EPISODE · Mar 3, 2026 · 1H 18M
ヴァージニア・ウルフ作『 灯台へ』(1927年)を読む
from 今日も京都の片隅で · host 今日も京都の片隅で
『灯台へ』は、ヴァージニア・ウルフの代表作であり、モダニズム文学を象徴する作品の一つです。1927年に発表されたこの小説は、ウルフの革新的な文体、特に「意識の流れ」の技法を駆使しており、登場人物の内面の深層に迫りながら物語が進行します。物語は、主人公たちが家族旅行で目指す灯台をめぐる時間の流れとともに展開し、個々の人物の思考や感情の揺れ動きを細やかに描いています。ウルフの作品は、非人情的(これは漱石の言葉ですが)ともいえる冷徹な視点で人間の内面を観察し、感情や記憶、時間の流れを解剖する点で、夏目漱石の作風と共通する部分も見受けられます。漱石もまた、登場人物の心の葛藤を精緻に描きながら、外部の世界との疎遠さや、個人の孤独を浮き彫りにしていました。さらに、ウルフは知性主義に対してやや批判的な立場を取ったようで、『灯台へ』でもそうした理性や論理を超えた人間の本能的な部分や直感について描かれているように思われます。そのため、登場人物たちの意識の流れは、単なる思考の羅列ではなく、より深い感覚的な体験として描かれています。『灯台へ』は、そうした視点から人間の存在を問い直し、読む者に深い思索を促す作品です。ご感想などがございましたらぜひコメントなどで聞かせてください!
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