EPISODE · May 23, 2026 · 37 MIN
#72 『静かな時間の使い方』(安斎勇樹著)
from BOOK 沼 RADIO · host BOOK 沼 RADIO
今回はカフカの選書。 安斎勇樹さんの著書『静かな時間の使い方』を取り上げます。 現代社会は、SNSのフォロワー数や会社のKPIといった「市場のスコア」、世間体などの「社会の規範」といった、著者が「ソーシャルノイズ」と呼ぶ情報に溢れています。本書は、こうしたノイズから物理的に距離を置き、静かな時間の中で「リフレクション(内省)」を行うことで、自分自身の内なる声と言語化を取り戻す重要性を説いています。「分析的」と「物語的」という2つのリフレクション。成果をロジックで振り返るだけでなく、自分の熱意や直感を「物語」として意味づけすることで、初めて自分の納得感につながるという視点です。 さらに、「信念」に至るためのステップアップとして、「感情」、「技術」、「興味」という3つの階層を丁寧にリフレクションする。そうすることで、自分の才能が発動する条件である「信念」が形を帯びてくるプロセスが紹介されています。この回では、元アスリートとして「才能の有無」というアンフェアな世界にいた経験から、自身の信念を「フェア(対等)」であることだと再定義するカフカの自己分析と、復職後に「効率」だけを求めて働く中で「没入」という感覚を失い、バイタリティを削削されているオカの実感を交えて議論します。特に、余裕がなくなった時に「相手のせい」にしてしまう衝動を、いかにしてリフレクションという「理性」で飼いならすかという切実な問いについて深く語り合います。最終的に、私たちは「どれだけ時間やお金を確保しても、自分の内側の声を言語化しない限り満たされない」という、デジタル社会における幸福の核心に立ち返ります。
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