EPISODE · Jul 14, 2026 · 38 MIN
新しい保守派経済学とは何か
from PEP Talk - 社会の本を深掘り! · host 政策起業家プラットフォーム
保守派の経済政策と聞くと、減税、規制緩和、自由貿易、小さな政府を思い浮かべるかもしれません。しかし現在の米国では、関税や産業政策を支持し、場合によっては労働組合も肯定する、新しい保守派経済学が存在感を増しています。この考え方は、市場をできるだけ自由にすれば社会全体が豊かになるという、過去40年ほどの保守派の経済観を見直そうとするものです。経済政策の目的を、効率性や消費者価格だけで測るのではなく、労働者、家族、地域共同体、国内の産業基盤、国家安全保障まで含めて考えます。市場を否定するのではなく、市場をどのような目的に向けて設計するのかを問い直している点が特徴です。今回のエピソードでは、Oren Cass とシンクタンクの American Compass を中心に、新しい保守派経済学の内容と歴史的背景を整理します。アメリカン・システム、社会保守主義、経済安全保障という思想的な源流から、共和党や米国の通商政策への反映、自由貿易を重視する保守派や左派の労働運動からの批判までを取り上げます。米国市場で事業を行う日本企業にとっても、この変化は無関係ではありません。品質や価格だけでなく、米国内の生産、雇用、産業基盤、サプライチェーンの強靱化、対中依存の低減にどう貢献するのかが問われつつあります。一方、関税による物価上昇、政府による産業選別、同盟国との摩擦、行政能力の限界といった問題もあります。市場は誰のためにあるのか。どのような産業、地域、家族、労働者を支え、経済安全保障と自由貿易をどう両立させるのか。米国で進む保守派の思想転換を手がかりに、日本の市場と産業政策のあり方を考えます。■キーワード保守派経済学 / 自由市場主義 / 産業政策 / 経済ナショナリズム / 保護貿易 / 製造業政策 / 労働組合政策 / 経済安全保障 / サプライチェーン強靱化 / アメリカン・システム / 社会保守主義 / アバンダンス・アジェンダ00:00 新しい保守派経済学とは何か02:15 過去40年の自由市場主義からの転換04:54 従来型保守との違い — 効率性からレジリエンスへ07:27 市場は自然現象ではない — 制度設計としての市場09:56 Oren Cass と American Compass12:16 三つの思想的源流 — アメリカン・システム、社会保守主義、経済安全保障14:44 共和党の政策言語はどう変わったのか17:00 通商政策の評価軸 — 貿易拡大から国内生産・賃金・産業基盤へ19:16 論争① — 自由貿易の維持か、国民経済の再構築か21:50 論争② — 保守派による労働組合の再評価24:36 米国政治の変化 — 右派の産業政策と左派のアバンダンス27:19 日本への含意 — 同盟国でも例外とは限らない30:05 日本企業に求められる戦略的貢献32:00 新しい保守派経済学の副作用と限界35:07 まとめ — 市場は誰のためのものなのか■主な参考文献・関連リンク馬田隆明, 「新しい保守派経済学――アメリカ資本主義の再構築」https://takaumada.substack.com/p/conservative-economicsOren Cass, The Once and Future Worker: A Vision for the Renewal of Work in Americahttps://www.encounterbooks.com/books/the-once-and-future-worker/American Compass, Rebuilding American Capitalism: A Handbook for Conservative Policymakershttps://americancompass.org/wp-content/uploads/2023/06/AC-Rebuilding-American-Capitalism_Digital.pdfRepublican National Committee, 2024 Republican Party Platformhttps://prod-static.gop.com/media/RNC2024-Platform.pdfOffice of the United States Trade Representative, 2025 Trade Policy Agenda and 2024 Annual Reporthttps://ustr.gov/sites/default/files/files/reports/2025/2025%20Trade%20Policy%20Agenda%20WTO%20at%2030%20and%202024%20Annual%20Report%2002282025%20--%20FINAL.pdfExecutive Order 14257, Regulating Imports With a Reciprocal Tariff To Rectify Trade Practices That Contribute to Large and Persistent Annual United States Goods Trade Deficitshttps://www.federalregister.gov/d/2025-06063■PEP ThinkとはPEP Thinkは、世界のシンクタンクの最新の論考を手がかりに、日本のビジネスと政策のこれからを一緒に考えていく番組です。■YouTubeでも配信中PEP のYouTubeチャンネルはこちら:https://www.youtube.com/channel/UCT3kLHNfQJpO9gBAmAj3Bpg■登壇者馬田 隆明(PEP ディレクター)■主催政策起業家プラットフォーム(PEP): https://peplatform.org/公益財団法人 国際文化会館: https://ihj.global/
Embed this episode
Ready to play
新しい保守派経済学とは何か
No transcript for this episode yet
Similar Episodes
No similar episodes found.
Similar Podcasts
No similar podcasts found.