「片頭痛=片側」は誤り|脳神経外科医が明かす頭痛の見分け方 episode artwork

EPISODE · Jul 16, 2026 · 11 MIN

「片頭痛=片側」は誤り|脳神経外科医が明かす頭痛の見分け方

from 岡大徳のポッドキャスト · host 岡大徳 and 山本俊|頭痛×AIエージェント×脳外科医

頭痛に悩む多くの人が、市販の痛み止めで我慢したまま暮らしています。この我慢は、頭痛外来にたどり着く人の少なさと、「画像に異常がない」で終わってしまう診療経験に支えられています。そこで今回は、脳神経外科専門医の山本俊先生に、頭痛外来の診察と治療の実際を聞きました。山本先生が伝えるのは、頭痛は正しく見分ければ減らせるという事実です。第一に、診察はまず命に関わる危険な頭痛を除外することから始まります。第二に、片頭痛と緊張型頭痛を分ける決定的な違いは、痛む場所ではなく光・音・においの過敏症状です。第三に、予防治療は月15回の片頭痛を10回、5回へと減らします。診察は危険な頭痛の除外から始まる山本先生の診察は、頭痛そのものではなく、頭痛による生活の支障を聞くことから始まります。緊張して診察室に入る患者に、いきなり痛みの性状を尋ねても、実際の困りごとは見えてきません。生活の支障を先に聞く姿勢が、患者中心の診療の入口になります。生活の支障を確認したうえで、山本先生は患者を2つのパターンに分けます。ひとつは、これまで経験のない頭痛が起きて来院する人です。もうひとつは、長年同じ頭痛で困り続けてきた人です。この2つのどちらに当てはまるかが、その後の診察の進み方を決めます。前者の「これまで経験のない頭痛」では、命に関わる頭痛を念頭に置いた質問が続きます。「人生で初めての頭痛ですか」「これまで経験がない頭痛ですか」「突然の頭痛ですか」。脳神経外科医として、山本先生はこの除外を最も大切にしています。危険な頭痛の除外には、MRI検査が欠かせません。ただし、山本先生は画像に異常がないことを終着点にしません。画像に異常がなくても起こる頭痛を一次性頭痛と呼び、その代表が片頭痛と緊張型頭痛です。「ここで終わりではないですよ」という一言が、次の治療への扉を開きます。片頭痛と緊張型頭痛を分けるのは過敏症状一次性頭痛の治療では、片頭痛と緊張型頭痛の見分けが出発点になります。この2つを分ける最大の違いは、過敏症状の有無です。過敏症状は、国際的な診断基準にも含まれる条件です。代表的な過敏症状は3つあります。光の過敏は、暗いところに行きたくなる形で現れます。音の過敏は、静かなところに行きたくなる形で現れます。においの過敏は、香水や人混みのにおいで頭痛が悪化する形で現れます。3つ目のにおいの過敏は注目されにくいものの、診断の手がかりとして重要です。過敏症状を基準に置くと、「頭の片側が痛むから片頭痛」という理解は正しくないとわかります。痛む場所は、片頭痛と緊張型頭痛を分ける決定的な条件ではありません。片頭痛の患者に緊張型頭痛が起こることもあり、複数の頭痛が混ざる状態は珍しくありません。医師でも判断が難しいからこそ、山本先生は診断基準を軸に据えています。予防治療は月15回の片頭痛を5回に減らす見分けができるようになると、患者は自分の頭痛を自分で分析できるようになります。山本先生は診断基準をスライドで詳しく説明し、判断力を患者と一緒に育てます。その結果、「先月は緊張型頭痛が多かった」「今月は片頭痛が多くて辛かった」と、患者自身が言葉にできるようになります。自己理解が進んだ患者に対して、山本先生が特に重視するのが予防治療です。予防治療は、痛みが起きてから抑えるのではなく、頭痛の回数そのものを減らすことを目指します。片頭痛には専用の薬があり、治療法は大きく進歩しています。予防治療の効果は、患者自身が数えられる形で現れます。月に15回あった片頭痛が、治療を続けるうちに10回になり、5回になります。この減り方を患者が自分で実感できることを、山本先生は診療の共有目標としています。まとめ:我慢せず、頭痛専門医への一歩を頭痛は、正しく見分ければ減らせます。診察はまず命に関わる危険な頭痛の除外から始まります。片頭痛と緊張型頭痛を分けるのは、痛む場所ではなく光・音・においの過敏症状です。そして予防治療は、月15回の片頭痛を5回へと減らします。それでも多くの人が、イブやバファリンなどの市販薬で我慢し続けています。母親が我慢する姿を見て育った人もいれば、「画像に異常はない」とロキソニンを渡されて終わった人もいます。しかし、頭痛をわかってくれる専門医は日本全国にいます。我慢をやめて受診する一歩が、生活の質を大きく変え、人生が変わるような経験につながります。山本俊先生からの発信をもっと受け取りたい方へ山本俊先生は、頭痛外来で患者と向き合いながら、AIを使った研究にも取り組む脳神経外科専門医です。メルマガでは、頭痛に悩む方へ専門家だから届けられる最新の治療情報を、医療従事者やAIに関心のある方へ研究・知的生産にAIエージェントを組み込む実例を、毎週土曜日に発信しています。▶ 山本俊の「頭痛」と「脳」のメルマガ Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

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