PODCAST · arts
「立ち止まれる社会」プロジェクト
by cultural transition
成果や成長を追い求める「走り続ける社会」から、心の豊かさを取り戻す「立ち止まれる社会」へ——。このPodcastは、そのトランジション(移行)を探究するプロジェクトの音声番組です。フィールドワークの振り返り、ゲストとの対話、リサーチから生まれた問いを共有し、これからの時代に必要な「Cultural Breakthrough(文化的変容)」のヒントを探ります。D-LAB、Butterfly Lab、inquireの共同で運営。プロジェクトへのお問い合わせは以下のフォームからどうぞ。https://inquire.notion.site/3025def0039780f384cfdda2ca3f441e?pvs=105
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SXSW 2026の会場での「あなたの人生は早すぎるか?」という問いに集まった声から見えてきた仮説
2026年3月、テキサス州オースティンで開催されたSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)に、「立ち止まれる社会」プロジェクトとして初めて出向いてきました。今回は、ホストの松村大貴(Butterfly Lab代表/システミックデザイナー)と竹内雄哉(JT D-LAB/新規事業開発)が、コーヒーブレイク企画で約50人に投げかけた「今、世界は早すぎないか?」「あなたの人生は早すぎると感じるか?」という問いへの反応を振り返る番外編。現地に入り、パネル1枚とコーヒーで、未来志向の極みであるSXSWの参加者たちに、普段と違うモードを促す問いを差し出してきました。SXSWでも約8割が「今は速い」と感じています。ただし、日本のリサーチで見られた「立ち止まりたいけれど立ち止まれない」という受動的な切実さとは、手触りが違いました。聞こえてきたのは、「ファストもいい、でも自分でペースを選べるようになりたい」という、もっと能動的な声です。ここから見えてきたのは、「スローダウン」を上位概念の「自分でペースをコントロールできる」へと言い換えていく、メッセージの調整仮説。そして、日本では「ファストのよさ」というメッセージそのものが共感されにくい、という世代的な背景。最後に、加速と立ち止まりは対比できてもコンフリクトではなく、いかに調和させていくか——というプロジェクト初期仮説への回帰です。非連続な機会がくれたリフレクションを、テキサスのバーベキューの思い出とともにお届けします。
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歴史編・総括 ──「欠乏×不安」から「欠乏×安心」へ|シーズン2 第6回
今回は、立ち止まれる社会プロジェクトのポッドキャストが6回にわたって辿ってきた「欠乏の歴史」を俯瞰して振り返る、シーズン2の総括回です。ホストの松村大貴(Butterfly Lab代表/システミックデザイナー)と竹内雄哉(JT D-LAB/新規事業開発)が、6つの構成要素が積層して現代の「立ち止まれなさ」を作っている構造を再確認しつつ、ここから先に向けた新しい仮説、「欠乏×不安」の時代から「欠乏×安心」の時代へを語ります。椎名林檎「ありあまる富」、藤井風「満ちていく」、銭湯やSUP、京都のフィールドワーク。日常の中にある「立ち止まれる機会」の手触りから、ペースレイヤリングと文化的変容(カルチュラル・ブレイクスルー)という次の問いへと話が広がっていきます。シーズン2「歴史編」はここで一区切り。ここから先は、人文知との対話やトランジションデザインの実験など、プロジェクトを開いていくフェーズへと入っていきます。
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「欠乏×不安」の時代 ── 成長条件の崩壊|シーズン2 第5回
歴史編もいよいよ終着点、高度成長期から現在までを一気に辿ります。今回は、6つの構成要素の最後「成長条件の崩壊と希望の喪失」を扱います。戦後の高度成長期、欠乏は「希望」とセットでした。賃金は毎年上がり、三種の神器が届き、未来はもっと良くなる気がする——努力がちゃんとリターンになっていた時代です。ところがバブル崩壊で、それを支えていた条件が崩れてしまいます。人口ボーナスの終焉、実質賃金の停滞、広がる格差。欠乏は残ったまま、「希望」ではなく「不安」とくっつくようになりました。もう一つの変化がアテンションエコノミーです。地理的・物質的なフロンティアを開拓し尽くした先に残ったのは「人の脳、人の時間、人の注意」。テクノロジーがこの認知空間を奪い合い、不安を煽ることがいちばん手っ取り早く注意を引ける以上、欠乏×不安の構造はどんどん強まっていきます。ただし、これはSNS批判でも誰かを悪者にしたい話でもなくて。成長前提のシステムが変わらないまま条件だけが崩れ、みんなが合理的に動いた結果として今があります。6つ目の構成要素は1〜5と並列ではなく、土台ごと崩れた「ねじれ」です。次回は5回分の歴史をまるっと振り返ります。
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広告が作った欲望、GDPが作った前提 ── 立ち止まれないのは個人の問題じゃない|シーズン2 第4回
欠乏の歴史を紐解くSeason2も終盤。今回は「欠乏OS」の6つの構成要素のうち、4番目と5番目について触れていきます。ここからは、より現代に近い話になります。4番目は「需要の人為的創造」。20世紀初頭、PRの父と呼ばれるエドワード・バーネイズがタバコを「自由の象徴」に変えた話、リステリンが「口臭」を問題化して需要を生んだ話。広告やPRの技法が急速に発達し、「自然な需要」を超える「欲しい」が日常的に刺激されるようになっていく過程を辿ります。5番目は「成長を前提とした社会設計」。GDPはもともと戦争のために生まれた測定方法だった。それが戦後復興の中で国家ミッションの中核に据えられ、経済成長を前提とした社会保障や分配のシステムが組み上がっていく。「立ち止まれない」は個人の問題に留められない——それは社会システムの大前提になっている。ペースレイヤリングというフレームワークで構造を整理しながら、イタリアのスロームーブメントなど別の道を歩んだ国の話にも触れます。次回はいよいよ、現代の話へ。
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「測れるもの」だけの世界が動き出した、科学革命と産業革命の影響|シーズン2 第3回
前回見えてきた「進歩を善とする世界観」。では人類は、その理想に向かってどうやって歩み始めたのか? 今回は構成要素の2番目と3番目に迫ります。2番目は「世界を分解して管理する知の作法」。科学革命の時代に確立された要素還元主義——世界を時計のように部品に分けて、一つずつ解明していく方法論。数値化、定量化、仮説検証。それ自体は素晴らしい発見を生んだけれど、「欠乏の社会システム」の重要なパーツがこの時代に揃っていきます。3番目は「需要を超える供給システム」。産業革命によって人類は、自然な需要を超えるほどの供給力を手にしてしまった。すると企業や政府の関心は「どう作るか」から「どう欲しがらせるか」へ。資本家にとっての成長欲求は、お金という数値に換算されることで歯止めを失っていく——。「測れないもの、数値にできないものは、このシステムの外にあるのかもしれない」。そんな問いが浮かび上がる回です。
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進歩を善とする世界観のルーツ── 欠乏はいつ「抽象化」したのか |シーズン2 第2回
シーズン2の歴史編、今回は1万2000年前の狩猟採集時代から大航海時代・宗教改革までを一気に辿り、「欠乏の社会システム」の第1の構成要素に迫ります。狩猟採集の時代、人類は意外と豊かだった? 農耕が始まり、国家と宗教が生まれ、欠乏は「管理するもの」へ。でもこの時代、まだ「成長」は目指されていなかった——。大きな転換が起きたのは大航海時代。商業革命、フロンティア開拓、ルネサンスが重なり合う中で、欠乏は「食べ物が足りない」という具体的なものから、「理想の未来と現在のギャップ」という抽象的なものへと変わっていきます。さらに宗教改革によって、勤勉であること・進歩することが「善」として定義されていく。この「進歩を善とする世界観」は、現代の私たちの根深いところにまだ続いている——。松村と竹内が、コロナや震災をきっかけにした「立ち止まり」の話も交えながら、欠乏の起源を探ります。
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欠乏の歴史を紐解く ── 休めない社会はどうやってできたのか?|シーズン2 第1回
今回からシーズン2がスタートです。今回のテーマは「欠乏の歴史」。「もっとやらなきゃ」「まだ足りない」——そんな感覚、ありませんか? 実はこの"立ち止まれなさ"には、SNSや資本主義だけでは説明しきれない、もっと深い背景がありそうです。このエピソードでは、数千年にわたる人類の歴史をリサーチした結果見えてきた「欠乏OS」の6つの構成要素を、まずは全体像としてお話しします。進歩を善とする世界観、科学革命がもたらした知の作法、需要を超えた供給インフラ、人為的に作られる需要、成長前提の社会設計、そして希望の喪失——。個別に見ると悪いことじゃないのに、積み重なると休めなくなる。その構造って何なんだろう? という話を、松村と竹内の2人で考えていきます。次回以降、それぞれの要素を詳しく掘り下げていく予定です。
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社会システムのレベルで生じている「立ち止まれなさ」とは|シーズン1 第3回
立ち止まれる社会」プロジェクトのPodcast第3回は社会編。「立ち止まれないこと」が社会全体にどんな影を落としているのか、ホストの松村大貴(Butterfly Lab)と竹内雄哉(JT D-LAB)が語り合います。人間にはもともと、複雑な問題を単純化してしまうバイアスがある。そこに余裕のなさが重なると、スケープゴートを求める言説に流されやすくなったり、他者への寛容さが削られたりと、厄介な循環が回り始めます。松村が「システミックデザイナーとして思いのこもった回」と語るように、気候変動や社会保障、世代間の分断といった長期の課題が後回しにされてしまう構造を、二人で解きほぐしていきます。ヨハン・ハリ『奪われた集中力』やウィリアム・ブリッジズのトランジション理論にも触れながら、「賛成か反対か」の二択に乗るか、それとも考えること自体をやめてしまうか──その手前にある「ニュートラルな時間」をどう社会に埋め込めるかという問いへ。問題の構造を直視することから、変容は始まる。答えを出さない対話の続きに、ぜひ耳を傾けてみてください。
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走り続ける組織は、なぜ新しいものを生めないのか|シーズン1 第2回
「立ち止まれる社会」プロジェクトのPodcast第2回はビジネス編。「立ち止まれないこと」が仕事や組織にどう影響しているのか、ホストの松村大貴(Butterfly Lab)と竹内雄哉(JT D-LAB)がゆるやかに語り合います。AIを使えば使うほど、むしろ忙しくなってしまう──。そんな竹内のリアルな実感から話は始まり、時間に追われる日ほど創造性が落ちてしまうという「逆U字カーブ」の話題へ。新しいことを生み出してほしいと期待されている部門ほど、走らせることでその力が削がれてしまうという、ちょっと皮肉な構造も見えてきます。ほかにも、すぐに答えが出ないことに向き合い続ける力「ネガティブ・ケイパビリティ」の話や学び直したいけれど今年の評価も気になる……というリスキリングのジレンマなど、話題は多岐にわたります。「走り続ける以外に選択肢あるんですか?」という問いを、いろんな角度からほぐしていきます。
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疲労と集中力の喪失──走り続ける社会で何が起きているか|シーズン1 第1回
忙しすぎる、走り続ける社会は、私たち一人ひとりに何をもたらしているのか。『疲労社会』『奪われた集中力』『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『ハッピークラシー』などの書籍を手がかりに、集中力の低下、注意資源の枯渇、「幸せ」を追い求めることのトラップ、そして「無目的」であることの難しさと可能性について対話しました。
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「なぜ、私たちは立ち止まれないのか?」を問うプロジェクトをはじめます
「走り続ける社会」から「立ち止まれる社会」への変容を目指して、便利や効率だけでなく、遊びや余白も享受できる「心の豊かさ」を探究するプロジェクトを、テーマに共感したD-LAB、Butterfly Lab、inquireの3社が共同ではじめました。第0回は、ホストを務める松村大貴(Butterfly Lab代表/システミックデザイナー)と竹内雄哉(JT D-LAB/新規事業開発)の2人が、自己紹介を交えながら、このプロジェクトが生まれた背景や問題意識を語り合っています。この番組へのお問い合わせや感想はこちらのフォームからどうぞ。https://inquire.notion.site/3025def0039780f384cfdda2ca3f441e?pvs=105
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成果や成長を追い求める「走り続ける社会」から、心の豊かさを取り戻す「立ち止まれる社会」へ——。このPodcastは、そのトランジション(移行)を探究するプロジェクトの音声番組です。フィールドワークの振り返り、ゲストとの対話、リサーチから生まれた問いを共有し、これからの時代に必要な「Cultural Breakthrough(文化的変容)」のヒントを探ります。D-LAB、Butterfly Lab、inquireの共同で運営。プロジェクトへのお問い合わせは以下のフォームからどうぞ。https://inquire.notion.site/3025def0039780f384cfdda2ca3f441e?pvs=105
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