EPISODE · Feb 21, 2025 · 1H 8M
S2#23 エンプティーな話
from 666666RADIO · host 666666RADIO
『ユータ、男になる日』ユータは、男になりたかった。いや、生物学的にはすでに男だったが、精神的な意味での「男」というやつには、まだ手が届いていなかった。「お前、まだ未経験なん?」ある日の飲み会で、親友のケンジにそう言われた瞬間、ユータの心には鋭い矢が突き刺さった。周囲の男たちが「いや〜、最初は緊張するよな!」とか「俺なんかむっちゃ痛かったわ!」と語り合う中、ユータはただ静かにジョッキのビールを見つめていた。(まずい…このままでは俺のプライドが…!)そこでユータは決意した。「俺も、男になるんだ」と。運命の夜数日後、ユータは意を決して、ある店の前に立っていた。派手なネオン、甘く妖しい香り、そして店の前で客を呼び込む貫禄のあるおじさん――。「お兄さん、初めて?大丈夫、優しくするよ♡」ユータの心臓は爆発しそうだった。顔を真っ赤にしながら店内へと足を踏み入れる。シャンデリアが輝き、シルクのカーテンが揺れ、奥のソファには、猛者たちがワイングラスを傾けている。案内された個室で待っていると、ついにその時が来た。「はじめまして。俺、ゴンザブロウって言います。緊張しなくて大丈夫だよ?」目の前には、ヒゲ面のゴツい男――ゴンザブロウが微笑んでいた。(え、なんかめっちゃ…濃いんだけど!?)ユータは急に自分が場違いな気がしてきた。「じゃあ、始めようか」ゴンザブロウが優しく手を伸ばす。そして、伝説へ「い、いたたたた!!!」「ちょっと力抜いて!大丈夫だから!」「無理無理無理!!絶対無理!!」「大丈夫、大丈夫、リラックスして…」ユータの脳内には、爆発音が鳴り響いていた。(俺は…本当に…男になれるのか!?)汗だくになりながら必死に耐えるユータ。ゴンザブロウは微笑んで、優しく囁く。「ほら、もうちょっとだから…ね?」そして――。「――ぁあっ!」その瞬間、ユータは確かに感じた。世界が変わるのを。自分の中で何かが弾け飛ぶのを。こうして、ユータはついに「男」になったのだった。エピローグ翌日、ケンジに報告すると、彼は爆笑しながら肩を叩いた。「お前、初めてがゴンザブロウって、おっさんすぎるやろ!!」ユータは真っ赤になってビールを飲み干した。「……もう二度とやらねぇ!!」その夜、ユータの枕は、涙でしっとり濡れていた――。(完)
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