EPISODE · Sep 3, 2023 · 17 MIN
ここから始めよう(稲葉基嗣) – フィリピ2:12−18
from 小山ナザレン教会 · host 小山ナザレン教会
2023年9月3日 三位一体後13主日 説教題:ここから始めよう 聖書:フィリピの信徒への手紙 2:12−18、創世記 15:5−6、マタイによる福音書 5:14−16、詩編27 説教者:稲葉基嗣 ----- 【説教要旨】 一方的な神の恵みによって、救いは、贈り物としてすべての人のもとに訪れ、わたしたちは神の子どもとされています。でも、「自分の救いを達成するように努めなさい」(12節)というパウロの言葉は、それと正反対のものに感じます。まるでわたしたちのとった行動によって、救いが完成するような印象さえ受けます。 パウロが言いたいのはもちろん、そのようなことではありません。パウロが言いたいことは、彼がフィリピ教会の人びとに「ひたすらキリストの福音にふさわしい生活を送りなさい」(1:27)と既に伝えていたことです。キリストを通して既に起きた出来事は、単に過去に起こった喜ぶべきものではなく、今のわたしたち自身の生き方にも大きな影響を及ぼすものです。 救いを与えられたわたしたち自身は、その救いをあずかっている現実をどのように生きるのかを神から委ねられています。その救いの現実が信仰者の心の中に留まるだけでなく、人格と生活のすべてに、外へ外へと広がっていくことをパウロは願いました。 同時に、いやそれ以上に、パウロはフィリピ教会の交わりが福音にふさわしく、救いの現実を生きるものであってほしいと願っています。キリストが与えてくださったものをこの交わりの中で、発見し、その発見を喜んで、そして味わってほしいというのがパウロの願いです。フィリピ教会が福音にふさわしく生きるならば、救いの現実を生きることに努めるならば、彼らは交わりの中でキリストの愛や憐れみや慰めを見出すことができます。キリストを通して与えられたものをお互いに分かち合いたいと願うからです。 それにしても、パウロの語ることは無理難題に思えます。不平不満や、誰かを見下す思いや、お互いをけなしあったり、自分中心であることは、フィリピ教会の中にもあったでしょう。けれども、そんな現実を乗り越えて、お互いにへりくだり、相手を尊重する交わりを教会が形作っていくことができると、パウロは信じています。神は教会に集う一人ひとりに働きかけて一人ひとりを新しく造り変えることが出来る方だからです(2:15−16)。 神はすべての人を分け隔てなく教会へと招いているのですから、特定の人が集まるグループよりもたくさんの問題が教会には集まります。でも、パウロは、教会という交わりの中に神の力が働き、ここに集う人びとを地上の星のように輝かせてくださると信じています。神は、小さなわたしたちの存在を通して、この世界を照らそうと願っています。ここから、この教会の交わりから、神はこの世界を照らし出そうとしています。この交わりに集うわたしたちを少しずつキリストに似たものへと変えることを通して。
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