EPISODE · Sep 13, 2026 · 19 MIN
291「眠れない」の裏に隠れた病気を見抜く
from おうちで診る医療|名古屋発!ごうホームクリニックの在宅医療ポッドキャスト · host Go Ito
在宅の現場で最も多く聞く訴えのひとつが「夜、眠れない」です。日本の調査では、65歳以上の高齢者のおよそ3割が何らかの不眠症状(入眠障害(にゅうみんしょうがい)、中途覚醒(ちゅうとかくせい)、早朝覚醒(そうちょうかくせい)、熟眠感(じゅくみんかん)の欠如)を自覚しているとされ、加齢に伴って睡眠は浅く短く、分断されやすくなります。つまり「年のせいで眠りが浅い」という説明は、ある程度までは生理的に正しい。ここに落とし穴があります。問題は、高齢者の不眠のかなりの部分が、加齢変化ではなく別の病気の「最初の症状」として現れることです。うつ病、せん妄(せんもう)、心不全(しんふぜん)の悪化、睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)、むずむず脚症候群(むずむずあししょうこうぐん)、レム睡眠行動障害(レムすいみんこうどうしょうがい)、疼痛(とうつう)、掻痒(そうよう)、夜間頻尿(やかんひんにょう)、薬剤の副作用。これらは、いずれも「眠れない」という一言に集約されてしまいます。そして「眠れない」と言われた瞬間に睡眠薬が処方されると、背後の病気は診断されないまま、転倒・骨折・せん妄・誤嚥(ごえん)のリスクだけが上乗せされます。在宅医療スタッフの強みは、病院の外来では絶対に見えない「生活の場」を直接観察できることにあります。寝室の様子、枕元の物、夜間のトイレの回数、家族の表情。訪問の5分間で拾える情報は、外来10分の問診をはるかに超えます。この資料では、「眠れない」を睡眠薬の適応ではなく、鑑別診断のスタートラインとして扱うための視点を整理します。
Embed this episode
Ready to play
291「眠れない」の裏に隠れた病気を見抜く
No transcript for this episode yet
Similar Episodes
No similar episodes found.
Similar Podcasts
No similar podcasts found.