EPISODE · Aug 3, 2026 · 1H 20M
高齢化は成長を止めるのか 【海外シンクタンク記事分析】
from PEP Talk - 社会の本を深掘り! · host 政策起業家プラットフォーム
人口減少と高齢化が進むと、働き手が減り、医療、交通、商業、行政サービスを維持する条件も変わります。ただし、経済への影響は人口の数だけでは決まりません。企業が省力化投資や業務再設計を進められるか、年齢を重ねても働き続けられる制度を整えられるか、人口流出が続く地域で生活基盤をどう支えるかによって、成長と負担の姿は変わります。今回のエピソード「高齢化は成長を止めるのか」では、カナダ、英国、日本を扱う3本の記事を紹介します。一本目では、働き手の希少化が技術投資と生産性向上を促す可能性を検討します。二本目では、雇用、保健・医療、技能、介護、住宅、消費を職業人生全体でつなぐ「長寿経済」を取り上げます。三本目では、若い世代の人口移動によって人口減少と高齢化が特定の地域に集中する仕組みと、地域支援が全国の生産性や財政に及ぼす影響を考えます。■キーワード人口減少/高齢化/省力化投資/労働参加/長寿経済/就業継続/人口移動/地域政策00:00 イントロダクション01:11 カナダの高齢化と技術投資26:27 英国の長寿経済51:37 日本の人口移動と地域支援■今回のトピック[01:11] カナダの高齢化と技術投資 — 人手不足は生産性向上につながるかMacdonald-Laurier Instituteに掲載されたトレバー・トンベ教授の論考をもとに、高齢化による労働参加率の低下と、働き手の希少化によって生じる経済の適応を取り上げます。記事は、企業による自動化や省力化技術の導入、研究開発集約型産業への移行、生産性の上昇によって、人口減少の影響が一部相殺され得ると論じます。本エピソードでは、出生率、高齢者比率、実際の労働供給を区別する必要性や、過去の人口変化から将来の急速な高齢化を推論する際の限界を議論しました。また、技術が存在するだけでは生産性は上がらず、資金調達、経営能力、データ整備、従業員訓練、業務再設計、労働や資本の移動が必要になることを確認します。GDPが維持されても、医療提供、財政、若者の技能形成、地域格差に別の負担が残り得る点も考えました。出典: Macdonald-Laurier Institute, "Population aging doesn’t have to slow us down: Trevor Tombe in The Hub"[26:27] 英国の長寿経済 — 長く働き、参加できる条件をどう整えるかInternational Longevity Centre UKのブリーフィングをもとに、長寿化を経済成長へ結び付ける政策構想を取り上げます。記事は、福祉、技能、保健・医療、雇用、住宅、消費を別々に扱うのではなく、長い職業人生を支える一つの戦略として組み合わせる必要があると主張します。本エピソードでは、高齢者の就業率、健康状態と労働参加、50歳以上の世帯による消費支出を成長余地として捉える際の前提を検討しました。健康が改善しても、適合する仕事、職務調整、介護、交通、住宅がなければ就業継続にはつながりません。政策の成果を参加人数だけで測らず、定着、賃金、健康、本人の選択、地域の実施能力をどのように評価するかを議論しました。出典: International Longevity Centre UK, "Why now - delivering good growth through the longevity economy"[51:37] 日本の人口移動と地域支援 — 生活基盤と全国効率のトレードオフCEPRの政策論考サイトVoxEUの記事をもとに、日本の人口減少と高齢化を地域間の人口移動から分析します。記事は、若い世代が都市へ移ると、流出元では現役世代だけでなく将来の出生も減り、店舗や医療、交通、行政サービスを支える利用者、働き手、納税基盤が縮小すると指摘します。記事が示す地域所得支援の試算では、東京の住民への課税を財源として、最も高齢な5県の住民へ所得の5%相当を100年間移転すると、地域の人口と高齢者比率は改善する一方、全国の一人当たり労働所得と財政支出には費用が生じます。本エピソードでは、この長期モデルの前提や、施設数と実際のサービスアクセスの違いを確認しました。また、地域人口をそのまま維持する政策だけでなく、施設や交通の広域連携、拠点への集約、移動支援などを通じて、住民の生活をどう守るかを考えました。出典: CEPR / VoxEU, "Living in a ghost town: The geography of depopulation and ageing"■PEP ThinkとはPEP Thinkは、世界のシンクタンクの最新の論考を手がかりに、日本のビジネスと政策のこれからを一緒に考えていく番組です。■YouTubeでも配信中PEPのYouTubeチャンネルはこちら■登壇者馬田 隆明(PEPディレクター)■主催政策起業家プラットフォーム(PEP)公益財団法人 国際文化会館
Embed this episode
Ready to play
高齢化は成長を止めるのか 【海外シンクタンク記事分析】
No transcript for this episode yet
Similar Episodes
No similar episodes found.
Similar Podcasts
No similar podcasts found.