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EPISODE · Sep 13, 2026 · 18 MIN

292夕食の炭水化物が眠りを変える理由

from おうちで診る医療|名古屋発!ごうホームクリニックの在宅医療ポッドキャスト · host Go Ito

在宅の現場で「夜、眠れない」という訴えは、発熱や疼痛(とうつう)と並んで相談件数の多い症状です。そして多くの場合、最初に検討されるのが睡眠薬(すいみんやく)の追加や増量です。しかし高齢者では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は転倒・骨折、日中の傾眠(けいみん)、認知機能低下、せん妄(せんもう)の誘因となることが知られており、日本老年医学会の「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」でも、特に慎重な投与を要する薬物として明記されています。薬を足す前に、生活と栄養の側から手を打てる余地がどれだけあるか。ここに在宅チームの腕の見せどころがあります。その中でも、これまで軽視されてきたのが「夕食の炭水化物」です。炭水化物は睡眠と直結する三つの経路を持っています。第一に、インスリンの分泌(ぶんぴつ)を介して、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となるアミノ酸トリプトファンの脳への取り込みを助ける経路。第二に、夜間の血糖(けっとう)を安定させ、夜間低血糖(やかんていけっとう)による中途覚醒(ちゅうとかくせい)を防ぐ経路。第三に、1日の総エネルギー確保を通じて低栄養とサルコペニア(加齢による筋肉量・筋力の低下)を防ぐ経路です。ところが世間には「夜の炭水化物は太るから抜く」「寝る前は食べない」という常識が根強く、これを高齢者にそのまま当てはめると、エネルギー不足と夜間低血糖を招き、かえって眠りを壊します。一方で最新の疫学研究は「炭水化物なら何でもよい」わけでもないことを示しています。本資料では、この「量を減らすのではなく、質と時間を整える」という考え方を、在宅スタッフが明日から使える形に落とし込みます。

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