EPISODE · Sep 16, 2026 · 57 MIN
ケアを誰が担い、どう支えるのか 【海外シンクタンク記事分析】
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子育てや介護では、家族自身がケアを担う場合もあれば、保育や介護の専門職に委ねる場合もあります。サービスを利用しやすくするには、家計の負担を軽減するだけでなく、施設や人材を確保することも必要です。さらに、家族が仕事を休んでケアを担う場合には、その間の所得をどう支えるかという課題も生じます。今回のエピソード「ケアを誰が担い、どう支えるのか」では、こうしたケアを支える仕組みを3本の記事から考えます。一本目では、保育料を引き下げたカナダで生じた供給不足を取り上げ、料金、申請支援、利用可能な保育の供給をどのように組み合わせるかを考えます。二本目では、英国の介護人材について、賃金や労働条件、人材育成、定着、国際採用を長期的な人材戦略として捉えます。三本目では、ワシントンD.C.の有給家族・医療休暇をめぐり、特定の給付のために集めた資金と給付の関係、制度を利用するための条件、休業後の就業継続について議論します。3本を通じて、利用できるケアサービス、その担い手、家族がケアに充てる時間と所得保障が、どのように関わり合っているのかを考えます。00:00 イントロダクション00:54 保育料引下げと供給不足 — 必要な家庭に保育をどう届けるか18:58 介護人材の確保 — 賃金・育成・定着・国際採用をどうつなぐか37:31 有給家族・医療休暇 — 専用財源と給付の関係をどう保つか■キーワードケア政策/保育供給/保育アクセス/介護人材/公正賃金協定/外国人介護人材/有給家族・医療休暇/社会保険財源■今回のトピック00:54 保育料引下げと供給不足 — 必要な家庭に保育をどう届けるかC.D. Howe Instituteの記事をもとに、カナダで保育料を引き下げた後も残る供給不足を取り上げます。記事は、施設や人材の供給拡大に加え、所得に応じた料金や、対象外の保育にも利用できる給付付き税額控除を提案しています。本エピソードでは、料金の引下げだけでなく、情報提供や申請支援、支援を受け取る時期、場所や時間帯に応じた保育供給まで含めて議論しました。ドイツで約600世帯を対象に行われた実験や、カナダ・ケベック州の前払いの仕組み、日本の保育所の利用状況や「こども誰でも通園制度」にも触れながら、保育を利用したい家庭がどの段階で利用に進めなくなるのか、何を政策の成果として測るのかを考えました。出典:C.D. Howe Institute, "Canada’s Childcare Plan: Affordable, but Still Out of Reach"https://cdhowe.org/publication/canadas-childcare-plan-affordable-but-still-out-of-reach/18:58 介護人材の確保 — 賃金・育成・定着・国際採用をどうつなぐかThe Health Foundationの記事をもとに、英国の介護人材政策を取り上げます。記事では、技能や経験に応じて賃金が上がる共通の賃金体系が世論調査で最も多く選ばれ、賃金や労働条件、訓練、国際採用を長期的な人材戦略として考える必要性が示されています。本エピソードでは、採用人数だけでなく、経験を積んだ職員が働き続け、次の職員を育てられる状態をどうつくるかを議論しました。英国の賃金や定着に関する研究、公正賃金協定と自治体から事業者への資金の流れ、日本の介護職員等処遇改善加算、外国人介護人材の資格取得や在留資格にも触れながら、公的な支援を賃金、学習機会、キャリア形成にどう結びつけるかを考えました。出典:The Health Foundation, "As Burnham focuses on the social care workforce, what are the public’s priorities?"https://www.health.org.uk/features-and-opinion/blogs/as-burnham-focuses-on-the-social-care-workforce-what-are-the-public-s37:31 有給家族・医療休暇 — 専用財源と給付の関係をどう保つかNiskanen Centerの記事をもとに、ワシントンD.C.で、有給家族・医療休暇の給付を削減する一方、給与税率を維持し、余剰資金を一般財源へ移す政策を取り上げます。記事は、給付のために集めた負担と給付の関係が損なわれることを問題視しています。本エピソードでは、制度の収支と政府全体の財政を分けて捉え、余剰と判断する前に、将来どの程度の利用を見込むのか、必要なのに制度を利用できていない人がいないかを確認する必要性を議論しました。日本の育児休業給付の財政運営、給付と雇用保護の違い、介護休業後の就業継続にも触れながら、公的支出が減ったとき、その分のケアに必要な時間や費用を最終的に誰が担うのかを考えました。出典:Niskanen Center, "D.C.'s Paid Family Leave cuts take the 'trust' out of 'trust fund'"https://www.niskanencenter.org/d-c-s-paid-family-leave-cuts-take-the-trust-out-of-trust-fund/■PEP ThinkとはPEP Thinkは、世界のシンクタンクの最新の論考を手がかりに、日本のビジネスと政策のこれからを一緒に考えていく番組です。■YouTubeでも配信中PEP のYouTubeチャンネルはこちら■登壇者馬田 隆明(PEPディレクター)■主催政策起業家プラットフォーム(PEP)公益財団法人 国際文化会館
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