EPISODE · Jul 2, 2026 · 8 MIN
【レポート:前編】Mrs. GREEN APPLE<CEREMONY>、2年目の視座から紐解く重層構造「誰もやったことがなかった」
from Music News Japan · host keisuke horota
https://barks.jp/news/1075405 6月10日および11日の2日間、神奈川・Kアリーナ横浜で、Mrs. GREEN APPLEによるエンタテインメントショー<Mrs. GREEN APPLE presents『CEREMONY』>が開催された。その2日間を前後編の2回に渡り多角的に振り返ってみよう。まず【前編】は、2年目を迎えた<CEREMONY>の全体像について。 1年前の2025年6月18日。Mrs. GREEN APPLEはデビュー10周年記念イヤー<MGA MAGICAL 10 YEARS>という超多忙なスケジュールの中で、フェスでも、対バンイベントでも、授賞式でもないという新たなイベント<CEREMONY>を立ち上げた。ただ事前の告知段階では、大半の人がどんなイベントになるのか、その全貌は理解し切れていなかっただろう。誰もやったことがなかったイベントだからだ。 もしかすると発案者の大森元貴(Vo, G)自身も、当日を迎えるまで不安があったかもしれない。しかし彼は、その日のエンディングで充実した表情を浮かべながら「こうしたイベントの発足は、我々でなくてもいい。誰であれ“音楽は楽しいよ”と言い切れる人が、どの時代も必ず必要だと思っている」と語り、そして「また来年の<CEREMONY>で会いましょう」と第1回を総括した。 あれから1年。今年は、出演者数が9アーティストから総勢13アーティストに増え、開催日も2日間となり、内容面も大幅にアップデート。こう書くと、“昨年の好評を受けて規模を拡大”と思われるかもしれない。だが実際には、第1回の終演直後に今年の2DAYS開催は告知されており、つまり第1回の開催前から第2回(2026年6月10日・初日)、第3回(2026年6月11日・2日目)の開催が確定していたわけだ。つまりMrs. GREEN APPLEは、ある意味で1年以上の時間をかけて、今回の第2回、第3回の<CEREMONY>に臨んでいたことになる。それだけ今年は、より中身が丹念に練り上げられ、彼らが抱く“こういう場にしたい”という理想が、より明確に具現化されていたと言えるだろう。 その想いは、会場に一歩足を踏み入れた瞬間から十分すぎるほどに伝わってきた。まず何と言っても目を引いたのは、品格と風格のある木目調を活かした豪華なステージセット、そしてその空間に溢れんばかりに彩られた多数の生花だ。これらのステージセットと、アーティストラウンジ(出演者がステージを観るための円卓エリア)のデザインを手がけたのは、映像や空間デザインなど多岐にわたる分野で世界的に活動するアーティスト/クリエイター、ダムン・ジャワンルーディ。米国グラミー賞のステージデザインも手がける人物だ。 彼は自身のInstagramで、このステージセットは“becoming(なること)”というコンセプトを軸に構成したと明かしている。そのコメントを一部訳したうえで引用すると「成長とは、到達点ではなく、絶え間ない動きの状態──再生、変化、そして優雅さと同じくらいに苦闘も内包する、その継続的なプロセスに宿る静かな美しさ──として捉えられています。このコンセプトは、バンドそのものや、日常の浮き沈みの中に希望を見出す彼らの音楽に息づいています」と語っている。 こうした視覚的に観客の感情を高揚させる装飾に加えて、昨年の第1回を経ての今年という視点で印象に残ったことは、各ライブが始まる前に行われたプレゼンターのスピーチやゲスト来場者へのインタビューだった。そこで必ず「自分にとっての音楽」というメッセージが語られていたからだ。 この2日間でプレゼンターとして登壇したのは、DAY1は出演者の一人であるAIから始まり、竜星涼(俳優)、TAEHYUN (TOMORROW X TOGETHER)、塚地武雅(お笑いタレント、俳優)、吉沢恋(スケートボード選手)、shoji&kazuki (s**t kingz)、戸塚優斗(スノーボード選手)。DAY2では、何とMrs. GREEN APPLEの藤澤涼架(Key)を皮切りに、JIHOON (TWS)、吉田沙保里(元レスリング選手)、上白石萌音、立川志らく(落語家)、入江陵介(競泳選手)、そして中条あやみ(MC)といった面々。また客席でマイクを向けられたゲスト来場者は、両日で張本智和(卓球選手)、大橋悠依(競泳選手)、山里亮太(お笑いタレント)、高山莉加(柔道選手)、Shigekix(ブレイキンダンサー)と実に多種多彩。 いずれも各ジャンルを牽引するトップランナーたちであり、そんな彼らが自分の言葉で音楽の素晴らしさや自身にとっての音楽の大切さを語ってくれた。ごく一部だが、いくつかのコメントを紹介しよう。 「音楽は元気や勇気をくれて、時には悔しい気持ちにも寄り添ってくれる。いつもスポーツのそばに音楽があります」──張本智和「苦しい練習の日々に音楽が寄り添ってくれていました」──大橋悠依「音楽って聴くだけで自分の限界以上の力を出してくれるものなんだと、今日改めて感じました」──山里亮太「夢であったオリンピックで金メダルを取るまでにはたくさんの音楽に元気や勇気をもらいました」──吉田沙保里「音楽はいろんな感情に寄り添い、支えてくれて、僕にとって一番の味方でした」──入江陵介「私にとって音楽とは、人生という映画の壮大なオーケストラです」──中条あやみ こうした「音楽に勇気づけられた」「音楽が背中を押してくれた」という体験談は、どのような人生を歩んでいようとも、誰しもが共鳴できるもの。これらの言葉により、改めて<CEREMONY>が単なる“Mrs. GREEN APPLEが中心のお祭りイベント”なのではなく、“音楽そのものと、アーティストたちを互いに讃え合う大切な場なのだ”という2日間の主旨を、実に説得力があるメッセージで来場者の心に訴えかけていった。これらのスピーチやインタビューの聴かせ方もまた、実によく練られていた。 ステージの転換時間には、何か無理に場つなぎ的なイベントやトークは行わず、むしろ“何もない”ゆったりとした時間を長めに作ることで、観客は適度にリラックスすることができた。そうした時間を経て、ゲスト来場者へのインタビュー、あるいはプレゼンターのスピーチを挟むことで、また少しずつ観客の気持ちをステージへ向けていき、そして各アーティストのライブへと移行していく。 こうした進行によって、トータル約3時間半という長丁場であったにも関わらず、観客も中だるみすることなく、気持ちに緩急をつけながら各アーティストのパフォーマンスに集中できるように、イベントとしての流れもよく練られていた。これもまた、第1回を経ての隠れたアップデートであると同時に、フェスのように好きな出演者だけを観て楽しむのではなく、“すべてのアーティストを観て欲しい” “知らない音楽に出会ってほしい”というMrs. GREEN APPLEの想いが具現化された形であったのだろう。 そうした彼らの想いに見事に応えながら、音楽を愛する自らの想いとリスペクトを満員の観客に届けていたのが、両日の出演者たちだった。そこで続く【後編】では、肝心の各アーティストたちのライブパフォーマンスを紹介しながら、大トリを飾ったMrs. GREEN APPLEのステージを振り返ることにしよう。 取材・文◎布施雄一郎グリーンカーペット撮影◎ @ogata_photoライブパフォーマンス撮影◎田中聖太郎写真事務所© Mrs. GREEN APPLE presents 『CEREMONY』 ■番組『Mrs. GREEN APPLE presents『CEREMONY』2026』放送日時:今夏放送・配信予定 ※詳細後日発表※放送・配信終了後~1週間のアーカイブ配信あり▼出演:DAY-1Mrs. […]
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