EPISODE · Jun 15, 2026 · 6 MIN
同じことをぐるぐる考えてしまう人へ うつを長引かせる反芻思考とは
from こころと仕事の相談室|つじもとともみ の Substack Podcast · host 適応障害・休職相談室|つじもとともみ
ゆるリワークのつじもとともみです。今日は、「反芻思考(はんすうしこう)」についてお話ししたいと思います。休職中の方や、うつ病・適応障害で療養中の方から、こんなお話を聞くことがあります。「あの時、違う言い方をしていればよかった」「なんで自分はあんな失敗をしたんだろう」「復職しても、また同じことになるんじゃないか」そして気が付くと、同じことを何時間も考えている…。そんな経験はないでしょうか。実はこれ、「反芻思考」と呼ばれる状態かもしれません。反芻という言葉は、牛が一度食べたものを何度も噛み返すことから来ています。心理学では、過去の失敗や悩みを何度も繰り返し考え続けてしまう状態を反芻思考と呼びます。ここで大切なのは、反芻思考と問題解決は違うということです。問題解決は、考えた結果として次の行動が決まります。例えば、「睡眠リズムが乱れているから、今日は23時に寝よう」「運動不足だから散歩を始めよう」というように、考えた後に行動につながります。一方で反芻思考は、「なぜ自分はこうなんだろう」「なんであんなことになったんだろう」「もしあの時こうしていたら」と考え続けるのですが、なかなか答えが出ません。まるで頭の中で同じ映画を何度も再生しているような状態です。特に真面目な方、責任感の強い方、頑張り屋さんほど陥りやすい印象があります。「原因を見つけなければ」「反省しなければ」と思うあまり、考え続けてしまうのです。しかし研究では、反芻思考はうつ病の症状の一つであるだけでなく、うつ症状を長引かせる要因にもなることがわかっています。最近の脳科学の研究では、反芻思考が強い人では、デフォルトモードネットワークと呼ばれる脳のネットワークが過剰に働いていることが報告されています。少し難しい言葉ですが、簡単に言うと、自分自身や過去の出来事について考える時に働く脳の回路です。うつ状態になると、この回路が働きすぎてしまい、気が付くと同じことを何度も考えてしまうのです。つまり反芻思考は、「気持ちの弱さ」や「性格の問題」ではありません。脳の働きとも関係している現象なのです。だからこそ、「考えないようにしよう」と頑張る必要はありません。むしろ、「あ、また頭の中でぐるぐる考えているな」と気づくことが大切です。認知行動療法では、まず気づくことを重視します。気づいたら、散歩をするストレッチをする洗い物をする読書をする人と話すなど、現実の活動に注意を向けていきます。頭の中から、今ここへ戻ってくるイメージです。考えることをやめるのではなく、考える以外の時間を増やしていく。それが反芻思考との上手な付き合い方です。もし今、頭の中で同じことを繰り返し考えていることに気づいたら、「また反芻思考が始まったな」と少し距離を取って眺めてみてください。それだけでも回復への大切な一歩になります。 This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com
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