EPISODE · Mar 29, 2026 · 19 MIN
平和の王の叫び声を聞け(稲葉基嗣) – ヨハネ 12:12–19
from 小山ナザレン教会 · host 小山ナザレン教会
2026年3月29日 しゅろの主日説教題:平和の王の叫び声を聞け聖書: ヨハネによる福音書 12:12–19、ゼカリヤ書 9:9–10、詩編 24、エフェソの信徒への手紙 2:8–10説教者:稲葉基嗣 -----ナツメヤシの枝を持って、イエスさまを出迎えた人々のその心に思い描いた救い主メシアの姿は、政治的・軍事的な、暴力的な解放をもたらす人でした。でも、イエスさまは明らかに、彼らの声に応えようとはしませんでした。この時、イエスさまは子ロバに乗ってエルサレムへと入城しました。人々から歓迎され、イスラエルの王と呼ばれる人が軍馬ではなく、子ロバに乗って現れるだなんて、想像すると何だかおかしな光景です。弱く、力のない、子ロバをイエスさまは選び、エルサレムへと入城します。それは、軍事的な指導者や政治的な解放者とは正反対のイメージです。ヨハネ福音書を読み進めていくとこの叫び声は暴力的なものに変わっていきます。イエスさまが逮捕されると、彼らの叫び声は、彼らが期待していたイエスさまのことを拒絶するものへと変貌していきました。イエスさまの釈放を拒絶し「殺せ、殺せ、十字架につけろ」と彼らは叫び続けました。イエスさまは、これが私たち人間の現実であり、私たちが生きる世界が抱え続けている問題であるとよくわかっていました。だからこそ、そのような叫び声に反対するような、イエスさまの叫び声もまた、ヨハネ福音書の中には記録されています。イエスさまは、病気によって亡くなり、お墓に葬られたラザロに向かって、「ラザロ、出て来なさい」(11:43)と叫びました。イエスさまが何よりも、私たちに向かって、そしてこの世界全体に向かって叫んでいるのは、死から命へと向かっていく呼びかけです。そして、豊かな命を抱いて生きるようにと呼びかけるイエスさまは、「渇いている人は誰でも、私のもとに来て飲みなさい」(7:37)とも叫びました。私たちに対するイエスさまの願いは明らかに、私たちがお互いの豊かな命を喜んで受け止めて、生きていく道に他なりません。ヨハネ福音書が紹介する、きょうの物語に耳を傾ける時、私たちのもとに騒がしいほどに響き渡るのは、群衆の熱狂的な叫び声です。自分たちが命を得るためにならば、暴力は厭わない。それは、今も変わらずに、私たちの世界で響き続けている叫び声です。けれども、私たちにとっての大きな希望は、死から命へと呼びかける、イエスさまのあの叫び声がこの世界に響いていることです。それは、力ではなく、弱さを尊いものと考える叫び声です。憎しみではなく、愛情に支配されることを望む叫び声です。争いではなく、和解を追求する叫び声です。
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平和の王の叫び声を聞け(稲葉基嗣) – ヨハネ 12:12–19
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