EPISODE · May 8, 2026 · 4 MIN
【ライブレポート】東⽅神起、20周年を締めくくる記念ライブを日産スタジアムで開催「ここにいる皆さんが僕たちのアイデンティティです」
from Music News Japan · host keisuke horota
https://barks.jp/news/1065249 日本デビュー20周年を迎えた東方神起が、4月25日・26日の2日間にわたり、アニバーサリーイヤーを締めくくる記念ライブ<東⽅神起 20th Anniversary LIVE IN NISSAN STADIUM ~RED OCEAN~>を横浜市・日産スタジアムで開催した。 同会場では2013年に海外アーティスト史上初となる公演を行い、2018年には前人未踏の3DAYS公演を実施。豪雨の中で繰り広げられた最終日は、今なお伝説のライブとしてファンの胸に刻まれている。それから8年。海外アーティスト史上最多という新たな記録を打ち立てた自身3度目の日産スタジアム公演には2日間で約13万人を動員。国内外から祝福に駆けつけたファンが巨大なスタジアムを赤く染め上げた。 2日間のライブは、緻密に練り上げられた構成とスペクタクルなセット、空の変化や静寂すら味方につけた演出で観客を魅了。柔と剛が同居する円熟したパフォーマンスで、自身最多となる全31曲を3時間半にわたって披露し、ファンとの約束の地で、20周年を集大成するステージを作りあげた。4月27日が日本デビュー記念日の彼らにとって20周年の最終日となった2日目をレポートする。 東方神起の新たな伝説は予想の斜め上をいく幕開けだった。会場がまだ明るい開演時刻の17時にオープニング映像がスタート。春らしい陽気と野外の開放感も手伝って、スタジアムに穏やかな空気が流れている。VTRが明けると、メインステージから伸びた両サイドの花道に二人がそっと姿を現した。あまりにも静かな始まりに、歓声が一拍遅れて湧き上がる。 1曲目は「Small Talk」。コロナ禍の2020年、会えない時間が続く中で、“大切なものだけは失わない”というメッセージを込めて作られた曲だ。澄んだ青空に二人の歌声が溶けていく。サビに差し掛かると、二人は花道をゆっくり歩きながらメインステージへと移動。その動きとともに、歓声がざわめきへと変わり、スタジアム全体に広がっていった。 メインステージに到着した二人は正面LEDスクリーンに組み込まれたエレベーターに乗り込み、地上15メートルの高さへ。次の瞬間、それまでの静けさを切り裂くように「Reboot」の勇壮なイントロが鳴り響いた。正面中央のLEDスクリーンが左右に開き、バンドとダンサーが登場。二人は空中に架けられたブリッジに姿を現し、彼らがいる場所へと下降していく。1ヴァース歌い終えたところで演奏が止むと、悲鳴に似た大歓声がスタジアムを揺らし、サビの始まりと同時に火花がスパーク。いよいよ、伝説が始まりを告げた。 歌いながら二人は左右の花道上を通るムービンステージ(以下ムビステ)へと移動し、客席後方のエンドステージへ。間奏でユンホは「いよいよ2026日産スタジアム、始まります!思い切り楽しんでくれますか?Are You Ready!」と声を上げ、チャンミンも「気合い入ってますかー? 盛り上がっていこう!」とシャウト。二人の言葉に観客が大きく応え、会場が次第にヒートアップしていく。 この一連の流れは、過去2度の日産スタジアム公演を組み合わせたような演出だった。「Reboot」は前回公演のオープニングナンバーであり、ムビステでの移動も同公演の再現。今回のステージセットは、サッカーフィールドの外周をすっぽり囲うような構造で、前々回の記憶を蘇らせる。さらに、「Reboot」登場時の、黒いマントを着て目深にパーカを被った姿は、2014年の「TREE」ツアーのオープニングを彷彿させるもの。今回のライブは「過去と今をつなぐ」。そうしたテーマを感じさせる導入だった。 エンドステージに移動後、「Why? [Keep Your Head Down]」が始まると、会場の熱気はこの日最初のピークへ。観客が返す「なんで なんで なんで」のコールがスタジアムいっぱいにこだまする。このエンドステージは、中央の円形部分から左右に細長いランウェイが延びる絆創膏のような形になっていて、全体がリフトアップしながら回転。さらに、ビートに合わせて円形部分の周りで炎が吹き上がり、迫力満点のパフォーマンスで観客の視線を奪っていく。 続く「Choosey Lover」「Special One」では、ミドルテンポのファンキービートでスタイリッシュなステージを展開。メインステージに戻る際には、ユンホとチャンミンが先程と左右逆のムビステで移動し、この時点で二人は会場全体を巡ったことになる。その間も花道内側のアリーナ、外側のスタンドへと、体の向きを変えながらパフォーマンス。観客との距離の近さを感じさせるステージングで巨大な会場をひとつにまとめあげていった。 場面転換のVCRでは、二人がカフェや公園といった日常風景に溶け込む映像に乗せて、こんな言葉が届けられた。 「迷わなかったわけじゃない(ユンホ)/でも続けてきた(チャンミン)」「最初は何もなかったところに,東方神起っていう1つの場所が生まれた(ユンホ)/それは二人で作ってきた世界じゃなくて、ファンのみんなとこの場所を守ってきた(チャンミン)」「たくさん愛してくれてありがとう。ずっと守ってくれてありがとう(ユンホ)/必ず愛してくれて、照らしてくれて、ありがとう(チャンミン)」 これまで東方神起のライブVCRは、その時々のテーマで架空の物語を紡ぐことが多かった。しかし、今回は二人が直接的な言葉で思いを語る構成。ファンに自分たちの肉声でメッセージを届けようとする、20周年ならではの特別な演出だった。 そのVCRに続けて、正面LEDには深緑の木々や植物が写し出され、鳥獣たちの鳴き声が会場に響き渡る。最後に吠えるヒョウが大写しになると、ヒョウ柄の衣装に着替えた二人がステージ上空のブリッジに登場。次の楽曲は「Jungle」だ。火山の噴火を思わせる炎が幾つも吹き上がる中、女性ダンサーを従えた二人が野性味と妖艶さをまとったパフォーマンスを展開。スタジアムの空気を一気に塗り替えていく。 その後はダンサブルなナンバーを三連発。「Champion」では、チャンミンが「みなさん一緒に歌って!」と声をかけ、観客の「Oh Oh Oh Oh」というコールを誘発。一体感と高揚感を引き上げていく。「Spinning」ではエンドステージでダンサーと一列に並び、回転するランウェイの先端で華麗なステップを披露。遠心力が一層強く働く中でも安定した動きを見せ、超人的な体幹の強さを印象づけた。「感じるまま」は1コーラス歌唱後、ダンサー紹介へ。今回は東方神起ダンサーズの歴代メンバーを含む、過去最多の男女17名のダンサーが参加し、記念ライブを鮮やかに彩った。 ダンサー紹介の間にライトグレーのスーツへと衣装チェンジした二人は、再びエンドステージに登場。「One and Only One」をスケール豊かに歌い上げ、観客をうっとりとさせる。チャンミンのハイトーンボイスは力強くて伸びやか。ユンホの歌声は光沢を増し、深みのある響きで会場をつつみこんだ。 歌い終えた二人はムビステに乗り、メインステージへと向かう。「Time Works Wonders」は、チャンミンのやわらかなファルセットがピースフルな空気を生み、ユンホのふくよかな歌声が温かみを添える。衣装にあしらわれた羽衣のような薄布が風にゆれる様は実にエレガント。暮れなずむスタジアムにチルな空間が広がった。続く「明日は来るから」はアコースティックな響きが美しいバラード。二人はメインステージで時折向かい合いながら丁寧に歌いつむぎ、会場をしっとりしたムードへと導いていく。 その後のロングMCでは、まずチャンミンが再び日産スタジアムのステージに立てた喜びを報告。「1年前の東京ドームのときは、日産スタジアムという素敵な場所でみなさんと再会することは正直、想像できていなかった」と明かし、「密かにまた日産スタジアムに立ちたいと思っていたんですけど、その願いがかなって夢のようです」と語った。 ユンホは「昨日が初日で、今日が最終日です(笑)」と会場を和ませながら、今回のライブタイトルについて、「20周年の締めくくりを、ここにいる皆さんと一緒に過ごせていることに感謝の気持ちを込めて、“RED OCEAN”とつけました」と説明。チャンミンは客席に広がるペンライトの光景を見渡しながら、「いつも二人のことを照らし続けてくださって本当に感謝しています」とファンへの思いを語り、「これからは僕たちが皆さんのことを照らし続けていきたいと思います」と今後に向けた決意も表した。 トークが昨年リリースされた「月の裏で会いましょう」の話に移ると、ユンホが「あのジャケットは当時まだ決まっていなかった日産スタジアムに立てることを願って描いてもらったイラストなんです」と裏話を披露。続けて、「その夢が実現したんです。願いは叶う。ここにいる皆さんと一緒に叶えたんです」と喜びを伝え、「みなさんは20年という長い時間を共にしてくださった仲間だと思っている」という言葉でファンとの絆を表現した。 その“仲間”という言葉から、映画「東方神起 20th Anniversary Film『IDENTITY』」の話題へ。チャンミンは「がむしゃらに進んできた今までの過程を振り返って、20年という時間を実感した」と語り、「すべての仲間たちが、二人のアイデンティティになっていると思う」と素直な思いを吐露。ユンホも「20年という、自分の人生の半分以上をここにいる皆さんと一緒にいる」と積み重ねてきた時間の重みを口にし、最後に「ここにいる皆さんが僕たちのアイデンティティです」と言葉を結んだ。 その思いを胸に、二人は新曲「IDENTITY」を披露。《なんで君の前にいると言葉 間違ってしまうんだろう?》《君がいて となりにいて いつも乗り越えてきた》《不甲斐ないと喘ぐその涙も 君が拭うから》《もっと強くなろうと思ってた いつも いつまでも》。いくつもの困難を乗り越えてきた大切な人との絆。それが自分らしさ(IDENTITY)となり、それこそが帰る場所(IDENTITY)となる。そんなテーマが二人まっすぐな歌声によって届けられていく。長い年月を共に過ごしてきたファンにとっても、思いを重ね合わせながら聴ける一曲であり、胸に迫るものがあったに違いない。春の宵はゆっくりと会場を薄暗くしていき、いっそう鮮やかに浮かび上がるレッドオーシャン。自然の移ろいすら味方につけたその光景は、間違いなく今回のライブを象徴する名場面だった。 流れる涙をやさしく拭くように、次は牧歌的な裏打ちリズムが心地好い「Road」へ。《君がくれた優しさで 今 […]
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