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ニュース515+plus(RKKラジオ)
by RKKラジオ
エンタメ・教育・ITの専門家が気になる話題を徹底解説!!第1金曜日・・・映画解説・研究者 上妻祥浩さん第2金曜日・・・ライブ配信ディレクター 斉場俊之さん第3金曜日・・・熊本市立出水南中学校 校長 田中慎一朗さん第4・5金曜日・・・元RKKアナウンサー 宮脇利充さん◆WEB https://rkk.jp/515news/◆メール [email protected]★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4 AM1197で、毎週金曜日 午後5時15分から放送中。是非生放送でもお聴きください。
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1000億円超の市庁舎建設と「市民の不信」――いま求められる行政の透明性とは
2026年5月現在、熊本市や八代市で大きな議論を呼んでいる「市庁舎問題」。巨額の建設費や不透明なプロセス、さらには汚職事件まで、市民の行政に対する信頼が揺らいでいます。ライブ配信ディレクターの斉場俊之氏は、この問題の本質は「市民に向き合わない行政の姿勢」にあると指摘。AI技術の活用による情報の民主化こそが、解決への鍵であると語ります。聞き手はRKKの江上浩子です。🔶 膨らむ建設費と相次ぐ不祥事が招く不信感熊本市では桜町への新庁舎建設が進められていますが、事業費が発表のたびに上昇し、ついに1000億円の大台を超えました。一方で、八代市では市庁舎建設を巡るあっせん収賄容疑で市議らが逮捕されるという、あってはならない事態が発生しています。経緯は異なりますが、市民が受ける印象は同じです。🔷 「話がどんどん変わっていく」ことへの戸惑い: 熊本市の事例では、耐震性の議論や元庁舎の活用といった市民の声に対し、十分な納得が得られないまま「特例債の期限」というタイムリミットを優先して議論が締め切られた印象があります。🔷 特定の利益への疑念: 八代市の不祥事は、特定の企業や個人が利益を得るために行政が歪められたのではないかという強い猜疑心を生んでいます。🔶 巨額プロジェクトの陰で蝕まれる生活インフラ斉場氏は、華やかなビッグプロジェクトが進む一方で、私たちの日常生活を支えるインフラがおざなりになっている現状に警鐘を鳴らします。🔷 熊本市電のトラブル: かつての財政改革でコストを抑えた結果、インシデント(事故一歩手前の事態)や追突事故が多発し、運転手不足による減便も常態化しています。🔷 地域の公共施設廃止: 八代市では、九千坊温泉センターや旧厚生年金会館などの廃止方針に対し、市民から猛反対が起き、小野市長がゼロベースでの見直しを表明する事態となりました。「私たちの税金が、自分たちの生活を豊かにするためではなく、別の思惑で動いているのではないか」――そんな不信感が、市民の間に広がっています。🔶 AIとデータの力で「お上と下々」の関係を脱却するこのような状況を打破するために必要なのは、行政による圧倒的な情報の透明化です。斉場氏は、AIを活用した情報開示の迅速化を提案しています。▶ 議事録の即時公開: 従来の議事録作成には時間がかかりましたが、現在はAIによる文字起こしを活用すれば、会議の内容をその日のうちに公開することが可能です。▶ 建設的な議論の土台作り: 資料や議論の過程がすべて可視化されていれば、市民も感情的な反対ではなく、根拠に基づいた提案を行うことができます。▶ 市民自身の情報のキャッチ力: 行政に情報を求めるだけでなく、市民自身もホームページのパブリックコメントや最新のPDF資料を積極的に取りに行く姿勢が求められます。🔶 まとめ:将来への「投資」と納得感「浪費を投資と思わせるまやかしがあってはならない」と斉場氏は語ります。何でも反対するのではなく、何が必要で何が不要なのかを見極めるためには、丁寧なプロセスと正確な情報が欠かせません。行政が最新の情報を出し続け、市民がそれを注視し、議会が機能する。この当たり前の循環を取り戻すことこそが、未来の世代にツケを回さないための唯一の道と言えるでしょう。出演:ライブ配信ディレクター・斉場俊之さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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5月の映画は「再会」と「情熱」が鍵。上妻祥浩さんが選ぶ、GWから初夏を彩る注目3作
――「プラダ」20年後の続編から、光浦靖子が英語で魅せる格闘ドラマまで映画解説研究者の上妻祥浩さんが、5月公開の強力なラインナップを厳選しました。今月のキーワードは「時を経て磨かれた輝き」。20年前の伝説の再集結や、90年代の熱狂を呼び覚ます実話など、世代を超えて楽しめる作品が揃いました 。聞き手は、RKKの江上浩子です。 🔶 働く女性のバイブルが20年ぶりに帰還! 『プラダを着た悪魔2』(5月1日公開)公式サイトはこちら👉 https://www.20thcenturystudios.jp/movies/devil-wears-prada2 2006年の公開以来、世界中の女性を熱狂させた前作から20年 。待望の続編がついに幕を開けます。 オリジナルキャストが奇跡の集結: カリスマ編集長ミランダ役のメリル・ストリープ、かつてのアシスタントで現在はジャーナリストとして活躍するアンディ役のアン・ハサウェイらが、20年の時を経て再び相まみえます 。 ファッション誌の危機を救え: ジャーナリストとなったアンディが、かつての古巣であるファッション誌『ランウェイ』の存亡をかけた窮地に立ち向かう物語です 。 20年という「熟成」の味わい: 俳優陣が実際に年齢を重ねたことで、キャラクターの成長と変わらぬ個性が絶妙な味わいを生んでいます 。「1作目を見てファンになった世代はもちろん、その後に生まれた若い世代にとっても、働くことの意味やファッションの魔法を感じられる最高の続編です」(上妻さん) 🔶 伝説の格闘家、マーク・ケアーの魂に迫る 『スマッシング・マシーン』(5月15日公開)公式サイトはこちら👉 https://happinet-phantom.com/a24/smashingmachine/index.html 90年代の日本で熱狂を巻き起こした総合格闘技「PRIDE(プライド)」。その中心にいた「霊長類最強の男」こと、マーク・ケアーの実話に基づく物語です 。 肉体と心の限界に挑む: 主演のドウェイン・ジョンソン(V・ジョンソン)が自ら製作も務め、最強を追い求める一方で心を蝕まれていく格闘家の苦悩を真正面から演じます 。 豪華な「日本」の布陣: 大沢たかおさんが出演するほか、布袋寅泰さんが本人役で国歌演奏を披露するなど、日本でのシーンも見どころです 。 光浦靖子さんの驚異の英語劇: 通訳役として出演する光浦靖子さんは、東京外国語大学卒業の語学力を活かし、ほぼ全編英語のセリフを流暢にこなし、一人の役者として真剣な演技を披露しています 。「強さの裏側にある孤独や葛藤を描いた、胸に迫る人間ドラマです。アメ横を歩くエミリー・ブラントの姿など、意外なシーンにも驚かされます」(上妻さん) 🔶 二重の謎が交錯する、堤幸彦ワールド全開 『ミストリー・アリーナ』(5月22日公開)公式サイトはこちら👉 https://movies.shochiku.co.jp/mysteryarena-movie/ 推理小説を題材にしたクイズ番組を舞台に、虚構と真実が入り乱れる緻密なミステリーです。異色の司会者と天才少女: アフロヘアでハイテンションな司会者を演じる唐沢寿明さんと、回答者として参加する天才少女役の芦田愛菜さんによる、スリリングな謎解きバトルが展開します 。 堤幸彦監督の真骨頂: 『トリック』などのヒットメーカー、堤幸彦監督が手がける本作は、番組内の謎解きと、その裏側に隠された真実という「二重の謎」が仕掛けられています 。 超豪華な回答者陣: 玉山鉄二さん、そしてミステリーの女王と呼ばれる作家役で浅野ゆう子さんが出演。一癖も二癖もある登場人物たちが、予測不能な結末へと導きます 。「心地よいひねりが効いた、堤監督ならではのエンターテインメント。最後まで先が読めないワクワク感を、ぜひ劇場で体験してください」(上妻さん) 🔶 まとめ:5月は映画館が「最高の社交場」になる「GWから初夏にかけて、これほど特色豊かな作品が揃うのは珍しい。家族で、カップルで、快適な映画館の環境で楽しんでほしいですね」(上妻さん) 。 新緑の季節、日常を離れてスクリーンの向こう側の情熱に触れてみてはいかがでしょうか。出演:映画解説研究者・上妻祥浩さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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県が出したダム広告は「ミスリード」か?――川辺川ダム建設をめぐるデータと事実の不一致を問う
今回のテーマは、熊本県が2026年2月に掲載した「川辺川ダム建設」に関する大規模な新聞広告をめぐる波紋です。新年度が始まった4月16日、この広告の内容に根拠がないとして、市民団体が県に抗議を行いました。宮脇利充氏は、税金を使った広報の在り方と、県が提示するデータの正確性に強い疑問を投げかけます。🔶 税金で「議論の割れる主張」を一方的に発信していいのか問題となっているのは、2026年2月21日付の熊本日日新聞に見開き2面で掲載された熊本県のカラー全面広告です。「住民の命と地域の宝である清流を守る」という見出しで、ダムの予想完成図や治水効果を強調するグラフが多用されていました。原資は税金: 議論が真っ二つに割れている事業について、税金を使って一方の立場(行政)を正当化する手法には、公平性の観点から慎重であるべきです。ミッションか世論誘導か: 県は「分かりやすく伝える義務がある」と考えますが、それが正確な事実に即したものでなければ、読者を誤った方向へ導くことになりかねません。🔶 2020年7月豪雨の「真実」との食い違い広告では「ダムがあれば被害を防げた」という趣旨の説明がなされていますが、宮脇氏は市民団体による詳細な調査結果をもとに反論します。「令和2年7月豪雨で亡くなった50人の方々の死因を市民団体が調べたところ、そのほとんどは球磨川本流がピークに達する数時間前に起きた、支流の氾濫や斜面崩落が原因でした。県はこの事実関係を自ら調査しておらず、反論できないはずです」雨量の実態: 当時、川辺川ダム建設予定地の上流部にはそれほどの雨は降っておらず、仮にダムがあったとしても結果は同じだった可能性が高いとされています。「ブレンク」の12年間: ダム計画が中断していた期間に本来やるべきだった「田んぼダム」などの流域治水対策が手つかずだったことが、被害を招いたという側面も無視できません。🔶 「データはない」という国交省――置き去りにされる環境への影響県が進捗を確認するために開催している「進捗を確認する仕組み会議(第4回)」でのやり取りからも、行政側の準備不足が露呈しています。環境への懸念: 自然観察指導員熊本県連絡会の鶴翔子氏が「水温の変化がアユやエサとなる珪藻類に与える影響のデータ」を求めた際、国交省の担当者は「今はデータを持ち合わせていない」と回答しました。砂防ダムの問題: 本体のダム湖に土砂を入れないために建設される無数の砂防ダムが、河川を分断し生態系に致命的な影響を与えるリスクも指摘されています。🔶 今日ここを持ち帰る:行政広報に飲み込まれない5つの習慣「広告」と「記事」を区別する: 行政が出している広告は、あくまで「その組織の立場」からの主張であることを念頭に置きます。死因や雨量などの「一次データ」を疑う: 「ダムがあれば防げた」という結論だけでなく、具体的な被害のタイミングや場所がどうだったかを確認します。「不都合な事実」の有無をチェック: メリットだけでなく、環境への悪影響や過去の不作為(流域治水の遅れ)が語られているかを見極めます。「共同検証」の拒否に注目: 熊本県知事が市民との共同検証を「有識者の見解を否定することになる」として拒否した姿勢など、対話の拒絶がないかを注視します。「データ持ち合わせず」の意味を知る: アセスメント(環境影響評価)が不十分なまま事業が先行していないか、議事録などで担当者の発言を確認します。「データを持ち合わせていないのに、治水効果だけを強調する。その不誠実さが、市民の不信感を生んでいるのではないでしょうか」(宮脇利充)🔶 まとめ「住民の命を守る」という大義名分の下で行われる広報活動が、果たして多角的な議論を尊重したものになっているのか。宮脇氏は、行政が自分たちの都合に合わせた「物語」を作るのではなく、市民と共に痛みを伴う検証を重ねることこそが、本当の意味で未来に清流と安全を届ける道であると結びました。出演:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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「第三者委員会」の限界 いじめ調査の知られざるリスクとは?
2026年4月、教育現場では新年度が始まりましたが、いじめ問題を巡る「調査」の在り方については今なお大きな課題が残されています。熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、いじめの重大事態が発生した際に設置される「第三者委員会」について、その公平性や手続きの不備といった、現在の制度が抱える「歪み」を指摘します。聞き手は、RKKの江上浩子です。🔶 「第三者委員会」が直面する、人選と公平性のジレンマいじめ防止対策推進法では、いじめによる「重大事態」が発生した際、被害者側の希望や行政・学校の判断により「第三者委員会」を設置することが定められています 。文字通り「第三者」が客観的に事実を調査する仕組みですが、田中校長はその「人選」の段階から難しさがあると言います。人選の不透明さ: かつては教育委員会(行政)がメンバーを選んでいたため、「身内や都合の良い人間を選んでいる」という批判がありました 。「第三者」の定義の揺らぎ: 現在は弁護士会や心理士会からの推薦を受ける形が一般的ですが、一方で被害者側の意向が強く反映された人選が行われるケースもあります 。選任の曖昧さ: 公的な推薦を得る義務などの厳格な規定がなく、運用が自由に行える現状があり、委員の主義主張が調査に反映されやすい構図になっています 。🔶 裁判とは異なる「手続き保障」の欠如田中校長が特に懸念しているのは、調査プロセスにおける「公平性」です。裁判であれば原告と被告の双方が等しく主張し合い、不服があれば上訴する権利(手続き保障)がありますが、第三者委員会の枠組みは異なります。反論の機会の乏しさ: 申し立てられた側(加害者とされる側)も聞き取りは受けますが、あくまで調査委員の文脈に沿ったものになりがちで、十分な弁明や反論の手続きが保障されていません 。不服申し立ての格差: いじめ防止対策推進法では、被害者側は委員会の結果に納得がいかない場合、首長部局に対して再調査を申し立てることが可能です。しかし、申し立てられた側には同様の権利が認められていないのです 。「裁判のような双方が言い合える場とは異なり、第三者委員会では一方の権利(被害者救済)が優先されるあまり、もう一方の手続き保障が置き去りになっている恐れがあります」 🔶 「非公表」に埋もれる名誉回復のチャンス第三者委員会の設置は大きく報じられる一方で、その「結果」が市民に伝わらないケースが多々あります。これが、申し立てられた側の「名誉」を著しく傷つける実情を生んでいます。▶ 報道の偏り: 委員会の立ち上げはニュースになりますが、調査の結果「いじめがなかった」と判断された場合でも、その結果が非公表になれば市民は真相を知る術がありません 。▶ 名誉回復の困難さ: 加害者という疑いをかけられた側は、事実に反する結論が出たとしても、それを公に否定し、名誉を回復するチャンスを失ってしまうのです 。また、実務面でも「委員のなり手不足」という深刻な問題が起きています。税金を原資とする報酬は弁護士の通常業務に比べて非常に低く、長い時間を費やしても結果が非公表になれば、専門家としての労力が社会に還元されないという空虚さを生んでいます 。🔶 まとめ:被害者救済と公平性のバランスを求めて田中校長は「被害者救済が最優先であることは大前提だ」とした上で、現状の「第三者委員会」というネーミングが持つ「絶対的な公平性」というイメージに警鐘を鳴らします 。「第三者が調査したからといって、そのすべてが絶対的な事実とは限りません。誰かを守るための仕組みが、別の誰かを深く傷つけてしまうリスクについて、私たちは共通認識を持つ必要があります」 海外のように、被害者救済の仕組みと、事実をジャッジする仕組みを分けるといった「手続きの適正化」への議論。いじめ問題を誰もが納得できる形で解決するためには、表面的な調査に留まらない、より高度な制度設計が求められています。出演:熊本市立出水南中学校校長・田中慎一朗さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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熊本地震から10年、「思い出話」を「未来を守る力」へ変える――ライブ配信ディレクター・斉場俊之氏が語る、災害を「自分事」にアップデートする視点
4月14日、16日の「熊本地震の日」を前に、各地で追悼式典や特集報道が行われています 。多くの人が震災当時を振り返る中、斉場さんは「節目を単なるメモリアルにしないということ」と提言します。🔶 「忘れること」の必要性と、失ってはいけない「経験値」発災から10年が経過し、当時の生々しい記憶が薄れてきたと感じる人も少なくありません。斉場さんは、記憶の風化を「人間が生きていく上で必要な機能」と捉えています 。心の防衛本能: つらい記憶を抱え続けることは精神的な負担が大きく、適度に「忘れていく」ことは人として必要な心の機能である 。貴重な財産としての経験: 一方で、被災から復興までを「できるしこ(自分にできる範囲)」で支え合った経験は、何物にも代えがたい「経験値」である 。自分事化: 災害を「他人事」ではなく「自分事」として捉えられるようになった感性は、被災したからこそ得られた大きな財産である 。🔶 「安全バイアス」を打ち砕く火山の真実斉場さんは、NHKで放映された富士山噴火のシミュレーション番組(前編4/5、後編4/12放送予定)に触れ、私たちが陥りがちな「安全バイアス」の危うさを指摘します 。「富士山は美しく、噴火するイメージを持ちにくい」という感覚は、かつての熊本県民が抱いていた「熊本は地震が少ない」という思い込みと重なります 。金峰山は「立派な火山」: 熊本市の西側に位置する金峰山は、立派なカルデラを持つ火山である 。知られざる地形: 峠の茶屋を越えた先にある開けた土地は、かつてのカルデラ湖の跡であり、立田山もまた一連の火山活動で形成された山である 。「静穏」は一瞬の奇跡: 私たちはダイナミックな地球活動の中の、ほんの一瞬の穏やかな時期に過ごしているに過ぎない 。🔶 「1%未満」の罠から抜け出し、次の災害への「スタート」へ熊本地震の前、熊本で30年以内に大地震が起きる確率は「1%未満」とされていました 。この数字を「安全」と読み違えたことが、いざという時の混乱を招く要因となりました 。斉場さんは、10年目の今こそ、振り返るべきポイントを整理しています。▶ 具体的な検証: 何に困り、どう動いたのか。その行動は正解だったのか、それとも失敗だったのか 。▶ 変化の自覚: 10年前と現在では、自分の年齢も体力も家族構成も異なる。当時と同じ動きができるとは限らない。▶ 防災の再構築: 地震だけでなく、水害や火山災害も含め、「いつ来るかわからない災害」に対する覚悟を持ち直す 。🔶 まとめ:未来の被害を減らすための「覚悟」「苦難を乗り越える」という過去の視点から、「未来の被害を減らす」という未来の視点へ 。斉場さんは、節目の日を単なる思い出話で完結させるのではなく、次の災害に向けた「スタート」の日にすべきだと結びました 。「地震は終わった」という空気感に流されることなく、10年前の教訓を次の10年の備えへと繋いでいく。その一人ひとりの意識の変化こそが、次に必ずやってくる災害から、私たち自身を守る唯一の手段となるはずです。出演:ライブ配信ディレクター・斉場俊之さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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上妻祥浩さんが選ぶ、人生を期待させる映画3本――音楽、純愛、そして奇想天外なコメディ。異なる輝きを放つ物語たち
映画解説研究者の上妻祥浩さんが、偶然にもすべて4月17日(金)に公開が重なった注目作3本をピックアップしました 。今回の共通項は、形は違えど「一生懸命に生きる人々へのエール」です 。聞き手は、RKKの江上浩子です。🔶 「遅すぎることはない」音楽と家族の再生『ソング・サング・ブルー』(4月17日公開)公式サイトはこちら👉 https://gaga.ne.jp/song_sung_blue/伝説的歌手ニール・ダイヤモンドを敬愛し、そのトリビュートバンドを結成した実在の夫婦を描く実話の映画化です 。魂を揺さぶる歌唱シーン: 主演のヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソンが、俳優の枠を超えた圧倒的な歌唱力を披露します 。二つの家族が一つになるまで: 再婚同士の二人が、音楽を通じて本当の「家族」になっていく様子が丁寧に描かれます 。一歩踏み出す勇気: 「人生に遅すぎることはない」というメッセージは、新生活を始めた人々の背中を優しく押してくれます 。🔶 24年越しの想いが家族を癒やす『人はなぜラブレターを書くのか』(4月17日公開)公式サイトはこちら👉 https://loveletter-movie.jp/2000年3月に発生した営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線の脱線衝突事故で、最愛の人を亡くした女性の実話に基づく物語です 。時を超えた手紙: 事故で命を落とした男子高校生。24年後、当時想いを伝えられなかったヒロインが綴った手紙が、残された両親のもとへ届きます 。実名で綴られる真実: 亡くなった少年は実名で登場し、彼が志したプロボクサーへの夢や知られざる素顔が、手紙を通じて家族に再発見されていきます 。二人のヒロイン: 現在のヒロインを綾瀬はるかさん、高校生時代を當真あみさんが演じ、面影の重なる二人が切なくも温かい純愛を体現します 。🔶 世界が熱狂した“暴走”スラップスティック『FEVER ビーバー!』(4月17日公開)公式サイトはこちら👉 https://100beaver.com/北米で社会現象を巻き起こし、満を持して日本へ上陸する奇想天外なアメリカ映画です 。現代に蘇るサイレント・コメディ: 全編モノクロ、セリフはほぼなし。チャップリンやバスター・キートンを彷彿とさせる、体を張ったアクションで笑わせるスタイルです 。狂気のビーバー軍団: 娘との結婚を許してもらうため、1人の猟師が山のようなビーバーを捕らえに挑みます 。劇中に登場する大量のビーバーはあえて「着ぐるみ」で表現され、その独特な世界観がシュールな笑いを誘います 。ジャンルを超越した熱量: 後半はスタローンの『ランボー』のような無敵のアクションへと変貌。世界各国の映画祭で「奇想天外」と絶賛された映像体験が楽しめます 。🔶 まとめ:春、映画館で「人生のエネルギー」を受け取る「家族のドラマがあり、歌があり、そして理屈抜きの笑いがある。今回ご紹介した3本は、どれも映画ならではのエネルギーに満ちています」(上妻さん) 。心温まる感動を味わうか、純愛に涙するか、あるいは見たことのない笑いに圧倒されるか。4月17日、あなたの「今の気分」にぴったりの1本を見つけに、ぜひ劇場へ足を運んでみてください。#ヒュージャックマン #ケイトハドソン #綾瀬はるか #加藤萌朝 #シンシアエリヴォ #SnowMan
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NHKの「不測の事態」という言葉に潜む危うさ――2026年度予算審議をめぐるメディアの責任
~国会で続く「予算審議」と、それを伝えるメディアの姿勢について~衆議院での異例の短時間審議を経て参議院へ送られた2026年度予算案。宮脇利充さんは、NHKの定時ニュースで繰り返される「あるフレーズ」に強い違和感を唱えます。🔶 「数の力」による強行突破と参議院の攻防2026年度予算案は、今月中旬に衆議院を通過しました。2月の総選挙で単独3分の2を超える議席を得た自民党と、連立を組む日本維新の会が「4分の3以上」の議席を背景に、強気な国会運営を続けています 。異例の審議打ち切り: 衆院予算委員会の坂本哲志委員長(熊本選出)が職権を連発し、通常80時間程度かける審議を59時間で打ち切りました 。参議院の勢力図: 衆院とは異なり、与党(自民・維新)は過半数に4議席足りません 。そのため、年度内成立が不透明となり、政府は4月1日から11日までの「暫定予算」を決定しました 。🔶 「不測の事態」は、本当に「予測不能」だったのか?宮脇さんが最も注視しているのは、NHKが定時ニュースのリード(冒頭)で繰り返し使う「不測の事態に備えて」という表現です 。政府首脳(高市総理、片山財務大臣、木原官房長官)も会見でこの言葉を多用していますが、宮脇さんは「これは政府・与党の立場に偏った表現ではないか」と指摘します 。🔵 ポイント言葉の定義: 「不測の事態」とは、予想外のアクシデントなど、ネガティブな要素に使われる言葉です 。因果関係の矛盾: 予算審議が遅れた最大の要因は、高市総理が1月の国会冒頭でいきなり解散を宣言し、1ヶ月近く審議が止まったことにあります 。「予見できた」事態: 解散時、すでに「年度内成立が難しくなる」と指摘されていました。つまり、現状は「不測(予想外)」ではなく、自らの判断が招いた「予測できた」事態と言えます 。🔶 メディアが世論を「誘導」するリスクNHKが政府の言い分である「不測の事態」という言葉をそのまま使い続けることで、視聴者の中に「予算が成立しないのは異常だ」「反対勢力が止めているのが悪い」という印象が刷り込まれる懸念があります 。🔵 他メディアとの比較熊本日日新聞: 「2026年度予算案が月内に成立しない場合の暫定予算案」と、客観的な事実のみを記述 。朝日新聞: 「年度内に成立しない場合に備えて」という過不足ない表現を使用 。宮脇さんは、「熱心なNHK視聴者だからこそ、公共放送が一方的な立場を『自然な表現』として流し続ける効果に恐怖を感じる」と述べ、多角的な視点の欠如を批判します。🔶 今日はここを持ち帰る ~ニュースの「言葉」を見極める5つの視点~出所を確認する: そのフレーズは「事実」か、それとも「誰かの言い分」かを区別します 。言葉の定義に立ち返る: 今回のように「不測(予想外)」という言葉が、実態(自業自得の遅延)と乖離していないか考えます 。比較読みをする: 新聞や他の通信社が、同じ事象をどう表現しているか並べてみます 。「スピード」の裏側を疑う: 審議を急ぐのは国民のためか、それとも政権の「メンツ」や次なる重要法案への布石かを読み解きます 。「タイパ」で政治を見ない: 議論を省くことを「効率的(コスパが良い)」と歓迎する風潮が、民主主義を形骸化させていないか自戒します 。「国論を二分するような問題も、同じようなスピードで押し通そうとする流れが始まっているのではないか。私たちは言葉の魔力に慎重になるべきです」(宮脇利充) 🔶 まとめ予算の年度内成立にこだわる高市総理の姿勢には、自身の求心力を示す「メンツ」や、今後の強硬な法案成立に向けた前例作りという思惑が透けて見えます 。メディアがその「物語」をそのままなぞるのではなく、立ち止まって議論の本質を伝えることが、今ほど求められている時はありません。出演:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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「今が幸せ」なら、過去の苦しみも意味を成す――田中慎一朗校長が卒業式の涙に見た、教育の真髄
――子どもを「大事にする」という言葉の、本当の深さを考える3月、別れと旅立ちの季節を迎えました。熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、自校や近隣小学校の卒業式に臨む中で、「子どもを大事にするとはどういうことか」という根源的な問いへの答えを見出したといいます。そこには、大人が用意すべき「心の余白」と、コロナ禍という困難を駆け抜けた子どもたちへの温かな眼差しがありました。聞き手は、RKKの江上浩子です。🔶 「教室が苦手だった少年」が、最後に流した美しい涙先日行われた出水南中学校の卒業式。300人近い卒業生の中に、一人の「やんちゃ」だった男子生徒がいました。彼は以前、教室に入ることも難しく、「式になんて出なくていい」と投げやりな言葉を口にしていた時期もありました。しかし、式を終えて校長室に挨拶に来た彼は、田中校長と握手をした瞬間に激しく泣き崩れました。情緒的な欲求に寄り添う: 全教職員で、彼の言葉を鵜呑みにするのではなく、その背後にある「寂しさ」を理解し、常にそばにいることを徹底しました。本音の吐露: 彼は涙ながらに「もっと教室に入って授業を受けておけばよかった」と口にしました。「大事にする」の結果: 物理的なわがままを許すのではなく、彼の心(情緒的欲求)を満たし続けたことで、この美しい涙へと繋がったのです。🔶 「今が幸せ」であることが、過去を肯定する条件になる小学校の卒業式にも列席した田中校長は、今の卒業生たちが置かれた特殊な環境を振り返ります。彼らが1年生だった春は、コロナ禍の真っ只中。入学式は夏にずれ込み、遠足などの行事も制限され、他学年との交流も絶たれた6年間でした。子どもたちが「なぜ自分がこんな目に」と思うような出来事を経験したとき、それをどう受け止めるべきか。田中校長は一つの結論を導き出しました。「過去の出来事を『自分にとって必要だった』と思えるためには、絶対的な条件があります。それは、『今が幸せであること』です」意味の書き換え: 今この瞬間に幸せを感じていれば、過去の苦しみも「あの経験があったから今がある」と肯定できるようになります。大人の責任: 中学校という新たなステージで、子どもたちが「今、幸せだ」と思える環境を用意することが、彼らの過去をも救うことになります。🔶 「華やかな衣装」よりも、大人が用意すべき「心の余白」近年、小学校の卒業式では華やかな袴や衣装が目立つようになっています。一方で、経済的な事情でそれを用意できない家庭もあり、卒業のステージで如実な「差」が可視化される現状があります。田中校長は、子どもを大事にすることを「豪華な服を着せること」と混同してはいけないと警鐘を鳴らします。表面的な満足を超えて: 華美な装いができるかどうかは、子どもの人生を肯定する本質的な要素ではありません。「隣の子」を想う心: 自分の子が優しく育つためには、隣にいる子も優しくなれる環境が必要です。心の余白: 大人が用意すべきは、子どもが自分の人生を振り返り、他者を思いやれるような「心の余裕(余白)」です。🔶 まとめ:子どもを「幸せ」にするという決意「子どもを大事にする」とは、決して甘やかすことでも、表面的なイベントを飾ることでもありません。それは、一人の人間として正面から向き合い、彼らが「今、自分は幸せだ」と胸を張って言えるような関係性を築き続けることです。卒業式で涙を流したあの生徒のように、大人の温かさに触れた経験は、将来、彼自身が他者に優しく接するための「心の肥やし」となります。「あなたの歩みは絶対に間違っていない」と言い続け、その人生に寄り添う。そんな大人の姿勢こそが、子どもたちを本当の意味で大事にすることに繋がっていくのです。出演:熊本市立出水南中学校校長・田中慎一朗さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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「文系・未経験」の私がAIを相棒に東大で発表するまで――オープンデータが救う、熊本・合志市の公共交通
今回のテーマは「オープンデータとAIで地域を救う」です 。ライブ配信ディレクターの斉場俊之さんが、東京大学で開催された公共交通の最前線イベントに登壇 。プログラミング未経験の「文系」でありながら、AIを駆使して地域課題の解決に挑んだ、その驚きのプロセスを紐解きます。🔶 「オープンデータ」は社会を動かす共有財産斉場さんは、先週「東京大学」で開催された「公共交通オープンデータ最前線2026」というイベントに参加しました 。そこで語られたのは、国や民間が持つデータを無償で公開し、誰でも自由に活用できるようにする「オープンデータ」の可能性です 。「データは置いているだけでは役に立ちません。みんなで共有し、新しいサービスを生むことで、暮らしや経済を活性化させる。これこそがオープンデータの目的です」 ▶ 透明性と効率化: 行政の情報を公開することで、より住みやすい街づくりが可能になる 。▶ 熊本の事例: バス運行情報アプリ「バスきたくまさん」も、公開された運行データを元に作られている 。🔶 AIという“最強の相棒”と挑んだ「駅の案内板」作り斉場さんが解決したかったのは、自身が住む熊本県合志市・御代志駅の課題でした 。人口は10年で1割増えているのに、熊本電鉄の利用者は3割減少 。深刻な運転士不足による減便や、激しい渋滞によるバスの遅れが利用者を遠ざけていました 。「電車とバスの時間を一目で比較でき、遅れも把握できる案内板が駅にあれば便利になるはず」――そう考えた斉場さんでしたが、プログラミングの知識は皆無でした 。▶ 生成AIとの対話: AIに「こういう案内板を作りたい」と指示し、プログラムのコードを作成してもらう 。▶ 2週間の試行錯誤: AIと「何が間違っている?」「どう解決する?」とキャッチボールを繰り返し、素人でも動くプログラムを完成させた 。この「一般人が地域課題にチャレンジするストーリー」は、東大に集まった専門家たちからも大きな手応えを得たと言います 。🔶 バスの遅れから「ショッピングセンターの混雑」を推測イベントでは斉場さんのほかにも、熊本のデータを使ったユニークな発表がありました 。▶ 混雑を回避する知恵: ショッピングセンター周辺を走るバスの遅延情報から、道路の渋滞を察知し、店舗の混雑を推測するサイト 。▶ 行動変容のきっかけ: 「混んでいるから時間をずらそう」という情報を提供し、渋滞を未然に防ぐ試み 。「道路を新設するには膨大な時間と維持費(コスト)がかかり、将来の負担になります。それを『知恵と情報』で解決できれば、コストを下げ、未来の負担を減らせるんです」 🔶 今日はここを持ち帰る:アイデア一つで地域が変わる5つのヒント「オープンデータ」を探してみる: 私たちの身の回りには、無料で活用できる役立つデータが既に眠っています 。AIは「文系」の強い味方: 技術的な壁はAIが補ってくれる。プログラミングができなくても、指示役(監督)になればいい 。課題を「アイデア」に変換する: 「不便だな」と感じる場所こそ、新しいサービスが生まれるチャンスです 。情報の透明性が行動を変える: 「混雑」や「遅れ」を可視化することで、みんなで渋滞を避けるなど賢い選択ができるようになります 。完璧でなくても「まず作る」: AIとの対話を恐れず、トライ&エラーで形にしてみることが、地域を救う第一歩です 。「大切なのはスキルの有無ではなく、アイデアの時代。AIという相棒を連れて、熊本をどんどん変えていけるはずです」 🔶 まとめTSMCの進出で活気づくイメージの強い熊本ですが、足元には公共交通の維持という切実な課題があります。斉場さんは「道路を作れば終わりではない。維持費という将来の負担を、知恵で解決したい」と結びました。「技術はAIに任せ、人間はアイデアを出す」。そんな新しい地方創生の形が見えた、東大での発表報告でした。出演:ライブ配信ディレクター・斉場俊之さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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3月のスクリーンは「魔法・ダンス・卓球」の情熱が沸騰!上妻さんが語る新作3本
卒業や新生活を控えた3月、映画館には人生の「選択」と「情熱」を描いた物語が揃いました 。圧倒的な歌声が響くファンタジー後編、闇社会とダンスが融合した異色作、そして伝説の卓球選手を描くオスカー候補作まで、その見どころを凝縮してお伝えします。🔶 運命に分かたれた魔女たちの結末「ウィキッド 永遠の約束」(3月6日公開)公式サイトはこちら👉 https://wicked-movie.jp/昨年公開された前編に続く、2部作の完結編がついに幕を開けます 。『オズの魔法使い』の裏側に隠された、二人の魔女――エルファバとグリンダの友情の終着点が描かれます 。知られざる過去と決別: 「悪い魔女」の汚名を着せられながら戦うエルファバと、「善い魔女」として国の象徴を担うグリンダ 。親友だった二人が、運命によって別々の道を歩まざるを得ない切ないドラマが展開します 。歴史的名作へのオマージュ: 今作は1939年の映画『オズの魔法使い』へと物語が繋がっていく構成になっており、往年のファンを唸らせる仕掛けが随所に散りばめられています 。圧倒的なキャスト: 舞台出身のシンシア・エリヴォと、世界的歌姫アリアナ・グランデ。二人の豪華共演による歌声は、物語の深みをより一層引き立てます 。🔶 「暗殺者×ダンス」という衝撃の融合「スペシャルズ」(3月6日公開)公式サイトはこちら👉 https://eiga-specials.com/『ミッドナイトスワン』や『ナイトフラワー』を手がけた内田英治監督による、ジャンル分け不可能なエンターテインメント大作です 。奇想天外なプロット: 闇社会の黒幕を暗殺するため、殺し屋たちが「ダンス大会」に潜入。孫娘を溺愛する標的を狙うため、彼らはダンスを習得し大会出場を目指します 。全身で魅せる「本物のダンス」: 出演は**佐久間大介(Snow Man)**さん、椎名桔平さん、小沢仁志さんら超豪華。カットを割らず全身を映し出す撮影手法は、代役なしで挑んだキャスト陣の熱量と、本格的なミュージカル映画への敬意を感じさせます 。熊本ゆかりの才能にも注目: ダンスを教える少女役の金浦ちゃんや、ターゲットの孫娘役を演じる熊本出身の平川柚希さんのキレのあるダンスも見どころです 。🔶 卓球に捧げた波乱万丈の半生「マーティ・シュプリーム 世界をつかめ」(3月13日公開)公式サイトはこちら👉 https://happinet-phantom.com/martysupreme/1950年代に実在した伝説の卓球選手をモデルに、世界を掴もうともがく男の姿を描きます 。ティモシー・シャラメの新境地: 主演のティモシー・シャラメは今作で見事にゴールデングローブ賞を受賞 。やんちゃで複雑なキャラクターを魅力的に演じ、卓球シーンでも驚異的な努力を見せています 。東京が舞台のクライマックス: 世界選手権が東京で開催される設定となっており、日本でのロケシーンも登場します 。ライバルの日本人チャンピオン役として、実際にトヨタ自動車に所属する卓球選手・川口聖司さんが出演している点も注目です 。アカデミー賞13部門ノミネート: 3月15日(現地時間)の発表を控え、衣装やメイクなどの美術面でも高い評価を得ている本作。オスカー争いの最有力候補として見逃せません 。🔶 まとめ:見終わった後に「ずっしり」と残る体験を「今月の新作は、どれもキャラクターの内面の変化が丁寧に描かれています。単なるエンタメに留まらず、見終わった後に人生について考えさせられる作品ばかりです」(上妻さん) エンターテインメントの枠を超え、人間ドラマとしても一級品の作品が揃った3月。春の訪れとともに、映画館で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。#ティモシーシャラメ #アリアナグランデ #椎名桔平 #小沢仁志 #佐久間大介 #シンシアエリヴォ #SnowMan
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「法律違反ではない」で済ませていいのか?――高市総理の1,000万円カタログギフトが問う政治の品格
本日のテーマは「政治とカネ」の新たな火種です。高市早苗総理大臣が、衆議院選挙での当選祝いとして同僚議員315人に総額約1,000万円のカタログギフトを贈ったことが波紋を広げています。宮脇利充さんは、「形式上の合法性」の裏に隠された、三権分立の形骸化や政治資金の本質的な問題を鋭く指摘します。🔶 「政党支部」という隠れみの――石破前総理との決定的な違い今回の問題は、高市総理が代表を務める「自民党奈良県第2選挙区支部」から支出された点にあります。個人から政治家への寄付を禁じる政治資金規正法の網を、組織を介することで回避した形です。宮脇さんは、ちょうど1年前(2025年3月)に石破前総理が「ポケットマネー」から商品券を渡し、謝罪・返却に追い込まれた事例を挙げ、その「差」を読み解きます。🔵 ポイント実態は「個人」の贈り物?: カタログギフトののし紙には「お祝い 高市早苗」と個人名が記されており、支部と本人の一体化が露呈しています。税制優遇の趣旨: 政党支部は、党の主張を国民に広める活動のために税制優遇を受けています。同僚へのお祝いがその趣旨にかなうのか、強い疑問が残ります。🔶 「財布は一つ」――政党交付金19%の重み高市総理は「政党交付金(税金)からは支出していない」と釈明していますが、宮脇さんは収支報告書のデータからその矛盾を指摘します。奈良県第2選挙区支部の収入のうち、政党交付金(国民1人当たり250円が原資)は約19%(3,373万4,800円)を占めています。🔵 ポイントお金に色はついていない: 寄付金が8割を占めるとはいえ、同じ口座で管理されていれば、税金が「贈り物」の一部になっていないと証明するのは困難です。国民感情との乖離: 物価高に苦しむ有権者をよそに、高級グルメやスパ体験が選べるカタログギフトを贈り合う姿は、「誰のための政治資金か」という不信感を募らせます。🔶 失われる「三権分立」の緊張感内閣総理大臣(行政権の長)が、衆議院議員(立法権の構成員)に多額の贈り物をすること。これは単なるマナーの問題ではなく、憲法の精神に関わる事態だと宮脇さんは説きます。🔵 ポイント独立性の担保: 予算審議を控える中での贈り物は、立法府の行政に対する監視機能を鈍らせ、緊張感を損なう恐れがあります。立場の使い分け: 自民党総裁と内閣総理大臣、それぞれの顔を都合よく使い分ける「政治の慣習」に、改めてメスを入れる必要があります。🔶 「政治には金がかかる」の正体裏金問題の際、多くの議員が口にした「政治には金がかかる」という言葉。今回の1,000万円のプレゼントは、その「かかっている金」の行き先を象徴しています。1994年の政党交付金導入時、細川護熙元総理や河野洋平氏が目指した「企業・団体献金の廃止」という理想はいま、完全に形骸化しています。🔶 今日はここを持ち帰る:政治資金を見極める5つの視点「合法」=「妥当」ではない: 法律の穴を突いた支出ではないか、国民の常識に照らして判断します。支出の「名目」と「実態」: 組織名での支出であっても、のし紙の名義のように「誰の手柄」になっているかを確認します。財布の内訳を知る: 政党交付金(私たちの税金)が混ざった資金が、何に使われているかに敏感になります。三権分立の視点: 権力者同士の過度な「ねぎらい」が、公的な監視機能を弱めていないかを注視します。新人議員の志を問う: 研修会で疑問の声すら上がらない現状に、有権者が「それはおかしい」と声を届け続けることが重要です。「カタログギフトでウナギを選ぶ前に、物価高に苦しむ国民の食卓を思い浮かべるべきです」(宮脇利充)🔶 まとめ政治資金は、自らの権力を維持するためではなく、国民のために使われるべきものです。宮脇さんは、高市総理のこの行為を「昭和の中小企業の親父のようなねぎらい」と片付けるのではなく、現代の民主主義における「公私混同」の危うさとして捉え直すべきだと結びました。出演:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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マラソンの「痛み」で見えた、子どもたちの“歩み”
――田中慎一朗校長が振り返る「熊本城マラソン」と教育への想い2026年2月15日、早春の風が吹く中で開催された「熊本城マラソン」。熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長も、一人のランナーとしてスタートラインに立っていました。しかしその裏側には、当日の朝に起きた「まさかの事態」と、リタイアしたからこそ見えた「大切な気づき」がありました。聞き手は、RKKの江上浩子です。🔶 スタート直前の「ぎっくり腰」という試練田中校長にとって、マラソンは「大嫌いなのに、なぜか申し込んでしまう」という不思議な挑戦です。今回も万全を期して新調したシューズと共に準備を進めていましたが、大会当日の朝、激痛が彼を襲いました。「歯を磨きながら、体調不良で出た咳にむせてしまったんです。その瞬間、腰に激痛が走りまして……。まさかの場所でのぎっくり腰でした」歩くのもやっとの状態でしたが、田中校長は諦めませんでした。▶ 痛み止めを飲み、少し体が動くようになるまで横になる▶ 「せっかくの権利、スタートラインに立たなければ」という強い想い▶ 自転車で滑り込むようにしてスタート地点へ執念でレースを開始した田中校長は、10キロ、15キロと順調にペースを刻みます。しかし、20キロを過ぎたアクアドーム付近で、腰の痛みと喘息のような症状が重なり、限界を迎えます。🔶 22キロ地点でのリタイア、そこで目にした「走る姿」川尻の町並みを抜け、温かい応援を受けながらも、田中校長は第3関門(約22キロ地点)でリタイアを決断します。「勇気ある断念」でしたが、その場で目にした光景が、教育者としての心に強く響きました。「私の目の前で、関門が閉まってしまったんです。でも、その後ろを走っている人たちがいました。明らかに次の関門には間に合わない、失格が決まっている状況なのに、それでも走るのを止めないんです」▶ 制限時間に間に合わないと分かっていても、歩みを止めない▶ 「最後まで力を出し切りたい」という、目に見えない価値▶ 誰もいない道の先を見つめて走り続ける姿「完走できなかったから意味がない」のではなく、その一歩一歩にこそ価値があるのではないか――。田中校長は、その姿を今の受験生や、悩みの中にいる子どもたちの姿に重ね合わせました。🔶 「つらい」は、人生を前に進めている証拠田中校長は、いま苦しい状況にある子どもたちへ、自身の経験を通したメッセージを送ります。「勉強がつらい、学校に行けなくて苦しい。そう思っている子もいるでしょう。でも、『つらい』『きつい』と感じるのは、あなたが足を前に出している証拠なんです」勉強もマラソンも、止めれば楽になります。▶ 止まれば痛みは消えるが、前には進めない▶ 苦しさを感じていること自体が、人生を前に進めている証明▶ たとえ家の中にいたとしても、葛藤しているならそれは「前進」である「つらさや痛みは、あなたが自分の人生を切り拓こうとしている証拠。だから、その歩みを否定しないでほしいんです」🔶 「伴走者」として子どもたちに寄り添う田中校長は、自分自身がボロボロになって走ったからこそ、改めて「寄り添う」ことの意味を再確認したと語ります。「一緒に走っていると、隣の人の痛みが自分のことのように分かるんです。声には出さなくても、『つらいよね、もうちょっと頑張ろうか』と心の中で会話しているような感覚。教育も同じだと思うんです」学校という現場で、校長として、教師として、どう子どもたちと向き合うべきか。▶ 「あなたの歩みは絶対に間違っていない」と言い続ける▶ きつい状況でも進める力を持っていることを信じる▶ 成功や結果だけでなく、その過程にある「痛みを伴う歩み」に寄り添う「どんなにきつくても、あなたは前に進んでいる。その力があることを忘れないでほしい」リタイアという苦い経験を、子どもたちの未来への力強いエールに変えた田中校長。来年の再挑戦に向けた意欲とともに、教育現場での新たな決意を語るお話でした。
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ライブ配信ディレクターが振り返る“戦後最短”の衆院選――デジタル時代に再発見した「紙媒体」の価値
――時間と情報をどう積み上げ、未来へつなぐかライブ配信ディレクターの斉場俊之さんが、戦後最短となった今回の衆院選を振り返ります。デジタル戦略の専門家でありながら、斉場さんが今回最も注目したのは、意外にもアナログな「選挙公報」でした。聞き手は、RKKの江上浩子です。🔶 「生活の基盤」はどこへ? 争点の偏りへの違和感今回の選挙戦、熊本県内(1区〜4区)では自民党が全議席を維持する結果となりました。斉場さんは一有権者として、議論の「中身」に物足りなさを感じたと語ります。「私は常に『地方の公共交通問題』を最大の関心事にしていますが、今回の争点は物価高対策と国のあり方(外交・外国人政策)に終始してしまいました 」地方創生や、暮らしを支えるインフラの議論が置き去りにされたのではないか――。斉場さんは警鐘を鳴らします。▶ インフラの老朽化: 埼玉県八潮市の道路陥没事故のようなリスクへの備え ▶ 深刻な人手不足: 物流や福祉など、現場を支える人々への手当て ▶ 税のあり方: 社会保障財源である消費税を、安易に取り崩す議論だけで良いのか 「今困っている物価高への対策はもちろん必要ですが、将来のためにコツコツ積み上げるべき予算まで削り合っている状況には疑問を感じました 」🔶 超短期決戦が招いた「SNS発信のトーンダウン」ライブ配信のプロとして、各候補者のネット戦略にも注目していた斉場さん。しかし、16日間という超短期決戦の影響は顕著でした。「準備時間が足りず、SNS発信がまばらになったり、Webサイトが更新されない候補者が目立ちました。結局、街頭で名前を連呼する旧来のスタイルが精一杯だったのでしょう」そんな中、ネット戦略で対照的な動きを見せたのが新興勢力です。▶ チームみらい: 初の衆議院議席獲得。着実なネット戦略が成果に結びついた▶ 参政党: 議席を伸ばしたものの、ネット上の熱量に対しては評価が分かれる形に「平等なスタートラインに立ちにくい超短期決戦は、SNSでの深いメッセージ発信を難しくしてしまいました」🔶 「同じ公約」への驚き――選挙公報から見える“個”の欠如斉場さんが今回、最も驚いたと語るのが「選挙公報」です。特に参政党の各区候補者が掲載した内容に、強い違和感を覚えたと言います。「1区から4区までの候補者が、写真とプロフィール以外、全く同じ内容のものを掲載していました 。政党の考えが一致しているのは素晴らしいことですが、地域の実情をどう汲み取るかが抜け落ちています」▶ 地域代表としての言葉: 3区なら3区の、4区なら4区の課題に対する解決策を語るべき▶ アウトプットの力: 限られた紙面で自分をどう出すかは、国会でどう力を発揮できるかに直結する 「『代議士』である以上、政党の考えを自分なりに噛み砕き、地域のためにどう反映させるのかを自分の言葉で見せて欲しかったですね」🔶 フェイクと誹謗中傷の時代だからこそ「紙」が光るITの最前線にいる斉場さんが、最後に強調したのは「紙媒体」の圧倒的な価値でした。「ネットは便利ですが、フェイク動画や誹謗中傷合戦に溢れ、正しさの判断に疲れ果ててしまうのが正直なところです 」それに対し、新聞に折り込まれる選挙公報などの紙媒体には、デジタルにはない3つの強みがあります。不変性: 後から書き換えたり、消したりすることができない 検証可能性: 当選後、掲げた公約を守っているか証拠として残る 信頼の礎: 情報が移ろいやすい時代だからこそ、変わらない情報の「礎」が必要🔶 次の世代へ「正しい選択」を渡すために「日本も熊本も今、大きなうねりの中にいます。だからこそ浮足立つことなく、未来を着実に積み上げていく政治を期待したい。私たち有権者も、一時の感情ではなく残された情報をしっかり見極める力を持つべきです 」デジタルの速さと、アナログの確かさ。その両方を使い分けながら、当選した政治家たちがどう動くのかを監視し続けること。それが、次の世代に誇れる社会を渡すための、私たちの責任だと感じさせるお話でした。出演:ライブ配信ディレクター・斉場俊之さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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2月は“絆と再生”の物語が豊作 上妻祥浩さんが語る注目の新作4本
――大切な人との「別れ」と、その先に見える「光」 映画解説研究者の上妻祥浩さんが、2月公開の注目作を語りました。 今月のテーマは「最期の時間、そして家族の形」。 大ヒット作『おくりびと』を彷彿とさせる感動作から、熊本・天草ロケが光るハリウッド作品まで、心に深く刻まれる4作品が揃いました。 聞き手は、RKKの江上浩子です。🔶 最期の想いをつなぐ「ほどなく、お別れです」 (2月6日公開)公式サイトはこちら👉 https://hodonaku-movie.toho.co.jp/ 浜辺美波さんと目黒蓮さんの豪華ダブル主演で贈る、葬儀の場を舞台にした物語。 亡くなった人の姿が見え、会話ができる特殊な能力を持つヒロインが、目黒さん演じる葬祭プランナーにスカウトされ、インターンとして働き始めます。 ▶ 事故や病で突然訪れる「死」にどう向き合うか ▶ 遺された家族が抱える“隠しごと”や“想い”をどう繋ぐか ▶ 自分自身や大切な人の「最期」を考える前向きなきっかけに 「葬儀というタブー視されがちな場を、寄り添いと再生のドラマとして描いています。特報映像だけでも胸に迫るものがあります」(上妻さん)🔶 天草の美しい光景がスクリーンに「レンタル・ファミリー」 (2月27日公開)公式サイトはこちら👉 https://www.searchlightpictures.jp/movies/rentalfamily 『ザ・ホエール』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザー主演。 日本で暮らす落ち目の米俳優が、家族の代役を演じる「レンタル・ファミリー」の仕事を通じて、自身の孤独と向き合い成長していく物語です。 ▶ 全編日本ロケ。後半は熊本・天草が舞台 ▶ 柄本明さん演じる登場人物の出身地として天草が登場 ▶ 嘘から始まる「思いやりの連鎖」を描くヒューマンドラマ 「熊本ナンバーの軽トラに揺られるブレンダン・フレイザーと柄本明さんという、シュールながらも美しい光景は見逃せません。天草のありのままの自然が実に見事に撮られています」(上妻さん)🔶 江戸の芝居小屋で真実を追う「木挽町のあだ討ち」 (2月27日公開)公式サイトはこちら👉 https://kobikicho-movie.jp/ 直木賞受賞作の待望の映画化。柄本佑さんが、ある仇討ちの真相を探る侍を演じます。(父・柄本明さんの出演作と同日公開という「柄本ファミリー」の共演も見どころです) 。銀座の芝居小屋のそばで起きた、美談とされる「仇討ち」。しかしその裏には……。 ▶ ミステリー小説を読み進めるような、二転三転する鮮やかな展開 ▶ 堤真一さんをはじめとする豪華キャストが彩る江戸の情緒 ▶ 真実が明らかになった後の、爽やかで深い感動 「のらりくらりと話を聞きながら、核心に切り込む佑さんの演技が絶品。見終わった後の余韻が素晴らしい、極上のエンターテインメントです」(上妻さん)🔶 葛藤と愛情のロードムービー「ぼくが生きている、ふたつの世界」 (2月27日 熊本市男女共同参画センターはあもにいにて上映)詳しくはこちら👉 https://harmony-mimoza.org/hall_saiji/hall-other/202601171592 吉沢亮さんが主演を務め、耳の聞こえない両親のもとで育った息子(CODA:コーダ)の葛藤と絆を描きます。 ▶ 音のない世界と、聞こえる世界の間で揺れ動く繊細な心理 ▶ 通訳という役割を超えた、親子としての深い愛情 ▶ 吉沢亮さんの静かながらも熱い演技が光る名作 「家族だからこそぶつかり、分かり合いたいと願う姿に心が震えます。今回の特別上映会は、ぜひ多くの方に足を運んでいただきたい一作です」(上妻さん)🔶 “いま”を大切に生きるためのメッセージ「今月の4作品に共通しているのは、人と人との『接点』の尊さです。 お葬式、レンタル家族、仇討ちの裏側、そして親子の絆。 形は違えど、誰かを想う気持ちの美しさが描かれています」(上妻さん) 寒い冬、映画館の暗闇の中で、 誰かを大切に想う温かな“ひかり”を受け取ってみてはいかがでしょうか。#浜辺美波 #目黒蓮 #柄本佑 #柄本明 #ブレンダンフレイザー #吉沢亮
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名字は誰のもの?「選択的夫婦別姓」から見える国家と個人の距離感
本日のテーマは「選択的夫婦別姓」です。衆議院議員選挙では物価高や税制が注目されがちですが、その影で語られるこの問題は、実は「国家が個人の自由をどこまで制約していいのか」という人権の本質を突いています。宮脇利充さんが、各党の公約や世論のデータをもとに、いま私たちが考えるべき視点を整理します。🔶 30年間動かない制度――政治の停滞と「廃案」の現実 1996年に法制審議会が導入を答申してから約30年。選択的夫婦別姓制度はいまだ実現していません。昨年の通常国会では20数年ぶりに審議が行われたものの、各党の思惑が絡み合い、衆議院解散に伴って再び「廃案」となりました。宮脇さんは「これは単なる制度論ではなく、幸福追求権という国民の基本的な権利を国家がどう扱うかという問題だ」と指摘します。🔵 各党の立ち位置(衆院選公約より)導入に前向き: 立憲民主党、公明党、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組慎重(通称使用の法制化に留める): 自由民主党、日本維新の会反対: 参政党、日本保守党🔶 世論調査で見える「賛成多数」と「男女の温度差」 複数の世論調査では、いずれも「選択的」な別姓導入を支持する声が過半数、あるいは反対を大きく上回っています。男女共同参画学協会連絡会調査: 67.2%が賛成日本財団「18歳意識調査」: 47.6%が別姓を選べるようにすべきと回答(現状維持は20.5%)連合(日本労働組合総連合会)調査: 46.8%が「選択できる方が良い」と回答注目すべきは、賛成者の多くを女性が占めている点です。現在、結婚時に「夫の姓」に変える夫婦は約95%。宮脇さんは、自身の経験を振り返り「男性側は『当たり前』として名字を変える苦労やキャリアへの支障をリアルに考えてこなかったのではないか」と自省を込めて語ります。🔶 「伝統」か「人権」か――反対論の根拠を問い直す 法務省のホームページにも紹介されている反対意見についても、宮脇さんは冷静に分析します。🔵 ここを深掘りする「日本の伝統」という誤解: 夫婦同姓が義務付けられたのは1898年(明治31年)の明治民法から。歴史的に見ればわずか128年ほどの制度であり、「古来からの伝統」とは言い切れません。「家族の一体感」の行方: 「同姓でなければ一体感が損なわれる」という意見に対し、宮脇さんは「では、世界で唯一、同姓を義務付けている日本以外の国々には、家族の一体感がないのでしょうか」と問いかけます。🔶 世界で「日本だけ」という異常事態 法務省の資料によれば、法的に夫婦同姓を義務付けている国は、現在確認されている限り世界で日本だけです。他の国々では、別姓、同姓、あるいは結合姓など、多様な選択肢が認められています。🔶 今日はここを持ち帰る:1票を投じるための「人権」チェックリスト「選択的」の意味を正しく知る: 同姓がいい夫婦は同姓を選べる。「自由を広げる」制度であり、誰かに強制するものではないことを再確認します。手続きの負担を想像する: 運転免許、パスポート、銀行口座、マイナンバー。名字を変える側の煩雑なコストに想像力を働かせます。キャリアの継続性: 研究者やビジネスの世界で、積み上げた実績(氏名)が途切れることの不利益を「個人の問題」で片付けない。他者の自由を認める: 公共の福祉に反しない限り、個人の生き方は尊重されるべきという「憲法の精神」に立ち返ります。国家の姿勢を見る: 個人のアイデンティティである「名前」を国家がどう捉えているか。その姿勢は他の表現の自由や思想信条の自由への態度とも直結しています。「自分の中にある当たり前(思い込み)を疑い、他者の生きづらさに耳を傾ける。そこから社会の多様性が始まります」(宮脇利充)🔶 まとめ 「物価高だから、不景気だから、人権問題は後回しでいい」のか。宮脇さんは、この問題への態度こそが、その政党や候補者が「個人の尊厳」をどれだけ重んじているかのリトマス試験紙になると語ります。 明治以来の制度を思考停止で守るのか、それとも現代の生き方に合わせてアップデートするのか。次の一票を投じる前に、自分自身の「名前」への思いから考えてみたいテーマです。出演:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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正義のつもりの“袋叩き”が、社会を後退させる
――田中慎一朗校長が語る、SNS動画拡散と「プロセスの保障」年末年始、SNS上で中高生による暴力動画が相次いで拡散され、大きな波紋を呼びました。 激しい非難、投稿者の特定、住所のさらけ出し――。 「悪いことをしたのだから当然だ」という世論が渦巻く中、熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、 「その『正義』のあり方が、実はさらなる悲劇を生んでいないか」と静かに問いかけます。 聞き手は、RKKの江上浩子です。🔶 「事実(Fact)」は一つ、「真実(Truth)」は人の数だけある 事件が起きると、私たちは映し出された映像だけを見て、すべてを分かったつもりになりがちです。しかし田中校長は、物事には二つの側面があると言います。「警察が調べるのは、いつ、どこで、誰が何をしたかという『事実』です。 しかし、その背景にある文脈やストーリーといった『真実』は、そこにいた人の数だけ存在します」映像に映っていない場所で、何が起きていたのか。 ▶ なぜその行為に至ったのかという背景 ▶ その場にいた他の子たちは何を思っていたのか ▶ 映像を拡散させた側の意図は何だったのか「目に見える断片だけで『徹底的に懲らしめろ』と袋叩きにすることは、果たして正義なのか。その攻撃自体が、また別の暴力になってはいないでしょうか」🔶 「手続き保障」こそが、私たちが安心して生きるための砦 田中校長が強調するのは、未成年であっても「法的な手続き」を正しく経ることの重要性です。「やったことに対しては、司法の場で、未成年であれば少年法などの手続きに基づき、きちんとした処遇が決定されるべきです。それが法治国家のルールです」SNSによる私刑(個人の特定や個人情報の晒し)は、この「手続き」を無視した行為です。 ▶ 一方的な決めつけは、弁明や事実確認の機会を奪う ▶ 晒された側が世の中に恨みを持ち、根本的な解決から遠ざかる ▶ 「ばれないようにやる」という、より陰湿な思考を植え付ける「『手続き保障』があるからこそ、私たちは安心して生きていけます。 それを無視して誰かを攻撃することは、回り回って自分たちの首を絞め、世の中を不安定にしていくことにつながるんです」🔶 心理学「プロセスワーク」から見る、役割(ロール)の入れ替わり 田中校長は今、大学で「紛争解決学」を学ぶ中で、心理学者アーノルド・ミンデルが提唱した「プロセスワーク」という考え方に注目しています。 そこで語られるのは、「加害者」や「被害者」という役割(ロール)は、固定されたものではないということです。「いじめている子が、別の場所では誰かにいじめられているかもしれない。 家庭での虐待や、社会からの抑圧に苦しんでいるかもしれない。 そう考えると、動画で加害者に見える子も、ある側面では『社会からいじめられている被害者』の役割を担っていることがあるんです」役割はぐるぐると動き回ります。 ▶ 加害者が、SNSのバッシングによって過剰な被害者になる ▶ 正義を振りかざす視聴者が、無自覚に加害者へと転じる ▶ この連鎖が続く限り、問題の根本は解決せず、悲劇は繰り返される「その子個人の問題として切り捨て、『自分の側には問題がない』と断定してしまうのは非常に危険です」🔶 「犯人探し」ではなく「構造」に目を向ける 事件が起きるたびに、「家庭教育が悪い」「学校は何をしていた」と、誰かを責めることで決着をつけようとする風潮があります。 しかし、田中校長は「誰かに問題を落とし込む(押し付ける)こと」をやめるべきだと訴えます。「なぜ子どもたちが動画を拡散させてしまうのか。なぜ暴力を止めることができなかったのか。 その『構造』そのものに、みんなで関心を持つべきなんです」▶ 特定の個人を責めて終わらせない ▶ 「モヤモヤ」をみんなで抱えながら、解決の姿勢を探る ▶ 大人が自分の襟を正し、子どもにどんな社会を見せるべきか考える「子どもは大人の背中を見ています。 大人がSNSで誰かを袋叩きにする姿を見せながら、子どもに『暴力を振るうな』『いじめをするな』と言っても、説得力はありません」教育の現場でも、家庭でも、そして社会全体でも。 簡単な「犯人探し」に逃げるのではなく、私たちが作るこの社会が、子どもたちをどう形作っているのか。 もう一度、謙虚に見つめ直す勇気が求められています。
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2026年は公共交通強化元年!? さいばの公共交通アップデート
「2026年は公共交通強化元年!?」をテーマに、ライブ配信ディレクターの斉場俊之さんが、熊本の交通政策に起きている“ギアチェンジ”を読み解きました。聞き手は江上浩子(RKK)です。斉場さんが注目したのは、年末の報道番組インタビューで、熊本市長と熊本県知事が公共交通を最前面に置き、しかも呼吸を合わせるように語ったこと。交通は市の境界線だけでは解けない課題だからこそ、県と市が同じ方向を向く意味は大きい——そんな問題意識から話が始まりました。🔶なぜ今「公共交通強化元年」なのか年末年始は、政治リーダーが「今年の抱負」を語る季節です。斉場さんは、その抱負の中で**“公共交通”が真っ先に出てきた**点を重く見ます。▶ 熊本市長が「公共交通を、県知事と徹底的にやりたい」と明言▶ 県知事が翌日、「2026年を強化元年に」と受けて返した斉場さんの見立てはこうです。交通渋滞や移動の課題は、熊本市だけで完結しません。周辺自治体や県全体、そして交通事業者と一緒に動かないと、血流(=移動)が滞ったままになる。だからこそ、県と市が“同じ言葉”で踏み込んだことが、合図として強い。🔶注目ポイント:県と市が「言い切った」ことのインパクト政治の言葉は、ときに曖昧になりがちです。ところが今回は、斉場さんいわく「どちらにも取れる話」ではなく、方向性をはっきり言い切った。▶ 「徹底的にやる」=“市だけではなく県と組む”前提の宣言▶ 「強化元年」=県民に向けた、年単位の旗印ここで生まれるのは期待だけではありません。期限や旗を立てた以上、市民・県民のチェックの目も厳しくなる。実行できなければ反動も大きい——斉場さんは、そこまで含めて「緊張感がある」と見ています。🔶熊本市の新提案「運輸連合」とは何か斉場さんが「さらにギアチェンジを感じた」と語ったのが、熊本市議会の特別委員会で示されたという「運輸連合」の提案です。 ポイントは、交通を「民間任せ」だけにしない発想。▶ 路線や本数、運賃などを、行政と事業者が協議し一体的に運営する▶ “採算が苦しいから減便・値上げ”の連鎖を、地域全体の設計で止める▶ 必要な移動を「公共サービス」として、持続可能な形に組み直す斉場さんが評価したのは、提案そのものに加えて、資料に「これまでの取り組みの限界」や「根本解決ができていない」ことを明記していた点です。まず現状を認め、そのうえで仕組みを変える——ここに、これまでと違う手触りがある、と。 🔶市電は「期限つきメニュー」へ:三連接車・増便・信用乗車交通の“目に見える変化”として語られたのが市電です。斉場さんが挙げた具体策は次の通り。▶ 三連接車の増備(長い車両を増やす)▶ 増便▶ 信用乗車(乗降の仕組みを見直す)▶ しかも「今年度末までに対策を整理」と期限を区切る 20260112104354-0001「いつか頑張ります」ではなく、「いつまでに何を」が見えてきた。これが、2026年を“元年”と呼ぶ空気を支えている——という整理です。🔶期待と注意点:期限を切った改革の光と影斉場さんの話を、賛否両面で並べるとこうなります。利点▶ 期限があると、議論が「実行計画」に落ちる▶ 市民・県民が検証しやすくなる(説明責任が立つ)▶ 交通は複数主体の課題なので、トップの意思が“連携の接着剤”になる欠点▶ 期限だけ先行すると、現場の負担が増えやすい▶ 目標未達のとき、行政不信が強まる▶ 交通は運転手不足・コスト増など外的要因も大きく、調整の難度が高いだからこそ、斉場さんは「期待して見守る」だけでなく、市民側も提案して関わることを呼びかけます。🔶私たちにできること:「主権者の交通」にする交通は“誰かが用意してくれるもの”であると同時に、暮らしの設計図でもあります。▶ 「こうしてほしい」を、言葉にして届ける(意見募集・パブコメ等)▶ 使える区間は公共交通を“実際に使う”(需要が可視化される)▶ 自分の移動も見直す(時間をずらす、乗り換えを試す、選択肢を増やす)血流を良くするには、心臓(行政)だけでなく、体全体(利用者)も一緒に動く必要がある。斉場さんの比喩を借りれば、そんなイメージです。🔶さいごに:斉場さんの2026年目標ちなみに斉場さんの個人目標は、前年に自転車で走った距離を更新して「1万km」。公共交通の話で熱くなったあとに、最後はちゃんと自分にも締切を課す——ここが斉場さんらしい、と思うわけです。🔶まとめ:2026年が“元年”になる条件▶ 県と市のトップが公共交通を前面に出し、連携の意思を言い切った ▶ 熊本市は「運輸連合」を提案し、仕組みから組み直す発想を示した▶ 市電は三連接車・増便・信用乗車など、具体策と期限が見えてきた▶ 期限を切った改革は、成功すれば追い風、失敗すれば反動も大きい▶ 市民・県民も「提案と利用」で関わるほど、元年は現実に近づく
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家族の嘘と戦場の95分、そして“禁断”の青春~上妻祥浩さんが語る注目の新作3本
今月公開の映画から、聞き手の江上浩子(RKK)が、ゲストの上妻祥浩さんに「これはぜひ」と推された3本を、放送の空気感は残しつつ、読み物として整理しました。テーマはばらばらなのに、どれも“人が自分を守るために選ぶ行動”が、ちゃんと痛くて、ちゃんと愛おしい。そんなラインでつながっていました。🔶『架空の犬と嘘をつく猫』|1月9日(金)公開まず上妻さんが挙げたのは、日本映画『架空の犬と嘘をつく猫』。タイトルだけで、もう少し胸がざわつきます。犬は“架空”、猫は“嘘をつく”。つまりこの映画、最初から「現実の置き場所」がぐらりと揺れている。物語の核にあるのは、家族が互いを傷つけないためにつく“やさしい嘘”です。けれど、やさしさは時に、嘘の免罪符にもなる。上妻さんが語ったのは、そうした嘘が積み重なっていく30年の時間です。少年だった主人公が大人になり、家族の中で「守るための嘘」と「嘘が生むひずみ」がせめぎ合い続ける。ポイントは、嘘が単なる悪役ではないところ。嘘は人を苦しめもするし、同時に“生き延びるための仮設住宅”にもなる。だからこそ観る側も簡単に断罪できず、むしろ「家族って何だろう」「絆って何だろう」と問いが戻ってくる。嘘って、ちいさくても30年分ためると、だいぶ重い。雪だるまどころか雪崩です。原作は寺地はるなさんの同名小説で、映画は佐賀県(さがけん)の風景の中で撮影されたことも触れられました。主演は高杉真宙さん。共演に伊藤万理華さん、深川麻衣さん、安藤裕子さん、向里祐香さん、安田顕さん、余貴美子さん、柄本明さんらが並び、家族という“逃げられない舞台”を、世代ごとの手触りで支えます。公式サイト:https://usoneko-movie.com/公開日:1月9日(金)🔶2本目:『ウォーフェア 戦地最前線』|1月16日(金)公開2本目は一転して、アメリカ映画『ウォーフェア 戦地最前線』。上妻さんの紹介は明快で、「戦場のど真ん中に、観客を閉じ込めるタイプ」です。共同監督・脚本はアレックス・ガーランドと、米軍特殊部隊出身のレイ・メンドーサ。設定は2006年のイラク、危険地帯ラマディ。特殊部隊の小隊が監視と狙撃の任務で建物に潜伏し、やがて包囲され、逃げ道のない状況に追い込まれる。上妻さんが強調していたのは「過剰に盛らないのに、容赦もしない」という質感でした。序盤は何も起きない“待ち”が続き、その空白が逆に緊迫を増幅する。そして戦闘が始まった瞬間、映画は観客の呼吸まで奪いにくる。現場は混乱し、負傷者が出て、判断は遅れ、パニックが伝染する。映画的に気持ちよく整理されないまま、ただ「戦場はこういう場所だ」と突きつけてくる。この作品は、観終わったあとに軽い感想が出にくいと思います。けれど、上妻さんが言うように、だからこそ“重く受けとめる”価値がある。戦争を「遠い映像」から「近すぎる体験」に引き寄せることで、私たちの想像力の怠け癖を、容赦なく叩き起こします。公式サイト:https://a24jp.com/films/warfare/公開日:1月16日(金)🔶『万事快調〈オール・グリーンズ〉』|1月16日(金)公開3本目は日本映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』。上妻さんの言葉を借りれば、「とんでもない設定なのに、ちゃんと青春映画として成立して、見終わると妙に清々しい」。舞台は田舎町。鬱屈を抱えた女子高校生たちが、現状を抜け出すために“一攫千金”を狙う。そして同好会「オール・グリーンズ」を結成し、学校の屋上で「禁断の課外活動」を始める——公式サイトも、その一線の危うさを隠さずに提示しています。ここで大事なのは、彼女たちが最初から“悪い子”として描かれるわけではない点です。むしろ「どこにも行けない」「変えたいのに変えられない」という閉塞感が先にある。上妻さんが話していたのも、笑いとハラハラが同居しつつ、最後は観る側の心の奥に「わかる、わかるんだよ」と残る感触でした。キャストは、朴秀美役に南沙良さん、矢口美流紅役に出口夏希さんのW主演。岩隈真子役は吉田美月喜さん。公式サイト:https://www.culture-pub.jp/allgreens/公開日:1月16日(金)
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2025年、ロックの“作り直し”を担った世代へ追悼——宮脇利充さんが語る喪失と音楽の継承
年末の挨拶回りが交わす「今年もお世話になりました」の一言。その短い言葉の背後で、2025年は“ロックを作り直した世代”の訃報が静かに重なりました。The Jam、New York Dolls、Gang of Four、そしてジミー・クリフ。宮脇利充さんが、熊本で体験した音楽映画の記憶とともに、喪失の意味と「会っておけばよかった」という後悔をたぐり寄せます。🔶仕事納めの挨拶が、年末の空気を決める年末が近づくと、街のあちこちで「今年もお世話になりました。よいお年を」という言葉が交わされます。いわゆる“仕事納めの挨拶回り”は、年賀状のように簡略化が進む私的な習慣とは違い、いまも残り続けています。ただ、その場は単なる儀礼ではありません。短い会話の中で、1年の失敗を笑い合ったり、来年の話がふっと芽を出したりする。年末の挨拶とは、忙しい日常のすき間に差し込まれる「小さな振り返りの時間」でもあります。この日の「ニュース515+plus(RKKラジオ)」も、年内最後の放送回として、そうした“振り返り”にふさわしいテーマが選ばれました。解説を担当したのは元RKKアナウンサーの宮脇利充(みやわき・としみつ)さん、聞き手は江上浩子(えがみ・ひろこ)アナウンサーです。 🔶2025年——“ロックを作り直した世代”が静かに去っていく宮脇さんが持ち込んだのは、2025年に亡くなった音楽家たちを悼むためのCDでした。話題の中心にあったのは、パンク、ニューウェーブ、ポストパンク——つまり、70年代後半以降に「それまでのロックを一度壊して、作り直した」担い手たちです。実際、2025年には象徴的な名前が相次いで報じられています。★The Jamのドラマー、Rick Buckler(リック・バックラー)さん(2025-02-17、69歳) ★New York Dollsのフロントマン、David Johansen(デヴィッド・ヨハンセン)さん(2025-02-28、75歳) ★Gang of Fourのベーシスト、Dave Allen(デイヴ・アレン)さん(69歳) ★60年代から独特の陰影を放った歌手・俳優のMarianne Faithfull(マリアンヌ・フェイスフル)さん(2025-01-30、78歳) ★そしてレゲエを世界に押し広げたJimmy Cliff(ジミー・クリフ)さん(2025-11-24、81歳) ここで大事なのは、「有名人が亡くなった」という話だけではありません。宮脇さんの言葉を借りるなら、時代の空気を変えた人たちが“鬼籍に入っていく”ことで、こちら側が音楽史の節目に立たされる、という感覚です。半世紀前の革命が、いまは追悼という形で私たちに届く。年末の静けさは、ときにそういう現実をよく見せます。『ハーダー・ゼイ・カム』と、熊本で体験した“1日上映”の時代番組では、ジミー・クリフさんが主演した1972年の映画『The Harder They Come(ハーダー・ゼイ・カム)』にも話が及びました。 宮脇さんが印象的に語ったのは、映画館でのロードショーではなく、市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)のような会場で“昼間に1日だけ”上映される——そんな見せ方が、当時は珍しくなかったという記憶です。いまは音楽映画が次々に公開され、熊本でも老舗の映画館・電気館などで多様な作品がかかります。 しかし昔は、ロック映画は「観たい人が点で集まるイベント」に近かった。客席が数人しかいない日もあれば、逆に“ライブの熱”のような空気に包まれる夜もあった。宮脇さんの回想は、音楽の流行史というより、地方都市が文化を受け取るときの手触りを伝えていました。🔶The Jamと「会っておけばよかった」という、取り返しのつかない話番組後半で焦点になったのは、The Jamのドラマー、リック・バックラーさんの死でした。 The Jamの代表曲「Town Called Malice(タウン・コールド・マリス)」は1982年のシングルとして知られます。 その曲の勢いとは対照的に、話は“人間関係の停止”へ向かいます。宮脇さんが紹介したのは、ポール・ウェラーさんが「長く話していなかった相手に、連絡しないまま時間が過ぎた」ことへの悔いを語った趣旨でした。実際に英音楽誌Uncutなどでも、ウェラーさんの追悼コメントが報じられています。 要するに、ここで語られた追悼の核心はこうです。音楽の歴史は、音の歴史である前に、人の歴史だということ。会わないままの年月は、ある日突然“終わり”に変わります。だから、迷ったら会っておく。声をかけておく。年末の挨拶回りがしぶとく残る理由も、案外そこにあるのかもしれません。🔶受け取った音楽を、次の言葉へ宮脇さんの語りは、追悼で終わりません。残された側ができるのは、音楽を“聴き直す”こと、そして“語り直す”ことです。過去の曲が、いまの生活の中でまた鳴り始める。その瞬間に、文化は相続されます。年末は、暦の区切りです。同時に、記憶の棚卸しでもあります。2025年の終わりに流れた数曲は、私たちに「何を受け取り、何を返すのか」を静かに問いかけていました。解説:宮脇利充(元RKKアナウンサー)/聞き手:江上浩子(RKK)
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教育にお金は届いているか――校長が語る「見えにくい教育環境」のいま
熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、「学校は子どもの幸せのための場であり、同時に社会全体の公共サービスだ」と繰り返し語ります。しかし、その“教育環境”がどのような状態なのか、保護者や地域の人たちに意外と知られていない現実もあるといいます。聞き手はRKKの江上浩子です。🔶 見えにくい「校舎の現実」――トイレから分かること田中校長が最初に挙げたのは、子どもたちが毎日使う「トイレ」でした。出水南中学校の一例です。▶ 男子トイレ ・個室が2つ ・1つは和式、1つは洋式▶ 女子トイレ ・個室が5つ ・3つが和式、2つが洋式温水洗浄便座(いわゆるウォシュレット)はありません。冬場は便座も冷たく、家庭のトイレ環境と比べると「かなりギャップがある」状態です。家庭ではすでに多くが洋式・温水洗浄便座に移行している一方で、学校のトイレは和式がまだ多く残っているケースも少なくありません。田中校長は、こうしたギャップが「学校を居心地の悪い場所にしている可能性がある」と指摘します。「家ではウォシュレットなのに、学校のトイレが嫌で…という子は実際にいます。長時間過ごす場所だからこそ、細かい環境が心に影響するんです」(田中校長)授業参観など短時間の訪問では見えない、日常の使いづらさや古さ。それもまた、子どもたちが毎日身を置いている「教育環境」の一部です。🔶 給食費無償化だけで「教育環境」は良くなるのか近年、「給食費の無償化」や「私立高校授業料の実質無償化」が大きく報じられてきました。田中校長も、給食費無償化そのものを否定するわけではありません。「給食費の無償化は、子育て世帯の経済的負担を軽くするという意味ではとても良い取り組みです」(田中校長)ただし、それは主に「保護者の家計支援」であって、「学校の教育環境の改善」に直結しているとは限らない、とも強調します。すでに、経済的に厳しい家庭には就学援助などの福祉制度があり、給食費や修学旅行費が免除される仕組みも整っています。一方で、老朽化した校舎やトイレ、不足している人員といった“足元の環境”に十分なお金が回っていない現実も残ります。「給食費の無償化が悪いとは言いません。ただ、同じお金を使うなら『子どもの学びの場そのもの』にも、もう少し回してほしいという気持ちは正直あります」(田中校長)🔶 自治体によってこんなに違う? 教育環境格差という問題田中校長が危機感を抱いているのが、自治体による「教育環境の格差」です。熊本市には、小・中学校だけで約150校があり、それぞれの校舎を改修・更新していくには膨大な費用がかかります。一方で、学校数が少ない自治体では、トイレの改修や設備投資、支援員の配置などに比較的手厚く予算を回せるケースもあります。象徴的なのが「学習支援員・学級支援員」の配置です。▶ 出水南中学校(生徒約900人) ・学習支援員は全校で1人のみ▶ 他自治体の例 ・同程度の規模でも、4〜5人の支援員が配置されているケースもある授業中に困っている子どものサポート、学習に遅れがちな子へのフォロー、不登校ぎみの生徒へのケアなど、本来支援員が担える役割は数多くあります。しかし、人員が足りない学校では、そのほとんどを担任や少数の教員が背負わざるをえません。「どの自治体に住むかは、子ども自身が選んでいるわけではありません。それなのに、住んでいる地域によって『受けられる教育環境』に大きな差が出ているのは、本来あってはならないことだと思うんです」(田中校長)「教育は公共サービス」と考えるなら、一定水準の環境を全国どこでも確保できる仕組みが必要だ――田中校長は、国レベルでの議論を求めています。🔶 「静かな教室」と「多様性の尊重」をどう両立させるか教育環境の話は、施設やお金だけにとどまりません。教室の雰囲気や指導のあり方も、子どもにとっては大きな環境要素です。保護者アンケートを取ると、こんな声が同時に寄せられるといいます。▶ 「子どもの個性を大切にしてほしい」▶ 「あまり強く指導しないでほしい」一方で、こんな声もあります。▶ 「授業中がうるさくて集中できないので、もっときちんとさせてほしい」▶ 「教室が騒がしいのがつらくて、学校に行きたくない子もいる」つまり、「多様性の尊重」と「落ち着いた学習環境」は、どちらも大事なのに、現場ではしばしば緊張関係をはらんでしまいます。「不登校の子どもたちの中には、『教室がうるさくて学ぶ意欲がそがれる』という理由で来づらくなっている子も確かにいます。その一方で、『あまり厳しくしないで、個性を認めてほしい』という声もある。どちらかを切り捨てるのではなく、両方に目を向ける必要があります」(田中校長)そのバランスを、現在の教員数と業務量のまま、学校任せにしてしまっているところに無理があるのではないか――。田中校長は、「少ない人数で大量の児童・生徒を任せてきたこれまでの仕組み自体を、社会全体で見直す必要がある」と訴えます。🔶 「人が欲しい、お金が欲しい、安心できる施設が欲しい」田中校長の本音は、きわめてシンプルです。「人が欲しいし、お金が欲しいし、子どもたちが安心して過ごせる施設も整えてほしいんです」給食費の無償化であっても、子ども本人の口に入るものの質や残菜の問題まで目を向ける必要があります。▶ 食材費高騰の中、限られた予算で献立を組む現場の苦労▶ 無償化で「タダ」になることで、かえって残菜が増えてしまう懸念▶ 食材費を抑えざるをえず、給食の質が下がるリスク「給食費無償化そのものはありがたい取り組みです。ただ、『タダにすること』だけが一人歩きすると、質の低下や残菜増加につながる恐れもあります。子どもたちの“食”と“学び”をどう支えるのか、もう一段深いところで議論してほしいですね」(田中校長)教員たちは、給食費が無償化されても自分の給食代はきちんと支払います。だからこそ田中校長は、「お金が、確かに子どもたちと現場の利益になる形で届いてほしい」と願っています。「教育に、もっとお金と眼差しを。子どもたちが安心して学べる環境を整えることは、社会全体の未来をつくることだと、多くの人に知っていただきたいです」(田中校長)🔶 まとめ:見えにくい教育環境に、社会全体の視線をこの記事で示されたポイントを整理すると、次のようになります。▶ 学校のトイレなど、基本的な施設が家庭よりも劣悪なままのケースがあり、子どもの「行きたくなさ」に直結している▶ 給食費無償化や授業料無償化は、家計支援としては有効だが、「教育環境の底上げ」に直結しているとは限らない▶ 自治体によって、支援員の配置数や施設整備の進み具合に大きな差があり、子ども本人の選択と無関係な「教育環境格差」が生まれている▶ 教室の静けさを求める声と、多様性を尊重してほしいという声を両立させるには、教員任せではなく、人的・財政的な支援が不可欠▶ 「教育にもっとお金と眼差しを」という校長の訴えは、子どもだけでなく、社会の将来のための投資を求めるメッセージでもある年が改まる節目に、子どもたちが毎日過ごしている「学校」という空間に、もう一度目を向けてみませんか。教室の静けさ、トイレの快適さ、支援員の数――その一つひとつが、これからの社会を支える子どもたちの「土台」になっていきます。【出演】熊本市立出水南中学校 校長 田中慎一朗さん【聞き手】江上浩子(RKK)
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年末年始は「ネットも防犯」 ――ライブ配信ディレクター・斉場俊之さんに聞くサイバー犯罪対策
ネットも防犯! さいばのサイバー犯罪対策ニュース515+では、2025年最後の放送で「年末年始はネットも防犯 サイバー犯罪対策」をテーマに、ライブ配信ディレクターの斉場俊之さんが、身近なリスクと対策を解説しました。最近では、9月にアサヒビールグループがサイバー攻撃を受け、ビールや飲料の流通に影響が出たことが話題になりました。工場や物流システムが止まれば、「飲みたい人」も「売りたい人」も困ってしまいます。斉場さんは「大企業だけでなく、私たち一人ひとりの生活も、もうデジタル抜きでは回らない」として、年末年始こそネットの防犯を見直すタイミングだと呼びかけます。🔶なぜ今「ネットも防犯」なのか年末年始は、リアルな世界では防犯が強く呼びかけられる時期です。▶ 空き巣対策▶ 帰省中の戸締まりなどは、すっかりおなじみになりました。一方で、ネットの世界でも同じことが起きています。▶ 買い物やふるさと納税でオンライン決済が増える▶ 宅配やギフトのやりとりが増える▶ 忙しさとお酒で気が緩みやすいこうした条件がそろうと、サイバー犯罪に「つけこまれやすい状態」になってしまいます。🔶個人が狙われる“入り口”はメールとSNS斉場さんが「今いちばん注意してほしい入り口」として挙げたのが、メールとSNSのメッセージです。1️⃣ 不在通知メッセージ▶ 「お荷物をお届けに伺いましたが不在のため持ち帰りました。再配達はこちら」▶ 宅配業者名を名乗り、URL(リンク)をクリックさせる年末は贈り物が増える時期です。自分で注文した荷物なら把握できますが、「誰かが送ってくれたかも?」という“心当たりのなさ”が、逆に罠になります。しかも、最近の偽サイトは・・・▶ 本物そっくりのロゴやデザイン▶ 「配達中の荷物マップ」まで表示と、画面の作りが非常にリアルです。政府広報オンラインも「フィッシングの手口は年々巧妙化している」と注意を呼びかけています。2️⃣ 給付金・支援金を装ったメール▶ 「〇〇給付金が振り込まれます。こちらから申請してください」▶ 「申請期限は本日までです!」物価高対策などで、実際にさまざまな給付金制度が出ている今、「こんな給付金もあるのか」と思ってしまう心理を利用した詐欺も増えています。3️⃣ 「至急」「本日中」を連呼する“脅し系”メッセージ▶ 「税金の滞納があります。至急お手続きください」▶ 「アカウントが停止されます。本日中に対策が必要です」不安をあおり、冷静な判断力を奪うのが目的です。斉場さんは、こうした文言が並んだら「9割方怪しいと思っていい」と断言します。基本姿勢は「ネットではまず疑う」私たちは「人を信じましょう」と教わって育ってきました。しかし、ネットの世界では相手の顔も身元も見えません。斉場さんは、こう提案します。▶ ネット上のメッセージは「まず信用しない」から入る▶ 相手が本物かどうかは、別ルートで確認するこれは「人間不信」ではなく、見えない世界で自分と周りを守るための“マナー”と考えた方がよさそうです。🔶やってはいけないこと:メールやSMSのリンクをすぐ踏む詐欺の多くは・・・▶ メールやSMSに貼られたリンクを踏ませるところから始まります。そこから誘導されるのは・・・▶ 偽のログイン画面▶ 個人情報入力フォームです。最近は・・・▶ 短縮URLで本当のアドレスが隠されている▶ 本物そっくりのドメイン名を使っているなどの手口もあり、アドレスの見た目だけで判断するのは難しくなっています。ルールはシンプルです。▶ メールやSMSに記載されたリンクは「踏まない」(押さない)▶ 本当に必要なら、自分で公式サイトやアプリを開いて手続きする政府広報オンラインも、正規サイトを自分で検索してアクセスすることを推奨しています。正しい確認ルート:公式サイト・公式アプリ・電話🔶本物かどうか分からない。けれど、本当に連絡だったら困る――そんなとき、どうすればいいのでしょうか。斉場さんの提案は次の3つです。① 宅配・通販は「公式アプリ/公式サイト」から確認▶ よく使う宅配会社の会員登録をしておく▶ 公式アプリやマイページで「自分宛ての荷物」を一覧で確認これなら、不在通知SMSからではなく、「本物の窓口」から安全に確認できます。② 税金・給付金・年金は「自分から行政に電話」▶ 「税金の滞納」「給付金の申請」「口座確認」などの連絡は、メールではなく役所や担当窓口に自分から電話して確認する最悪でも▶ 数百円〜数千円の延滞金で済みます。一方、詐欺サイトに個人情報やカード情報を渡してしまうと、▶ 口座やカードを止める▶ 書類手続き▶ 心理的なダメージなど、被害は比べものになりません。💀③ 「至急」「本日中」「対策が必要です」は“赤信号”🔴▶ 「至急お手続きください」▶ 「本日中にご対応ください」▶ 「対策が必要です」この3ワードが並んだら、▶ 焦らない▶ 踏まない(リンクを踏まない・押さない)▶ 急がない(その場で判断しない)という“逆行動”を取るくらいがちょうど良い、と斉場さんは話します。🔶パスワードだけに頼らない「二段階認証」をパスワードの使い回しをやめよう、という話はよく聞きます。しかし、覚えきれない・管理しきれないという現実もあります。そこで、最近増えているのが、▶ IDを入れると、スマホに届いた番号を入力してログインする▶ パスワードなしで、SMSコードや認証アプリで本人確認をするといった「パスワードに頼りすぎない認証」です。IPA(情報処理推進機構)も、不正ログイン対策として「パスワード管理」とあわせて「多要素認証(二段階認証)の設定」を勧めています。利用しているサービスに▶ 二段階認証▶ ログイン通知などの機能があれば、年末年始のうちに設定しておくと安心です。🔶帰省したら「実家のスマホ・PC」も一緒にチェックを斉場さんが最後に強調したのが・・・▶ 実家のデジタル機器の“安全点検”です。年末年始、実家に帰ったときに――▶ お父さん・お母さん・おじいちゃん・おばあちゃんのスマホやタブレット、パソコンの画面を一緒にチェック▶ 見慣れないアプリが入っていないか▶ 変なポップアップが出ていないか▶ 怪しいメール/SMSを放置していないかを、家族で確認してみるのも、大切な「防犯」です。自分は慎重でも…▶ 家族の端末が乗っ取られて“なりすまし”される▶ 家族LINEに詐欺メッセージがばらまかれるといったケースもあり得ます。🔶まとめ:年末年始は「リアルもネットも防犯」を斉場さんのメッセージを整理すると、年末年始に意識したいポイントは次の通りです。▶ メール・SNSのメッセージは「まず疑う」▶ 不在通知・給付金・税金の連絡のリンクは踏まない▶ 必要な確認は、公式サイト・公式アプリ・電話から▶ 「至急」「本日中」「対策が必要」は“怪しいサイン”▶ 使えるサービスでは二段階認証をオンにする▶ 帰省したら、家族のスマホ・PCの安全チェックも一緒に見えない相手を疑うことは、自分や大切な人を守るための思いやりでもあります。今年の「大掃除」は、家の中だけでなく、ネットまわりの“防犯チェック”もセットで。安心して新しい年を迎えるために、今のうちに一度、自分のスマホとメールボックスを見直してみてはいかがでしょうか。聞き手:江上浩子(RKK)
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年末は映画館で心温まる時間を 「エディントンへようこそ」「楓」「サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行」
上妻祥浩さんが選ぶ12月公開の注目作3本映画解説研究者・上妻祥浩さんが、年末に公開される注目の3作品を紹介しました。今月のキーワードは「分断」と「再生」、そして「共に生きる」。世界や社会のひずみ、人間関係の傷を抱えながら、それでも前を向こうとする人々の姿が描かれます。分断と不安の行き着く先🔶「エディントンへようこそ」(12月12日公開) 公式サイトはこちら👉https://a24jp.com/films/eddington/最初に紹介されたのは、アリ・アスター監督×ホアキン・フェニックス主演の新作「エディントンへようこそ」です。物語の舞台は2020年、コロナ禍のまっただ中にあるアメリカ・ニューメキシコ州の小さな町エディントン。ロックダウンで人々の不安と不満が蓄積し、町はいつ爆発してもおかしくない状態に追い込まれています。主人公は、保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)。IT企業の誘致で町を「救おう」とする野心家の市長テッド(ペドロ・パスカル)と、「マスクをする・しない」をきっかけに対立し、やがてジョーは「それなら自分が市長になる」と、市長選への出馬を決意します。選挙戦がヒートアップするにつれ、SNSにはフェイクニュースと憎悪があふれ、炎上が炎上を呼ぶ混沌状態に。同じころ、ジョーの妻ルイーズ(エマ・ストーン)は、カルト集団の教祖ヴァーノン(オースティン・バトラー)の扇動的な動画にのめり込み、陰謀論に取りつかれていきます。エディントンの選挙戦は、疑心と論争と怒りが渦を巻き、町全体が破滅のふちへと突き進んでいきます。「コロナ禍は“きっかけ”にすぎなくて、人間の不安や恐怖がどう暴走していくのかを描いた作品です。SNSや陰謀論が現実を飲み込んでいく怖さを、ちょっと距離を置いて見つめ直せます」(上妻さん)スピッツ「楓」に導かれる、切なくも美しいラブストーリー🔶「楓」(12月19日公開) 公式サイトはこちら👉https://kaede-movie.asmik-ace.co.jp/2本目は、熊本出身の行定勲監督による最新作「楓」。スピッツの名曲「楓」を原案に、ひとつの“秘密”を抱えた恋人たちの物語が紡がれます。福士蒼汰さんが一人二役で演じるのは、双子の兄弟・楓と楓太。弟・楓太が事故で突然命を落とし、その恋人・さち(福原遥さん)はショックのあまり、兄・楓を亡き恋人と勘違いしてしまいます。楓は真実を明かせないまま、弟のふりをして、彼女と「恋人として」生きていくことを選びます。ふたりの周囲の人々は、どこか違和感を覚えながらも見守るしかありません。ニュージーランドで撮影された大自然の風景が、切ないラブストーリーに透明感を添えます。「福士蒼汰さんは、兄と弟の微妙な差を、声のトーンや立ち姿で演じ分けています。福原遥さんのまっすぐな感情表現も相まって、観ているこちらの心が何度も揺さぶられました」(上妻さん)行定監督と主演のふたりは、熊本日日新聞社のフリーペーパー「くまにち すぱいす」のインタビューにも登場。作品に込めた思いや、ニュージーランドロケの裏側などを語っています(12月19日発行号に掲載)。笑って泣ける“やさしいクライム・ムービー”🔶「サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行」(12月26日公開) 公式サイトはこちら👉https://somethingextra-movie.jp/最後に紹介されたのは、フランス発のハートフルコメディ「サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行」です。物語の主人公は、宝石店に押し入った父と息子の泥棒コンビ。逃走の途中で、障害のある人たちと支援者のグループによるサマーキャンプの一行に紛れ込み、「付き添いボランティア」のふりをして旅に同行することになります。一緒に過ごすうちに、泥棒親子の中に少しずつ変化が生まれていきます。障害のある人たちとの交流を通じて、自分本位だった彼らが他者を思いやる感情を取り戻していく姿が、ユーモアと温かさをもって描かれます。この作品には、実際に障害のある11人のアマチュア俳優が出演。脚本も、出演者それぞれに合わせて“当て書き”されており、その自然な存在感が作品の魅力となっています。「エンタメとしてきちんと笑わせてくれる一方で、障害のある人たちへの敬意がきちんと描かれています。ラストは“ニヤッとしながら、じんわり泣ける”タイプの映画ですね」(上妻さん)日本版予告編のナレーションは、フランスと日本を拠点に活動する俳優・杏さんが担当。軽やかで温かみのある声が、作品の雰囲気を引き立てています。年末年始は“人の心”を見つめる映画を「今回ご紹介した3作品は、それぞれアプローチは違いますが、みんな“人間の心の奥”を丁寧に描いています。分断や秘密、偏見や迷いを抱えた人たちが、誰かとの出会いや出来事を通じて、少しずつ変わっていく。年末に、人生を振り返りながら観るのにぴったりだと思います」(上妻さん)忙しい師走だからこそ、映画館でゆっくりと物語に浸ってみてはいかがでしょうか。きっと、自分自身の生き方や大切な人との関係を、そっと見つめ直すきっかけになるはずです。聞き手:江上浩子(RKK)
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台湾有事は「存立危機事態」か ――高市首相発言と世論調査が映す“変わりゆく日本”
元RKKアナウンサーの宮脇利充さんが、高市早苗首相の国会答弁と世論調査の結果から、日本社会の変化について語ります。聞き手はRKKの江上浩子です。🔶 発端は「台湾有事は存立危機事態になりうる」発言11月7日、衆議院予算委員会でのことです。立憲民主党の岡田克也議員の質問に対し、高市早苗首相が次のような趣旨の答弁を行いました。▶ 中国・北京政府が台湾を完全に支配下に置くため、戦艦を動かし武力行使を伴う行動に出た場合、 それに対しアメリカが軍を派遣するようなケースであれば「どう考えても存立危機事態になりうるケースであると私は考える」「台湾有事」が日本の「存立危機事態」に当たりうる、と首相自らが明言した形です。宮脇さんは、この発言そのものにも驚きを覚えたとしたうえで、「それ以上にショックだったのは、その受け止め方を示した世論調査の結果でした」と話します。🔶 「存立危機事態」と集団的自衛権とは何か高市首相の答弁を理解するためには、「存立危機事態」と「集団的自衛権」というキーワードを押さえる必要があります。まず「集団的自衛権」とは・・・ 自国が直接攻撃されていなくても、密接な関係にある他国への武力攻撃に対し、実力を用いてそれを阻止する権利と国際法上定義され、日本政府も同様の説明を行っています。日本では長く「専守防衛」を掲げ、海外での武力行使や集団的自衛権の行使は、「憲法上許されない」とされてきました。流れが変わったのは、第二次安倍政権の2014年です。▶ 2014年7月 第二次安倍内閣が「集団的自衛権の限定的行使を容認する」とする閣議決定▶ 2015年 安全保障関連法(いわゆる安保法制)が成立し、「存立危機事態」が法律上定義される法律上の「存立危機事態」は、要約すると次のような状態を指します。▶ 日本と密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、その結果、日本の存立が脅かされ国民の生命・自由・幸福追求の権利が「根底から覆される明白な危険」がある場合。この条件を満たしたと内閣が判断したとき、日本は集団的自衛権を行使し、自衛隊が武力行使に参加できる――つまり「海外で戦闘に関わる可能性が現実化するライン」が「存立危機事態」だといえます。🔶 世論調査が映した「問題なし」50%という現実では、高市首相の国会答弁を、世論はどう受け止めたのでしょうか。毎日新聞と社会調査研究センターが今月実施した世論調査では、「台湾有事が存立危機事態になりうる」とした高市首相の答弁について、▶ 「問題があったと思う」……25%▶ 「問題があったとは思わない」……50%という結果が出ました。宮脇さんは、「数字を見て思わず『逆じゃないのか?』と感じた」と振り返ります。調査結果の内訳を見ていくと、傾向はよりはっきりします。▶ 自民党支持層の65%、日本維新の会支持層の54%、国民民主党支持層の65%が「問題なし」▶ 参政党・日本保守党の支持層では「問題なし」が8割を超える▶ 年代別では、40歳以下の55〜60%が「問題なし」と回答▶ 一方で60代は49%、70歳以上は41%と、年齢が上がるほど「問題視する」傾向が強まる「若い世代ほど、高市首相の発言を“問題ない”と受け止めている。このことに、強い違和感と危機感を覚えました」と宮脇さんは語ります。🔶 「日本の存立を脅かす」のは何かここで、もう一度「存立危機事態」の中身に立ち返ってみます。高市首相の答弁は、▶ 中国が台湾に上陸・封鎖などの行動に出る▶ それに対しアメリカが軍を派遣する▶ その結果、日本もそれに「加勢」するケースは「存立危機事態になりうる」という筋立てでした。宮脇さんは、ここに大きな論点があると指摘します。「日本の存立が本当に脅かされるのは、中国とアメリカが戦火を交える“から”ではなく、そこに日本が自衛隊を派兵して“参戦するから”ではないか――そう考える必要があると思うんです」戦争は一度始まれば、どこで歯止めがかかるか誰にも分かりません。▶ 当初は自衛隊だけが前線に送られる想定でも、戦況次第では拡大する可能性がある▶ 「最小限の武力行使」で済む保証は、どこにもない▶ そのとき実際に危険にさらされるのは、若い世代そのものにもかかわらず、その世代の多くが「問題ない」と答えている。「自分たちが戦場に行く可能性まで想像したうえでの回答なのか、とても気になります」と宮脇さんは言います。🔶 それでも「派兵しない」選択肢はありうるさらに宮脇さんは、制度上のポイントも押さえます。▶ 「存立危機事態」に当たるかどうかを判断するのは、最終的にはその時々の内閣▶ 仮に台湾有事が起きても、「存立危機事態だが、自衛隊は派遣しない」と判断することも理屈の上ではありうる▶ そもそも、アメリカが必ず軍を動かすと決まっているわけでもない「だからこそ、首相が国会の場で『台湾有事は存立危機事態になりうる』と先んじて言ってしまうことの意味は重いと思います。日本がどの局面で“戦う側に回るか”というラインを、事実上前倒ししてしまう危険性があるからです」と指摘します。🔶 戦後日本の約束と、いま問われているもの宮脇さんが何より懸念しているのは、「日本は戦争をしない」という戦後日本の大前提が、いつの間にか揺らぎ始めているのではないか、という点です。日本国憲法前文には、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」という一文があります。これは、日本が二度と戦争を起こさないという誓いの表現でもあります。「他国からの侵略に対して自国を守る――それは当然のことです。しかし、自国が直接攻撃されていない段階で、海外の戦争に参加することが本当に許されるのか。そのラインを、世論も政治も、いつの間にか“緩めてしまっている”ように感じます」と宮脇さんは語ります。「世の中って、変わるときには一気に変わります。だからこそ、国会答弁一つ、世論調査一つを『まあそんなものだろう』で済ませず、本当にそれでいいのか、私たち一人ひとりが考える必要があると思います」🔶 新しい世論調査のかたちと、その重み今回の毎日新聞の世論調査は、電話ではなくインターネットを通じて行われました。▶ 社会調査研究センターが、NTTドコモの「dポイントクラブ」会員を対象にインターネット調査「dサーベイ」で実施し、 全国の18歳以上を母集団とし、無作為抽出で1985人から有効回答を得た。という方法です。「従来とは違うやり方とはいえ、約2000人からの回答が示した傾向は、今の日本社会の“空気”の一端を確かに映していると思います。だからこそ、この結果を軽く扱うのではなく、じっくり向き合う必要があると感じました」宮脇利充さんの話は、「平和」を前提としてきた戦後日本が、いまどこに立っているのか――その足元を問い直すきっかけを投げかけています。
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教育は“カスタマーサービス”ではない ――田中慎一朗校長が語る、学校と社会の関係
熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、「教育は保護者向けのカスタマーサービスではなく、社会全体のための公共サービスだ」と語ります。子どもの幸せと、保護者の安心。その両方を支えながらも、「お客様満足」に引きずられすぎると、本来の教育が痩せてしまうのではないか――。聞き手は、RKKの江上浩子です。🔶 教育は“保護者サービス”ではなく「公共サービス」田中校長は、教育の大前提としてこう語ります。「学校は保護者の皆さんから預かった子どもたちの“幸せ”のためにある場所です。その背景にはもちろん、保護者の皆さんの幸せもあります。ただ、その役割は『カスタマーサービス』ではなく、社会の基盤をつくる『公共サービス』だと思うんです」教育は、特定の“お客さま”の満足度だけを上げるサービスではなく、社会全体の将来のために、子どもたちを育てていく営みです。▶ 子ども個人の「今の満足」だけを満たす場ではない▶ 10年後・20年後の社会を支える土台をつくる場▶ その意味で「公共の利益」に資するサービスであるだからこそ、ときには子どもにとって「楽しい」だけではない経験も必要になります。🔶 「楽しい授業」だけでは育たないもの近年、教育現場には「もっと楽しく、分かりやすく」という声が高まっています。田中校長も、それ自体は否定しません。「学びを工夫して、できるだけ前向きに取り組めるようにすることは、とても大事です」しかし一方で、子どもの頃の自分を振り返ると――と、こう続けます。▶ 授業中は45〜50分、席に座って話を聞かなければならない▶ テストの前は机に向かうのがつらい▶ 本当は「ずっと休み時間が続けばいい」と思っていた。勉強は、必ずしも「楽しいことだけ」ではありません。それでも、コツコツ続ける中でしか身につかない力があります。「『子どもが楽しいと言っているから良い』『保護者の希望どおりにしておけばトラブルにならない』という方向に流れすぎると、学校が“本当に伝えるべきこと”を手放してしまう危険があります」🔶 「カスタマーサービス化」への危惧田中校長が今、特に気にしているのは「学校の教育活動がカスタマーサービス化していないか」という点です。▶ 保護者の要望に“とにかく応えること”が優先される▶ 子どもが嫌がること・きついことは、できるだけ避ける▶ 表面的にはトラブルが減り、子どもも保護者も“一見満足”しているように見えるしかし、その結果として――「学校でどんな経験を積み、どんな力を身につけるのか、という本質が薄れてしまうのではないか。そこに強い危機感を持っています」学校は、社会全体で育てていくべき子どもたちの「最後の砦」です。ここで必要な経験まで手放してしまうと、こぼれ落ちてしまう子どもが確実に増えていく――田中校長は、そう指摘します。🔶 「隠れ校則」だけが原因なのか? 不登校報道への違和感文部科学省が毎年行っている「問題行動・不登校等調査」。その報道の中で、最近よく取り上げられるキーワードが「隠れ校則」です。▶ 授業開始2分前には着席していなければならない▶ なるべく挙手するよう強く促される▶ ロッカーや棚の中の整理の仕方、かばんの置き方まで細かく決められているこうした“明文化されていない決まりごと”が、子どもたちを追い詰め、不登校の一因になっているという指摘もあります。もちろん、そうしたケースがあること自体は否定できません。しかし田中校長は、そこだけが強調される流れに違和感を覚えています。「一方で、『授業中がうるさすぎて、集中できない』『ちゃんと勉強したいのに、クラスが落ち着かなくてつらい』という理由で、学校に行きづらくなっている子どももたくさんいるんです」▶ チャイムが鳴っても授業がなかなか始まらない▶ 私語が多く、授業が中断されがち▶ 「静かな環境で学びたい」という子どもほど、教室がつらくなるその子たちも、結果的には不登校になります。「“着席2分前”だけが悪者で、“自由さ”だけが正義かのように扱われると、学びたい子どもたちのニーズが見えなくなってしまいます」不登校の背景は、本当にさまざまです。一つのキーワードを“見出し”にして原因扱いしてしまうと、他の多くの子どもの声が埋もれてしまう危険があります。さらに、政策との関係も指摘します。「仮に『不登校の原因は隠れ校則だ』と一面的に扱われると、国としてはそこに重点的に予算をつけることになりますよね。でも、それが全体の一部でしかないとしたら、他の要因への手当てが遅れてしまいます」🔶 家庭と学校、“連携”のイメージがずれている家庭と学校・地域の連携についてのアンケート結果も、田中校長は気になると語ります。保護者側が望んでいる連携は、主に次のようなものです。▶ 学校からの情報提供をもっと増やしてほしい▶ メールやお便りなどで、学校の様子・子どもの様子をこまめに知りたい一方で、教職員側が連携として重視しているのは――▶ 保護者と「協議する場」がほしい▶ 懇談会などで、直接意見交換できる時間が大事「保護者の皆さんは“情報を受け取ること”を連携と捉えている傾向があり、教職員は“対話や相談の場をもつこと”を連携と考えている。ここに少しズレがあるように感じています」本来は、▶ 子どもをどう育てていくのか▶ 10年後・20年後の社会をどう支える人になってほしいかという視点を、家庭と学校・地域が一緒に考えていく必要があります。そのためには、一方向の「お知らせ」だけでなく、お互いの考えを率直に交わす場づくりが欠かせません。🔶 学校は「社会の宝」を育てる場所田中校長は、こう締めくくります。「学校は、家庭の“お客様満足”を達成する場所ではなく、社会全体の宝である子どもたちを育てる『公共サービス』の場です。だからこそ、時には耳に痛いことも含めて、子どもたちに伝えなければならないことがあります」▶ 不登校の問題に、簡単な“犯人探し”で答えを出さないこと▶ 子どもの声を丁寧に聞きつつも、「伝えるべきこと」を手放さないこと▶ 家庭・学校・地域が対話を重ねながら、「子どもは社会全体の宝」という視点を共有すること「効率性や“コスパ”だけで教育を語るのではなく、子どもたち一人ひとりが未来の社会を支える存在だという視点から、みんなで考えていければと思います」教育を「サービス業」としてだけ見るのではなく、社会の土台をつくる営みとして、もう一度捉え直してみる。そんな視点を投げかけるお話でした。
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あなたの移動、いくらかかってますか? ――「クルマのコスト」を見直すという節約術
ライブ配信ディレクターの斉場俊之さんが、「あなたのその移動、いくらかかってる?」をテーマに、クルマと公共交通のお金の話をわかりやすく解説します。聞き手は、江上浩子(RKK)です。🔶 熊本城ホールで開かれた「交通熊本トーク」11月9日(日)、熊本城ホール二階ロビーで、斉場さんが企画したイベント「交通くまもととーく」が開催されました。▶ 熊本城ホールのにぎわい創出イベントの一つとして実施▶ 会場にはカフェブースや子ども向けおもちゃコーナーも設置▶ 家族連れがコーヒー片手に、気軽に「交通の未来」を話し合える場に熊本電鉄(熊本電気鉄道)や熊本市交通局、熊本県・熊本市の担当者も“有志”として参加。鉄道会社・バス会社・行政・市民の垣根を越えて、「みんなが使いやすい交通を、みんなで考える」そんな場づくりを目指したイベントでした。🔶 移動にかかっているお金、見えてますか?イベントで斉場さんが投げかけたのは、こんな問いです。「街なかにクルマで出かけるとき、移動にいくらかかっているか、ちゃんと分かっていますか?」電車やバスは、乗るたびに運賃を払うので“見えるお金”です。一方でクルマはどうでしょうか。多くの人が思い浮かべるのは・・・▶ 駐車場代▶ ガソリン代この二つくらいではないでしょうか。しかし、実際にはそれ以外にも、クルマにはこんなお金がかかっています。▶ 車両本体の購入費(ローンの返済を含む)▶ 自動車保険料▶ 車検・点検・修理などの整備費▶ 自動車税などの各種税金▶ 自宅や勤務先の駐車場代つまり、「持っているだけでかかっているお金」が想像以上に大きいのです。🔶 アプリ「SIMもビッグ」で見えた“本当の維持費”イベント会場には、興味深い展示も登場しました。それが、川合春平さんが発したというアプリ「SiMMobiC」です。このアプリに、▶ クルマの種類▶ 年間走行距離▶ 車両価格の目安など、基本的な情報を入力すると、日本人の平均的な税金・整備費などのデータをもとに、「あなたのクルマの維持費は、ざっくりいくらです」と試算してくれる仕組みです。斉場さんが自身のクルマ(普通車・年間一万五千キロ走行)で試算したところ、おおよそ次のような数字が出ました。▶ ガソリン代 :約15万8千円/年▶ 自動車税 :約5万2400百円/年▶ 整備費 :約3万4000円/年▶ 保険料 :約8万5000円/年▶ 車両代(減価償却相当):約18万245円/年▶ 駐車場代 :〇円(郊外在住のため)合計すると――年間約51万円一日あたりにすると、約1,400円ほとんど動かさなかったとしても、「一日1,000円前後は、持っているだけでかかっている」という計算になります。🔶 クルマは「月3万円のサブスク」?年間51万円という金額は、月額に直すとおよそ4万2000円。ここから走行距離の違いなどを考慮して「ざっくり感覚」で捉えると、「クルマは月3万円のサブスク」というイメージが見えてきます。▶ 月3万円の“基本料金”を払い続けている▶ そこに、使うたびのガソリン代・駐車場代がさらに上乗せされる電車やバスは「乗らなければお金はかからない」可変費用ですが、クルマは「乗っても乗らなくても固定で出ていく」お金が大きいのが特徴です。「電気代やガス代と同じ“固定費”として、何となく意識しないまま払い続けている人が多いんですよね」(斉場さん)その分、可処分所得――自由に使えるお金――が知らないうちに削られているとも言えます。🔶 「安い店までのガソリン代」で、得しているつもりが…クルマがあると、ついこう考えがちです。▶ 「あのディスカウントストアまで行けば、日用品が安く買える」▶ 「郊外の大型店まで行ったほうが得」しかし、その移動にかかるコストを冷静に考えるとどうでしょうか。▶ ガソリン代▶ 駐車場代▶ クルマの維持費(固定費の“日割り分”)これらを合計すると、「近所のスーパーで、少しずつ買ったほうが実はトータルで安かった」というケースも、決して珍しくありません。「セカンドカーをほとんど動かしていないご家庭も多いですよね。“安く買い物しているつもり”が、維持費まで含めるとそうでもない、ということもあります」🔶 ライフスタイルから「本当にクルマが要る場面」を見直すもちろん、クルマが必要なシーンはたくさんあります。▶ 子どもの送迎や部活動の送り迎え▶ 高齢の家族を乗せての通院▶ 荷物が多い買い物や遠方への移動 などただし、そのすべてが「マイカーでなければならないのか」は、一度立ち止まって考えてみる価値があります。例えば――▶ 夫婦で二台持っていたクルマを一台に減らす▶ 普段は公共交通+自転車、どうしても必要なときはタクシーやレンタカー▶ 車種を小型車にして、購入費・税金・燃料費を抑えるといった工夫で、「移動コストを下げつつ、生活の質は落とさない」という選択肢も見えてきます。「移動の固定費を見直せば、逆に“自分たちのために使えるお金”が増えるかもしれません」(斉場さん)🔶 AIやWebツールで「自分の移動費」を可視化するイベントで紹介されたアプリ「SiMMobiC」は、まだ一般公開前とのことですが、同じようにクルマの維持費を試算できるWebサイトやシミュレーターは、すでにいくつも存在します。また、いまは生成AIに対して、▶ 車種▶ 年間走行距離▶ 購入価格やローン▶ 駐車場代・保険料の目安などを伝えれば、「おおよその年間維持費はどれくらいか」といった見積もりを出してもらうこともできます。「AIの時代だからこそ、一度、自分の暮らしを“俯瞰”してもらうのも手です。移動手段とお金のバランスを見直すきっかけになります」(斉場さん)🔶 あなたの「一日分の移動」、本当はいくら?最後に、斉場さんはこんなメッセージを添えました。「渋滞を減らしたいという視点からお話ししてきましたが、実はこれは“暮らしを楽にする話”でもあります。いま使っている移動手段は、本当にそれがベストなのか。一回、数字で見える化してみてほしいんです」クルマは便利で、時には生活に欠かせない存在です。だからこそ、「当たり前」にしていたことを、一度立ち止まって見直してみることが大切なのかもしれません。あなたのその移動――本当はいくらかかっていますか?この記事をきっかけに、一度計算してみてはいかがでしょうか。お話は、ライブ配信ディレクター・斉場俊之さんでした。
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11月は“人間ドラマ”が豊作 上妻祥浩さんが語る注目の新作4本
――人生と向き合う4つの物語に込められた「光」映画解説研究者の上妻祥浩さんが、11月公開の注目作を語ります。テーマは「人間の心の奥にある“想い”をどう描くか」。家族・再生・母性・喪失――深い主題を抱えた4本がそろいました。聞き手はRKKの江上浩子です。🔶 孤独と再生を描く「港のひかり」(11月14日公開)公式サイトはこちら👉https://minato-no-hikari.com/舘ひろしさんが、かつてのヤクザから港町の漁師へと転身した男を演じる感動作です。北陸の小さな港町で静かに暮らす主人公が、目の不自由な少年と出会い、心を通わせながら過去と向き合っていきます。少年期を演じるのは、寺島しのぶさんの長男で歌舞伎俳優の尾上眞秀さん。10年後の青年期は眞栄田郷敦さんが担当。宇崎竜童/椎名桔平/斎藤工ら実力派が脇を固めます。撮影は日本映画界を代表する撮影監督木村大作さん。35mmフィルムによる圧巻の映像美が、海と“ひかり”の質感を鮮やかに刻みます。「デジタル全盛のいま、ここまで“光の粒”を感じさせる画は稀少。カメラワークだけでも一見の価値があります」(上妻さん)🔶 人生の旅路をめぐる「Tokyo Taxi」(11月21日公開)公式サイトはこちら👉https://tokyotaxi-movie.com/フランス映画『パリ・タクシー』(2023)の日本版リメイク。名匠山田洋次監督の第91作となる本作は、“出発から終点までの一日”を通じて、老女の半生と運転手の心の再生を描きます。85歳のすみれを倍賞千恵子さん、タクシー運転手を木村拓哉さん、若き日のすみれを蒼井優さんが演じ、三世代の時間が交錯。「倍賞さんの歌声が随所に流れるのも山田作品らしい。長年の信頼関係がにじむ演出です」(上妻さん)物語は、東京・柴又の帝釈天を起点に、神奈川県葉山の高齢者施設へ向かう“寄り道の旅”。過去の痛みや時代背景、そして人の絆が織り込まれていきます。🔶 母の決断を描く衝撃作「ナイトフラワー」(11月28日公開)公式サイトはこちら👉https://nightflower-movie.com/『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が手がける社会派ドラマ。主演の北川景子さんが、借金を背負いながら2人の子を育てるシングルマザーを演じます。生活のために危険な密売へ踏み込んでしまう母の姿を、切実なリアリティで描写。北川さんは生まれ故郷の関西弁で挑み、感情が爆発する場面では「言葉が剥き出しの武器になる迫力」(上妻さん)。共演の森田望智さんは女性格闘家として彼女を支え、“女性同士の絆”が物語に深みを与えます。🔶 喪失と癒やしのロードムービー「兄を持ち運べるサイズに」(11月28日公開)公式サイトはこちら👉https://www.culture-pub.jp/ani-movie/長年疎遠だった兄の突然の死。身元引受人となった妹が、兄の遺体を引き取りに向かう道中で“知らなかった兄の姿”に触れていく物語です。監督は『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太さん。柴咲コウさんが妹、オダギリジョーさんが兄、満島ひかりさんが兄の元妻を演じます。原案は小村恵理子さんの実体験に基づくエッセイ。「笑いながら泣ける、深い余韻が残る一本。観終わったあと、静かに心が温まります」(上妻さん)🔶 “心の奥”を映し出す4つの光「今回の4作品はいずれも“人間の内側”を丁寧に見つめています。血のつながりだけでなく、心のつながりで人が支え合う――そんな時代の希望を感じさせます」(上妻さん)この秋、映画館で自分の人生と重ねながら、4つの物語の“ひかり”を感じてみてはいかがでしょうか。
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日本初の女性総理・高市早苗内閣の外交デビューを読む――横須賀視察、赤坂プレスセンター、横田空域まで
高市早苗総理が就任後、立て続けに各国要人と首脳会談を重ねています。ドナルド・トランプ米大統領との会談後には、在日米海軍横須賀基地で原子力空母「ジョージ・ワシントン」(CVN-73)を視察しました。本稿では、その一連の動きをニュース解説風に整理しつつ、登場する人名・地名・施設名を正確な表記に修正・統一してお届けします。🔶 首脳外交ラッシュ:就任以来の動き▶ 高市総理は就任以来、ASEAN各国、韓国大統領との会談に続き、中国の習近平国家主席とも会談の場を持つ見通しです。世界に向けて「日本の女性首相」を印象づける外交デビューとなっています。▶ トランプ米大統領との日米首脳会談後には、連携強化を改めて確認しました。「国のトップが女性であること自体が、国内外への強いメッセージになります」(宮脇)🔶 横須賀での共同発信:日米同盟を前面に▶ 202X年10月28日、高市総理とトランプ大統領は在日米海軍横須賀基地で、原子力空母「ジョージ・ワシントン」(CVN-73)を視察しました。▶ 集合した米軍関係者を前に、両首脳は日米同盟の強化を力強く打ち出しました。場面によってはパフォーマティブな振る舞いも見られましたが、総じて「日米の結束」を可視化する演出だったと言えます。🔶 出発地はどこ?:赤坂プレスセンターという実体▶ 横須賀への移動に際し、両首脳は東京都内の米軍ヘリポートからヘリで発ちました。名称は赤坂プレスセンター。▶ 名称から報道施設を連想しがちですが、実体は米陸軍施設(通称:ハーディー・バラックス)で、所在地は東京都港区六本木です。六本木ヒルズの北側、国立新美術館の南側という都心のど真ん中に位置し、ヘリポートの騒音などから東京都・港区が返還を要請してきた経緯があります。▶ 返還の窓口は防衛省で、米側運用との調整が続いています。施設の性格上、返還見通しは容易でないのが現状です。🔶 空の見えない国境線:横田空域の基礎知識▶ 首都圏の空域には、在日米軍が航空管制を担う「横田空域」があります(一般に約2,400m〜7,000mの高度帯が言及されます)。▶ 民間機がこの空域を通過・設定する際には米軍の許可が必要となるため、羽田発着便はしばしば房総半島側へ回り込むルートを取ります。例えば熊本—羽田でも、進入・離脱時に遠回りが生じるケースがあります。▶ 横田空域は部分的な返還が段階的に進んできたものの、1960年の新日米安全保障条約期の枠組みが広く残存しています。「就任演説で『言うべきことは言う』とした以上、米国に対しても必要な論点は丁寧に提起すべきです。基地問題や日米地位協定の見直しなど、主権に関わるテーマだからです」(宮脇)🔶 まとめ:象徴と実務、二つの課題▶ 女性首相としての象徴性は強く、外交の可視化も進みました。▶ 一方で、赤坂プレスセンターや横田空域に象徴される戦後処理の未解決課題は依然として残っています。▶ 高市政権が「同盟の強化」と「主権的課題の改善」をどう両立させるか――ここが今後の評価軸になります。解説:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん聞き手:RKK・江上浩子
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日本初の女性総理・高市早苗内閣の船出 ――議員定数削減をめぐる“静かな火種”とは
第104代内閣総理大臣に就任した高市早苗氏。日本初の女性総理として歴史的な一歩を踏み出しました。しかし、その船出の裏では、日本維新の会との連立の条件となった「議員定数削減」が、政権の安定を左右する“火種”となりつつあります。元RKKアナウンサー・宮脇利充さんが、初の所信表明演説と世論の反応を読み解きながら、新政権の行方を解説します。🔶 女性初の総理誕生がもたらすインパクト▶ 10月21日、高市早苗自民党総裁が第104代内閣総理大臣に選出され、自民・日本維新の会の連立政権が誕生しました。▶ 「ガラスの天井を破った」と報じられた高市総理の誕生は、日本政治史における画期的な出来事です。「能力があっても性別を理由に昇進できない“ガラスの天井”。それを打ち破った象徴的な出来事です」(宮脇さん)▶ アメリカでは女性大統領がまだ誕生していない一方、イギリス・イタリア・北欧・台湾・ニュージーランドなどでは女性首脳が活躍しています。▶ 日本でもようやく、女性が国のトップに立つ時代を迎えたことになります。🔶 世論調査に見る「高市内閣」への期待と不安▶ 共同通信の調査(10月21〜22日実施)によると、高市内閣の支持率は64.4%。読売新聞の調査では71%と高水準でした。▶ さらに「高市総理の誕生が女性活躍を後押しするか」という問いには、「なる」35%、「どちらかといえばなる」42%で、計77%が期待を寄せています。「ロールモデルとしての存在感が大きい。『努力すれば女性でも国のトップになれる』という希望を持たせる効果があります」(江上さん)▶ 年代別では30代以下の若年層の79%が支持。▶ 一方で、60代以上の支持は55%にとどまり、年齢が上がるにつれて支持率が低下する傾向が見られました。▶ 性別では男性63%、女性66%と、女性の方が高い支持を示しています。🔶 所信表明演説の要点と“言及されなかったこと”▶ 10月25日午後2時、国会で行われた高市首相の所信表明演説(約30分)。▶ 青のジャケットに大粒のパールのネックレスを合わせ、自信に満ちた表情で登壇しました。演説の主な内容は次の通りです。▶ 積極的な財政出動・物価高対策▶ 熊本の**TSMC熊本(JASM/Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)を名指しした先端産業育成による経済成長戦略▶ 給付付き税額控除の導入▶ 科学技術投資とエネルギー安全保障▶ 女性特有疾患への医療拠点整備▶ 外国人受け入れ政策の見直し(排外主義ではない立場を強調)▶ 裁判の再審制度改革▶ 防衛費のGDP比2%**への前倒し実施「非常に盛りだくさんでしたが、あれほどの中で“議員定数削減”に触れられなかったのは気になりました」(宮脇さん)🔶 “連立の約束”議員定数削減はどこへ?▶ 議員定数削減は、日本維新の会が連立の条件として掲げた最重要項目です。▶ 現在、衆議院議員は465人(小選挙区289・比例代表176)。このうち**比例区を約50人削減(約1割)**する案が出ています。▶ 日本維新の会は「この国会で法案を議員立法で提出し、通らなければ連立離脱」と明言しています。「もし本当に提出されて可決されれば、小政党・中政党が大きな打撃を受けます。比例代表制はもともと多様な意見を国政に反映させるための仕組み。そこを削るのは筋が違うという声もあります」(宮脇さん)▶ 自民・維新両党にとっても議席減は避けられませんが、より深刻なのは少数政党。政治勢力の多様性が損なわれる恐れがあります。▶ 一方で、OECD(経済協力開発機構)加盟38か国中、日本の国会議員数は36位と“少ない方”。必ずしも「議員が多すぎる国」ではない現実もあります。「世論が強く求めているわけでもない。にもかかわらず削減を急ぐのは、政権運営上の駆け引きのようにも見えます」(宮脇さん)🔶 船出の順風と、静かな火種▶ 世論の7割が支持し、女性総理として高い注目を集めた高市政権。▶ しかし、議員定数削減という“連立の条件”が、早くも政権の安定に影を落としています。「日本維新の会が離脱すれば政権は一気に不安定化します。高市内閣がこの火種をどう処理するかが、今後の政治の焦点になるでしょう」(宮脇さん)出演:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん聞き手:江上浩子(RKK)
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子どもは社会の宝。だから“みんなで育てる”を本気で——阿蘇オフラインキャンプから見えた現実
「子どもは社会の宝です。多様な子どもたちを、社会全体で受けとめて育てていきたい——。」熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、病院と学校、地域が連携する“みんなで育てる”実践を語ります。阿蘇で実施された「オフラインキャンプ」を手がかりに、必要な配慮・人員・お金・時間を社会でどう支えるかを考えます。🔶 背景:「オフラインキャンプ」—ネットを離れ、自然の中で“生きる力”に触れる▶ 実施日:10月11日・12日(1泊2日)▶ 連携:向陽台病院の呼びかけで、玉名病院・県立こころの医療センターが協働▶ 参加:両病院に通院・入院経験のある小〜高生約20名程度+多数のスタッフ▶ 特徴:端末と離れ、自然体験に没頭する「オフライン」設計。ネット依存の傾向がある子も安心して参加できる支援体制を整備。▶ 位置づけ:田中校長が“言い出しっぺ”。今年で3回目、毎回現地参加。「3回連続で参加する子もいます。年に1度しか会わないのに、会うたびに成長がわかります。個性の強さはその子の魅力。配慮が必要なら、必要なだけ大人が寄り添えばいいのです」(田中校長)🔶 気づき:同じ「宝」でも、必要な支えは違う同じ施設には、サッカークラブの小学生チームも来ていました。大人の数は少なくても運営できる集団と、大人の数が子どもを上回るほどの支援が要る集団。どちらも社会にとって同じ「宝」ですが、求められる支援の量と質が違うという現実が浮き彫りになります。「“自分で生きていきなさい”では届かない子がいます。だからこそ、社会全体で受けとめる仕組みがいる。平等とは“同じやり方”ではなく、“必要なだけ支える”ことだと思います」(田中校長)🔶 病院間連携の意義:利益度外視でつくる“地域のチーム”▶ 同業の民間病院同士が手を組むのは、全国的にも珍しい取り組み。▶ 収益になりにくい活動でも「子どもの成長の機会」を優先して継続。▶ 「熊本はひとつ。Our Children(阿波チルドレン)」という理念のもと、医療・教育・地域が横断的に支援を続けています。「同じ地域の子どもたちを、みんなで見守っていく。この姿勢が熊本らしい温かさだと思います」(田中校長)🔶 学校現場のリアル:人・お金・時間が足りない▶ 授業中に座っていられない、指示が入りにくい——個別配慮が必要な子は確実に存在します。▶ 伴走には長い時間・人手・費用が欠かせません。▶ 例:学校代表として県大会に出る生徒の遠征費用が十分にまかなえず、経済格差が体験格差につながる懸念も。▶ 担任の心理的負荷も重く、教員のメンタル不調や離職志向の増加が課題に。「子どもや保護者、教員の“せい”にしても何も解決しません。必要な支援を社会で用意するしかない。効率や“コスパ・タイパ”では測れない世界です」(田中校長)🔶 “みんなで育てる”を進めるために:4つの提案▶ 1. 公的・民間の“プール”で体験機会を保障 遠征・自然体験などの参加費用を、地域の基金や寄付で支える仕組みを整備。▶ 2. 学校外リソースの常態化 学生ボランティアや退職教員など“第3の大人”を登録し、個別に寄り添う伴走員として配置。▶ 3. 医療・教育・福祉のワンチーム化 病院・学校・福祉・NPOが定期的にケース会議を開き、切れ目のない支援を共有。▶ 4. 「配慮が要る子」前提の校内設計 教室にセーフコーナーを設けるなど、**“同じであること”より“学びが届くこと”**を優先する設計へ。🔶 まとめ:宝を宝として扱う勇気を子どもは社会の宝です。その宝を宝として扱うには、時間・人・お金が要ります。効率では測れません。誰かの“努力不足”に帰すのではなく、社会全体の責任として支える——それが「みんなで育てる」の本当の意味です。「個性が強い子、配慮が必要な子は、社会にとっての大切な“多様性そのもの”。大人が数歩寄り添えば、その子の強みは必ず光ります」(田中校長)出演:熊本市立出水南中学校 校長・田中慎一朗聞き手:江上浩子(RKK)
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君たちはどう備えるか ー今年も日本各地で自然災害が相次ぐー
🔶 頻発する異常気象、問われる“私たちの備え”今年も日本各地で大雨や台風などの自然災害が相次ぎました。熊本でも8月、そしてわずか1か月後の9月に再び大雨が発生し、各地で被害が報告されました。「もはや“ここでは起きない”という考えは通じません。私たちは自然の恵みと同時に、猛威にも向き合わなければならない時代に生きています」と語るのは、ライブ配信ディレクターの斉場俊之さんです。🔶 “情報難民”になった朝――突然の落雷被害斉場さんが特に印象的だったと語るのが、9月10日の朝。熊本に線状降水帯が発生し、夜明け前から雷と豪雨に見舞われました。「朝、テレビをつけていたら突然映らなくなったんです。停電ではなく、ケーブルテレビの機器が落雷で壊れてしまっていました。照明も点くし電気も通っているのに、情報だけが途絶えてしまった。まさに“情報難民”状態でした」テレビが見られなくなり、地域の最新情報を得られない不安の中、斉場さんが頼ったのはラジオでした。「こういうときこそ、地元局の放送が命綱になります。RKKラジオでは、通常番組を変更して気象情報を伝えてくれた。そこでようやく“雨はまだ続く、雷も収まらない”という現状を知ることができました」しかし、この経験から痛感したのは「放送局から『危険です』と伝えられたときには、すでに自分の地域は危険な状態にある」という現実でした。🔶 “危険情報”が出る頃には、すでに危険は始まっている災害が発生するスピードが年々早まっています。「近年は、雨が降り始めてから短時間で被害が出るケースが多くなりました。『備える間もなく水が来た』という声をよく耳にします。じわじわと増水するのではなく、短時間で一気に状況が変わる。これが今の災害の特徴です」そのため、斉場さんは「放送が通常編成のうちに動くことが命を守る第一歩」と強調します。「テレビやラジオが『危ないです』と言い始めた時点では、もう逃げ遅れている可能性がある。だからこそ、番組が普通に進行しているうちに、私たちは準備を始めなければいけません」🔶 “君たちはどう備えるか”――3つのヒント斉場さんは、自身の経験をもとに“命を守るための3つの備え”を挙げました。1️⃣ 複数の情報入手手段を持つこと「テレビが壊れても、ラジオがあれば助かる。スマートフォンが充電切れでも、乾電池式ラジオがあれば情報は得られます。携帯の充電をこまめに行うことも大切です」2️⃣ 小さな変化に“早めに気づく”こと「気象情報のコーナーで“少し注意が必要”と伝えられた時点で、自分事として捉えること。『どうせ大したことはない』と流すのではなく、最悪の可能性も考えておく。普段から天気予報やニュースを“ながら聞き”しておくことが大切です」3️⃣ 安心ではなく“不安”を探すこと「人はどうしても“安心したい”と思ってしまいますが、災害時は逆です。『この台風は九州の西を通るから大丈夫』ではなく、『もし進路が変わったら?』と不安要素のほうを意識して行動する。それが命を守る備えにつながります」🔶 “最悪を想定する勇気”が命を守る「安心を探す行動は、人間として自然なことです。でも、災害の前では“最悪のシナリオ”を想定して動く勇気が必要です」と斉場さんは語ります。「いつ起こるかわからないからこそ、今から備えておく。行動を1時間、いや10分でも早くすることで、助かる命があると思っています」まとめ大雨、地震、台風――いつどこで災害が起きてもおかしくない時代。情報を受け身で待つのではなく、自ら取りにいくこと。そして「安心ではなく不安を探す」という意識の転換こそが、これからの私たちに求められている備え方です。「君たちはどう備えるか」その問いは、決して他人事ではありません。🗣️ お話:ライブ配信ディレクター 斉場俊之さん🎙️ 聞き手:江上浩子(RKK)
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10月公開の必見映画3選――芸術・将棋・サスペンスの世界へ
🔶 『おーい、応為』(10月17日公開)👉 公式サイトはこちら https://oioui.com/今月最初のおすすめは、浮世絵師・葛飾北斎の娘、葛飾応為(お栄)を描いた作品『おーい、応為』です。主演は長澤まさみさん。父・北斎を演じるのは永瀬正敏さんです。長澤さん演じる応為は、豪快で少し乱暴な言葉遣いながらも、繊細な筆致を持つ絵師。その姿は、芸術家としての葛藤と親子の絆を鮮やかに映し出しています。北斎役の永瀬さんも、重厚かつ人間味あふれる演技で、芸術家親子のせめぎ合いを力強く表現しています。監督は『日日是好日』で知られる大森立嗣さん。人間ドラマを丁寧に描く手腕が、本作でも発揮されています。特徴的なのは、時代劇でありながら西暦表記を用いるなど、一見すると意表を突く演出が盛り込まれている点です。また、劇中で応為が拾ってきた犬が引っ越しの度に荷車に座り続け、少しずつ成長していく姿で年月の流れを表現するなど、細部にまで工夫が光ります。女性浮世絵師として先駆的な存在であった応為の生きざまは、時代を超えて強い共感を呼ぶでしょう。🔶 『盤上の向日葵』(10月31日公開)👉 公式サイトはこちら https://movies.shochiku.co.jp/banjyo-movie/次にご紹介するのは、柚月裕子さん原作のベストセラー小説を映画化した『盤上の向日葵』です。主演は坂口健太郎さん。さらに渡辺謙さん、小日向文世さん、佐々木蔵之介さん、土屋太鳳さんら豪華キャストが出演しています。物語は、身元不明の白骨死体が発見される事件と、天才棋士の波乱の人生が交錯しながら展開します。坂口さん演じる青年棋士は、苦難の中で才能を開花させ、将棋の世界で頂点を目指す姿を見せます。師匠役として、小日向さんが温かく支える存在を、渡辺謙さんが賭け将棋の名人として迫力ある演技を披露。二人の対照的な師弟関係が物語に厚みを与えています。サザンオールスターズによる主題歌「暮れゆく街のふたり」です。映画内で口笛として繰り返し登場し、切なさと哀愁を伴う旋律が物語を彩ります。人間ドラマとしてもミステリーとしても、強く心に残る作品です。🔶 『爆弾』(10月31日公開)👉 公式サイトはこちら https://wwws.warnerbros.co.jp/bakudan-movie/同じく10月31日に公開される『爆弾』は、サスペンス性あふれる一作です。主演は山田裕貴さん。共演に佐藤二朗さん、伊藤沙莉さん、染谷将太さん、渡部篤郎さんらが名を連ねています。物語は、酔っ払いとして取り調べを受けていた男が、突如「これから爆発が起きる」と予言。その言葉通りに連続爆破事件が発生していくという緊迫の展開です。佐藤二朗さんが演じる謎の男は、不気味さと狂気を併せ持ち、物語の中心で強烈な存在感を放ちます。刑事役の渡部篤郎さんは、佐藤さんとの対峙を通じてベテラン俳優としての重みを示しています。原作は呉勝浩さんの小説『爆弾』。江戸川乱歩賞を受賞した傑作ミステリーで、俳優陣も「原作の重みを背負って挑んだ」と語るほどの緊張感あふれる撮影となったそうです。緻密な構成と息詰まるサスペンスが、観る者を圧倒するでしょう。⭐まとめ10月は、芸術と親子の絆を描く『おーい、応為』、将棋と人生を交錯させた重厚な人間ドラマ『盤上の向日葵』、そして狂気と予言に翻弄されるサスペンス『爆弾』と、濃厚なラインナップが揃っています。それぞれに異なるジャンルながら、観る人の心に強く響く作品です。映画解説研究者の上妻祥浩さんによる推薦でした。ゲスト:上妻祥浩/聞き手:江上浩子(RKK)
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思い込みが社会を揺らすとき――政治発言とSNS拡散を読み解く
本日のテーマは「思い込み」です。政治家の発言やSNS上の情報が、根拠の不確かな“印象”や“思い込み”と結びついたとき、社会にどのような影響が生まれるのか――宮脇利充さんが具体例を手がかりに考え方の整理を提案します。🔶 奈良の鹿をめぐる発言――根拠はどこにあるのか総裁選の所見表明で取り上げられた「奈良の鹿」への迷惑行為を起点に、訪日客への規制強化を訴える発言が注目を集めました。一方で、管理当局側は“暴力行為の確認なし”との説明をしており、両者の主張に隔たりが見られます。宮脇さんは「政治家の言葉は社会に与える影響が大きい。事実関係を丁寧に示す姿勢が欠かせません」と指摘します。ポイント“見聞きした話”や“体感”が、統計や公式確認より先行すると誤解が広がりやすくなります。とくに移民・観光・治安など感情を刺激しやすいテーマでは、印象の増幅に注意が必要です。🔶 通訳不足で「不起訴」?――現場との食い違い同じ場で語られた「通訳確保が間に合わず不起訴」という趣旨の言及についても、実務側からは「そのような事例は把握していない」とする説明が紹介されました。宮脇さんは「データや事例提示なく『よく聞く』という言い方は、誤った前提を固定化しかねません」と述べ、エビデンス提示の重要性を強調します。🔵ポイント司法・警察運用には手続きの上限や代替手段が整備されているケースが多く、“印象ベース”の断定は慎重に。発言者の立場が高位になるほど、聞き手は“事実”として受け取りやすく、言葉の重みが増します。🔶 JICA「アフリカ・ホームタウン」構想と誤情報拡散国際交流を目的とした取り組みが「移民定住制度」と誤解され、自治体や機関に大量の抗議が殺到した一件も紹介。公式の否定が繰り返されても、SNS上の“確信”が抗議行動を持続させる構図が浮き彫りになりました。🔵ポイントSNSのアルゴリズムは、自分の確信を補強する情報を“集めて並べる”傾向があり、偏りに気づきにくくなります。公式ソースの一次情報(発表資料・FAQ・窓口)を確認する「逆引き」習慣が、誤拡散のブレーキになります。🔶 スポーツの国際舞台に見る“リスペクト”の回路世界陸上のように、国籍や背景を超えて互いの努力を讃える場面がある一方で、SNSでは“敵/味方”の二分法が加速しがちです。宮脇さんは「同じ“世界を見る”でも、接し方次第で態度は大きく変わる。まず落ち着くこと、そして確かめることが出発点です」と呼びかけます。🔶 今日はここを持ち帰る:思い込みに飲み込まれない5つの習慣出所を見る:誰が、いつ、どの立場で述べた情報かを必ず確認します。一次情報に当たる:記事なら元資料、発言なら全文・動画・逐語をチェックします。反証を探す:賛成の根拠だけでなく、反対の根拠も並べて比較します。数と手続き:統計・制度・運用の“仕組み”を確認し、個別体験の一般化を避けます。言葉の重み:影響力のある人の発言は“事実”として流通しやすい――受け手も発信側も自覚します。「確かめて、落ち着いて、考える。思い込みの速度を、いったん緩めましょう」(宮脇利充)🔶 まとめ政治の場でもSNSの空間でも、“印象”が“事実”を上書きすると、社会の議論は荒れやすくなります。大切なのは、根拠を確かめる手間と、違う意見に耳を澄ます余裕です。宮脇さんは「自分の中の思い込みにも光を当てたい」と結びました。出演:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん/聞き手:江上浩子(RKK)
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家庭と学校の“協育”をもう一度――PTAの価値とこれから
🔶 テーマの背景:教育は学校の“専売特許”ではありません田中慎一朗校長は「教育は、家庭と学校が一緒に子どもを育む営みです」と強調します。市教育委員会内では先月、「家庭と学校の連携について考える会」(PTAのあり方を含む)が発足し、田中校長も委員として参加しています。第1回会合では、現役PTAや学校現場の声を交え、今後の方向性について議論が始まったところです。🔶 いまPTAに起きていること:加入率低下と“休止化”近年、PTAの加入率は下がり、学校によっては活動が休止状態という例も見られます。前提としてPTAは任意団体であり、加入の有無で子どもが不利益を受けてはならない――これは大前提です。そのうえで田中校長は、「PTAは学校と家庭をつなぐ、大切な“橋”であり続けてきました。なくなることで失われる機能は小さくありません」と指摘します。🔶 PTAの“3つの機能”:なくして気づく基盤インフラ1. 共助機能(助け合い・ピアの支え)大会遠征や活動に伴う費用の一部補助など、会費を原資に“いざ”というときの支えになります。経済的支援だけでなく、悩みや不安を分かち合うピア(同じ立場)コミュニティとして機能します。転入直後など、相談先が見つけにくい家庭の受け皿にもなります。2. 監督機能(監視ではなく“モニタリング”)学校は「子どものため」を軸に全力で動きますが、ときに“思い”が先行して硬直化することもあります。PTAは保護者代表として、行事や運営、学習・生活指導の進め方に建設的な意見を出し、学校と対等な立場で改善を促す存在です。個別の苦情が“全体の声”なのかを確かめる手続き(集約・合議)を担い、校長や学校側の相談相手(セーフティネット)になります。3. 教育機能(“教える”から“共に育てる”へ)強い一方通行の指導が通りにくい今こそ、学校と家庭が“指導の一貫性”を共有し、共に育てる体制が不可欠です。学校ツアーや校内観察、職業講話・体験(キッザニア型企画)など、PTAが“学びの場”を開発・運営することで、地域ぐるみの学びが広がります。出水南中では、PTA活動が評価され文部科学大臣表彰を受けるなど、機能の可視化にも結びついています。「PTAは“学校の下部組織”ではありません。保護者の代表として、学校と“対等に”子どもたちの最善を考えるパートナーです」(田中校長)🔶 誤解されがちなポイント:任意加入と“公平”の両立任意加入は不変:加入しないことによる不利益はあってはなりません。組織の透明性がカギ:会計・意思決定・役割分担を“見える化”することで、非加入の理由(負担感・不透明感)を減らせます。“関わりやすい小さな参加”を用意:ワンショットのボランティア枠、オンライン会合、タスク細分化で参加障壁を下げます。🔶 出水南中の実践アイデア(再現可能なヒント)学校ツアー&コメントバック:保護者目線の気づきを学校へ“伴走フィードバック”。職業講話・体験デー:保護者の専門性を学びに変換、キャリア教育の共同設計。三者パートナー会議:生徒会長×PTA会長×校長が同じテーブルで、校内課題を“協議→合意→実装”。🔶 これからのPTAデザイン:5つの提案ミッション再定義:「子の最善の利益」を憲章化し、活動を“目的ドリブン”に。役割のマイクロ化:1時間・単発・オンラインOKの“小さなジョブ”を量産。情報のオープン化:議事録・予算・効果測定を簡潔にWeb共有。合議の仕組み:個別意見→PTAで集約→学校へ提案の標準ルートを整備。評価と表彰:関わりの可視化(バッジ・感謝状・SNS紹介)でモチベーションを回す。🔶 まとめ:PTAは“なくすか/残すか”ではなく、“進化させる”田中校長は、「PTAは学校にとって“良き友人”です。時に支え、時に諫め、共に育てる。いま必要なのは“今のまま”ではなく、“これからの形”を共に考えることです」と結びました。教育は学校だけでは担いきれません。家庭と学校、そして地域が“協育”の視点で手を結ぶとき、子どもたちの学びと安心は確かなものになります。出演:熊本市立出水南中学校 校長・田中慎一朗さん聞き手:江上浩子(RKK)
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あの渋滞を減らすのはあなた ― 熊本の交通課題と解決への道
🔶 熊本の渋滞、道路整備だけでは解決できない課題週末の夕方、多くの人が車の中で渋滞に巻き込まれています。熊本でも道路整備は進んでいますが、渋滞解消にはなかなかつながっていません。西環状道路の開通もありますが、便利になれば車が集中し、結果的に渋滞が増えるという“いたちごっこ”の状況です。この現実を踏まえ、熊本県は「道路を作れば解決」という発想だけでなく、民間と協力して取り組む仕組みを導入しました。🔶 熊本県渋滞対策パートナー登録制度の取り組み県は今年5月から「熊本県渋滞対策パートナー登録制度」をスタートしました。これは、時差出勤・テレワーク・公共交通の利用など、企業が主体的に渋滞解消に取り組むことを促す制度です。登録企業にはロゴマークが交付され、「渋滞対策に取り組んでいる企業」であることを示せます。8月29日時点で、264の事業者が登録済みです。ライブ配信ディレクターの斉場俊之さんが率いる「さいばーとれいん」も登録第1号企業として名を連ねています。🔶 AIで見えた登録企業の傾向斉場さんは、県が公開している登録企業データをAIで独自に分析しました。その結果、製造業や事務系の職種が多く登録していることが判明しました。これらの企業は「9時始業・17時終業」といった時間帯が固定されやすいため、時差出勤やリモートワークに取り組みやすい傾向があります。一方、小売業など「顧客が来店する時間に合わせざるを得ない業種」は、登録が少ないという特徴も見られました。🔶 行政に求められること行政に対しては「車を使わない選択肢を提供してほしい」と斉場さんは語ります。熊本市内は自転車移動もしやすい一方で、自転車専用レーンや着替えの設備が少なく、ビジネス利用には課題があります。バスは本数が少なく遅れも多いため、利用者が安心して乗れる環境整備が必要です。🔶 事業者への提案 ― 配送や集客の工夫企業には「車を使わない工夫」を求めたいと斉場さん。例えば、配送時間を朝の渋滞時間帯から夜間にシフトさせる取り組みや、大型店舗での「催事渋滞」への対策として、混雑する時間帯ではなく空いている時間帯に来店した顧客へ特典を与える仕組みも考えられます。駐車場料金の差別化なども一案です。🔶 県民一人ひとりにできること渋滞に巻き込まれることは「時間とお金の損失」だと斉場さんは指摘します。車の中で動けずに費やす時間は失われた人生の一部であり、ガソリン代も無駄になります。スーパーで1円単位の節約を考えるのと同じように、「渋滞を避ける工夫」も個人が取り組むべき課題です。公共交通を使える場面では積極的に使うことも重要です。🔶 まとめ ― 渋滞解消は“あなた”から始まる熊本県の「渋滞対策パートナー登録制度」は9月いっぱい、企業の登録を受け付けています。制度に限らず、行政・企業・そして県民一人ひとりが意識を変えることで渋滞は減らせるはずです。「渋滞を減らすのは、あなた」この言葉が示すように、解決の第一歩は身近な行動の見直しから始まります。出演:ライブ配信ディレクター 斉場俊之さん聞き手:江上浩子(RKK)
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今月の映画おすすめ3選――記憶と現在、極限のサバイバル、そして“炎上”の向こう側
終戦から80年の節目を過ぎ、いま観るべき3本が揃いました。カズオ・イシグロの長編デビュー作を原作にしたミステリアスな人間ドラマ、実話ベースの深海サバイバル、そしてSNS時代の「無実の加害者」を描くサスペンス。内容の重さは異なりますが、どの作品も“いま”を考えさせてくれます。🔶遠い山なみの光(9月5日公開)👉 公式サイト:https://gaga.ne.jp/yamanami/イシグロ文学の“余白”がスクリーンでささやく。1980年代のイギリス。日本人女性(吉田羊)のもとを、疎遠だった娘が訪ねてきます。物語はそこから1950年代の長崎へと行き来し、若き日の彼女(広瀬すず)と、謎めいた女性(二階堂ふみ)との出会いが、静かな緊張を帯びてほどけていきます。原爆後の街の空気、家族や婚姻、義家族(三浦友和が印象的)との関係──“語られないこと”が語る、イシグロらしい余韻が核です。見どころ1980年代ロンドンと1950年代長崎を織り交ぜる構成が生む“捉えどころのなさ”。広瀬すず×二階堂ふみ、対照と共鳴で進む女性同士の心理線。「本当は何が起きたのか」を観客に委ねるミステリー性。上妻さん評:「丁寧に観た人ほど“あ、そうか”が積み上がります。見終わって語り合いたくなるタイプの1本です」🔶ラスト・ブレス(9月26日公開)👉 公式サイト:https://lastbreath.jp/深海の限界時間、酸素メーターは容赦なく減っていく。スコットランド沖。海底パイプラインの修理任務中、支援船のトラブルで潜水士の1人が海底に取り残されます。残り酸素はわずか──船上と海中のチームが総力戦で挑む、実話ベースの“タイムリミット・サスペンス”。事故のドキュメンタリーを手がけた監督による劇映画化で、実際の船・技術・手順に基づく描写が緊迫感を跳ね上げます。見どころ飽和潜水の手順や機材運用をリアルに再現。「最後の一呼吸」へ収斂する編集と音。海の暗闇と狭小空間が作る極度の没入感。上妻さん評:「予告だけで手汗。『助かるのか?』が全編を貫きます」🔶俺ではない炎上(9月26日公開)👉 公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/oredehanai-enjo/“加害者にされた日”は、誰の明日にも起こりうる。普通のサラリーマン(阿部寛)が、SNSで殺人犯と名指しされます。拡散、特定、断罪。正義を名乗る群衆の暴走に、生活も人間関係も崩れていく──ヒッチコック譲りの“巻き込まれ型”を、現代日本のネット空間に移植。夏川結衣、芦田愛菜の存在感も濃く、特に芦田の啖呵は物語の芯を震わせます。冤罪スリラーでありつつ、それだけでは終わらない“もう一歩深い”問いを投げてきます。見どころ阿部寛の“普通さ”が恐怖を増幅。夏川結衣・芦田愛菜ほか脇の芝居が熱い。「発信する側」の責任を観客に返す構造。上妻さん評:「SNSの怖さが主題ですが、そこに留まらない。ネタバレ厳禁、劇場で確かめてください」ゲスト:上妻祥浩/聞き手:江上浩子(RKK)
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ブレイディみかこ『女たちのポリティクス』と現在の政治状況 大阪万博の話も
🔶 先週の続き――紹介できなかった一冊宮脇利充さんが先週紹介しきれなかった本、『女たちのポリティクス』(ブレイディみかこ著、幻冬舎新書、2021年刊)。刊行から4年が経っていますが、現代の政治状況と不思議なほど呼応する内容を含んでいます。著者ブレイディみかこさんは福岡市生まれ、イギリス在住のライターであり保育士。『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で知られ、英国社会のリアルを等身大で描く筆致で注目を集めました。*女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち (幻冬舎新書)/ブレイディ みかこ (著)🔶 フェミニズムとナショナリズムの危うい結合同書の中で注目すべき章の一つが「小池百合子とフェミニズム」です。ここでブレイディさんは、ヨーロッパにおける「フェモナショナリズム(フェミニズム+ナショナリズム)」を紹介します。イスラム過激派による女性の権利抑圧に抗議するフェミニストの声が、極右ナショナリストに利用され、排外主義へと転化する構図です。ブレイディさんは、この枠組みを日本に置き換え、「ムスリム男性」を「おっさん政治」として捉えるべきだと提起します。共通の敵を設定して攻撃することで人気を得るのは、典型的なポピュリストの手法。短期的には憂さ晴らしになっても、長期的には自らの首を絞める危険性を孕んでいると警鐘を鳴らします。🔶 日本政治と「おっさん政治」批判宮脇さんは、直近の参議院選挙を振り返り、既成政党への不満から新興勢力に投票が流れる傾向を指摘しました。ただし、そこには理念や政策の根本的な相違を見極めず、「とにかく既存政治への対抗」として票が動く危うさが潜んでいると警戒します。🔶 小池百合子都知事と関東大震災追悼文問題「小池百合子とフェミニズム」の章ではもう一つ、関東大震災(1923年)後に起きた朝鮮人虐殺の追悼文問題に触れられています。歴代東京都知事が追悼文を寄せてきた中で、小池都知事は2017年以降、一度も寄せていません。9月1日、関東大震災から102年を迎える追悼集会で、小池知事が追悼文を再び寄せるのか、あるいは8年連続で見送るのか――政治家としての姿勢が問われています。🔶 万博が映す「国の顔」さらに宮脇さんは、大阪・関西万博を訪れた体験も語りました。各国パビリオンは「お国自慢」が中心で、文化や資源の豊かさを前面に出しています。しかし宮脇さんが求める「その国の課題や矛盾」といったネガティブな情報はほとんど見られませんでした。日本館は「持続可能な社会」をテーマに、会場内の廃棄物を燃料に電力を生み出す仕組みを展示。また、隣接するカルティエがサポートするウーマンズ パビリオンも注目されており、「フェミニストも非フェミニストも訪れる価値がある」と宮脇さんは強調しました。話し手:宮脇利充(元RKKアナウンサー)/聞き手:江上浩子(RKK)
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世界の女性リーダーを描くブレイディみかこ『女たちのポリティクス』を読む
🔶 図書館で出会った一冊宮脇利充さんが図書館で偶然手に取った『女たちのポリティクス』(幻冬舎新書/2021年刊)を紹介します。刊行から4年が経ったいまも、内容は現在の政治状況に通じる示唆に富み、時間を超えて読ませる一冊だといいます。🔶 ブレイディみかことは誰か著者のブレイディみかこさんは1965年福岡市生まれ。イギリス・ブライトン在住のライターで、保育士としての経験も持ちます。代表作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(2019年)は、英国の多様性や教育現場を等身大に描いて高く評価されました。🔶 世界の女性リーダーたちが照らす政治の現在地本書は、メルケル(独)、スタージョン(スコットランド)、蔡英文(台湾)、アーダーン(NZ)など各国の女性リーダーを取り上げます。コロナ禍対応で成果を上げた国々の分析を通じ、「女性だから」ではなく「ずば抜けて優秀だから」トップに押し上げられたという、ジェンダーを超えた資質論が示されます。決断の速さや推進力、的確な優先順位付けなど、危機下で光るリーダーシップの共通項が浮かび上がります。🔶 日本のジェンダーギャップと政治分野の遅れ世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で日本は依然として下位に位置し、とりわけ政治分野の遅れが目立ちます。4年を経ても構図が大きく変わらない現状に、本書の示唆はなお有効だと宮脇さんは語ります。🔶 小池百合子と“フェモナショナリズム”「小池百合子とフェミニズム」の章では、政治信条の一致・不一致を超えて支持が集まる背景を「フェモナショナリズム(フェミニズム×ナショナリズム)」という概念で読み解きます。女性の権利を政治的手段として利用する動きは欧州右派の女性リーダーにも見られ、日本文脈では“おっさん政治”への反発が特定勢力を利する危うさにも注意を促します。🔶 いま読む意義――「性別より資質」を見抜く眼コロナの記憶が薄れつつある今こそ、本書は危機下の統治に必要な資質を思い出させます。女性か男性かではなく、難局で結果を出せる資質を持つ人物を選べているか――有権者の視点が問われている、と宮脇さんは結びます。話し手:宮脇利充(元RKKアナウンサー)聞き手:江上浩子(RKK)〇書籍情報書名:『女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち』著者:ブレイディみかこ出版社:幻冬舎新書(2021年刊)URL: https://amzn.to/45Qa99y〇ジェンダー・ギャップ指数日本の順位:118位/148か国 (2025.6.12発表)内閣府男女共同参画局
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不確実な中にとどまる力──熊本市立出水南中学校・田中慎一朗校長が語る「ネガティブ・ケイパビリティ」と教育の営み
お盆の時期、熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、教員生活の原点を思い起こさせる出来事を経験しました。新任時代の教え子たちが帰省に合わせて集まり、同窓会のような再会の場を設けてくれたのです。「当時の生徒たちはやんちゃで、バイクを乗り回したり、体育館の袖でタバコを吸ったりと、毎日が戦いでした」と田中校長は振り返ります。当時は新任教師として必死に指導しても、反発ばかりでわかり合えたとは言い難い日々。それでも田中校長は、教え子たちのそばを離れず、関わり続けました。🔶“先生と飲みたい”と言われた瞬間再会した教え子のひとりはこう語りました。「大人になって、一緒に飲みたい先生と、そうでない先生がいます。田中先生は会いたいと思える先生でした」この言葉に、田中校長は胸を打たれたと言います。当時は反抗期真っ只中でふてくされていた生徒たちも、大人になって改めて“そばにいてくれた存在”の意味を感じていたのです。🔶教育は結果がすぐ出ない営み田中校長は、この経験から「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を想起しました。直訳すれば「否定的能力」ですが、ここでいう“ネガティブ”とは悲観ではなく、「不確実な状態にとどまり続ける力」を意味します。もともとは英国の詩人ジョン・キーツが、劇作家シェイクスピアの作風を評する中で友人に宛てた手紙に登場した言葉です。勧善懲悪ではなく、人間の多面性や曖昧さを描ききる力。それを後世の人々が教育や医療、福祉など幅広い分野で引用するようになりました。🔶結果を急がず“揺れ”に寄り添う教育現場でも、子どもの行動や態度はすぐに変わるとは限りません。「不登校や望ましくない行動に直面すると、すぐに解決策を探し、成果を求めたくなります。しかし、うまくいく時もあれば、そうでない時もある。その“揺れ”に寄り添い、関わりを止めないことが大切です」と田中校長は語ります。これは子育てにも通じます。親は結果をゴールに据えがちですが、子どもはそれぞれのタイミングで変化します。表面には出なくても、心の中では少しずつ反応や変容が起きているのです。🔶“居続ける”ことが信頼を生む新任時代、田中校長は結果が見えなくても、反発や嘘に直面しても、生徒のそばを離れませんでした。その姿勢が、後年「信用してみようと思ったきっかけだった」という生徒の言葉につながります。「教育技術が特別にあったわけではありません。関心を持ち続け、居続けること。それが最終的に子どもの心に届いたのだと思います」と田中校長。🔶不確実性に耐える力が今こそ必要現代社会は「すぐ結果を出さなければ」という焦りに駆られやすく、うまくいかないとイライラしてしまうことも少なくありません。「だからこそ、不確実な中にとどまり続ける力が必要です。教育も子育ても、営みそのものが大切なのです」と田中校長は力を込めます。出演:熊本市立出水南中学校 校長 田中慎一朗聞き手:江上浩子
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終戦80年──「核武装論」がSNSで呼び起こした議論と2つの現実
終戦80年──「核武装論」がSNSで呼び起こした議論と2つの現実原爆投下から80年の節目を迎えた今年、熊本市の大西一史市長がSNSに投稿した一言が、日本社会に大きな波紋を広げました。核兵器をめぐる賛否両論、そしてその先に見えてきた“2つの現実”についてお伝えします。🔶発端は1つのSNS投稿です今年7月8日、アメリカのトランプ前大統領が原爆投下を正当化する発言を行いました。これに対し、大西市長はX(旧Twitter)で「核兵器をなくすことは、政治家としても人間としても、私たちの責務だと強く思っています」と投稿しました。この投稿は28万5千回以上閲覧され、多くの賛同と同時に反対意見も巻き起こしました。賛同派は「日本こそ核廃絶を訴えるべきだ」とし、反対派は「時代が変わった今、日本も核武装して国を守るべきだ」と主張しました。🔶再びの発信、そして拡大する反響です大西市長は7月21日、「あらためて言わせてもらって、よかですか?」という言葉で始まる投稿を行いました。そこでは、「日本が核兵器を持つことは、法的にも現実的にも人道的にもできません」「核に頼らない世界を実現することこそ、日本に求められる本当の強さです」と明確に表明しました。この2度目の投稿は848万回以上閲覧され、「いいね」は9万5千件、リツイートは2万8千件に達しました。現職の政治家がSNS上でここまで強い立場を公にすることは珍しく、反響の大きさを物語っています。🔶現職政治家の発信が持つ意味ですライブ配信ディレクターの斉場俊之さんは、この発言について「市長という肩書きだけでなく、一人の政治家として譲れない思いを示した。政治家が自らの言葉で立場を明確にすることは、SNS時代において非常に意義がある」と語ります。現職の政治家は支持層や立場への配慮から、賛否を分けるテーマへの発言を避けがちです。しかし今回、大西市長はその“踏み込まなさ”の壁を越えました。🔶賛否を分けた「2つの現実」です斉場さんは、大西市長の発信によって2つの現実が可視化されたと指摘します。核のない世界という理想は追い続けるべきものであること国際社会の摩擦や対立の中で、安全保障のための力を求める現実があること「誰も核兵器を“良いもの”とは思っていない。なくせるならなくしたい。ただし世界情勢の中で『持たなければ守れない』という意識も根強いです」と斉場さんは話します。🔶避けて通れない議論です核兵器をめぐる議論は、平和な日常の中では意識されにくいものです。しかし、現実的な安全保障を考えれば避けて通れないテーマです。「重要なのは、この議論が分断を生まないことです。互いを否定し合うのではなく、異なる立場からより良い答えを探ることが大切です」と斉場さんは強調します。🔶SNSが議論の場になる時代ですSNSは時に“石の投げ合い”の場になりますが、それでも多様な意見を交わす貴重な空間です。スマートフォン1つで誰もが平和について語り合える場でもあります。「小さな声でも集まれば大きな力になります。自由で多様な意見交換の中から、未来に向けた新しい答えを見つけていきたいです」と斉場さんは語ります。出演:ライブ配信ディレクター 斉場俊之聞き手:RKKアナウンサー 後生川凜
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終戦80年の夏に観る、心を揺さぶる3本の話題作~「長崎~閃光の影で~」「入国審査」「ジュラシックワールド/復活の大地」
終戦80年の夏に観る、心を揺さぶる3本の話題作🔷 若き命が見た“地獄”──『長崎 ~閃光の影で~』2025年の今年、終戦から80年を迎える8月に、戦争の記憶を呼び起こす1本の映画が公開されました。『長崎 ~閃光の影で~』(8月1日公開)は、原爆投下直後の長崎で、負傷者の救援に奔走した3人の看護学生の手記をもとに描かれた実話ベースの作品です。爆心地にほど近い町で、それぞれの家族の安否もわからぬまま、命の現場で懸命に働いた10代の少女たち。助けられる命と、救えなかった命のはざまで葛藤し、泣きながらも成長していく姿が丁寧に描かれています。主演は若手実力派女優・菊池日菜子。彼女のインタビューでは、鋭い思考力と深い感受性が光っており、23歳とは思えない成熟した言葉に驚かされました。演技にもその深みが感じられます。監督は長崎出身の松本准平。自身の故郷への想いと、世代を越えて語り継がれるべき記憶を、映像として見事に再現しています。▶︎公式サイトはこちら👉 https://nagasaki-senkou-movie.jp/🔷 空港の密室で試される“ふたり”の真実──『入国審査』同じく8月1日に公開された『入国審査』は、心理的な緊迫感が支配するサスペンス映画です。舞台はトランプ政権下のアメリカ。スペインから移住を試みた若いカップルが、ニューヨークの空港で思わぬ事態に直面します。入国審査の場で突如、別室に連れて行かれた2人。そこで待ち受けていたのは、次々とプライバシーに踏み込む質問の嵐。やがて、互いに隠していた事実や本音が浮かび上がり、2人の関係性が静かに揺らいでいきます。上映時間はわずか77分。にもかかわらず、詰め込まれた内容の密度と心理描写の鋭さには圧倒されるほどです。実際に監督自身が入国審査で経験した理不尽さをもとにした作品ということで、そのリアリティにも注目が集まっています。▶︎公式サイトはこちら👉 https://movies.shochiku.co.jp/uponentry/🔷 恐竜、再び。陸・海・空で繰り広げられる壮大な冒険──『ジュラシックワールド/復活の大地』この夏、親子で楽しめる超大作として注目されているのが、『ジュラシックワールド/復活の大地』(8月8日公開)です。シリーズ通算7作目にあたる本作は、原点回帰ともいえる展開が魅力。舞台は初代『ジュラシックパーク』の島。心臓病の新薬開発に必要な恐竜のDNAを採取するという極秘ミッションを背負った女性工作員と科学者たちが、未知の恐竜世界に挑みます。注目は、陸・海・空すべての環境に生息する三大恐竜たち。特にオープニングの海中シーンは、スティーヴン・スピルバーグ監督による第1作を彷彿とさせる臨場感で、映画ファンにはたまらない演出です。主演のスカーレット・ヨハンソンが銃を構え、恐竜に立ち向かう姿も印象的。女性ヒーローの時代を象徴するようなカッコよさが、スクリーンで鮮やかに映えます。▶︎公式サイトはこちら👉 https://www.jurassicworld.jp/🔶 この夏、映画館で“記憶”と“冒険”に出会う戦争の悲劇を見つめ直す作品、現代社会を鋭く切り取るサスペンス、そしてド迫力のアドベンチャー。ジャンルは異なれど、心に残る作品が揃った8月の映画館。暑さを忘れて没入できる珠玉の3本。ぜひ、涼しい映画館でご体感ください。🎤 解説:上妻祥浩 🎙 聞き手:江上浩子
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見えてきた「自由の揺らぎ」――日本学術会議の組織変更をめぐって読み解く、政治と学問の危うい関係
🔶静かに成立した“重大法案”通常国会の終盤、日本学術会議を特殊法人に移行する法律が2025年6月11日に成立した。自民党・公明党・日本維新の会の賛成多数によって可決されたこの法案は、2026年10月の施行をもって、戦後75年近く「国の機関」として存在してきた学術会議の在り方を大きく変える。一方でこの法改正に関するメディアの扱いは限定的であり、多くの国民がその本質に触れる機会を持たないまま、重要な節目が通過していった。🔶 端緒は“6人任命拒否”問題この問題の発端は2020年、当時の菅義偉首相が日本学術会議の会員候補105人のうち、6人の任命を拒否したことに遡る。従来の政府見解では、学術会議から提出された候補者は"形式的に"首相が任命するのが慣例とされてきた。菅首相は「総合的・俯瞰的観点から」とのみ説明し、それ以上の理由は明かさなかった。この曖昧さが「学問の自由の侵害」として多くの学者・市民の批判を呼んだ。「理由を言わないことが最大の問題。説明責任を放棄することで、学者に“忖度”を促すような空気が生まれてしまう」――と、宮脇利充さんは警鐘を鳴らす。🔶恐怖による支配構造と“政治忖度”の懸念理由なき拒否は、政府にとって都合の悪い学者を排除する“サイン”にもなり得る。中国での事例(企業関係者がスパイ罪で拘束され、その根拠が不透明なまま重罰を受けるケース)を引き合いに、宮脇さんは「恐怖による自己規制が広がる構図は、民主主義にとって非常に危険だ」と指摘する。「このままでは、学問の独立性が損なわれ、政権の顔色を伺う研究者が増えてしまう可能性すらある」🔶日本学術会議の本来の役割とは学術会議は1949年、第二次世界大戦で科学が軍事に利用された反省から誕生した。「軍事研究は行わない」という立場を堅持しつつ、政府に対して科学的知見から勧告や提言を行う、独立性の高い組織として存在してきた。「学者の役目は政府の下請けではない。人類全体の幸福のために、真理を追求し続けること」――宮脇さんの言葉は、学術会議が果たしてきた歴史的背景を物語る。🔶法改正の“実質的な中身”とは?今回の法改正では、以下の変更点が含まれている:会員数の拡大(210人 → 250人)任命主体の移行(首相から会議へ)勧告権の維持財政支援の継続一見、自由度が増したかのように見えるが、実態は異なる。新たに加わる“外部識者”による選考介入、首相による監事と評価委員の任命など、政府による影響力の強化が進む。「外から見ると良い改革のように見えるが、中身を見れば“支配構造の強化”ともとれる内容。これが将来的に学問の自由を脅かさないかどうか、慎重な監視が必要だ」🔶アカデミズムと政治の距離感学術・科学・メディアへの圧力は、海外でも見られる。宮脇さんは「アメリカのトランプ政権を例にとっても、まず最初に攻撃されるのはメディアと学問だった」と話す。「科学的知見が権力にとって“不都合な真実”であるとき、それを封じ込めようとする力が働く。それは民主主義社会の健全性を蝕む第一歩になる」“自由”の本質は、異なる意見が共存できることにある。日本学術会議の制度改正が、学問の自由と政治の距離にどのような影響をもたらすのか。いま改めて、私たち一人ひとりがこの問題に目を向けるべき時期に来ている。聞き手:江上浩子(RKKアナウンサー)話し手:宮脇利充(元RKKアナウンサー)
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エラーとノイズが育む“偶然の力”——「自分のことを一番わかってくれるのはChatGPT…」
熊本市立出水南中学校 校長・田中慎一朗さんが語る、夏休みの本質的な価値「思ったようにいかないこと」「期待した返事が返ってこないこと」「理由もなくうまく進まないこと」。こうした“エラー”や“ノイズ”は、できれば避けたいものとして扱われがちだ。しかし田中慎一朗さんは、「むしろそれこそが人を育てる」と語る。🔶生成AIが“一番わかってくれる”という時代近年、生成AI、とりわけChatGPTに代表される対話型AIが、若者の相談相手になっているという。田中さんによれば、中高生の中には「自分のことを一番わかってくれるのは友達でも親でもなく、スマホの中のChatGPTだ」と感じる生徒が少なくないという。「音声入力で会話する中で、ChatGPTはユーザーの“好み”や“言葉の傾向”を学びながら、もっとも心地よい返答を返してくれます。ある意味、自分の分身と対話しているようなものです」AIは否定せず、評価もせず、ただ自分の言葉を“整理して返してくれる”。これは心理カウンセラーが実践する“傾聴”とよく似ているという。だからこそ、生成AIとの対話は心地よく、孤独の癒やしにもなりうる。🔶 だが、世界は“自分の枠”の外にあるただし田中さんは、そうした“心地よさ”だけに浸っている危うさにも触れる。AIとの対話はあくまで自分の枠内に閉じた世界。そこには偶然の出会いや、違和感、不快感といった“摩擦”が存在しない。「なぜアナウンサーになったのか」「なぜ教員になったのか」と問われたとき、私たちの多くは“偶然の出会い”や“予期せぬ経験”をきっかけに、人生の進路を決めている。田中さん自身も、かつて「教員なんて絶対なりたくない」と思っていたが、たまたま目にした“夏休みの宿題の表紙の海の写真”がきっかけで、海外の日本人学校で働きたいと思うようになり、教職の道へと進んだのだという。「きっかけはジグソーパズルのピースのように、何気ない日常に転がっているんです。ノイズやエラーといった思わぬ出来事の中に、人生を変える出会いがあるかもしれない」🔶 エラーは「成長の素」。ノイズは「飛び出す契機」人は誰かと関わる中でこそ、違いや不快感に出会い、自分の価値観を揺さぶられる。田中さんはそれを「怒りや悲しみといった感情は、厄介だけれども、その感情があるからこそ新たな行動が生まれる」と表現する。生成AIとの対話では、そうした感情が起こりにくい。逆に人と人とのリアルな関わりでは、“嫌な気持ち”や“衝突”もつきものだ。しかし、そこからしか得られない発見があるのだ。「感情的になることを恐れず、違和感を大事にしてほしい。それが新しい自分や価値観との出会いになるはずです」🔶夏休みこそ、“無駄に挑戦”する時間を夏休みは、自由な時間が多く、普段はできないことに挑戦できる季節。田中さんは、「だからこそ、AIの中にとどまるのではなく、あえて“無駄なこと”や“関係なさそうなこと”に飛び込んでみてほしい」と語る。「トライ&エラーとよく言いますが、エラーを恐れず、“挑戦そのもの”を楽しんでほしい。むしろエラーやノイズこそが、自分の人生を深めてくれる“宝”になる可能性があるのです」ChatGPTは確かに便利で、自分を理解してくれるように感じる。しかし、自分の世界を広げるのは、いつだって“外側”にある体験なのだ。—話し手:熊本市立出水南中学校 校長 田中慎一朗聞き手:江上浩子
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混雑嫌いの斉場俊之さん、『大阪・関西万博』を体験レポート
ライブ配信ディレクターでラジオパーソナリティの斉場俊之さんが、自他ともに認める「混雑嫌い」の性格を持ちながらも、2025年に開催中の大阪・関西万博を訪問。今回は「混雑が嫌いなサイバーが万博に行ってみた」というテーマで、自身の体験を振り返りながら、万博の魅力や注意点を語った。🔶 並ばない万博は本当か?実際は…「並ぶのが大嫌い」と話す斉場さんは、比較的空いているとされる7月の平日を選んで万博会場へ。朝9時の入場を目指し、開場30分前に到着したものの、入場ゲートを通過するまでに約40分、全体で70分ほどの待機時間がかかったという。「日陰がほとんどないので、帽子と水分は必須」と語るように、炎天下での待機には注意が必要だ。一方、11時や12時の入場枠では比較的スムーズに入場できる傾向もあるとのこと。ただし、万博では入場時間帯ごとに入場者が制限されるため、早い時間に入ると比較的空いた状態で会場内を回れるというメリットもある。事前予約は2ヶ月前と7日前の抽選による2回のチャンスのみで、最大2つのパビリオンしか予約できない。また、当日や3日前からの先着順予約はほとんど埋まっているのが現状だ。「結局、並ぶことを前提に楽しんだほうがストレスが少ないかもしれません」と斉場さんは率直な感想を述べた。🔶 「大屋根リング」は圧巻。回り方のコツも伝授「まず目を引くのが、世界最大級の木造建築とされる『大屋根リング』です」と語る斉場さん。全長約2キロメートルのリング型構造物は、万博会場の中心を囲み、その上に登れば会場全体を一望できる。「私はその大きさに圧倒されて全部は回れませんでしたが、建築物としての迫力は本当に圧巻でした」また、会場は日陰が少ないため、こまめな水分補給と帽子の着用が欠かせない。給水ポイントや自動販売機も設置されているので、活用しながら無理のない行動を心がけたい。🔶 並ばないコツは「空いているところに入る」「私は基本的に、行列が少ないパビリオンを見つけたら迷わず入るスタイルでした」と語る斉場さん。人気施設に固執せず、そのとき空いている場所を優先することで、館内で過ごす時間を最大化し、暑さ対策にもなるという。特に、聞き慣れない国や中小の国々のパビリオンに足を運ぶことで「こんな国があるんだ」と多くの学びが得られたと語る。また、複数の国が共同出展している「コモンズ館」では、次々と多国の文化に触れられる“プチ世界旅行”のような体験ができたという。「それぞれのパビリオンに入ると、その国ならではの香りが漂ってくるんです。お香だったり食べ物の香りだったり。五感で楽しめるのが万博の醍醐味です」🔶「映像だけでは物足りない」というリアルな感想今回の万博では、多くのパビリオンで映像コンテンツが主軸となっていた印象を受けたという。「炎天下で並んで、入ってみたら映像を見るだけ。私は映像に関わる仕事をしているからこそ、もっとリアルな体験や本物に触れる仕掛けがあってほしかった」実際、イタリア館のように本物の美術品が展示されていたり、音楽やダンスなどの“体験”ができる施設には来場者が多く集まっていた。「みんな目が肥えてるんだと思います。本物やリアルな体験に価値を感じているのがよくわかりました」🔶 現実と夢が繋がる万博に企業館では未来的な展示が多く並び、「こんな未来が来るといいな」と思えるような内容もあるが、斉場さんは「夢の提示だけでなく、今の課題とどう繋がるのかを示してほしい」と感じたという。「交通問題や地域の課題に取り組む立場として、もう少し現実に寄り添った内容があると、未来への説得力が増すのではと思いました」🔶 地理の教科書を片手に、万博へ最後に斉場さんは「地理の教科書を読んでから行くと、より楽しめるかもしれません」と締めくくった。万博はまさに“生きた世界地図”。混雑が苦手という自分の殻を破って飛び込んだことで、多くの新しい発見や学びを得られた今回の体験。読者にとっても、万博の楽しみ方を見つけるヒントとなるはずだ。🔵ライブ配信ディレクター:斉場俊之さん🔵聞き手:江上浩子
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【今月の映画案内】坂の町・長崎から戦後の沖縄、そして昭和の疾走感へ――舞台劇原作映画の奥深さ
解説:上妻祥浩(映画解説研究者)/聞き手:江上浩子🔶 長崎の街を舞台に描く静かな再生の物語『夏の砂の上』(7月4日公開)👉 公式サイトはこちら:https://natsunosunanoue-movie.asmik-ace.co.jp/舞台は坂の町・長崎。事故で幼い息子を失い、妻(松たか子)とも別居中となった主人公・小浦治(オダギリジョー)は、仕事も失い、人生の袋小路に立たされています。そんな彼のもとに現れるのが、妹・阿佐子(満島ひかり)の娘である姪・優子(髙石あかり)。事情があり、彼女を一時的に預かることになったことで、思いがけない二人暮らしが始まります。この作品は、坂や階段、路面電車など長崎の“日常の風景”が丁寧に描かれており、観光地としての長崎ではなく、“暮らしの長崎”を体感できるのが魅力です。共演は森山直太朗(元同僚・陣野)、高橋文哉(優子のバイト先の先輩・立山)、篠原ゆき子(陣野の妻・茂子)、光石研(元同僚・持田)ほか、豪華なキャスト陣が脇を固めます。静かに心を動かされる再生のドラマ。この夏、ぜひ劇場で体験したい一作です。🔶沖縄の記憶に刻まれた実話――『木の上の軍隊』(7月25日公開)👉 公式サイトはこちら:https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/本作の原作は、故・井上ひさし氏が沖縄戦の実話をもとに舞台化しようとしていた未完の作品。その構想を引き継ぎ、舞台劇として完成・上演され、今回ついに映画化されました。物語の中心は、沖縄・伊江島でガジュマルの木の上に逃れた二人の兵士。戦争が終わったことを知らぬまま、二年間、木の上でサバイバル生活を続けていたという驚くべき実話がベースです。主演は堤真一(本土出身の上官)と山田裕貴(地元出身の兵士)。この対比は、本土と沖縄の関係性を象徴的に映し出し、それぞれの葛藤や希望が丁寧に描かれます。特に印象的なのは、故郷を戦場にされた地元兵・慎平の「日常を取り戻したい」という切実な思い。その叫びは、熊本地震の記憶とも重なり合い、観る者の心を深く揺さぶります。実際に2人が潜んでいたガジュマルの木は、今も伊江島に残されています。🔶伝説の爆破スリラー、50周年で蘇る!『新幹線大爆破』(7月19日よりリバイバル上映)👉 公式サイトはこちら:https://daiichieigeki.com/3891/7月19日(土)〜27日(日)、本渡第一映劇(天草)にて、1975年公開の伝説的サスペンス映画『新幹線大爆破』が35mmフィルムでリバイバル上映されます!時速80kmを下回ると爆発する爆弾が仕掛けられた新幹線。そのスリリングな展開と社会派ドラマの融合は、今なお色褪せない傑作です。犯人役を演じるのは名優・高倉健。上映料金はワンコイン500円。この貴重な機会、ぜひ天草でお楽しみください。🔶 編集後記今月は、“日常”をどう描くか、どう再構築するかが共通のテーマとして浮かび上がる作品が揃いました。長崎の坂と心の坂道を重ねた『夏の砂の上』本土と沖縄の分断を静かに問う『木の上の軍隊』昭和の列車に込められた社会の緊張感『新幹線大爆破』ぜひそれぞれの劇場で、心に残る“今月の一本”を見つけてみてください。
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「川辺川ダム」再浮上――5年目の節目に考える治水と命のあり方
2020年7月4日未明、熊本県南部・球磨地方を襲った記録的な豪雨により、球磨川流域では50名の命が奪われ、住宅やインフラにも甚大な被害が及んだ。あれから間もなく5年。地域住民は生活再建や事業の立て直しに懸命に取り組んできた。そんな中、「川辺川ダム建設」が静かに、しかし着実に再び動き出している。元RKKアナウンサーであり、かつてから川辺川ダム問題に関心を寄せてきた宮脇利充さんは、「なぜ今、ダム建設が再び進んでいるのか」「果たしてその必要性は本当にあるのか」と問いかける。🔶かつて白紙撤回されたはずのダム計画が…川辺川ダム建設計画は、2008年に当時の熊本県知事が「白紙撤回」を表明し、実質的に中止された。しかし2020年の水害を受けて、今度は「流水型(穴あき型)ダム」として再び構想が浮上した。これは、治水に特化し、通常は水をためず、豪雨時のみ水量を調整するという形式だ。2027年度には本体基礎の掘削工事に着手し、2035年の完成を目指すという。完成すれば日本最大級、あるいは「最後の大型ダム」となる可能性もある。しかし、この計画には大きな疑問が残る。🔶「同じ豪雨が再来しても、ダムでは救えない」――市民調査が突きつけた事実市民グループや専門家による調査では、2020年の豪雨で亡くなった方々の多くが、球磨川本流ではなく支流の氾濫や山腹崩壊による土砂災害によって命を落としていたことが判明している。また、豪雨の降雨域は川辺川上流とは大きく離れており、仮にそこにダムが存在していたとしても、「命は救えなかった可能性が高い」と指摘されている。それにもかかわらず、国土交通省と熊本県はこれらの調査結果に十分な応答を示さないまま、ダム建設を推し進めているのが現状だ。🔶「手続きの裏側」で進んだ国の戦略さらに注目すべきは、国交省が旧計画(多目的ダム)の廃止手続きを正式に行わなかったことだ。白紙撤回後も10年以上計画を「寝かせ」、新たなダムを「継続案件」と位置づけることで、環境アセスメント(影響評価)を回避。結果として、スピーディに新計画を推進できる道筋をつけた。これにより2023年には土地収用法に基づく「事業認定申請」まで進んでおり、建設に反対する地権者の意向にかかわらず、土地の使用が可能となる段階にまで来ている。🔶「声を上げづらくなった」地域の空気感2008年の白紙撤回時には県内外で大きな議論と盛り上がりを見せた川辺川ダム問題。しかし2020年以降、報道も少なく、地域の関心も盛り上がっているとは言いがたい。その背景には、国交省が「ダムがあれば人吉市周辺の浸水範囲は6割減少した」と発表したことがある。多くのメディアはこれをそのまま報じ、「ダムがあれば救われた命があったかもしれない」という空気が広まった。「声を上げづらくなった」というのは、かつて環境保全を訴えていた住民や団体の率直な気持ちだ。自分たちの行動が、あの被害と関係していたのでは――という悔恨のようなものが、声を押し殺している。🔶今、本当に必要なのは何か?「穴あきダム」であっても、川の自然環境は大きく変わる。山の崩壊や支流の氾濫が主因であることがわかっている今、約4900億円とも言われる巨額の予算を「山林の再生」や「地域の防災力強化」に投じる方が、よほど効果的ではないか――。宮脇さんはそう訴える。「川辺川ダム建設が進む今こそ、再び私たち一人ひとりが考えるべき時です。『本当に命を守る方法とは何か』を、冷静に、丁寧に、向き合っていく必要があるのではないでしょうか」ゲスト:宮脇利充さん(元RKKアナウンサー)聞き手:江上浩子
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「褒める」とは何か――子どもの強みを引き出すためにできること
🔵「褒める」とは何か――熊本市立出水南中学校校長・田中慎一朗さんに聞く「褒める」という行為は、子どもの成長や自信を育む上で重要だと広く言われています。しかし、その褒め方や意図次第では、子どもの心に届かないどころか、逆効果になることさえある――。熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、「褒めるとは何か」について、私たち大人が改めて考える必要があると語ります。🔶褒めることは「伸ばす前提」になっていないか私たちはしばしば、「褒めて伸ばす」という表現を使います。これは一見、子どもの良さを引き出すポジティブな姿勢に見えます。しかし田中校長は、この「伸ばす前提」の褒め方に疑問を投げかけます。「褒めることで、子どもに何かを期待したり、伸ばそうとしたりする気持ちが先行してしまうと、子どもは『自分が本当に評価されているわけではなく、大人の意図でコントロールされようとしている』と感じることがあるのです」特に中学生は、その鋭い感受性で大人の意図を敏感に察知します。無理に褒めようとしたり、表面的な言葉で取り繕うと、むしろ反発を招くこともあるのです。🔶大切なのは「その子の努力や変化を見つける視点」田中校長は、子どもの頑張りに気づくためには、日頃からの観察と関心が不可欠だと強調します。「たとえば、45分間の授業でずっと座っていられたこと。それは、動きたくて仕方がない子にとっては大きな努力の結果なんです。その小さな変化を見つけて、『頑張ったね』『今日は落ち着いて聞けていたね』と声をかける。それが本当の意味での褒める、認めるということだと思います」褒めることは、点数や目に見える成果だけで判断するのではなく、その子の努力や成長に寄り添うこと。それが子どもにとっての「自分は見てもらえている」という安心感につながります。🔶外発的動機づけと内発的動機づけ――どちらを育むか「100点を取ったらご褒美をあげる」という外発的動機づけは、短期的には効果的かもしれません。しかし田中校長は、長い目で見れば「内発的動機づけ」、つまり子ども自身の内側から湧き上がる興味や意欲こそが重要だと言います。「知識を得ることが面白い、もっと知りたい、学ぶって楽しい――そう思えるような関わりを、日常の会話や学校の授業の中で積み重ねていく必要があります」褒めることはそのための手段であり、目的ではないのです。🔶大人自身が「リスペクト」をもって接する姿勢を田中校長自身、「自分ができないことを、子どもができている場面に出会うことがある」と言います。そんなときこそ、「すごいね、それどうやってるの?」と素直に尋ね、リスペクトを示すことが大事だと話します。「褒めるために無理にポイントを探すのではなく、その子の良さ、強みを認め、リスペクトする。そうした積み重ねが、子ども自身の自信や次の挑戦への意欲につながると思うのです」🔶普段からの関わりが、褒める力になる最後に田中校長は、こう結びます。「子どもたちは、大人の言葉や視線をとてもよく見ています。だからこそ、日々の関わりの中でその子を知り、小さな変化や努力に気づいて声をかけてほしい。それが子どもたちの心に届く“褒める”ということなんです。ぜひ、子どもたちと対話を重ね、認める言葉をかけてあげてください」「褒める」とは、子どもを育てるだけでなく、大人自身の成長を促す営みでもあるのかもしれません。出演熊本市立出水南中学校校長・田中慎一朗さん聞き手:江上浩子
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渋滞を嫌って自転車に乗り始めたら…人生初のレースに出場することに ――人生は思わぬ展開へ 壱岐島での50キロ完走を語る
🔵ニュース515+plusのコメンテーターとしておなじみの斉場俊之さんが、思いがけず「自転車レースデビュー」を果たしました。きっかけは、日々の生活における渋滞ストレスからの脱却。気軽に利用できるシェアサイクル「チャリチャリ」から始まった自転車生活は、ついに海を越えて長崎県・壱岐島でのレース出場へとつながりました。🔶「ツール・ド・壱岐島」――島全体がサーキットになる一大イベント斉場さんが挑んだのは、6月8日に開催された「ツール・ド・壱岐島(壱岐サイクルフェスティバル)」。1989年から続く歴史ある大会で、今年で第37回を迎えました。一般市民も参加できる本格的なレースであり、当日は島内の道路が完全封鎖され、交通規制のもと自転車だけが走行を許されるという、まさに“島がサーキットになる”特別な一日です。全長50キロのコースを、斉場さんは見事1時間52分で完走。「スポーツとは無縁の人生だった」という本人の言葉からも、その達成感はひとしおだったようです。🔶島全体で支え合う応援と安全の仕組み「沿道には、消防団の方や島民の皆さんがずっと立って応援してくださっていて、あの声援がなかったら完走はできなかったかもしれません」スタート前は緊張で心拍数が上がっていたという斉場さんですが、島民の温かな応援に心が落ち着き、走るリズムを取り戻せたと語ります。競技中に沿道の人々に手を振り返す余裕もあったとのこと。地域をあげてのこの大会は、競技者だけでなく、島全体が一つの空気で包まれる“お祭り”でもあります。🔶52歳の挑戦「成長するって、まだできるんだ」今回のレースに向けて、斉場さんは1か月間にわたるトレーニングを積んだそうです。坂道の多いコースに備え、菊池や山鹿の山道でアップダウンを意識した走行を重ね、「少しずつ速くなっていく自分」に驚きと喜びを感じたと言います。「この年になると“成長”ってなかなか実感しづらい。老化の方が気になる年齢だけれど、努力すれば成果は出る。何かを始めるのに年齢は関係ないと実感できました」年齢を重ねてなお、新しい挑戦の中で自分をアップデートできるという体験は、きっと多くの人の背中を押すでしょう。🔶自転車の楽しさ、そして危険性への意識元々は渋滞回避のための移動手段だった自転車。斉場さんは、今回の経験を通してその「楽しさ」自体に目覚めたと言います。「サーキット化された道路を、ノンストップで全力で漕ぐ。普段の生活では決してできない体験でした。気持ちよかったですね」一方で、スピードが出る分、危険性への注意も必要だと強調します。レース中には転倒者も出ており、日常の走行では特に、交通ルールの遵守やヘルメットの着用といった安全対策が重要であると呼びかけました。🔶きっかけは「渋滞が嫌」でも、人生は思わぬ展開へ「まさか自分がレースに出るなんて思ってもいなかった」という斉場さん。だからこそ、「自分には向いていない」と決めつけず、興味がわいたことには一歩踏み出してみてほしいと語ります。「うまくいかなかったら途中でやめてもいい。でも、やってみると案外自分に合っていることってあるんです。僕は来年もまた壱岐に行って、2回目の挑戦をしたいと思っています。よかったら皆さんも一緒に行きませんか?」斉場さんの挑戦は、「変化を恐れずに踏み出す勇気」が新たな景色を見せてくれることを教えてくれます。次はあなたの番かもしれません。
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映画から広がる心の旅――『国宝』『フロントライン』『囁きの河』をめぐって
映画解説研究者の上妻祥浩さんを迎え、6月に公開される注目の日本映画3本をご紹介いただきました。いずれも異なるテーマを持ちながら、観る者に深い感動と気づきを与えてくれる力作です。🔶吉田修一原作の大作『国宝』――歌舞伎の美と闇に迫る壮大な人間ドラマ(6月6日公開)👉 公式サイトはこちら https://kokuhou-movie.com/まず紹介されたのは、6月6日公開の映画『国宝』です。直木賞作家・吉田修一の同名小説を原作とした大作で、吉沢亮と横浜流星という豪華なW主演が話題となっています。物語は、長崎のヤクザの親分の息子として生まれた少年が、偶然にして歌舞伎の才能を見出され、上方歌舞伎の大御所(渡辺謙)に引き取られ育てられるところから始まります。そこには、すでに渡辺の実の息子(横浜流星)もおり、2人は兄弟のように芸を磨き合い、互いに切磋琢磨していきます。厳しい芸の世界で生きる苦悩と誇り、そして「どちらが主役を張るのか」といった葛藤が描かれ、物語は歌舞伎の美しい舞台裏とともに、深い人間ドラマとして展開します。吉沢亮は「この作品は自分の代表作になった」と語っており、1年半に及ぶ徹底した役作りで歌舞伎役者としての所作や発声を習得。本作のクオリティの高さを物語っています。また、寺島しのぶ演じる渡辺謙の妻も見逃せません。歌舞伎の家に生まれた彼女ならではの迫真の演技で、複雑な家族関係を繊細に表現しています。🔶『フロントライン』――未知のウイルスと闘った医療現場の記録(6月13日公開)👉 公式サイトはこちら https://wwws.warnerbros.co.jp/frontline/続いては、6月13日公開の『フロントライン』。2020年初頭、新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」を舞台に、医療関係者たちの奮闘を描いた実話ベースの作品です。未知のウイルスに直面した最前線の混乱と葛藤を、リアルな描写で映し出しており、当時の緊張感と命を守る責任の重さを改めて思い出させてくれます。出演は小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介など、いずれも実力派揃い。ヒーロー出身の俳優も2人おり、安心感と説得力を同時に感じさせてくれます。手探りの中で築かれた対応策が、後の日本の感染症対策に繋がっていく過程は、今だからこそ落ち着いて振り返ることのできる貴重な映像資料でもあります。🔶『囁きの河』――水害を越えて希望を描く熊本発の物語(6月27日 熊本ピカデリーで先行公開)👉 公式サイトはこちら https://sasayakinokawa-movie.com/最後に紹介されたのは、2020年に熊本県南部を襲った豪雨災害を背景にした映画『囁きの河』。6月27日に熊本ピカデリーで先行公開される本作は、実際の被災地・人吉球磨を舞台に、全編オールロケで撮影された「熊本の手作り映画」として注目を集めています。主演は人吉市出身の俳優・中原丈雄。水害で家族や大切なものを失った人々が、それでも希望を見出しながら明日へと歩んでいく姿を、静かに、そして力強く描いています。上妻さんは「自身の親戚も人吉におり、幼い頃から何度も被災してきた」と語り、この作品がいかに現実に根ざしたリアリティを持っているかを強調しました。また、俳優・中原丈雄の出演で作品に深みと落ち着きをもたらしています。現在も水害の爪痕に苦しむ方がいる中で、本作は「再生」や「共に生きる」ことの大切さを優しく伝えてくれます。熊本に暮らす方々にとっては、特に胸に響く作品となるでしょう。3本の作品に共通するのは、人間の弱さと強さを見つめ、そこから生まれる希望を丁寧に描いている点です。どれも一過性の話題ではなく、観た人の心に残る、深い余韻をもたらす作品ばかり。気になる一本があれば、ぜひ劇場で味わってみてはいかがでしょうか。(聞き手:江上浩子)
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崩壊の危機にある“国選弁護制度”——報酬の低さと地方の人材不足が招く司法の空洞化
「国選弁護制度は崩壊するのか」——。これは熊本県弁護士会会報の4月号に掲載された、板井俊介弁護士による寄稿記事のサブタイトルである。衝撃的ともいえるこの言葉は、いま国選弁護制度が直面している厳しい現実を鋭く突いている。本稿では、熊本県を例に挙げながら、国選弁護制度の現状とその背景にある構造的な課題について解説する。🔶 国選弁護士の「担い手」が足りない国選弁護士とは、経済的に私選弁護士を依頼できない被疑者・被告人に対し、国の費用で付けられる弁護人のことだ。憲法第37条にも明記されている「刑事被告人の防御権」を保障するために欠かせない制度である。しかし熊本県では、こうした国選弁護を引き受ける弁護士の登録者数が激減している。例えば、休日当番制を維持するためには、最低でも月に40人の弁護士が必要だが、2024年度の登録者はぎりぎりの40人。2025年度はさらに減ると見られている。日中にも国選案件が入るため、登録弁護士たちは常に複数の案件を同時に抱え、過密な業務に追われている。🔶 報酬の低さが直撃登録者の減少には、報酬の低さという大きな要因がある。たとえば熊本市から離れた八代や人吉、天草の警察署へ接見に行く場合、往復で4時間以上を要し、接見の待機時間を含めれば「半日~1日がかり」の業務になる。しかし、報酬は1回の接見につきおよそ2万円。しかも、被疑者段階での接見には上限があり、最大で8万円しか支払われない。起訴後の接見には一切の報酬が出ない。否認事件ともなれば、接見の回数や時間は増加する上、被害者との示談や賠償対応などで弁護士の業務負担はさらに重くなる。それでも報酬は据え置かれたままなのだ。さらに外国人被疑者の場合は、通訳の確保やスケジュール調整といった、通訳人との調整業務まで弁護士が一手に担うことも少なくない。🔶 弁護士数は増えているのに…不思議に思うかもしれない。熊本県の弁護士数は20年前の約100人から、現在では約300人へと3倍に増えている。それにもかかわらず、なぜ国選弁護の担い手は増えないのか?その理由は、事件数が増えていない一方で弁護士が増加したため、1人あたりの収入は事実上半減しているという経済的事情がある。弁護士の多くは個人事業主であり、生活のためにはより利益の見込める案件を優先せざるを得ない。国選事件のような低報酬・高負担の業務は敬遠されがちなのだ。国選弁護の報酬を支払っているのは、法テラス(日本司法支援センター)である。ところが、その職員には検察庁からの出向者も多く、弁護士側の実情が十分に理解されていないという指摘もある。また、法テラスが報酬単価を改定するには、法務省を通じて財務省から予算を確保する必要があるが、防衛費が倍増する一方で、司法予算にはなかなか資金が回らないのが現実である。🔶 地方と都市の“司法格差”国選弁護の担い手不足は、地方ほど深刻だ。東京、大阪、名古屋といった大都市圏や、札幌・仙台・広島・高松・福岡といった高裁所在地の都市では比較的制度が維持されているが、それ以外の地方都市では熊本と同様の危機に直面している。新人弁護士の就職先においても地域差が顕著である。2025年に誕生した新人弁護士1564人のうち、約67%が東京に就職。秋田や高知など、8つの地方弁護士会では就職者がゼロだった。熊本でもわずか8人にとどまる。これは“司法の一極集中”を意味しており、地方の弁護体制が今後さらに弱体化していく恐れがある。🔶 この制度が崩れれば、冤罪が増える国選弁護制度の存在意義を忘れてはならない。それは「すべての人に、適切な法的防御を受ける権利を保障する」という、司法の根幹に関わるものである。これは憲法第37条にも明記された国民の権利である。そしてこの制度が機能しなくなれば、もっとも深刻な影響を受けるのは経済的弱者であり、過去の冤罪事件の多くも、そのような立場に置かれた人々が巻き込まれてきた。適切な弁護活動がなされるためには、適正な報酬制度が欠かせない。これは単に「ボランティア精神」に頼っていい問題ではない。🔶 志ある弁護士が活動を続けられる社会に板井弁護士は、国選弁護の現場で得た経験こそが、民事事件にも活かされるとし、自身も今後も関わっていきたいと述べている。その志を支えるには、「制度としての持続可能性」が必要であり、いままさにその基盤が揺らいでいる。地方における弁護士不足と国選弁護人の減少は、「他人事」ではない。国民一人ひとりの司法アクセスを守るためにも、制度の再設計と資源配分の見直しが求められている。解説:宮脇利充(元RKKアナウンサー)聞き手:江上浩子
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イスラエルはなぜ「苛烈な国家」になったのか ― ガザ攻撃の実態と“見えない”構造を読み解く ―
🔶「ガザ全域制圧」発言に感じた強い違和感5月19日、イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ自治区・ガザに対する軍事作戦について「全域の制圧を目指す」とビデオ演説で宣言しました。これを受けて、元アナウンサーの宮脇利充さんは、こう語ります。「そもそもこの作戦の目的は、ハマスの壊滅と人質の奪還だったはず。なのに、今ではその目的から逸脱して“パレスチナ人の大量虐殺”としか言えない現状が続いています」🔶数字が語る、破壊と殺戮の深刻さ2023年10月7日、ガザ地区からハマスの戦闘員およそ3000人がイスラエルに侵入し、民間人ら約1200人を殺害、250人を人質にした――。すべてはそこから始まりました。しかし、それから1年8ヶ月。イスラエル軍による空爆や地上攻撃で、ガザの死者は5万3655人(2024年5月時点)。負傷者12万1950人、行方不明者1万4000人とも報道されています。これに加えて、医療や食料の欠乏による二次的な死者を含めると、20万人を超えている可能性もあるといわれています。🔶なぜ国際社会は沈黙するのか?宮脇さんが強く訴えるのは「国際社会の無関心」です。「欧米各国は、なぜここまで沈黙しているのか? なぜイスラエルに対して強く物申さないのか?」この問いに答えるヒントを求めて、宮脇さんは一人の歴史学者に注目しました。その名はイラン・パペ。イスラエル出身で、現在はイギリス・エクセター大学の教授を務めています。🔶“シオニズム”という国家思想の根イラン・パペ氏が語るのは、イスラエル建国に貫かれる「シオニズム」という思想です。それは一言で言えば、「パレスチナの土地に、ユダヤ人の国家をつくるために、先住民であるパレスチナ人を排除する」という、植民地主義的な思想でした。「これは“搾取”型の植民地ではなく、“排除”型の植民地主義。つまり、パレスチナ人をその土地から追い出して、空間ごとユダヤ国家に作り替えるということなんです」(パペ氏)🔶民族間の断絶と差別の構造パペ氏によれば、イスラエル建国当初、ユダヤ人を多数派にするために、中東・北アフリカ出身のアラブ系ユダヤ人がイスラエルに呼び寄せられました。ところが彼らは、欧州系ユダヤ人から「非近代的で野蛮だ」と差別され、社会的な承認を得るためにパレスチナ人に対して過激になる傾向があったといいます。🔶その構造が、暴力の連鎖を生み、社会の中で正当化されていった――。こうした歴史的背景が、今のイスラエル社会の主流思想「シオニズム」を支えているのだと分析しています。🔶教育と軍事が暴力を“正当化”するイスラエルでは、18歳から徴兵制が始まり、若者たちは軍隊で教育を受けます。「そのなかで“パレスチナ系住民に対しての暴力は正当だ”と刷り込まれていく。これが暴力容認の風土を生む要因になっている」と宮脇さん。加えて、メディアや政治の影響力を持つ保守系の支持基盤が、こうした暴力構造をさらに強化しているのだと語ります。🔶日本人の私たちにできること「この問題、私たちには関係ない」――そう思ってしまいがちですが、宮脇さんはこう語ります。「ロシアのウクライナ侵攻のとき、多くの日本企業や市民がロシア製品のボイコット運動に参加しましたよね。実は、イスラエルに対しても同じような動きがあります」その名も、BDS運動(Boycott, Divestment, and Sanctions)。イスラエルによるパレスチナ占領に反対し、不買・投資撤退・制裁を求める国際的な運動です。「BDS運動については、インターネットで調べればすぐに情報が出てきます。小さな行動かもしれませんが、それが大きな流れにつながるかもしれません」🔶子どもたちの未来に、関心と想像力を「イスラエルという国は、もともと“自分たちの安心できる居場所を求めて”建国された国です。なのに、今パレスチナの人たちに同じ“居場所を奪う”ということをしている。この矛盾に目を向けずに、歴史を語ることはできないんじゃないかと思います」遠い国の話に見えて、私たちが目を向けるべき“いま”がある。それを静かに、しかし強く伝えてくれる宮脇さんのお話でした。お話:宮脇利充さん(元RKKアナウンサー)/聞き手:江上浩子
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ABOUT THIS SHOW
エンタメ・教育・ITの専門家が気になる話題を徹底解説!!第1金曜日・・・映画解説・研究者 上妻祥浩さん第2金曜日・・・ライブ配信ディレクター 斉場俊之さん第3金曜日・・・熊本市立出水南中学校 校長 田中慎一朗さん第4・5金曜日・・・元RKKアナウンサー 宮脇利充さん◆WEB https://rkk.jp/515news/◆メール [email protected]★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4 AM1197で、毎週金曜日 午後5時15分から放送中。是非生放送でもお聴きください。
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