EPISODE · Sep 13, 2026 · 17 MIN
287ケアマネが気づく「昨夜の異変」共有術
from おうちで診る医療|名古屋発!ごうホームクリニックの在宅医療ポッドキャスト · host Go Ito
在宅高齢者のケアにおいて、「昨夜よく眠れなかった」という一言は、単なる生活上の不満ではなく、身体の不調・薬剤の副作用・環境の変化・そして生活の破綻を告げる最初のサインであることが少なくありません。加齢に伴い、深いノンレム睡眠は減少し、中途覚醒(ちゅうとかくせい)や早朝覚醒(そうちょうかくせい)が増え、睡眠と覚醒のリズムは前倒しになります。これは病気ではなく自然な変化ですが、本人や家族が「昔のように眠れない=異常だ」と受け止めることで、睡眠薬への依存が始まりやすい構造があります。一方で、高齢者への睡眠薬、特にベンゾジアゼピン系(べんぞじあぜぴんけい)の薬剤は、転倒(てんとう)・骨折、日中の傾眠(けいみん)、認知機能低下、せん妄(せんもう)の誘発といったリスクと隣り合わせです。日本老年医学会の「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は「特に慎重な投与を要する薬物」のリストに挙げられています。つまり在宅の現場では、眠れないことのリスクと、眠らせる薬のリスクの両方を同時に見張る必要があるということです。ここで決定的に重要なのが、多職種連携です。医師が診察室や短い訪問診療の場で見られるのは、その人の一日のごく一部にすぎません。夜間の様子を知っているのは家族であり、朝の状態を見ているのはヘルパーであり、日中の傾眠に気づくのはデイサービスの職員であり、残薬(ざんやく)の増減を知っているのは薬剤師や訪問看護師です。そして、それらの断片をつなぎ、一つの物語に編集して主治医に届けられる立場にいるのがケアマネジャーです。本資料では、各職種が気づきやすいサイン、情報共有の技術、そしてカンファレンスの使い方を、明日から使える形で整理します。
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