肢を自分に許せずにいます。しかし、介護は長距離走です。走り続けるためには、途中で立ち止まる場面が必ず必要になります。厚生労働省の令和Y年(YYYY年)国民生活基礎調査によれば、要介護者等を主に介護している方のうち、「常に介護している」「ほとんど終日」と答えた方は一定の割合にのぼり、介護疲れやストレスを訴える声は年々増加傾向にあります。また、同居する主な介護者の年齢構成も高齢化が進んでおり、介護する側もされる側も高齢という、いわゆる"ろうろうかいご"(老老介護)の世帯が珍しくなくなっています。休息を取れないまま介護が続くと、介護者自身の体調不良や共倒れにつながるリスクが高まることは、複数の公的調査・研究で指摘されています。在宅介護の現場で長く感じてきたのは、「介護を頑張ること」と「介護を休むこと」は対立しないということです。むしろ、計画的に休む仕組みを持っているご家庭のほうが、結果として長く安定して在宅療養を続けられています。ここで鍵になるのが、ショートステイ(介護保険の短期入所)と、レスパイト入院(医療保険での一時的な入院)という、二つの「休むための選択肢」です。この二つは似ているようで役割が異なり、使い分けを知っているかどうかで、いざという時の動きやすさが大きく変わります。とりわけ、点滴や酸素療法、たんの吸引といった医療的な処置が日常的に必要な方の場合、「一般の介護施設では預かってもらえないのではないか」という不安から、そもそも休むという選択肢自体を思いつかないご家族も少なくありません。しかし実際には、医療処置が必要な方でも一時的にお預かりできる仕組みが用意されています。知らないままでいると、使えたはずの支援にたどり着けず、ご家族だけで抱え込み続けてしまう。まずはこの仕組みを知ることが、最初の一歩になります。在宅介護は、病院での入院治療とは違い、終わりの時期があらかじめ見えているものではありません。数か月で終わる方もいれば、数年、時には十年以上に及ぶ方もいます。ゴールの見えないマラソンを、休憩なしで走り切ることはできません。だからこそ、あらかじめ「休むための仕組み」を生活のリズムに組み込んでおくことが、結果としてご本人にとってもご家族にとっても、長く安定した在宅療養につながります。

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    222ケアマネジャーに相談できること。介護の悩みの「最初の窓口」の使い方

    「こんなこと、ケアマネさんに聞いてもいいのかな」。介護保険サービスを使い始めたご家族が、心の中でいちばんよく感じる迷いです。デイサービスの日程調整や介護用ベッドの手配といった「わかりやすい相談」は誰もがすぐに口にできます。しかし、「お金が続くか不安」「きょうだいで意見が合わない」「本人がお風呂を嫌がって困っている」といった、少し生々しい悩みになると、「これは制度の話じゃないから、相談していい範囲を超えているかもしれない」と、ご家族は自分で線を引いて黙り込んでしまいがちです。厚生労働省の令和4年度介護支援専門員(ケアマネジャー)の業務実態に関する調査研究では、ケアマネジャーが家族から受ける相談内容として、介護サービスの利用調整だけでなく、家族関係の悩み・経済的な不安・住環境の困りごとなど、幅広い生活課題への対応が実際に行われていることが示されています。つまり、制度上も現場の実感としても、ケアマネジャーの役割は「サービスの手配係」にとどまらず、暮らし全体の相談窓口として機能しているのです。この「相談できる範囲の広さ」が、ご家族側にほとんど伝わっていないことが、多くのすれ違いの起点になっています。困りごとを一人で抱え込んだまま数週間、数か月が過ぎ、家庭内の負担が積み重なってから初めてケアマネジャーに打ち明けられる、という展開は在宅療養の現場で繰り返し見られるパターンです。もっと早く言葉にできていれば、選べた手立てがあったはずのケースも少なくありません。背景には、介護保険サービスという制度そのものが「申請して認定を受け、ケアプランに沿って利用する」という手続きの色合いが強く見えることも影響しています。手続きのイメージが先に立つと、「制度の枠に収まる話」だけを相談していいのだと、ご家族は自然に線を引いてしまいます。しかし実際の在宅療養は、制度と生活と感情が常に混ざり合った状態で進みます。「制度の枠に収まる話かどうか」で相談の可否を判断する必要はなく、生活の中で気になっていることをそのまま持ち込んでよいというのが、現場の実態です。本資料では、ご家族が「最初の窓口」であるケアマネジャーをどう活用すればよいかを、①ケアマネジャーに相談できることの広さ、②相談の仕方のコツ、③ケアマネジャーにできないこと・変更できること、という3つの観点から整理します。

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    221親の介護、「する」「しない」問題

    「親の介護、正直、したくないんです」。地域包括支援センターやケアマネジャーのもとには、こうした言葉が、ためらいがちに、ときに涙ながらに届きます。多くの方が、その言葉を口にした瞬間、自分を「冷たい人間」だと感じています。誰にも言えないまま、電話口でようやく絞り出すように口にする方も少なくありません。しかし現場で長く相談を受けていると、この感情は決して珍しいものではなく、むしろとても自然な反応であることが分かってきます。親子関係には、それぞれの歴史があります。子どものころから距離があった、進路や結婚で確執があった、長年疎遠だった、あるいは単純に自分の生活と仕事でいっぱいいっぱいで余裕がない。幼いころに厳しく育てられた記憶が今も残っている方もいれば、大人になってからのすれ違いが解けないまま時間だけが過ぎた方もいます。「したくない」という気持ちの背景は一人ひとり違いますが、共通しているのは、その感情自体を誰にも言えず、一人で抱え込んでしまっていることです。世間には「親の介護は子の務め」という空気が根強くあるため、この感情を口にすること自体に大きなハードルを感じてしまうのです。介護は、いまも家族が主な担い手となっています。厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査によれば、要介護者等からみた主な介護者は「同居の家族」が45.9%を占め、同居の主な介護者と要介護者がともに65歳以上である、いわゆる老老介護の割合は63.5%にのぼります。介護のために仕事を辞める人も少なくなく、総務省の令和4年就業構造基本調査では、介護・看護を理由とした離職者は年間約10.6万人と報告されています。「家族が介護を担うのが当然」という前提の重さが、統計の背後に透けて見えます。この前提が強いほど、「したくない」と感じた自分を責め、誰にも相談できないまま孤立してしまう方が増えていきます。しかし、介護は「する」か「しない」かの二択ではありません。「したくない」という気持ちを持ったまま、それでも親の安全は確保する、という関わり方は十分に成立します。この資料では、①「したくない」という気持ちは自然な感情であり、それは「全部を自分でしない」という関わり方の設計に変えられること、②介護には「する/しない」の間に無数の関わり方があること、③一人で決めず、一人で抱えないための相談先とその使い方、という3つの観点から整理します。

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    220皮下点滴は血管が出にくくても、家で水分を補える方法

    「もう血管が出にくくて、針が入らないんです」――訪問看護師がご高齢の患者さんのお宅で、何度もそう告げられる場面があります。食欲が落ちて水分がうまく摂れなくなってきたとき、ご家族はまず「点滴が必要なのでは」と考えます。ところが、いざ点滴をしようとしても、加齢や脱水の影響で血管が細く、見えにくくなっていて、通常の点滴(末梢静脈点滴)の針がなかなか入らない、という患者さんは決して少なくありません。何度も刺し直すことは、ご本人にとって身体的にも精神的にも大きな負担になります。そうした場面で選ばれるのが、**皮下点滴("ひかてんてき")**、正式には皮下輸液("ひかゆえき")と呼ばれる方法です。血管ではなく、皮膚のすぐ下にある皮下組織に細い針を留置し、そこから水分をゆっくり吸収させるやり方で、在宅医療や高齢者医療の現場で広く行われています。血管に比べて皮下組織は体のどこにでもあるため、血管が出にくい方でも比較的安定して続けられるのが大きな特徴です。加えて、認知症などでご本人が点滴に気づいて自己抜去してしまっても、血管に針が入っているわけではないため出血がほとんど起きにくく、夜間やご家族が目を離した隙でも比較的安全に続けられるという利点があります。一方で、皮下点滴は「なんでもできる万能な点滴」ではありません。吸収がゆるやかなため入れられる速度や量には限りがあり、対応できる薬剤にも制約があります。また、終末期が近づいた場面では、点滴の量を「増やす」ことが必ずしもご本人の楽さにつながらず、かえってむくみや痰の増加を招くことがあります。「点滴をすれば元気になる」という直感とは逆の場面があることを、ご家族と現場のチームがあらかじめ共有しておくことが大切です。

  18. 178

    219高齢者の足のむくみは年のせいか、心臓のサインか

    「最近、母の足がパンパンに腫れているんです。靴下の跡がくっきり残るくらいで……。年のせいでしょうか」。訪問診療の現場で、ご家族からこう相談を受ける場面は少なくありません。夕方になると足の甲まで腫れぼったくなり、指で押すとしばらくへこんだままになる。ご本人は「昔からこんなものだ」と気にしていなくても、久しぶりに顔を合わせたご家族が驚いて相談に来る、というパターンが典型的です。特に、離れて暮らす息子さんや娘さんが帰省した際に「前会った時よりも足が太くなっている」と気づき、そこから相談が始まるケースも多く見られます。厚生労働省の令和4年(2022年)国民生活基礎調査によれば、高齢者が自覚する体の不調(有訴者率)の中で、関節の痛みや腰痛に次いで、手足の「むくみ・しびれ」を訴える方は上位に位置しています。むくみは高齢者にとって非常にありふれた症状である一方、その背景にある原因は一つではなく、加齢による自然な変化から、心臓や腎臓の病気のサインまで、幅広いスペクトラムを持っています。同じ「足がむくんでいる」という見た目でも、その中身はまったく異なる場合があるのです。ここで難しいのは、「よくある症状だからこそ、重大なサインが紛れ込んでいても見逃されやすい」という点です。「年のせい」「立ち仕事が多かったから」と片付けてしまうと、心不全の初期症状や、命に関わる血栓症のサインを見落とすリスクが生まれます。逆に、すべてのむくみを心配しすぎて頻繁に受診を繰り返すのも、ご本人・ご家族双方にとって大きな負担です。訪問診療の現場では、「様子を見てよい範囲」と「早めに相談すべき範囲」の線引きを、ご家族と一緒に整理していくことが日々の役割の一つになっています。本資料では、①むくみの原因は一つではないという基本認識、②危険なむくみを見分ける3つのポイント、③家庭でできる工夫と相談のタイミング、という3つの観点から、ご家族が落ち着いて対応を判断できるよう整理します。むくみは「気づいたその日にどう動くか」で、その後の経過が大きく変わることがある症状です。

  19. 177

    218家族が今日からできる床ずれ予防と、悪化のサイン

    「お尻のところが、なんだか赤いままなんです」「これって床ずれですか?」。在宅で寝たきりのご家族を介護されている方から、訪問看護師が最もよく受ける相談のひとつが、この「床ずれ」についてです。医療者は「褥瘡(じょくそう)」と呼びますが、ご家族の間では昔から「床ずれ」という言葉のほうがずっとなじみ深く、実際にインターネットで検索されるのも圧倒的に「床ずれ」という言葉です。この記事でも、医療用語ではなく、ご家族が実際に使う「床ずれ」という言葉を中心に説明していきます。厚生労働省が実施する「療養病床における褥瘡有病率調査」などの各種調査では、在宅療養者のうち一定割合に床ずれが発生していることが示されており、特に寝たきりの方、車いすで長時間過ごす方、栄養状態が低下しがちな高齢の方でリスクが高いことが分かっています。床ずれは、一度できてしまうと治療に数週間から数か月かかることも珍しくなく、痛みを伴い、感染のリスクも高まるため、ご本人の生活の質に大きく影響します。入院のきっかけになったり、せっかく自宅で穏やかに過ごせていた時間が、傷の処置や通院で慌ただしくなってしまったりすることもあります。一方で、床ずれは「防ぎようがないもの」でも「家族の介護が足りないからできるもの」でもありません。実際、床ずれの発生には、低栄養、むくみ、糖尿病、皮膚の脆弱性、加齢に伴う筋肉や脂肪の減少など、介護の仕方だけでは防ぎきれない体の側の要因も複合的に関わっています。床ずれの本質は、同じ場所への「圧迫」と「時間」の掛け算です。この仕組みさえ理解していれば、ご家族が日々の介護の中で、無理なく取り入れられる予防策がいくつもあります。逆に言えば、「頑張って完璧にやらなければ」と気負いすぎる必要はなく、ポイントを押さえた小さな工夫の積み重ねが、大きな予防効果につながります。本資料では、①床ずれがなぜできるのか、②ご家族が今日からできる予防、③悪化のサインと連絡のタイミング、という3つの観点から、専門用語をできるだけ使わずに整理します。あわせて、実際の在宅介護の現場でよくある3つの典型的な場面もご紹介します。

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    217鼻からのチューブ(経鼻栄養)と胃ろう ―― 違い・選び方・やめるという選択

    「もう口から食べられなくなったので、鼻からチューブを入れるか、胃ろうを作るか、決めてください」。病院でそう告げられたとき、多くのご家族は言葉を失います。「チューブ」も「胃ろう」も、ふだんの生活には出てこない言葉です。しかも入院期限が迫るなかで、短時間の説明だけで決断を迫られることが少なくありません。「一度入れたら、もう一生このままなのか」「口から食べる望みは、完全になくなってしまうのか」――そうした不安を抱えたまま在宅医療につながるご家族に、私たちは数多く出会ってきました。厚生労働省の調査でも、高齢化に伴い経管栄養(口以外からの栄養摂取)を必要とする方は年々増えており、在宅・施設・病院のいずれの療養場所でも共通の課題となっています。一方で、日本摂食嚥下リハビリテーション学会など専門学会は、経管栄養の導入を検討する前に「本当に口から食べる可能性がないか」を十分に評価することの重要性を繰り返し発信しています。栄養摂取の方法を決めることは、実は「これからどう生きていきたいか」を考えることと切り離せません。この選択が難しいのは、医学的な正解が一つに定まらないからです。経鼻栄養(鼻からのチューブ)と胃ろうにはそれぞれ長所と短所があり、しかもどちらも「一度決めたら変更できない終着点」ではありません。状態や本人の希望に応じて、あとから選び直すことも、減らすことも、やめることもできます。この「途中で変えられる」という事実こそ、決断の重荷を軽くする最初の鍵です。在宅医療の現場に立つ私たちが感じるのは、「鼻からのチューブ」と「胃ろう」という言葉そのものへの漠然とした怖さが、ご家族の判断を難しくしているという事実です。実際にどちらも、正しく管理すれば在宅生活と十分に両立でき、外出も入浴も、これまでどおりの暮らしを大きく制限するものではありません。まずは正確な情報を知ることが、不安を少しずつ和らげる第一歩になります。本資料では、ご家族と現場の支援者の双方が押さえておきたい実践知を、①鼻からのチューブと胃ろうの違い、②その前に確認したい「本当に口から食べられないか」という視点、③選ぶ・やめるを家族だけで背負わないための考え方、という3つの観点から整理します。

  21. 175

    216高齢者の熱中症急変対応ABC

    高齢者の熱中症は、在宅医療の現場で最も注意すべき夏季の急変リスクです。高齢者は体温調節機能の低下、口渇感の減弱、慢性疾患や服薬の影響により、熱中症のリスクが若年者の数倍に及びます。特に在宅では環境のコントロールが不十分なことが多く、重症化してから発見されるケースが少なくありません。熱中症の死亡者の約8割が65歳以上の高齢者であり、そのうち約半数が屋内で発症しています。在宅医療スタッフには、予防はもちろん、急変時の初期対応と適切なトリアージ判断が求められます。迅速な対応により救命率が大きく変わるため、現場での「気づき」と「判断」が極めて重要です。本資料では、在宅で熱中症が疑われる高齢者に遭遇した際の、実践的な急変対応ABCについて解説します。救急搬送の判断に迷いやすい場面での具体的な基準と、その場でできる初期対応の手順を明確にし、明日からすぐに使える知識を提供します。

  22. 174

    215高齢者の熱中症見逃し厳禁サイン

    高齢者の熱中症は、典型的な「暑い」「喉が渇いた」といった訴えがないまま重症化するケースが少なくありません。在宅医療の現場では、訪問時の限られた時間の中で、いかに早期に異変を察知できるかが生命予後を左右します。実際、熱中症による救急搬送者の約半数が65歳以上の高齢者であり、その約8割が住宅内で発生しています。高齢者は体温調節機能の低下、口渇感の鈍化、ADL低下による水分摂取困難など、複数のリスク要因を抱えています。さらに認知症や独居、多剤併用などの要因が重なることで、本人からの訴えが期待できないケースも多いのが実情です。このため、私たち在宅医療スタッフには「いつもと違う」微細な変化を見逃さない観察力が求められます。本資料では、見落としやすい非典型的症状、訪問時にすぐ使える観察チェックリスト、そして家族の直感的な違和感を臨床判断に活かす方法について、実践的な視点から解説します。

  23. 173

    214高齢者の熱中症予防の取り組みを中断させないチーム連携

    高齢者の熱中症は、毎年夏季に深刻な健康問題となっています。熱中症予防には水分補給が不可欠ですが、在宅医療の現場では「医師から処方された経口補水液や電解質製剤を飲まない」「水分摂取を促しても拒否される」という課題が頻繁に報告されています。高齢者の場合、基礎疾患の治療薬に加えて、熱中症予防のための補水指導や補助的な薬剤管理が必要となりますが、服薬アドヒアランス(患者さんが治療方針に沿って薬を飲む行動)の低下が大きな障壁となっています。なぜ高齢者は熱中症予防の取り組みを中断してしまうのでしょうか。その背景には、認知機能の低下、多剤併用(ポリファーマシー)による服薬負担、味覚の変化、疾患による水分制限の誤解、経済的負担など、複合的な要因が存在します。これらの課題は、医師だけでは解決できず、看護師、薬剤師、介護職、ケアマネジャーなど多職種チームでの連携が必須です。本資料では、高齢者が熱中症予防の薬や水分補給を中断する理由と心理的背景を理解し、服薬アドヒアランスを向上させるための具体的工夫、そして多職種で実践できる服薬支援の方法について解説します。在宅医療の現場で明日から使える実践的な知識を提供します。

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    213高齢者の熱中症予防悪化の3原則

    高齢者の熱中症は、一度発症すると重症化しやすく、回復後も再発リスクが高いという特徴があります。特に在宅療養中の高齢者は、体温調節機能の低下、慢性疾患の併存、服薬の影響、独居や老々介護による見守り不足など、複数のリスク要因を抱えています。熱中症で入院した高齢者の約30%が同一シーズン内に再発するというデータもあり、慢性期管理における予防と早期発見の重要性は極めて高いと言えます。在宅医療の現場では、医師の診察は月1-2回程度ですが、訪問看護や訪問介護スタッフは週に数回、利用者と接する機会があります。この「日常的な観察の目」こそが、熱中症の再発予防と重症化予防の鍵となります。イエローシグナルを見逃さず、適切なタイミングで介入することで、入院を回避し、在宅での安全な療養生活を継続することが可能になります。本資料では、慢性期管理における「再発予防の観察ポイント」「イエローシグナルの早期発見」「訪問頻度と観察項目の調整」の3原則について、明日から実践できる具体的な方法を解説します。

  25. 171

    212家族に知って欲しい高齢者の熱中症の危険サイン

    高齢者の熱中症は、毎年6月から9月にかけて救急搬送数が急増し、その約半数が65歳以上の高齢者です。特に在宅で生活する高齢者の場合、熱中症の初期症状が見逃されやすく、発見時には重症化しているケースが少なくありません。高齢者は体温調節機能の低下、口渇感の減退、認知機能の低下などにより、自ら適切な対処ができないことが多いため、家族による早期発見が生命予後を大きく左右します。在宅医療の現場では、医療・介護スタッフが家族へ適切な観察ポイントを伝え、早期発見・早期対応の体制を整えることが重要です。しかし、多くの家族は「どのような状態が危険なのか」「いつ医療機関に連絡すべきか」について具体的な判断基準を持っていません。このため、専門職からの具体的で実践的な指導が求められています。本資料では、家族が日常的に観察すべき危険サイン、緊急時の適切な連絡手順、そして家族の介護負担を軽減しながら効果的な予防を行うための工夫について、在宅医療の現場で明日から活用できる実践的な内容をまとめました。

  26. 170

    211高齢者の熱中症予防を支えるチーム連携

    高齢者の熱中症は、在宅医療において夏季の最重要課題の一つです。厚生労働省の統計によれば、熱中症による救急搬送者の約半数が65歳以上の高齢者であり、そのうち約8割が住居内で発生しています。高齢者は体温調節機能の低下、口渇感の鈍化、慢性疾患や服薬の影響などにより、熱中症のリスクが特に高い集団といえます。在宅療養中の高齢者は、日中独居であったり、認知機能の低下により自ら適切な対応ができなかったりするケースも多く、医療・介護職による見守りと予防的介入が不可欠です。しかし、訪問看護師が週2回訪問しても、週のうち5日間は直接観察できない時間が存在します。この「見えない時間」をどうカバーするかが、熱中症予防の鍵となります。多職種が連携し、それぞれの訪問時や関わりの中で熱中症のリスクサインを早期発見し、タイムリーに情報共有することで、重症化を防ぐことが可能になります。本稿では、各職種の視点を活かした熱中症予防のチーム連携について、実践的なアプローチを解説します。

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    210高齢者の熱中症予防:食事の新常識

    高齢者の熱中症は、毎年7月から8月にかけて救急搬送の主要原因となり、死亡例の約8割を65歳以上が占めています。在宅医療の現場では、熱中症予防として「水分をしっかり摂りましょう」という指導が定番ですが、実は食事からの水分・栄養摂取が予防の鍵を握っていることが近年明らかになってきました。従来、熱中症予防では「1日1.5リットルの水分補給」が強調されてきましたが、高齢者では飲水だけに頼ると低ナトリウム血症のリスクが高まり、また食事量が減少して低栄養を招く悪循環に陥ることがあります。実際、熱中症で搬送された高齢者の約半数に低栄養(BMI<21または血清アルブミン<3.5g/dL)が認められるという報告もあります。在宅医療スタッフには、「水分補給」と「栄養確保」の両立という、一見矛盾する課題への対応が求められています。本資料では、最新のエビデンスに基づいた実践的な食事指導のポイントを解説します。

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    209高齢者の熱中症を予防する生活動作ケア

    高齢者の熱中症は、発症すると重症化しやすく、致死率が高いことが特徴です。特に熱中症を経験した患者は、体温調節機能がさらに低下しており、日常生活動作(ADL)の中で再発リスクが高まります。在宅医療の現場では、入浴、排泄、食事といった基本的なADL介助の場面こそが、熱中症の予防と早期発見の最前線となります。高齢者は温度感覚の鈍化、発汗機能の低下、口渇感の減退という三重のハンディキャップを抱えています。さらに、利尿剤や血圧降下剤などの服薬が脱水を助長することも少なくありません。ADL介助時には、これらの生理的特性を理解した上で、観察と予防的ケアを同時に行うことが求められます。本資料では、在宅医療スタッフが日々の生活動作介助の中で実践できる熱中症予防の具体的な方法について、観察ポイント、安全な介助技術、急変リスクの軽減という3つの視点から解説します。

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    208亡くなった後の医療用麻薬、誰なら動かせる?譲渡と譲受の壁

    患者さんが亡くなった後、自宅には医療用麻薬の残薬が残ることがあります。貼り薬(フェンタニルパッチ)、注射剤、内服薬、さまざまな形で残る可能性があります。遺族がそのまま持ち続けることは認められていません。では、誰が回収・廃棄できるのでしょうか。「善意で動いたのに法律的にアウトになる」ことが起きやすいのが、この場面です。在宅医が「薬局に持っていけばいいだろう」と遺族から受け取って薬局に渡したケースが、都道府県の監査で問題になった例があります。行為のラベルが「譲受」か「譲渡」かで、合法と違法が180度変わります。法律の名前は「麻薬及び向精神薬取締法」(麻向法)です。この法律は、麻薬を動かせる人・動かせる場面を厳密に定めています。在宅医・訪問薬剤師・訪問看護師・遺族が、それぞれどこまで合法に動けるかを整理することが、現場を守ることにつながります。本資料では、「誰なら動かせるか」を中心に整理します。廃棄の具体的な手順(立会い方法・補助簿の記録・届出書の書き方)は別回に譲り、今回は「誰が動かすか」という起点の整理に集中します。なお、都道府県によって監査の解釈に差があります。実際の運用は所轄の保健所または都道府県薬務課の指導を優先してください。

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    207医療用麻薬のレスキューと残薬を"数える"技術 ―― 在庫を見える化する

    在宅で医療用麻薬を使っている患者さんの自宅には、定期薬とレスキュー薬が混在することがあります。定期薬は毎日決まった量が減りますが、レスキュー薬は痛みや呼吸困難が出たときだけ使うため、日によって減り方がまちまちです。その結果、「いま何錠・何枚あるか」が数えにくくなり、在庫が過量になっていても、逆に足りなくなりそうでも、気づきにくくなります。残薬を数えることは、単なる在庫確認ではありません。一包化の袋が日付通りに減っているか、PTPシート(錠剤の個別包装シート)に押し出されていない錠剤が積んでいないか、貼付剤の枚数が合っているか、こうした確認は服薬状況そのものの観察です。残薬が増えているとき、それは飲み忘れだけでなく、飲み込みにくくなっている変化、副作用への不安、あるいは痛みのコントロールができていることのサインかもしれません。在庫の見える化は、1人の職種が担うよりも、訪問薬剤師・訪問看護師・ケアマネジャー・家族が「同じ数え方」を共有してこそ機能します。「数えるのは薬剤師の仕事」と切り分けてしまうと、次の訪問までのあいだの変化が誰にも見えないまま積み重なります。本資料では、定期薬とレスキュー薬が混在する場面での残薬の数え方、見える化のしかた、そして不動在庫・過量をどう早期に拾うかを整理します。ポイントは、①レスキューがある場合の在庫の読み方、②訪問のたびに数える習慣と観察、③不動在庫を早期に拾う仕組みの3つです。

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    206医療用麻薬は実際どう捨てる?中和剤いらずの廃棄方法と届出

    「麻薬の廃棄には中和剤(酢酸や塩酸など)が必要だ」という誤解が、在宅現場に根強く残っています。しかし法令上、廃棄方法として酸・アルカリによる分解は選択肢の一つであり、必須ではありません。求められているのは「麻薬の回収が困難な方法」によることです。中和剤がなくても、正規の方法で廃棄できます。廃棄の方法と届出手続きはセットで理解しないと、実務で迷ったときに手が止まります。さらに、患者さんに一度交付されて返納された「調剤済麻薬」と、施設や薬局が保有する未使用在庫(陳旧麻薬など)では、手続きの種類がまったく異なります。この区別を取り違えると、法令上の問題につながります。本資料では、①廃棄方法(剤型別に何をすれば「回収困難」とみなされるか)と、②届出手続き(誰が・いつ・どこへ)を整理します。また、「下水に流すのは環境に悪いのでは」というよく聞く疑問にも答えます。法令の正確な運用は、最終的には所轄の保健所・都道府県薬務課の指導が優先します。訪問薬剤師と在宅医が日常で出会う「この麻薬、どう捨てたらいいですか」という問いへの、実務的な回答を目指した内容です。

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    205医療用麻薬を自宅で始める日に決めておくこと:在宅導入時の備え

    「麻薬を始めましょう」と医師が判断した日、患者さんや家族は不安を抱えています。そしてその日こそ、現場チームが静かに、しかし確実に決めておかなければならないことがあります。残薬が最後にどこへ戻るか。薬が正しく使われているかをどう確認するか。夜中に痛みが強くなったとき誰がどう動くか。この3つです。在宅での麻薬管理は、病院と違って保管場所が患者宅になります。錠剤・貼付剤・坐剤・注射剤、どの剤形であっても、在宅療養支援診療所と訪問薬局が連携して管理の仕組みを最初に設計しなければ、残薬の行方が誰にもわからない状態になることがあります。亡くなった後に残った麻薬は、麻薬及び向精神薬取締法の規定に基づき、麻薬診療施設(在宅医)が遺族または相続人から「譲り受ける」かたちで引き取り、自院で廃棄したうえで30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を提出するのが合法ルートです(厚生労働省『病院・診療所における麻薬管理マニュアル』参照。最終判断は所轄の保健所・都道府県薬務課の指導が優先します)。だからこそ、導入時に「戻し先は自院か訪問薬局か」を明確にし、その旨を家族へ説明して記録に残しておくことが、後のトラブルを防ぐ最初の約束になります。本資料では、麻薬導入時に決めておくべき3つの設計を整理します。ポイントは、①廃棄ルートと返却者を最初に合意する、②保管場所と残薬確認の仕組みを導入と同時に作る、③レスキュー投与の渡し方と数の管理を24時間体制に組み込む、の3つです。

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    204自宅の医療用麻薬、どう守る:保管・紛失・盗難・誤飲対策

    医療用麻薬は、がんによる痛みや慢性の痛みをかかえる患者さんの生活を支える薬です。しかし、「薬なのだから薬箱に入れておけばいい」という感覚のまま管理されると、家庭内の事故や紛失につながることがあります。自宅という場所は、病院や施設と違い、小さな子どもや孫、ペット、認知症のある家族が同じ空間にいます。保管の状態は、訪問のたびにチームが目で確認できる貴重な機会です。在宅チームが定期的に関わるからこそ、「薬はいつもの場所にありますか」「残りの数は合っていますか」という確認が自然にできます。この習慣が、紛失や事故の早期発見につながります。紛失・盗難・破損が起きた場合は、調剤薬局(麻薬小売業者)が都道府県知事へ麻薬事故届を提出する制度があります。在宅では気づくのが遅れやすいため、残数確認の習慣が「届出が必要な事態を早く見つける」第一歩になります。使用済みの貼付剤(パッチ)は「もう使い終わったゴミ」ではありません。剥がしたあとにも薬剤が残っており、子どもやペットが触れたり舐めたりすると危険です。貼り替えのたびに枚数を数え、使用済みパッチを安全に処理する意識が、チーム全体で共有されていることが大切です。

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    203医療用麻薬を地域で回収:役割分担とローカルルール作り

    在宅で麻薬を使っていた患者さんが亡くなったとき、「誰が残薬を引き取ればいい?」という問いに、正解がひとつではありません。在宅医がすべて引き受けるのが当然と思われることもありますが、それは法令の解釈とも合わない場合があり、一人の職種が抱え込むことで違法リスクと現場負担の両方が生まれます。法令上、麻薬診療施設(在宅医)と麻薬小売業者(薬局)は、死亡患者の遺族または相続人から麻薬を譲り受けて廃棄できます。これは他の医療機関や薬局が交付した薬であっても認められています。廃棄後は30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を提出します(麻薬及び向精神薬取締法・厚生労働省マニュアル根拠)。一方、「在宅医が薬局へ持ち込む」は麻薬の譲渡にあたり、麻薬及び向精神薬取締法第24条の規定から原則として違法と解釈されます。誰が動かせるかを職種ごとに正確に把握することが出発点です。訪問看護師については、「遺族の依頼を受けて薬を運搬する役割」を担えるとする解釈があります。ただし、これも都道府県によって見解が分かれており、「運搬しただけで不正譲渡とは扱わない」とする自治体がある一方で、監査で問題を指摘された例もあります。つまり、地域ごとに所轄の保健所・都道府県薬務課と事前にすり合わせ、地域のローカルルールとして文書化しておくことが、現場の安全を守る唯一の方法です。本資料では、麻薬の残薬回収をめぐる役割分担の整理、導入から"みとり"・廃棄まで一貫した連携の型、そして地域でのローカルルールの作り方という3つのポイントを整理します。大切なのは「誰かが全部抱える」ではなく「地域で役割を分け、動線を決めておく」という発想の転換です。

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    202「医療用麻薬ってなに?」家族の素朴な疑問と、放置がまねく誤飲事故

    「医療麻薬を使うって、依存するんじゃないですか?」。在宅の現場でご家族からよく出てくる言葉です。覚せい剤や薬物乱用のイメージと、医療用麻薬は全く異なります。しかし、その違いをスタッフが押しつけがましく説明してしまうと、ご家族の不安はかえって高まります。まず不安を受け止めること、それが支援の出発点です。在宅医療チームが日常的に意識しておく必要があるのは、医療用麻薬の現実的なリスクです。使い終わった貼付剤(パッチ)は、剥がした後にも有効成分が残っています。これを「普通のゴミ」として捨てると、誤って触れた第三者に影響が出ます。とりわけ小さなお孫さんが口に入れてしまった場合、呼吸の問題など重篤な状態になるリスクがあり、救急事案になりえます。同居する家族が飲み残しに気づかず服用する、という誤飲事故も報告されています。残った医療用麻薬は、処方した薬局または医療機関に返すのが基本的な流れです。在宅医(麻薬診療施設)や訪問薬局(麻薬小売業者)が直接引き取れる場合もあります。「困ったらひと声」と伝えておくだけで、事故の多くは防げます。本資料では、ご家族が持ちやすい誤解をどうほぐすか、残薬・使用済みパッチのリスクをどう伝えるか、そして返却の導線をどのタイミングで案内するかを整理します。

  36. 160

    201独居・身寄りなし・無理解:医療用麻薬に関する "詰みパターン"の現実解

    在宅みとりが増えるにつれて、「麻薬の残薬をどうするか」という問いに向き合う機会も増えています。患者さんが亡くなった後、モルヒネやオキシコドンなどの医療用麻薬が自宅に残っている。誰がどう回収するのか。これは法律上のルールがあるにもかかわらず、現場では「聞いたことがない」「どこに持っていけばいいかわからない」という声が少なくありません。問題が複雑になるのは、独居だった場合や、遺族が不在・連絡が取れない・関わりを拒否する場合です。処方元が複数の医療機関や薬局にまたがっていることもあります。こうした状況で「自分には関係ない」「処方元が違うから対応できない」と立ち止まってしまうと、麻薬は自宅に残り続けます。残薬が放置された状態は、小さな子どもや近隣の人への誤飲リスク、不正使用・転売のリスクを生みます。処方した医師にとっても、患者の死亡後に麻薬の所在が不明になることは管理責任の観点から望ましくありません。「罪に問われるくらいなら手を出さない」という判断は、リスクをなくすのではなく、放置という別のリスクを残します。本資料では、よくある詰みパターンを整理し、現行制度の中で取りうる現実解を示します。制度の谷間が残る部分については断定せず、地域での事前合意の重要性を確認します。なお、法令の解釈・適用については最終的には所轄の保健所や都道府県の薬務課の指導が優先されます。

  37. 159

    200担当者会議を形骸化させない進め方:報告会から判断の場へ戻す

    担当者会議は、本来なら支援方針を見直す大切な場です。しかし目的が曖昧なまま集まると、各職種が順番に報告し、「大きな変化はありません」で終わる会議になりがちです。形骸化した担当者会議では、参加者は忙しい中で集まっているのに、次の行動が変わりません。会議後に残るのは議事録だけで、訪問現場も家族の負担も変わらない。これではチームの時間がもったいないだけでなく、見直すべき変化を逃すことにもつながります。形骸化を防ぐには、会議の目的を毎回明確にする必要があります。全員が全情報を報告する場ではなく、「今回、何を判断するか」を先に置くのです。本資料では、担当者会議を報告会にしないために、①冒頭で今日の判断テーマを決める、②前回ToDoから始める、③終了前に次回までの変化を見る項目を決める、の3つを整理します。

  38. 158

    199家族の発言を担当者会議にどう反映するか:気持ち、事実、希望を分けて扱う

    在宅医療では、ご家族の発言が支援方針に大きく影響します。「最近眠れていない」「本人がもう病院に行きたくないと言っている」「食べてくれなくてつらい」。こうした言葉には、事実、感情、希望、困りごとが混ざっています。家族の発言をそのまま会議に出すことは大切です。しかし、そのまま方針にしてしまうと、家族の一時的な不安や疲労が、本人の意思として扱われてしまうことがあります。逆に、専門職側が「感情的な発言」と受け取って流してしまうと、支援の大事な入口を失います。必要なのは、家族の言葉を軽く扱わず、かといってそのまま決定事項にしないことです。発言を、事実、気持ち、希望、支援ニーズに分けて、担当者会議で扱える形に整えます。本資料では、家族の発言を担当者会議に反映するために、①発言を4つに分ける、②本人の意思と家族の負担を分ける、③会議後の説明を家族に戻す、の3つを整理します。

  39. 157

    198連携が崩れたケースの担当者会議の技:責める前に、情報と役割を組み直す

    在宅医療・介護では、どれだけ丁寧に連携していても、どこかで崩れることがあります。情報が届いていなかった、同じ説明を家族が何度も受けた、訪問者ごとに方針が違った、急な変更が共有されなかった。こうしたことが重なると、患者さんとご家族は不安になります。連携が崩れた時、最初に必要なのは犯人探しではありません。もちろん、重大な事故や安全上の問題があれば検証は必要です。しかし日常の多くの連携不全は、個人の能力や善意の不足ではなく、情報の置き場、役割、連絡ルート、完了確認の設計が崩れて起きます。立て直しで大切なのは、「誰が悪かったか」より「どこで情報が止まったか」「誰が何を担当するはずだったか」「家族には何が伝わっていたか」を見える化することです。本資料では、連携が崩れたケースを立て直すために、①責めずに時系列で整理する、②情報の置き場と連絡ルートを再設計する、③患者・家族への説明を一本化する、の3つを整理します。

  40. 156

    197弱いサインを早めに共有する:「確信がない情報」こそチームで扱う担当者会議

    在宅の急変は、突然起きたように見えても、その前に小さな変化が出ていることがあります。食事量が少し落ちる、返事が短い、歩き方が変わる、家族の表情が硬い、薬が減っていない。ひとつだけでは判断しにくい変化です。この「小さな違和感」は、誰か一人が完璧に見つけるものではありません。訪問看護、訪問介護、薬剤師、リハビリ、ケアマネジャー、ご家族が、それぞれの場面で気づいた小さな情報をつなげることで、はじめて意味を持ちます。問題は、違和感が小さいほど報告しにくいことです。「こんなことで連絡していいのか」「気のせいかもしれない」と感じるうちに、情報が止まります。担当者会議では、何を異常とするかだけでなく、どの程度の違和感なら共有してよいかを決める必要があります。本資料では、急変前の小さな違和感をチームで拾うために、①その人の普段をそろえる、②弱いサインを早めに共有する、③点ではなく線で見る、の3つを整理します。

  41. 155

    196担当者会議に上げるべき情報、上げなくていい情報:会議を長くせず、判断をよくする情報整理

    「担当者会議で情報共有しましょう」と言うのは簡単です。しかし実際には、情報を全部出すと会議は長くなり、必要な判断がぼやけます。逆に、情報を絞りすぎると、現場の違和感や家族の声が消えてしまいます。担当者会議で扱うべき情報とは、単に新しい情報ではありません。患者さんやご家族への支援方針、訪問頻度、薬、栄養、リハビリ、福祉用具、緊急時対応など、次の判断が変わる情報です。一方で、上げなくていい情報もあります。すでに共有済みで変化がない情報、記録に残せば足りる日常経過、担当者間で直接調整すればよい細かな事務連絡です。これらまで会議で扱うと、担当者会議は「報告会」になり、判断の場ではなくなります。本資料では、担当者会議に上げるべき情報と、上げなくていい情報を分ける実務の型を整理します。ポイントは、①判断が変わる情報を優先する、②主観を観察と言葉に直す、③会議に上げない情報の置き場も決める、の3つです。

  42. 154

    195退院前カンファレンスで必ず決めること:家に帰った初日から迷わないための設計

    退院前カンファレンスは、退院日を確認する場ではありません。病院から在宅へ療養の場が移る時に、患者さんとご家族が初日から困らないよう、支援の接続を設計する場です。退院前は、医療情報、介護サービス、家族の不安、住環境、薬、物品、緊急時対応が一気に動きます。そのため、会議で「大丈夫そうですね」と終わると、退院後に小さな穴が見つかります。退院前カンファレンスで決めるべきことは、病気の説明だけではありません。初回訪問は誰がいつ行くのか、薬や物品は家にあるのか、夜間に困った時は誰へ連絡するのか、家族は何をして何をしなくてよいのか。ここまで決める必要があります。本資料では、退院前カンファレンスで必ず決めることを、①退院直後の時間割、②緊急時の連絡ルート、③家族の役割の線引き、の3つに整理します。

  43. 153

    194担当者会議後に動かない問題を防ぐToDo設計:決めたことを現場で動かすための型

    「担当者会議では決まったはずなのに、次の訪問で何も変わっていない」。在宅医療や介護の現場では、このすれ違いがよく起こります。会議そのものは開かれていても、会議後の行動が設計されていないと、患者さんとご家族の生活は変わりません。原因は、専門性の不足ではないことが多いです。決定事項が抽象的、担当が曖昧、期限がない、完了確認の場がない、未完了時の戻しがない。この5つが重なると、良い議論も現場では動きません。ToDoは議事録ではありません。会議で話したことを、誰が見ても同じ行動になる形に翻訳したものです。「様子を見る」「必要時相談」「チームで共有」は、よく使う言葉ですが、そのままではToDoになりません。本資料では、担当者会議後に動かない問題を防ぐために、①決定事項を次の行動に翻訳する、②担当・期限・発火条件・報告先をセットにする、③完了確認と未完了時の戻しを設計する、の3つを整理します。

  44. 152

    193訪問看護・介護・薬剤師・リハが担当者会議で語るポイントの違い:同じ患者さんを違う角度から見るチームの強さ

    在宅医療では、同じ患者さんを複数の職種が支えます。しかし、同じ家に入っていても、見ている場面はまったく同じではありません。訪問看護師は体調変化や医療処置、訪問介護員は生活場面、薬剤師は薬の使われ方、リハビリ職は動作や環境を見ています。担当者会議で価値が出るのは、この「見ているポイントの違い」がつながった時です。ある職種にとっては小さな違和感でも、別の職種の情報と重なると、支援方針を変える根拠になることがあります。逆に、職種ごとの視点の違いが理解されていないと、「それは医療の話ではない」「それは生活の話だから」と分断されます。在宅では、医療と生活は切り離せません。生活の変化が医療の変化を示し、薬の変化が生活動作に影響し、リハビリの観察が介護負担の調整につながります。本資料では、訪問看護、訪問介護、薬剤師、リハビリ職がそれぞれ何を見やすいのかを整理し、担当者会議でどうつなげるかを解説します。

  45. 151

    192足し算リハビリの限界—引き算で守る在宅の長期戦

    在宅リハビリテーションを語るとき、私たちの発想はほぼ自動的に「積み上げ」になります。可動域を広げる、筋力を足す、ADLを増やす、自主トレを処方する、頻度を上げる。リハビリ職種の専門性は「できることを増やす」方向に磨かれており、それ自体は正しい。月曜朝の早期発見、火曜朝の慢性期管理、水曜夕のADL再構築、木曜朝の多職種連携——今週の連載もすべて「どう積み上げるか」を扱ってきました。しかし在宅という現場には、もう一つの真実があります。積み上げ続けたリハビリが、ある日突然すべて崩壊するのです。介護者が腰を痛めて動けなくなる、患者本人が「もう疲れた」とすべての訓練を拒否する、家族関係が訓練のたびに険悪になり別居や施設入所が決まる——病院では起きにくいこの種の破綻が、在宅では日常的に起きます。破綻の根っこは、ほぼ常に同じです。「足し算しかしてこなかった」こと。専門職が善意で処方した自主トレ表、栄養指導、姿勢矯正、福祉用具の使い方が、家庭の容量を超えて積み重なり、ある日全部一緒に倒れる。私たち専門職は「もう少しやれるはず」と善意で言葉を足し、家族は「もう少しやらなきゃ」と善意で背負い、患者本人は「もう少しやれと言われている」と善意で疲弊する。誰も悪意がないまま、システムが壊れます。今週の連載の締めくくりとなる木曜夕は、積み上げの反対側にある思考を扱います。引き算のリハビリ——やめる、減らす、置き換える、休む、目標を下げる。これは「諦め」ではなく、長期戦で勝つための積極的な戦略です。3か月で劇的に改善させて燃え尽きるより、3年続けられる方が、最終的なADLは高く保たれます。在宅リハビリで真に問われているのは、何を足すかではなく、どこで引くかを見極める判断力なのです。

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    191歩けない、立てない時のリハビリ生活再構築術

    在宅療養者の中でも、歩行や立位が困難な方への支援は、在宅医療における最も重要な課題の一つです。病院と異なり、在宅では限られた人員と設備の中で、安全かつ効果的にADL(日常生活動作)を支援する必要があります。特に高齢者では、不適切な介助や観察不足により廃用症候群が進行し、わずか2週間の安静臥床で筋力が10-15%低下するという報告もあります。歩けない、立てない状態であっても、適切な生活再構築により、本人のQOL維持と介護者の負担軽減の両立が可能です。重要なのは「できないこと」に注目するのではなく、「残存機能をいかに活かすか」という視点です。完全介助が必要に見える方でも、声かけのタイミングや介助方法を工夫することで、本人の力を引き出すことができます。本資料では、ADL介助時の観察ポイント、安全な介助テクニック、急変リスクを減らす工夫について、明日から実践できる具体的な方法を提示します。在宅という環境だからこそできる、その人らしい生活の再構築を目指しましょう。

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    190悪化させない!在宅リハビリ継続の黄金ルール

    在宅リハビリテーションにおける最大の課題は、「いかに状態を悪化させずに継続できるか」です。病院と異なり、在宅では医療者の目が届きにくく、利用者さんの微妙な変化を見逃してしまうと、急速な機能低下や再入院につながってしまいます。実際、在宅療養者の約30%が1年以内に再入院しているというデータもあり、その多くは「もう少し早く気づいていれば」というケースです。慢性期管理において重要なのは、「治す」リハビリから「維持し、悪化を防ぐ」リハビリへの視点転換です。脳卒中後遺症、パーキンソン病、廃用症候群など、慢性期の疾患では完全な回復は難しくても、適切な介入で生活の質を保つことは十分可能です。そのためには、状態変化の「兆し」を見逃さない観察眼と、適切なタイミングでの介入が不可欠になります。本資料では、在宅リハビリを安全に継続するための具体的な観察ポイント、危険信号の見分け方、そして訪問頻度の調整方法について、現場ですぐに使える実践的な内容をお伝えします。

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    189転倒・誤嚥・意識低下、在宅リハビリ緊急事態の初動

    在宅でリハビリテーションを受けている高齢者は、日常生活動作の改善を目指す一方で、転倒・誤嚥・意識低下などの緊急事態に直面するリスクを常に抱えています。特にリハビリ中や直後は、身体機能の限界に挑戦している状況であり、予期せぬ事態が発生しやすいタイミングです。訪問リハビリや訪問看護の現場では、これらの緊急事態に遭遇した際、「在宅で対応すべきか」「すぐに救急要請すべきか」という判断を、医師不在の中で瞬時に下さなければなりません。在宅医療における緊急事態の初動対応は、患者の生命予後に直結します。厚生労働省の調査によれば、高齢者の転倒による救急搬送のうち約40%が骨折を伴い、そのうち大腿骨近位部骨折では1年後の歩行能力が受傷前のレベルに戻らない方が約半数を占めます。また、誤嚥による窒息は高齢者の不慮の死亡原因の上位に位置し、意識低下は脳卒中や重症感染症など生命に関わる疾患のサインである可能性があります。本資料では、在宅リハビリ中に発生しうる3大緊急事態について、現場スタッフが判断に迷わないための具体的な初動対応、在宅で対応できる範囲と入院基準、そして119番通報の明確な判断基準を解説します。適切な初期対応により、予防可能な重症化を防ぎ、患者と家族の安心を守ることができます。

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    188PT・OT・ST連携で変わる在宅リハビリ成果

    在宅リハビリテーションにおいて、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の3職種連携は、利用者のQOL向上に不可欠な要素です。それぞれの専門性を活かしながら情報を共有することで、単独での介入では見逃されがちな生活課題を多角的に捉え、包括的なケアプランを構築することができます。在宅という限られた環境では、病院のように毎日顔を合わせることが難しく、各職種が別々の曜日に訪問するケースが大半です。しかし、この物理的な距離があるからこそ、意図的で効率的な情報共有の仕組みが重要になります。例えば、PTが歩行能力の改善を目指しても、OTが把握している認知機能の低下や、STが気づいた嚥下機能の変化を知らなければ、リハビリ計画全体の最適化は困難です。多職種連携による在宅リハビリは、単なる機能訓練を超えて「その人らしい生活」の実現を目指します。看護師、介護職、ケアマネジャーとリハビリ専門職が協働することで、医療的管理と生活支援、そして機能維持・向上が統合され、真に利用者中心のケアが実現されるのです。

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    187訪問リハビリの効果を倍増させる食事戦略

    在宅リハビリテーションの成功には、運動だけでなく適切な栄養管理が不可欠です。筋力トレーニングや歩行訓練などのリハビリを行っても、十分な栄養が供給されなければ筋肉は合成されず、効果は半減してしまいます。特に高齢者は加齢に伴う「筋肉の同化抵抗性」(筋肉が作られにくい状態)があり、若年者よりも多くのたんぱく質を必要とします。しかし、在宅の現場では「食べられるものを食べてもらえばよい」「無理に食べさせるとストレスになる」という考えが根強く、リハビリと栄養を一体的に考える視点が欠けていることが少なくありません。近年の研究では、リハビリの前後に特定の栄養素を摂取するタイミング栄養学や、高齢者に必要なたんぱく質量の見直しが進んでおり、従来の常識が大きく変わりつつあります。本資料では、最新のエビデンスに基づいた「リハビリ効果を最大化する食事戦略」を、低栄養リスクとのバランスを考慮しながら、在宅で実践できる形で解説します。

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「在宅医療って、実際どうなの?」その疑問に現場の医師がお答えします。名古屋市天白区の「ごうホームクリニック」は、24時間365日対応の機能強化型の在宅クリニックです。約600名の患者さんの「おうちで過ごしたい」という願いに寄り添い、年間100件超の看取り・緊急往診、人工呼吸器を使う方や医療的ケアが必要なお子さんの在宅サポートなど、地域の在宅医療を支えています。このポッドキャストでは、病院では教わらない在宅医療の実践知をお届けします。・高齢者の「いつもと違う」を見逃さないプロの眼・在宅での急変時、何を見て何を伝えるか・ご家族への説明で大切にしていること・訪問診療チームの連携の実際医療・介護に携わる専門職の方の学びに、そしてご家族の介護に向き合う皆さんの安心につながれば幸いです。移動中でも、家事をしながらでも、「聴く在宅医療」をぜひご活用ください。

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「在宅医療って、実際どうなの?」その疑問に現場の医師がお答えします。名古屋市天白区の「ごうホームクリニック」は、24時間365日対応の機能強化型の在宅クリニックです。約600名の患者さんの「おうちで過ごしたい」という願いに寄り添い、年間100件超の看取り・緊急往診、人工呼吸器を使う方や医療的ケアが必要なお子さんの在宅サポートなど、地域の在宅医療を支えています。このポッドキャストでは、病院では教わらない在宅医療の実践知をお届けします。・高齢者の「いつもと違う」を見逃さないプロの眼・在宅での急変時、何を見て何を伝えるか・ご家族への説明で大切にしていること・訪問診療チームの連携の実際医療・介護に携わ...

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